通いはじめ、3回の治療を受けた。今日、「治療はまだ途中で、これから3回以上の
治療が必要でしょう」と先生に言われた。それを聞いてびっくりした。「ただの虫歯の
治療だけなのに、どうして何回も病院に行かなければいけないのか?もしかして、治療
の回数を増やし、お金を沢山取るつもりなんじゃないかと思ってしまった。親切にして
くれてもこんな先生は嫌だ。とりあえず、1回だけで治療が終われる先生がいいので、
紹介してください」という相談だった。
センターにはこのような相談がしばしば寄せられている。日本で歯の治療なら、終了
するまで何回か歯医者さんに通わなければいけない。日本と違って中国では虫歯の治療
は大体1、2回で済む場合が多く、何回もしかも長い間通うことは中国人にとってはと
ても不可思議なことだ。相談者にその違いについてを説明し、今通っている先生に治療
の回数を減らすよう相談してみて下さいと助言したら、「まあ、親切な先生だったの
で、ちゃんと自分の都合を説明し、早く治療が終われるよう相談してみる。」と言い、
電話を切った。その後電話がなかったため、うまくいったのかもしれない。
こちらでは他の病院の紹介はできるが、患者の状態を診ないとどういう治療ができる
かあるいは点滴をしてくれるかどうかは断言できない。以前の病院でもきっと先生が状
態を診て、点滴をしなくても良いと判断したのだろう。他の病院に行って最初から検査
を受けるより、もう一度以前かかった病院に行き、薬を飲んだがまだ治っていないこと
を先生に相談してみてはと助言したら、もう一度行ってみると言い電話をきった。数日
後、Aさんから再び電話があった。「先日はお世話になった。もう一度その病院に行っ
た。先生に自分の思ったことを言い、相談したら点滴をしてくれた。風邪も治った。そ
して、先生ともゆっくり話しができた。そちらに電話して日本と中国の違いを気付かせ
てくれて本当にありがとうございました。」とお礼の電話をくださった。
自分の意志を一所懸命先生に伝えたい患者、適切な治療をしようとしている医師、言
葉の問題もあるが、背後には医療習慣の違いも影響しているだろう。また、国によって
医療についてある程度違うことを念頭に置かないと、異国で本国と同じ治療を求めた場
合に疑問が生じ、納得の行かないことも多くなるだろう。私もそのようなカルチャーシ
ョックを体験してきた一員として、少しでもそういった誤解を解けるよう日々の相談に
心がけている。
(AMDA国際医療情報センター NEWSLETTER NO.20より)
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