Japan National Trust Magazine January 2007


ヴォーリズ建築文化全国ネットワーク設立準備企画

このまちのヴォーリズ建築は今 E


ヴォーリズ六甲山荘(兵庫県神戸市)

NPO法人 
アメニティ2000協会




北庭から見た六甲山荘


 アメニティ2000協会は2000年に設立され、歴史的・自然的環境の保全を中心目的に

活動している特定非営利活動法人です。

現在会員数は261名。活動の一つとして阪神間の戦前の建物の現状を調査してきましたが、

そこから旧乾邸(神戸市)の保存活動が始まり、ヴォーリズ設計の六甲山荘とも出会いました。

この山荘は関西の別荘地である六甲山に1934年に個人の山荘として建てられました。

日本最古のゴルフ場神戸ゴルフ倶楽部に面した、旧外国人別荘地の一画にあります。

敷地面積1700坪、建坪80坪の木造平屋建で、ホール、食堂、寝室4部屋ほか

和室、管理人室などがあります。


 この山荘の魅力は「居心地のよさ」です。

皆が集まるホールは、天井には太い梁を通し、壁にはわざと節のあるヒノキを使い、

山荘らしいデザインとなっています。

夏別荘らしく北と西の二面に広々と窓を設け、いながらにして北面庭園の緑に包まれます。

暖炉の傍らに座って炎を見つめていると時を忘れそうです。


 設計にあたっては床下を高く、通風口を広くとって、周到な湿気対策がとられています。

他にも壁と床の交点に丸みのある巾木をいれて、埃がたまりにくく掃除しやすくしたり、

雨戸の戸袋を可動式にしたり、細やかな工夫が見られます。


 こうした設計上の特色に加えて、この建物の保存状態のいいことも特筆すべきでしょう。

築70年、霧深い六甲山上にありながら、傷みがほとんどありません。

床はきしみもせず、窓は軽く動いてホゾとミゾがきっちりあいます。

上質の材料を使って一流の職人が仕事をし、代々大切に管理されてきた成果です。

五右衛門風呂や家具、照明器具もふくめてオリジナルな状態がよく残されているという

稀有な存在なのです。


 私たちはこの山荘をナショナル・トラスト方式で維持保存しようと

2008年の春に購入することにしました。

庭も手入れし、一般に公開していく予定です。

現在「ヴォーリズ六甲山荘のナショナル・トラストを実現しよう」を標語に

そのための資金を集めています。

募金目標額は2000万円です。


 関西においでの節はぜひお訪ねください。

2006年のヴォーリズ展につづき、今年も催物を開催する予定です。

ヴォーリズの精神みなぎるこの空間はきっと皆さんの心をとらえるでしょう。

お待ちしております。



(理事長 清水彬久)




リビングルーム