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芥川龍之介賞(芥川賞)

文藝春秋社の菊池寛が、友人の芥川龍之介の名を記念して、直木賞と同時に1935年(昭和10年)に制定。
各新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品中最も優秀なるものに呈する賞。主に無名もしくは新進作家が対象。正賞は懐中時計、副賞は100万円。授賞は年2回。上半期(12月01日〜05月31日までに公表されたもの)の選考会は7月中旬、贈呈式は8月中旬。「文藝春秋」9月号に掲載。下半期(06月01日〜11月30日までに公表されたもの)の選考会は翌年1月中旬、贈呈式は同2月中旬。「文藝春秋」3月号に掲載。
直木三十五賞(直木賞)

文藝春秋社の菊池寛が、友人の直木三十五の名を記念して、芥川賞と同時に1935年(昭和10年)に制定。
各新聞・雑誌(同人雑誌を含む)あるいは単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品中最も優秀なるものに呈する賞。無名・新進・中堅作家が対象となる。 正賞は懐中時計、副賞は100万円。授賞は年2回。上半期(12月01日〜05月31日までに公表されたもの)の選考会は7月中旬、贈呈式は8月中旬。「オール讀物」9月号に掲載。下半期(06月01日〜11月30日までに公表されたもの)の選考会は翌年1月中旬、贈呈式は同2月中旬。「オール讀物」3月号に掲載。

第141回芥川賞受賞
終の住処  磯阜寤齪Y
2009年07月発売 新潮社 142p ¥1,260
磯阜寤齪Yは2度目の候補。30代で結婚した会社員が主人公。不機嫌な妻に戸惑い、ままならない生活に翻弄(ほんろう)されながらも、年を重ねて妻との暮らしへ立ち戻る。
磯崎憲一郎(イソザキケンイチロウ)
1965年、千葉県に生まれる。早稲田大学商学部卒業。2007年、「肝心の子供」で第四四回文藝賞を受賞。2009年、「終の住処」(新潮6月号)で第141回芥川賞受賞。現在、会社員。

候補作
戌井昭人 「まずいスープ」 シリン・ネザマフィ 「白い紙」 藤野可織 「いけにえ」
松波太郎 「よもぎ学園高等学校蹴球部」 本谷有希子「あの子の考えることは変」

第141回直木賞受賞
鷺と雪(さぎとゆき)  北村薫
2009年04月13日発売 文藝春秋 ¥1,470
北村薫は6度目の候補。令嬢と女性運転手が活躍する<ベッキーさん>シリーズ、完結!日本にいるはずのない婚約者が写真に映っていた。英子が解き明かしたからくりは──。そして昭和11年2月、物語は結末を迎える。
北村薫(キタムラカオル)
1949年、埼玉県生れ。早稲田大学第一文学部卒業。大学在学中はミステリ・クラブに所属。高校で教鞭を執りながら、1984年、創元推理文庫版日本探偵小説全集を編集部と共同編集。1989年、「空飛ぶ馬」でデビュー。1991年「夜の蝉」で日本推理作家協会賞受賞。

候補作
西川美和 「きのうの神さま」 貫井徳郎 「乱反射」 葉室麟 「秋月記」
万城目学 「プリンセス・トヨトミ」 道尾秀介 「鬼の跫音」


第140回芥川賞受賞
ポトスライムの舟  津村記久子
2009年02月発売 講談社 ¥1,365(単行本)
「わかった、貯めよう」 世界一周の費用と年間手取り給が同額だと気づいたナガセは、働く目的として執拗なまでの節約を試みるが…。お金がなくても、思いっきり無理をしなくても、夢は毎日育ててゆける。契約社員ナガセ29歳、自分の年収と同じ世界一周旅行の費用を貯めること、総額163万円なり。野間文芸新人賞作家の最新作。
津村記久子(ツムラキクコ)
1978年大阪市生まれ。大谷大学文学部国際文化学科卒業。2005年「マンイーター」で第21回太宰治賞を受賞。2008年『ミュージック・ブレス・ユー!!』で第30回野間文芸新人賞受賞。「ポトスライムの舟」で第140回芥川賞を受賞。

候補作
神様のいない日本シリーズ  田中慎弥 手  山崎ナオコーラ 女の庭  鹿島田真希

第140回直木賞受賞
悼む人  天童荒太
2008年11月発売 文藝春秋 450P ¥1,700(単行本)
善と悪、生と死が交錯する。『永遠の仔』以来の感動巨編。全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人。彼を巡り、夫を殺した女、人間不信の雑誌記者、末期癌の母らのドラマが繰り広げられる。
聖者なのか、偽善者か?「悼む人」は誰ですか。七年の歳月を費やした著者の最高倒達点!善と悪、生と死が交錯する至高の愛の物語。
天童荒太(テンドウアラタ)
1960年、愛媛県生まれ。86年に『白の家族』で第十三回野性時代新人賞を受賞。93年には『孤独の歌声』が第六回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。また、96年には『家族狩り』で第九回山本周五郎賞を受賞。2000年にはベストセラーとなった『永遠の仔』で第五十三回日本推理作家協会賞を受賞。

第140回直木賞受賞
利休にたずねよ  山本兼一
2008年11月発売 PHP研究所 418P ¥1,890(単行本)
おのれの美学だけで天下人・秀吉と対峙した男・千利休の鮮烈なる恋、そして死。
山本兼一(ヤマモトケンイチ)
1956年(昭和31年)、京都市生まれ。同志社大学卒業後、出版社勤務、フリーランスのライターを経て作家に。1999年、「弾正の鷹」で「小説NON創刊150号記念短編時代小説賞」佳作。2002年、『戦国秘録 白鷹伝』(祥伝社)でデビュー。2004年、『火天の城』(文藝春秋)で第11回松本清張賞を受賞。2005年、同作が第132回直木賞候補に選出される。2008年、『千両花嫁―とびきり屋見立て帖』(文藝春秋)で第139回直木賞候補になるなど、いま最も勢いのある時代小説作家として注目されている。

候補作
きのうの世界  恩田陸 汐のなごり  北重人 いのちなりけり  葉室麟 カラスの親指  道尾秀介


第139回芥川賞受賞
時が滲む朝  楊逸(ヤン イー)
2008年07月発売 150P 文藝春秋 ¥1,299(単行本)
梁浩遠と謝志強。二人の中国人大学生の成長を通して、現代中国と日本を描ききった力作。
芥川賞を日本語以外の言語を母語とする作家は史上初。
1964年中国黒龍江省ハルビン市生まれ。87年来日し、日本語学校を経て、お茶の水女子大学にて地理学を専攻。卒業後、日本にある中国語新聞社で記者として勤め、のちに中国語講師になり、現在に至る。

候補作
眼と太陽  磯崎憲一郎 ctの深い川の町  岡崎祥久 マイクロバス  小野正嗣
 
月食の日  木村紅美 婚礼、葬礼、その他  津村記久子 走ル  羽田圭介

第139回直木賞受賞
切羽(きりは)へ  井上荒野(いのうえ あれの)
2008年05月発売 204P 新潮社 ¥1,575(単行本)
静かな島で、夫と穏やかで幸福な日々を送るセイの前に、ある日、一人の男が現れる。夫を深く愛していながら、どうしようもなく惹かれてゆくセイ。やがて二人は、これ以上は進めない場所へと向かってゆく。「切羽」とはそれ以上先へは進めない場所。宿命の出会いに揺れる女と男を、緻密な筆に描ききった哀感あふれる恋愛小説。
1961年東京生まれ。89年、「わたしのスレエフ」で第一回フェミナ賞を受賞。2004年「潤一」で島清恋愛文学賞を受賞。

候補作
愛しの座敷わらし  荻原浩 あぽやん  新野剛志 鼓笛隊の襲来  三崎亜記
千両花嫁  山本兼一 のぼうの城  和田竜  


第138回芥川賞受賞
乳と卵(ちちとらん)  川上未映子(かわかみ みえこ)
2008年02月発売 138P 文藝春秋 ¥1,200(単行本)
姉とその娘が大阪からやってきた。三十九歳の姉は豊胸手術を目論んでいる。姪は言葉を発しない。そして三人の不可思議な夏の三日間が過ぎてゆく。
1976年、大阪府生まれ。「夢みる機械」(2004年)「頭の中と世界の結婚」(2005年)などのアルバムをビクターエンタテインメントより発表。2006年、随筆集『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』をヒヨコ舎より刊行。2007年、初めての中篇小説「わたくし率イン歯ー、または世界」が第137回芥川賞候補となる。同年、坪内逍遙大賞奨励賞を受賞。

候補作
切れた鎖  田中慎弥 カソウスキの行方  津村記久子 空で歌う  中山智幸
小銭をかぞえる  西村賢太 カツラ美容室別室  山崎ナオコーラ ワンちゃん 楊逸

第138回直木賞受賞
私の男  桜庭一樹(さくらば かずき)
2007年10月発売 381P 文藝春秋 ¥1,549(単行本)
優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。家族の愛とはなにか、超えてはならない、人と獣の境はどこにあるのか?この世の裂け目に堕ちた父娘の過去に遡る―。黒い冬の海と親子の禁忌を圧倒的な筆力で描ききった著者の真骨頂。
1999年「夜空に、満天の星」(『AD2015隔離都市ロンリネス・ガーディアン』と改題)で第1回ファミ通えんため大賞に佳作入選。2003年開始のGOSICKシリーズで多くの読者を獲得し、2004年に刊行した『推定少女』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が高く評価されて注目を集める。2006年に刊行した『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞を受賞。

候補作
ベーコン  井上荒野 悪果  黒川博行 敵影  古処誠二
 
警官の血  佐々木譲 約束の地で  馳星周