わたしの本棚(倉庫・小説エッセイ) 戻る
パラドックス13
発行年月:2009年04月15日発売 毎日新聞社 474P ¥1,785 【小説】
著者:東野圭吾
「世界が変われば善悪も変わる。
人殺しが善になることもある。
これはそういうお話です」東野圭吾
運命の13秒。人々はどこへ消えたのか?
13時13分、突如、想像を絶する過酷な世界が出現した。陥没する道路。炎を上げる車両。崩れ落ちるビルディング。破壊されていく東京に残されたのはわずか13人。なぜ彼らだけがここにいるのか。彼らを襲った“P-13 現象”とは何か。生き延びていくために、今、この世界の数学的矛盾(パラドックス)を読み解かなければならない!
張りめぐらされた壮大なトリック。論理と倫理の狭間でくり広げられる、究極の人間ドラマ。“奇跡”のラストまで1秒も目が離せない、東野圭吾エンターテインメントの最高傑作!サンデー毎日で連載。
パラドックス13(単行本)

ありえないではなく、既に“P-13 現象”は存在するのではないか。
最近、東野圭吾さんの作品は現実に起こりえる事件続きだったので新鮮さは感じましたが、ありえるような気がして別の意味で恐怖を感じます。いつもは誰が、どうやって殺したのかということで読み進めるのですが、なぜこんなことになったのか憑依されたかのように一気に読みしました。
「世界が変われば善悪も変わる。人殺しが善になることもある」途中で、この意味がようやく分かりました。法律、秩序、そんなものは今この世の決まりであって、いなくなってしまえば関係ない。
現在が崩壊して、自分だけ残されても物に溢れた時代で、好きなように生きていけるなんて思っていたが、そうではなかった。作り上げた世界で、自分は何でもできると思っていたのに、原点に引き戻される。
久我誠哉・冬樹兄弟に交互に感情移入しながら読みました。冬樹の人間特有の熱い気持ち、優しさもあるのは分かるが、誠哉の気持ちを動かす力には脱帽しました。頭がよく冷静、それだけない。正論を言えば正解じゃないけど、でも一人で抱えて、生きていくための希望を持たせて、彼がいなかったら…どうなっていたかと思います。
タイトルでは凡人には分かりません。数学的矛盾(パラドックス)を説明されても最初は総理と同じで分からなかった。でも話が進むに連れて自分に起きているかのように、考えていくことができます。
なぜなのか分かった瞬間、思い出して、静まり返った部屋で「はあぁぁぁー」と声を出している自分に驚きました。そうだ、それで繋がるんですよね。でもどれだけ愕然としたかは受け止めきれないほどでした。
これは東京の話ですが、他の都道府県や国はどうなっているのか、情報を得れるはずはないけど、考えてしまいました。
読んでも、読んでも、どうなって終われば納得がいくのか分かりませんでした。どうにか希望が見えるラストを望み、想像を巡らせました。結末は書きませんが、私は悲しさを感じました。

聖女の救済
発行年月:2008年10月24日発売 384P 文藝春秋 ¥1,700 【小説】
著者:東野圭吾
おそらく君たちは負ける。僕も勝てない。これは完全犯罪だ。
『容疑者Xの献身』から3年。今度のガリレオの敵は、女!
男が自宅で毒殺されたとき、離婚を切り出されていたその妻には鉄壁のアリバイがあった。
草薙刑事は美貌の妻に魅かれ、毒物混入方法は不明のまま。
湯川が推理した真相は―虚数解。
理論的には考えられても、現実的にはありえない。
会社社長が自宅で毒殺された。女性刑事・内海薫は離婚を切り出されていた妻を直感で疑うが、妻には鉄壁のアリバイがあった。捜査が難航するなか、湯川が推理した殺害方法は、「虚数解」。女性ならではの非論理的な思考が編み出した驚愕のトリックを、湯川は証明することができるのか。


東野圭吾さんはタイトルがうまいですよね…唸りました。
「ガリレオの苦悩」とどちらを先に読もうか迷いましたが、とりあえず「落下る」「操縦る」を読んでからこちらに取りかかりました。ドラマから入ってないので、本を手にすると福山さんではない湯川が頭に登場しますね。
「容疑者Xの献身」の後の湯川先生が垣間見れますね…どうして手伝う気になったのかも、納得できる。
なぜタイトルが「聖女の救済」なのかは最後の最後に分かります…。
ただいえるのは「容疑者Xの献身」の存在は大きすぎますね…読者にとっても。拍子ぬけする人もいるかもしれないけど、私は好きです。“虚数解”という完全犯罪がどうなるのか、解明していく湯川先生のまわりくどさに惹きつけられます。
涙こそ出ませんが、酷く悲しい事件なのは確かです。
そしてドラマ「ガリレオ」とリンクされていましたね!若干違和感はありますが、ファンサービスってところでしょう。

ガリレオの苦悩
発行年月:2008年10月24日発売 344P 文藝春秋 ¥1,600 【小説】
著者:東野圭吾
湯川の頭脳に挑戦してくる犯人たち。
科学を殺人の道具に使う人間は許さない。―――絶対に。
ガリレオ・シリーズ久々の短篇集、長篇と同時刊行!
「悪魔の手」と名乗る者から、警察と湯川に挑戦状が届く。事故に見せかけて殺人を犯しているという彼に、天才科学者・湯川が立ち向かう。
福山雅治が物理学者・湯川を演じて映像化され、空前の大ベストセラーとなったガリレオシリーズ。長篇だけでなく、その新作が今回はなんと2冊同時刊行(『聖女の救済』)されます。こちらは『探偵ガリレオ』『予知夢』と同じ、短篇集です。長篇では脇に回りがちな湯川が、短篇では堂々の主役。必ずしも積極的に警察に協力し、喜んで謎を解いているわけではない湯川の“苦悩”が描かれ、彼の人間性が窺えます。読者のためにと、著者の意向で書き下ろしも加えた贅沢な1冊になりました。
落下る(おちる)/操縦る(あやつる)/攪乱す(みだす)/密室る(とじる)/指標す(しめす)


内海薫にやっと会えました!!ドラマと全然違うとは言い切れないですけど、私の感じた雰囲気は随分違います。
「容疑者Xの献身」の後が「落下る」ってことですよね?警察とは距離を置いている…。
スペシャルドラマがどうも納得がいかなかったので、読まなくてはと思い、「聖女の救済」の前に「落下る」「操縦る」を読みました。うまくアレンジされていましたねーこう使ったのかって納得しました…「操縦る」の謎もやっと解決しました。
「落下る」「操縦る」はトリックが映像化されていたので、分かりやすかったですね…いつもは頭を捻っても捻っても分からなかったりするので。「攪乱す」「密室る」は割と分かりやすかったですね。
そして「指標す」は“悪魔の手”が登場。警察と湯川に挑戦状が届きます…。いつかこんなことになるかとは思っていましたが、富樫事件の直後でなくて良かったですね。この事件が一番恐ろしいものでしたね…。

流星の絆
発行年月:2008年03月発売 482P 講談社 ¥1,785 【小説】
著者:東野圭吾
兄貴、妹は本気だよ。俺たちの仇の息子に惚れてるよ
全ての東野作品を凌ぐ現代エンタメ最高峰!
殺された両親の仇討ちを流星のもと誓った功一、泰輔、静奈の兄妹。十四年後、泰輔が事件当日目撃した男に、功一が仕掛ける復讐計画。誤算は、静奈の恋心だった。


帯だけで私の心は完璧に持っていかれましたね。
流星を見に行った夜に、両親を殺された三兄妹は大人になって詐欺に手を染め、でもなるほど〜って言いたくなるような仕掛けなんですよね。詐欺のからくり、人間心理の転がし方がとてもうまい。
そして偶然だったのか?必然だったのか?復讐計画を実行…裏腹に惹かれていく静奈。続きが気になって仕方ないほどに読み進め、全てが運命に導かれているかのようでした…こんな風になるのを望んでいたかのように、いつもの東野作品ごとく盲点を突かれた気分になりました。
でも後味もいいですし、最後の最後は絶対涙が出ます。

ダイイング・アイ
発行年月:2007年11月発売 372P 光文社 ¥1,680 【小説】
著者:東野圭吾
今度の東野圭吾は、悪いぞ。
東野圭吾、幻の傑作がついに解禁! 刺すように苦く、ただれるように甘い、夜の街のサスペンス!!
雨村慎介は病院のベッドで目を覚ました。頭を殴られて、倒れていたというのだ。慎介は、事件の前後の記憶が一部欠落していた。自分は誰に、なぜ殴られたのか?失われた記憶と、まわりの人間の不可解な行動に、慎介は不信感を募らせていくが…。多彩なヒット作を持ち、今もっとも新作を待望される東野圭吾の、異色作にして幻の傑作が、ついに全貌をあらわした!「小説宝石」での連載完結から約8年。登場人物の誰もが、利己的に誰かを陥れようとする、異色のサスペンス・ロマン、遂に解禁!


いつもとは何かが違う。読みながらひどく恐怖を感じるサスペンスでした…。
始めから妙な感覚に襲われ、これが一体どう繋がるのかと謎めき続ける…。慎介は一体何が欠落しているのか、こんなにもぐるぐるに巻かれたような犯罪があるものなのか。驚くべき内容でした。

夜明けの街で
発行年月:2007年06月発売 336P 角川書店 ¥1,680 【小説】
著者:東野圭吾
幸福な家庭で起きた殺人事件。まもなく時効を迎える。僕はその容疑者と不倫の恋に堕ちた―。
渡部の働く会社に、派遣社員の仲西秋葉がやって来たのは、去年のお盆休み明けだった。僕の目には若く見えたが、彼女は31歳だった。その後、僕らの距離は急速に縮まり、ついに越えてはならない境界線を越えてしまう。しかし、秋葉の家庭は複雑な事情を抱えていた。両親は離婚し、母親は自殺。彼女の横浜の実家では、15年前、父の愛人が殺されるという事件まで起こっていた。殺人現場に倒れていた秋葉は真犯人の容疑をかけられながらも、沈黙を貫いてきた。犯罪者かもしれない女性と不倫の恋に堕ちた渡部の心境は揺れ動く。果たして秋葉は罪を犯したのか。まもなく、事件は時効を迎えようとしていた…。


恋愛小説が好き、でもミステリーも読みたいって方にはピッタリでしょうね。
東野圭吾さんが言っていた通り今までとは恋愛面が全面に描かれているのは珍しい作品でした。本当に石神とは正反対。不倫はこんな風に始まるんだって思いましたね…不倫を馬鹿にしていた男が必死になっている姿がおみごと。
恋愛面が楽しめたので、そんなに驚かないかと思ったが、最後はやはり驚かされました…全ては繋がっていた、でもそれだけじゃない。でもある意味、恐ろしい作品でもあります。

使命と魂のリミット
発行年月:2006年12月発売 376P 新潮社 ¥1,680 【小説】
著者:東野圭吾
十数年前のあの日、手術室で何があったのか?
そして今日、手術室で何が起こるのか?
心の限界に挑む医学サスペンス。
笑顔で手術室に入った父は、冷たい骸となって戻って来た。誰も予想していなかった、術中死。さっきまで、あんなに元気だったのに。それをきっかけに心臓外科医を目指した夕紀は、実は誰にも言えないある目的を胸に秘めていた。その目的を果たすべき日に、手術室を前代未聞の危機が襲う!


「使命」こんなに深い言葉だと実感したのはこの本のおかげです。
ずっと抱えてきたひとつの疑惑があるきっかけで、ますます疑惑は積み重なる…。
別のところで事件が起こり、明らかにされていく秘密、そして非常事態に息を呑むようでした。医療サスペンスなので難しいところもありますが、立場も境遇も違うけど夕紀の気持ちはよく分かったので読みやすかったです。

赤い指
発行年月:2006年07月発売 270P 講談社 ¥1,575 【小説】
著者:東野圭吾
犯罪を越えたその先に、本当の闇がある。二日間の悪夢と、孤独な愛情の物語。
直木賞受賞後第一作。構想6年の後に書きあげられた書き下ろし長編小説、ついに登場! 身内の起こした殺人事件に直面した家族の、醜く、愚かな嘘に練馬署の名刑事、加賀恭一郎が立ち向かう。ひとつの事件を中心に描き出されるさまざまな親子像。東野圭吾にしか書き得ない、「家族」の物語。『放課後』でのデビューから数えてちょうど60冊目にあたる記念碑的作品。


私には関係ない、絶対ありえない世界の話ではないだけにリアルで、ドキドキする…。
東野さんの新しい作品ばかり読んでいたので、実は加賀恭一郎を初めて知った作品なんです。それぞれの家族の在り方。なぜこんなことをしたのか、加賀が迫り続けます。
「容疑者Xの献身」と同じで、苦しいほどのラストに本当に何度読んでもボロボロ泣けます。でも読み終える頃には温かい気持ちにもなれ、涙跡と穏やかな気持ちで本を閉じれました。
そして“赤い指”に最後は絶対に納得します。お勧めの作品です。

鴨川ホルモー
発行年月:2006年04月 産業編集センター 283P ¥1,260(文庫:2009年02月 角川書店 299P ¥540) 【小説】
著者:万城目学
このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ。葵祭の帰り道、ふと渡されたビラ一枚。腹を空かせた新入生、文句に誘われノコノコと、出向いた先で見たものは、世にも華麗な女(鼻)でした。このごろ都にはやるもの、協定、合戦、片思い。祇園祭の宵山に、待ち構えるは、いざ「ホルモー」。「ホルモン」ではない、是れ「ホルモー」。戦いのときは訪れて、大路小路にときの声。恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。京都の街に巻き起こる、疾風怒涛の狂乱絵巻。都大路に鳴り響く、伝説誕生のファンファーレ。前代未聞の娯楽大作、碁盤の目をした夢芝居。「鴨川ホルモー」ここにあり!!第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞作。
 




小泉今日子の半径100m
発行年月:2006年02月 【エッセイ】
著者:小泉今日子
「InRed」の人気連載が待望の単行本化!大人の乙女ゴコロ炸裂!のフォト&エッセイ。
キョンキョンのありのままの3年間を凝縮!大人の女の複雑な乙女ゴコロにあなたも笑&涙。
「InRed」本誌で連載中の小泉今日子連載(写真&エッセイ)3年間36回分を基本に、アザーカットなどを収録して一冊にまとめました。20代後半から30代女性が共感する何気ない生活周辺を綴っている、小泉ファンならずとも人気の高い連載作品です。2月4日に40歳の誕生日を迎える小泉今日子本人の新たな面も。


待望の単行本化に嬉しくてたまりませんでした。ありがとうございます!
キョンキョンファンのあたしは「InRed」も毎回とはいかなかったけど、この連載目当てで購入しておりました。小雨ちゃんとか、CM撮影とか舞台とかドラマの裏側とか、キョンキョンの日常を垣間見てとても楽しい1冊です。

容疑者Xの献身
発行年月:2005年08月発売 352P 文藝春秋 ¥1,680(文庫・2008年08月発売 394P ¥660) 【小説】
著者:東野圭吾
これほど深い愛情に、これまで出会ったことがなかった。いやそもそも、この世に存在することさえ知らなかった。運命の数式。命がけの純愛が生んだ犯罪。
第134回直木賞受賞作。第6回本格ミステリ大賞受賞作『このミステリーがすごい!2006年版』・『本格ミステリ・ベスト10 (2005)』・『週刊文春 傑作ミステリーベスト10』の第1位を獲得。ガリレオシリーズ初の長編。天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。湯川は果たして真実に迫れるか。
 

あまりの衝撃に胸が痛いほどで、嗚咽が出るほど泣きました…。
読み終わった後、動けないほどの私の力を奪われていました…こんな気持ちにさせる小説は初めてでした。
あなたはこんな犯罪を見たことがありますか?
あなたはこんなに深い愛情を見たことがありますか?
そんな風に問いかけられているようでした。初めてこんな愛情に触れ、犯罪を犯しているのはずなのに、こんなにも涙が止まらない…初めての経験ばかりでした。
なんでこんなことになってしまったのか…見返りのない愛でここまで人間は出来るのか、でもそんなものは必要ないことは読み終えて初めて分かった…その答えは深いものだった。
ありがちですが、わたしの東野圭吾さんファンが確立した作品です。

さまよう刃
発行年月:2004年12月発売 361P 朝日新聞出版 ¥1,785(文庫・2008年05月発売 499P 角川書店 ¥740) 【小説】
著者:東野圭吾
蹂躙され殺された娘の復讐のため、父は犯人の一人を殺害し逃亡する。「遺族による復讐殺人」としてマスコミも大きく取り上げる。遺族に裁く権利はあるのか?社会、マスコミそして警察まで巻き込んだ人々の心を揺さぶる復讐行の結末は!?
長峰の一人娘・絵摩の死体が荒川から発見された。花火大会の帰りに、未成年の少年グループによって蹂躪された末の遺棄だった。謎の密告電話によって犯人を知った長峰は、突き動かされるように娘の復讐に乗り出した。犯人の一人を殺害し、さらに逃走する父親を、警察とマスコミが追う。正義とは何か。誰が犯人を裁くのか。世論を巻き込み、事件は予想外の結末を迎える―。重く哀しいテーマに挑んだ、心を揺さぶる傑作長編。
 

裁きって何なんだろう…蹂躪されて娘を殺されたのに。
倫理、理性、世間も関係ないとすれば狂ったほどに復讐の鬼になるのが親というものです。モチベーションを保ち続け、生きる目的はもうそれしかないんです。でも復讐は認められていない…。
遺体だけ見れば猟奇的に思うでしょうね…でも自分が置き換えられたら、当り前の光景に変わるんですよ。被害者が加害者に変わり、どうしても父親の気持ちでどうにか復讐を成し遂げてほしいと思ってしまうんですよね。
警察も少年を守らなくてはいけないという気持ちに迷いが生じ、それが人間なんですよ。
実際、被害者の顔は公表されるのに未成年は公正のチャンスを与えるべきだと公にされない…成人のようには裁かれない。少年法って何なのだろう…随分変わってはきたけど、関係あるのだろうか。
読みながらこんなにも苦しい、自分の娘だったら…自然にそう考えてしまう作品ですね。

幻夜
発行年月:2004年01月発売 524P 集英社 ¥1,890(文庫・2002年05月発売 786P ¥999) 【小説】
著者:東野圭吾
あの女のすべてを知りたい。過去も目的も、真実の顔も―。名作「白夜行」から4年半。あの衝撃が、今ここに蘇る。長編エンタテインメント。
1995年、西宮。父の通夜の翌朝起きた未曾有の大地震。狂騒の中、男と女は出会った。美しく冷徹なヒロインと、彼女の意のままに動く男。女の過去に疑念を持つ刑事。あの『白夜行』の衝撃が蘇る!すべてを奪い去った阪神淡路大震災。はずみで殺人を犯した雅也は、それを若い女に目撃される。避難所で再会した彼女・美冬は雅也を東京に誘い、彼を利用して自分の野心を実現してゆく−−。美しく冷徹な女と、彼女に翻弄され人生を狂わせてゆく男。果たして彼女は「誰」なのか!?名作『白夜行』の衝撃が蘇る、スリリングな傑作編!
 

「白夜行」ファンとしては読まなくてはいけない。美冬は一体誰なのか…。
大地震で全ては変わり、美冬には本当に驚かされました…何もかもが繋がり、引き込まれ、誰にも邪魔はさせない…こんな風にしか生きれない、生き方を知らないというべきかもしれない。胸に迫る悲しさは「白夜行」同様でした。
そして「白夜行」との関連には鳥肌が立ちました。是非、3作目も読みたいです。

往復書簡
発行年月:2003年12月 【エッセイ】
著者:小泉今日子×こぐれひでこ
出会って16年、年齢差19歳。日々の写真を133枚収録したふたりの日常ブック。
「レタスクラブ」誌上で好評連載中の小泉今日子さんとイラストレーターのこぐれひでこさんの往復書簡が単行本になりました。写真が加わり、楽しい本になっています!生活を楽しくするアイデアがいっぱい!


手紙のようにやりとりをされているところが面白いですね。
連載を全く知らなくて、たまたま見付けて購入したのですが、たくさんの写真付きで華やかなエッセイです。キョンキョンはもちろん、こぐれひでこさんもとても素敵で、長い付き合いの素敵な女性2人のやり取りがとても楽しい1冊です。

殺人の門
発行年月:2003年09月発売 442P 角川書店 ¥1,890(文庫・2006年06月発売 617P ¥780) 【小説】
著者:東野圭吾
あいつを殺したい。奴のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた。でも、私には殺すことができない。殺人者になるために、私には一体何が欠けているのだろうか…。心の闇に潜む殺人願望を克明に描く、衝撃の問題作!
「倉持修を殺そう」と思ったのはいつからだろう。悪魔の如きあの男のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた。そして数多くの人間が不幸になった。あいつだけは生かしておいてはならない。でも、私には殺すことができないのだ。殺人者になるために、私に欠けているものはいったい何なのだろうか?人が人を殺すという行為は如何なることか。直木賞作家が描く、「憎悪」と「殺意」の一大叙事詩。
 

人を殺すということは、すべての人間ができるものではないのだ。
殺したいという気持ちがありながらも殺せない、縁を切ればいいのに切れない、妙にリアルで納得できる。そしてこんなにも自然に繋がっていたなんて思わなかった…。

重力ピエロ
発行年月:2003年04月 新潮社 337P ¥1,575(文庫:2006年07月 485P ¥660) 【小説】
著者:伊坂幸太郎
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは―。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。
 

この家族が好きです。それだけでも読む価値に値すると思いました。
伊坂幸太郎さんの作品を初めて読みました。何度か手には取ったのですが、レジ前に東野圭吾さんの作品と取り換えてしまっていたんですよね…すみません、もっと早くに読むべきでした。
どんな描き方で進むのかと思いましたが、一気読みとはいかなかったけどーリズムが良いので、いいテンポで読み進められる。疲れてきたなというところで、笑いを挟んでくれる、ほころばせてくれる。
連続放火とグラフィティアートよりも、“兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。”に惹かれた。「春が二階から落ちてきた」も好き。お父さんのブラックジョークも好き。
それから遺伝子。聞いたことは幾度となくあっても私が理解して手にできるものでもない。それからピカソ、ガンジー、綱吉、この辺まではまだ顔や作品が浮かぶので頭に取り入れやすいが、バタイユ、ネアンデルタール人…頭は新参者を消化しようと頑張っているようだった。でも前途のことをこの小説はみどとに生かし、魅力に変えている。
内容は簡潔に言うことはできるが、魅力があるということを説明するのがとても難しい作品に思える。全体を楽しみながら少しずつでも読むことがベストだと思う。各話のタイトルも好きだった。
泣けはしないだろうと高を括っていたが、ポロリと泣かせてもらった。
映画化されるようだが、泉水、春、お父さん、お母さん。まさにピッタリの配役だと思った。是非、見たい。

手紙
発行年月:2003年03月発売 357P 毎日新聞社 ¥1,680(文庫・2006年10月発売 428P 文藝春秋 ¥619) 【小説】
著者:東野圭吾
罪を償うとは、絆とは……。強盗殺人犯の兄を持った少年の姿を通し、犯罪加害者の家族を真正面から描いて感動の渦を巻き起こした問題作
第129回直木賞候補作。強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く……。しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる苛酷な現実。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き切り、感動を呼んだ不朽の名作。2006年11月3日に映画化。
 

まだ読んでいません…。

空中庭園
発行年月:2002年11月(文庫2005年07月) 【小説】
著者:角田光代
家族のことが、好きですか?郊外のダンチで暮らす京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。でも、ひとりひとりが閉ざす透明なドアから見える風景は…。連作家族小説の傑作。
郊外のダンチで暮らす4人家族・京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。15歳の長女マナが“自分はどこで生を授かったか”を訊ねると、ママはラブホテルで、と教えてくれた。自分が仕込まれたのが近所の「ホテル野猿」だと知って、どうしても見てみたくなったマナは、同級生の森崎くんを誘って行ってみた……。家族ひとりひとりが、そのモットーとは裏腹に、閉ざしたドアの中に秘密を持ちながら、仲の良い「家族」を演じているさまを鮮やかに描く連作家族小説。2005年10月8日に映画化。
 
オープンにすることによって家族はうまいくと思っていたのに…。
小泉今日子さんで映画化されるということで、突発的に購入して読んだのですが、それぞれが見ている家族というような描き方で、一気に読んでしまうほどの読み応えがあり素直に面白かったです。
「何ごともつつみかくさず」がモットーなのに、秘密を作らないことが逆に良くなかったのか、ボロボロと出てくる秘密…でもちゃんと完結できる素晴らしさがあります。

世界の中心で、愛をさけぶ
発行年月:2001年04月(文庫2006年08月) 【小説】
著者:片山恭一
十数年前。高校時代。恋人の死。「喪失感」から始まる魂の彷徨の物語。落ち葉の匂いのするファーストキスではじまり、死を予感させる無菌状態の中でのキスで終わる。
高校2年生の朔太郎と、恋人のアキ。アキの死から、物語は始まる。ふたりの出会い、無人島への旅、そしてアキの発病、入院……。最愛の人を失うとは、どういうことなのか。日本中を涙させたラブストーリー。「ぼくにとってアキのいない世界はまったくの未知で、そんなものが存在するのかどうかさえわからないんだ」「大丈夫よ。わたしがいなくなっても世界はありつづけるわ」朔太郎とアキが出会ったのは、中学2年生の時。落ち葉の匂いのファーストキス、無人島でのふたりきりの一夜、そしてアキの発病、入院。日に日に弱っていくアキをただ見守るしかない朔太郎は、彼女の17歳の誕生日に、アキが修学旅行で行けなかったオーストラリアへ一緒に行こうと決意するが―。好きな人を失うことは、なぜ辛いのか。321万部空前のベストセラー。2004年以降、漫画化、映画化、テレビドラマ化、ラジオドラマ化、舞台化されている。
 

本当に泣きながら一気に読めた作品でした、恋愛小説では珍しい。
まさに柴咲コウさんの帯の「泣きながら一気に読みました。私もこれからこんな恋愛をしてみたいなって思いました」と表紙の空に引かれてたまたま購入。
こんなにも社会現象になるとは思いませんでした、ある意味嬉しいような、しまって置きたかったような。

片想い
発行年月:2001年03月(文庫2004年08月) 【小説】
著者:東野圭吾
帝都大アメフト部のOB西脇哲朗は、十年ぶりにかつての女子マネージャー日浦美月に再会し、ある「秘密」を告白される。あの頃の未来にいるはずの自分たちは、変わってしまったのだろうか。過ぎ去った青春の日々を裏切るまいとする仲間たちを描く傑作ミステリー。
 

このタイトルの重さを感じました…。男とは、女とは、人間とは何なのか…答えはないのかもしれませんね。
私の知らないこともたくさん出てきて、勉強にもなりました。絡み合っていく人間関係、解き明かされていく真実、予想も出来ない内容でした。こんなに前に性同一障害を題材にされていたことにも驚きました。

嘘をもうひとつだけ
発行年月:2000年04月(文庫2003年02月) 【小説】
著者:東野圭吾
バレエ団の事務員が自宅マンションのバルコニーから転落、死亡した。事件は自殺で処理の方向に向かっている。だが、同じマンションに住む元プリマ・バレリーナのもとに1人の刑事がやってきた。彼女に殺人動機はなく、疑わしい点はなにもないはずだ。ところが…。嘘にしばられ嘘にからめとられていく人間の悲哀を描く、新しい形のミステリー。
嘘をもうひとつだけ/冷たい灼熱/第二の希望/狂った計算/友の助言
 

短編でも加賀恭一郎はすごい!ちゃんと心に残していきますね。
長い作品をじっくり読むが好きなのですが、たまには短編もいいですね。ひとつずつサクサク読めるのもポイント。それぞれの目線で描かれているので、それも楽しめます。

白夜行
発行年月:1999年08月発売 506P 集英社 ¥1,995(文庫・2002年05月発売 860P ¥1,050) 【小説】
著者:東野圭吾
偽りの昼に太陽はない。さすらう魂の大叙事詩。
1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂―暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んで行く。二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。だが、何も「証拠」はない。そして十九年…。息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。心を失った人間の悲劇を描く、傑作ミステリー長篇。2006年1〜3月に連続ドラマ化。
 

こんな重厚な作品にはもう出会えないかもしれない。記念すべき初めて東野圭吾さんの作品を読んだ小説。
ドラマにハマって買ってしまったんですが、こんなにも長く深い作品なのに止めることなく読み込んでしまいました。何かが違っていればと思いながらも、こんな風にしか生きれなかった二人に号泣しながらも、感情移入してしまいました。

私が彼を殺した
発行年月:1999年02月発売 282P 講談社ノベルス ¥840(文庫・2002年03月発売 860P ¥729) 【小説】
著者:東野圭吾
容疑者はたった3人
さあ、メモと鉛筆を!
推理の材料は、すべてそろっている。犯人を捜すのは、あなただ!
婚約中の男性の自宅に突然現れた1人の女性。男に裏切られたことを知った彼女は服毒自殺をはかった。男は自分との関わりを隠そうとする。醜い愛憎の果て、殺人は起こった。容疑者は3人。 事件の鍵は女が残した毒入りカプセルの数とその行方。加賀刑事が探りあてた真相に、読者のあなたはどこまで迫れるか。
 

この人だろうなって思うんですが、やっぱり袋とじを開けなくては気が済みませんでした。
「どちらかが彼女を殺した」でいっぱいいっぱいだったのに、登場人物が増えています。それぞれの視点で描かれるんだけどー誰もが怪しく、誰が毒入りカプセルを仕掛けてもおかしくない。
それぞれが互いを怪しいと思っていて、探っている…でもこの中に犯人がいる。
そこに加賀がねじねじと迫っていきます。どこに伏線があるのか、ちりばめられすぎていて、頭の中でぐるんぐるん回っています。加賀の視点はやはり素晴らしく、華麗である。

秘密
発行年月:1998年09月発売 415P 文藝春秋 ¥2,000(文庫・2001年05月発売 452P ¥660) 【小説】
著者:東野圭吾
妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まった。映画「秘密」の原作であり、98年度のベストミステリーとして話題をさらった長篇。1999年映画化。
 

映画の存在は知っていたのですが、見ていないので先に原作を読もうと決めていました。
人気のある作品なのがやっと分かりました。娘の体に妻が宿ってしまう…嬉しいのか悲しいのか…。妻の気持ちも、夫の気持ちも間違っていない…ゆえに今までと違う生活にもどかしさでいっぱいになりますね。どうするべきなのかも分からない…でも答えはちゃんと出るんです。出すしかないと言った方が正しいかもしれない。
タイトルの理由も隠されていて、最後のドキンとする高鳴りは忘れないでしょうね。

探偵ガリレオ
発行年月:1998年05月発売 293P 文藝春秋 ¥1,500(文庫・2002年02月発売 330P ¥539) 【小説】
著者:東野圭吾
突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年…警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。常識を超えた謎に天才科学者が挑む、連作ミステリーのシリーズ第一作。「燃える」「転写る」「壊死る」「爆ぜる」「離脱る」を収録。
 

湯川先生と草薙コンビがやっぱりいいですね。
湯川先生を知ったのは「容疑者Xの献身」だったんです。なので私の中では主役は完璧に石神だったので…ドラマ化にあたって、短編はあんまり読まないのですが、どう違うのか読んでみようかと手に取りました。
ドラマと全然違いますね…トリックは確かに一緒なのかもしれないけど、話が全然違うんですよ…むしろ原作の方が分かりやすくて、人間っぽくて、複雑で、このまま映像化して欲しかったなって思いましたね。
「壊死る」が印象的でしたね…全然慎吾ちゃんの田上じゃないですけど。

パラレルワールド・ラブストーリー
発行年月:1998年03月 【小説】
著者:東野圭吾
親友の恋人を手に入れるために、俺はいったい何をしたのだろうか。「本当の過去」を取り戻すため、「記憶」と「真実」のはざまを辿る敦賀崇史。錯綜する世界の向こうに潜む闇、一つの疑問が、さらなる謎を生む。精緻な伏線、意表をつく展開、ついに解き明かされる驚愕の真実とは!?傑作長編ミステリー。
 

タイトルと表紙の印象からは不思議な、むしろやわらかい印象を受けるが、内容はミステリー。
綿密にリアルな内容で濃厚で、初めて知る記憶の研究に理解しようと頭をくるくると働かせて読む小説でした。2つの世界が基本的には交互に描かれる作りで、最初は多少困惑するが次第に慣れてくる。
どちらが本当の世界なのかは読んでいれば分かるが、なぜこうなったのかは凡人には分からない。そしてラブストーリーでもある。すべてではないけどー引き金を引いたのは恋心だった。

名探偵の呪縛
発行年月:1996年10月 講談社 288P ¥600 【小説】
著者:東野圭吾
図書館を訪れた「私」は、いつの間にか別世界に迷い込み、探偵天下一になっていた。次々起こる怪事件。だが何かがおかしい。じつはそこは、「本格推理」という概念の存在しない街だったのだ。この街を作った者の正体は?そして街にかけられた呪いとは何なのか。『名探偵の掟』の主人公が長編で再登場。


面白い始まりで天下一が復活します。もちろん番三も。
「名探偵の掟」の続編だと思って、読み始めたのですが、
おや?これは続編とは言えないなって思い始めました。
それでやっと「呪縛」の理由が分かりました。
入口はもちろん違うけどおのずと感情も違う。
ゆえに前者のように笑えるって小説ではないんだけど、
盲点を突かれたというか、ある種のパラレルワールドなんだけど、
あると思っているものがなかったら…そうだなって実感して、
原点に帰ろうって思う内容でした。
東野圭吾さん自身のことを書いているかともとれる…
本格推理から社会派推理小説へ変化していく過程だったのかもしれない。

悪意
発行年月:1996年09月(文庫2000年01月) 【小説】
著者:東野圭吾
犯人が決して語らぬ動機加賀刑事の推理は!?
誰が?なぜ殺したのか!?超一流の「フー&ホワイダニット」
人気作家・日高邦彦が仕事場で殺された。第一発見者は、妻の理恵と被害者の幼馴染である野々口修。犯行現場に赴いた刑事・加賀恭一郎の推理、逮捕された犯人が決して語らない動機とは。人はなぜ、人を殺すのか。超一流のフー&ホワイダニットによってミステリの本質を深く掘り下げた東野文学の最高峰。
 

やられた…一番先に出た気持ちでした。
『手記』『記録』などで描かれるという面白い形がとられていて、小説を敬遠している人間も読みやすいかもしれません。
早い段階で犯人は捕まるのですが、それからは“動機”がこの事件の全て…加賀がじりじりと追い詰めていきます、でも今回も鋭いですけどー動機に食われてしまっていましたね。悪意ってきっと誰でも持っていて、そこがまた怖い。そして加賀の過去も紐解かれて、大きな意味を持ちます。
東野さんの最近の作品と比べては分かりやすく作られていると思います。

どちらかが彼女を殺した
発行年月:1996年06月(文庫1999年05月) 【小説】
著者:東野圭吾
最愛の妹が偽装を施され殺害された。愛知県警豊橋署に勤務する兄・和泉康正は独自の“現場検証”の結果、容疑者を二人に絞り込む。一人は妹の親友。もう一人は、かつての恋人。妹の復讐に燃え真犯人に肉迫する兄、その前に立ちはだかる練馬署の加賀刑事。殺したのは男か?女か?究極の「推理」小説。
 

袋とじって!まさか犯人は自分で探すとは思っていませんでした…。
本当にちゃんと読んでないと分からないですし、まさに究極の推理小説、醍醐味ともいえます。私も犯人が確実ではなかったので、本で初めて袋とじを開けましたよ…。今回も加賀は絶対に逃がしません。

名探偵の掟
発行年月:1996年02月 講談社 307P ¥1,680(ノベルス:1998年04月 252P ¥798) (文庫:1999年07月 348P ¥620) 【小説】
著者:東野圭吾
完全密室、時刻表トリック、バラバラ死体に童謡殺人。フーダニットからハウダニットまで、12の難事件に挑む名探偵・天下一大五郎。すべてのトリックを鮮やかに解き明かした名探偵が辿り着いた、恐るべき「ミステリ界の謎」とは?本格推理の様々な“お約束”を破った、業界騒然・話題満載の痛快傑作ミステリ。
  

東野圭吾さんの作品で毎度毎度笑わせてもらったのは初めてです。
こんなに大変な思いをしているんですねー作者の力量をバカにしたり、まだダメだとか、『アレ』は言いたくないとか、それは言っちゃダメだとか。まさに推理小説の枠をブチ壊しているところが面白い。
『アレ』と記され、そんなに推理小説を読んでいない私にも『アレ』かな?と思わせる。あとたまに読者を可哀そうだとヒントもくれたりする。お約束を全てブチ壊しても、お遊びなんかじゃなく、そこには別の作品への答えを用意してある。解説にあるように「名探偵の掟」を読んでから別の作品を読むと作者の気持ちを読み取れると感じた。
フーダニット、ホワイダニット、ハウダニットとあるが、東野圭吾作品は全てをぬかりなく網羅している。
そして最後はまさかまさかの展開を用意してある。確かにこれは普通の推理小説ではありえない、ありえてはいけないお約束。でも「名探偵の掟」ではありえるんです。

むかし僕が死んだ家
発行年月:1994年05月 257P 双葉社 ¥1,550(文庫1997年05月 313P 講談社 ¥560) 【小説】
著者:東野圭吾
「あたしには幼い頃の思い出が全然ないの」。7年前に別れた恋人・沙也加の記憶を取り戻すため、私は彼女と「幻の家」を訪れた。それは、めったに人が来ることのない山の中にひっそりと立つ異国調の白い小さな家だった。そこで二人を待ちうける恐るべき真実とは…。


張りつめた緊迫感、得体のしれない家に踏み込む恐怖、謎解く記憶…ゾクゾクします。
昔の記憶がないという昔の恋人。彼女は深い悩みを抱えていて、そのために記憶を取り戻したいと家に行く。誰も住んでいない家に踏み込むのはそれだけでも恐怖だし、魅力的でもある。
ちらばめられた伏線が素晴らしい。頭の中で予想は立ててはみるんですが、ちっとも当たりません。
家で見つけた品々から紐と枯れていく…一体この家は何なのか。なぜこんな家があるのか。その家に残されている物から推理していくというのがとても魅力的で、好きなテイストでした。

分身
発行年月:1993年09月(文庫:1996年09月) 【小説】
著者:東野圭吾
私にそっくりな、もう一人の私がいる!?自分にそっくりな東京の女子大生・双葉をテレビで見て驚く札幌の女子大生・鞠子。2人を結ぶ宿命の絆とは何か?迫真のサスペンス長編。


自分とそっくりな人間がもしいるとしたら…私が考えられるような安易で簡単な問題ではなかった。
『鞠子』と『双葉』の章が交互に描かれていくので、お互いが顔は分かっていながら、出会いそうで出会わないところがドキドキ。どんでん返しなどはありません。
でも確実に少しずつ、恐ろしい結果に近づいていく過程が怖いほどにゾクゾクします。難しい題材も含まれていますが、分かりやすく説明してくれています。

同級生
発行年月:1993年02月(文庫:1996年08月)
著者:東野圭吾
同級生の宮前由希子が車に撥ねられて死んだ。彼女は俺の子を身篭っていた。たった1度の関係。俺は本気ではなかった。だが由希子はそう信じたまま死んだ。俺は皆の前で告白した―。二人は愛しあっていた、と。やがて俺は衝撃の事実を掴んだ。由希子は産院からの帰り、張り込んでいた中年独身女教師御崎藤江に追われて事故に…。俺は授業中、御崎を追求した。俺は“英雄”になった。だが、それも束の間、ある夜御崎が教室内で絞殺された。校内は騒然、俺は一転して被疑者となった。真相解明に乗り出した俺だが、直後、校内でまたも奇怪な事件が…。


「同級生」って言葉がこんなに意味を持つことをゾワっと実感しましたね。
関係を持った相手が、本気ではない相手が、亡くなった…。負い目はあるけど、教師に追われて…なんて聞かされたら高校生だったら絶対黙っていられないのは分かります。でも女性側としては…微妙なところは正直ありますねー興味だけじゃなかったのかって、どうも好きになれない主人公でした。
推理だけでなく、恋愛としても読み応えのある作品だと思います。

ある閉ざされた雪の山荘で
発行年月:1992年03月 221P 講談社 754円(文庫1996年01月 306P 560円)
著者:東野圭吾
1度限りの大トリック!たった1度の大トリック!劇中の殺人は真実か?俳優志願の男女7人、殺人劇の恐怖の結末。
早春の乗鞍高原のペンションに集まったのは、オーディションに合格した男女7名。これから舞台稽古が始まる。豪雪に襲われ孤立した山荘での殺人劇だ。だが、 1人また1人と現実に仲間が消えていくにつれ、彼らの間に疑惑が生まれた。はたしてこれは本当に芝居なのか?驚愕の終幕が読者を待っている!
 

1度限りの大トリックですね!読んだ後ならこの意味が全てだなって分かります。
面白いタイプの小説ですねー「仮面山荘殺人事件」も読んでいたのですが、全然違うとは言えないかな…密室劇ではありますが、仮面山はあからさまな恐怖がありましたからね。
お芝居なのか、現実なのか…本当にどちらとも取れる展開。誰かに思い入れていつも読むんですが、登場人物が多いのもあって、でもそれが逆に気持ちを取り込めずにうまく動かされているなって思いました。

仮面山荘殺人事件
発行年月:1990年12月発売 225P 徳間書店 ¥734(文庫・1995年03月発売 294P 講談社 ¥560) 【小説】
著者:東野圭吾
八人の男女が集まる山荘に、逃亡中の銀行強盗が侵入した。外部との連絡を断たれた八人は脱出を試みるが、ことごとく失敗に終わる。恐怖と緊張が高まる中、ついに一人が殺される。だが状況から考えて、犯人は強盗たちではありえなかった。七人の男女は互いに疑心暗鬼にかられ、パニックに陥っていった…。


途中からまさか…って思ってくるんだけど、衝撃はガツンと食らいましたね。
強盗っていうのはそんなに魅力的じゃないんだけど、一人が殺されて、みんなが疑い始めるっていうのが面白そうだなって思ったんですが、強盗に殺人っていう緊迫感はたまらないですね。
一体誰が犯人なのか…動機は何なのか。ただ好き嫌いはある作品だとは思います。

宿命
発行年月:1990年06月発売 293P 講談社 ¥750(文庫・1993年07月発売 378P ¥649) 【小説】
著者:東野圭吾
高校時代の初恋の女性と心ならずも別れなければならなかった男は、苦闘の青春を過ごした後、警察官となった。男の前に十年ぶりに現れたのは学生時代ライバルだった男で、奇しくも初恋の女の夫となっていた。刑事と容疑者、幼なじみの二人が宿命の対決を果すとき、余りにも皮肉で感動的な結末が用意される。2004年12月26日に「wowow」がドラマ化。


ラストの驚きは今までで一番だったかもしれない。全く予想もしていなかった結末。
こんなに大きな事態となるとは思わなかった…刑事と医者、全てがタイトル通り“宿命”としか言いようが無い、息が詰まるほどに。最後の会話は全てを解き放たれたような忘れられない一文で、印象的です。

鳥人計画
発行年月:1989年05月発売 新潮社(文庫:1994年08月 388P 新潮社 ¥580) (2003年08月 388P 角川文庫 ¥580) 【小説】
著者:東野圭吾
日本ジャンプ界を担うエース・楡井が殺された。ほどなく犯人はコーチと判明。一体、彼がどうして。一見、単純に見えた殺人事件の背後に隠された驚くべき「計画」―踏切のタイミング、空中姿勢、風圧、筋力、あらゆる要素を極限まであの男のデータに近づけよ。「計画」は極秘のうちに進行しつつあった…。拘留中の犯人が密告者を推理する、緻密極まる構成の本格スポーツ・ミステリー。


悲しいのに、読後感はなぜか爽やかな気持ちなのが不思議でした。
スキージャンプってことでオリンピックをチラっと見たことあるくらいだしなぁ…って思っていたのですが、知識がなくても読める内容でした。一応、図も載ってますし。図は私には呑み込めなかったですけど。
20年も前の作品なんですね(読んだのが2009年)。ジャンプは知らないけど、時代を感じさせる部分は少しはあるが古い感じはしない。ビックリ感も大いにある作品です、やられます。
犯人は早い段階で分かります。でも一番の被害者ともいえるし、動機は見えない、話さない。犯人も完璧だったはずなのに密告者がいる…誰なんだ?と考えるが、落ち度は見付からないらしい。私も一緒に誰なのか考えましたが、大はずれ。
鳥人は必要か、勝つだけのスポーツの悲しさを感じます。
楡井くんはすぐに亡くなってしまうんだけど、頭に残ったのは楡井くんのことばかりでしたね。躁鬱病の鬱がない状態っていう例えがピッタリでしたね。得てしてそのくらいでないと天才とは呼ばれないかも。

眠りの森
発行年月:1989年05月発売 275P 講談社 ¥1,264(文庫・1992年04月発売 328P ¥580) 【小説】
著者:東野圭吾
美貌のバレリーナが男を殺したのは、ほんとうに正当防衛だったのか?完璧な踊りを求めて一途にけいこに励む高柳バレエ団のプリマたち。美女たちの世界に迷い込んだ男は死体になっていた。若き敏腕刑事・加賀恭一郎は浅岡未緒に魅かれ、事件の真相に肉迫する。華やかな舞台の裏の哀しいダンサーの悲恋物語。


一体どう繋がるのか…パズルが組み立てられるように重なっていきました。
これでとりあえず、加賀恭一郎作品は読破しました。やっぱりガリレオ先生よりも好きですね。
正当防衛を主張する事件が発生。本当に正当防衛だったのか、裏付けを取らなければいけない。加賀が刑事になってから初の作品ですね。教師だったって話も少し出てきます。詳しくは「悪意」で先に読んでいますが。
太田の髑髏の話は最高でしたね!夜中に笑いましたね。
「嘘をもうひとつだけ」でもバレエのお話がありましたが、東野圭吾さん好きなんですかね?私にはまったく無知なのですが、すんなり入れる描き方をしてくれています。
今回が一番、加賀恭一郎の一面に驚きました。

魔球
発行年月:1988年(文庫・1991年06月 326P ¥580)
著者:東野圭吾
9回裏二死満塁、春の選抜高校野球大会、開陽高校のエース須田武志は、最後に揺れて落ちる“魔球”を投げた。すべてはこの一球に込められていた…。捕手北岡明は大会後まもなく、愛犬と共に刺殺体で発見された。野球部の部員たちは疑心暗鬼に駆られた。高校生活最後の暗転と永遠の純情を描いた青春推理。


また、名作に出会ってしまいました…そんな気持ちになりました。
野球に詳しくないのですが、どこか気になる「魔球」。
戦争、電話がない?って読み進めていたら、昭和39年(1964年)のお話なんですね。そしてこの作品は「放課後」よりも先に書かれているんですよねーしかも20代中盤で、さすがですね。
華やかな、悔しさはあっても悲しさには遠いはず高校野球と、爆弾事件…どういう関係があるのか。
魅力は須田武志という人間ですね。ぶっきらぼうで、人を寄せ付けない、なぜそんな人間になったかが読み解かれます。
まさかの最後の展開はもう涙無しには読めませんでした。拭いながらも、こぼれ落ちてしまい、受け止めるしかなかった真実に驚愕します。それでも読後感が良いのは東野圭吾さんの力ですね。

卒業 雪月花殺人ゲーム
発行年月:1986年05月(文庫1989年05月)
著者:東野圭吾
7人の大学4年生が秋を迎え、就職、恋愛に忙しい季節。ある日、祥子が自室で死んだ。部屋は密室、自殺か、他殺か?心やさしき大学生名探偵・加賀恭一郎は、祥子が残した日記を手掛りに死の謎を追求する。しかし、第2の事件はさらに異常なものだった。茶道の作法の中に秘められた殺人ゲームの真相は!?


加賀恭一郎の登場。ここから読むべきでしたね…完璧逆走しました。
茶道の作法を全く知らないので、雪月花は図の解説があっても難しかったですね…ペラペラやりましたが、何度か読まないと理解できない。
大学生の加賀もやっぱり加賀恭一郎だなって思いましたねーこんな経緯があったんだなって嬉しくもあったし。人の受け取り方、いやらしい気持ち、エゴでこんな風になったんでしょうね…。そしてつくづく作家は物知りだなって実感しましたね。

放課後
発行年月:1985年09月(文庫1988年07月)
著者:東野圭吾
校内の更衣室で生徒指導の教師が青酸中毒で死んでいた。先生を二人だけの旅行に誘う問題児、頭脳明晰の美少女・剣道部の主将、先生をナンパするアーチェリー部の主将?犯人候補は続々登場する。そして、運動会の仮装行列で第二の殺人が…。乱歩賞受賞の青春推理。


情景がみるみると描ける…驚くべき展開に、犯人、動機…たくさんの原点が詰まってました。
ファンとしては読まなくてはダメでしょう…って思いながら早何年…やっと読みました。デビュー作っていうことが信じられないですね〜今のように泣けるってことはなかったけど、素晴らしい完成度ですね。
犯人はギリギリくらいでやっと見えてきましたが、こんな動機で…っていうのが一番の衝撃ですね。

ブックオフオンライン