貧者のミサ
(Messe des Pauvres)


1895年作曲。楽譜が出版されたのは死後の1929年だが、7曲のうちの2曲

「キリエ」と「オルガンの祈り」は1895年6月に、サティが出入りしていた

ジュール・ボアの率いる秘教的グループの雑誌に掲載されています。

オリジナル楽譜には「主イエスに導かれる芸術のメトロポリタン教会のミサ」と

記してあります。作曲の2年前の1893年、自宅に「主イエスに導かれる芸術のメトロポリタン教会」

を創設し、司祭兼聖歌隊長に就任。礼拝堂は部屋の戸棚の中。その教会のミサ曲。

第1曲の<キリエ>にだけソプラノとバスの声楽があり。

<キリエ>は七の和音の連続と、小さなモチーフの組み合わせが目立つ。

第2曲では、グノシェンヌの特徴である、長二度の音程を含む旋律があります。

第3曲、第4曲はトニックの和音の連続がパンディアトニスムを思わせます。

第5曲は短いが二つの部分からなり、第1部はすべて三和音、第2部は、

ほとんどが七の和音・九の和音からなります。そして、この第2部は、旋律が次の

第6曲と同じ。しかし、第6曲の和音はすべて基本位置の三和音で、和声的には

別のものとなっていて、この和音は、右手と左手で逆方向の反進行になっています。

中世の単旋聖歌(プラン・シャン)ふうの自由な旋律を、自由な無関係な和声と

結びつけるという、この時代の特徴が表れています。

第7曲はACBCAというシンメトリーを示し、「バラ十字教団のファンファーレ」にみられた

旋律のみで奏し、次に和声づけされてそれを繰り返す、という形になっています。

今まで、これほどまでに荘厳且つ厳かな曲が他にあったでしょうか?






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