
2003/07/19 三鷹「そばや」
2003年7月19日(土)13時過ぎ
三鷹駅北口から三鷹通りを北上し、さらに中央通を北進した左手、駅から徒歩で15分はかかるところに「そばや」はある。
チャリンコで三鷹や吉祥寺動物園に向かう途中に気付いた店である。地元の客か、噂を聞きつけて訪れる客しか来ない立地だ。
13時過ぎに店に入ったときには店内に他の客はいなかった。店内は、右手に4人席が4卓あり、黒と赤を基調としたシックな造りだ。玄関を開けると、店内は少し段差があり床は板張りだ。
「土足であがっていいんですか?」と思わず尋ねてしまった。
席につく。4人席だが4人だとかなり窮屈だ。セットは2人分しかされていない。漆塗りの真紅のお盆が美しい。こだわりが感じられるが、もともとは安普請の店舗に無理やりお化粧しているので、とことどころで化けの皮がはがれている。例えば、トイレの戸はアルミサッシであった。
メニューに「鱧(はも)」料理がある。
たまたま店主が若い出入り業者に、クレームをつけていた。
「しめてあったから使おうかと思ったが、骨が悪い。普通の板前じゃ気付かないかもしれない。はもの良し悪しは、僕らでも見ただけじゃ分からない。漁師は分かるらしい。今回は自分で確かめてお願いしてないから、請求につけても構わない。やっぱり自分の目で見て仕入ないと、駄目かな・・・」。
出入り業者の息子(らしい)は、恐縮していたが、自分の口から「お金はいりません」とは言わず「請求はしないと思いますが」歯切れの悪い応えをしていた。
お店に電話がかかってきた。その会話によると13時迄にランチは売り切れ、蕎麦も売り切り終いとのこと。自信がある様だ。
毎日々じとじととしており、今日も涼しい。
倹約期間でもあるし、ビールはパスし「浦霞」を頼む。
お猪口は江戸キリコだ。
付け出しは、おおぶりのつぶ貝で一味が少しまぶしてある。ちょっと癖のある味だが、冷酒にはよく似合う。
「お主中々できるな」という気持ちになる。
「合鴨塩焼き」は、「脂がついてますがよろしいですか」と聞かれる。サービスは中年に入りかけた女性で、多分、店主(板さん)の連れ合いだろう。二人できりもりしている。
小ぶりの鴨肉が6枚、陶器の皿にのって出てくる。レモンと、大根おろしがついてきた。小ぶりであるが、鴨の濃厚な味は美味い。鴨の下に笹の葉が敷かれ、店主のこだわりが感じられる。
残念なのは、ネギはほんの少しに切られた2片がついているだけだった。
上機嫌になってきたが、自制する。
「もり」を頼む。蕎麦は細いが、蕎麦の香りは強い。
汁は一箸つけて味わうと甘味を強く感じる。おそらく出汁がきいているので、一瞬甘く感じるのだろう。蕎麦をくぐらせれば、しまった味わいになる。
細く切ったネギと生山葵がついてくる。
小さい湯桶に入っている蕎麦湯は白濁して濃そうである。
汁で割っても蕎麦湯が勝ってしまう。蕎麦湯自体がスープなのだ。
最後に、最初に出された水を飲む。水と思ったら冷やした蕎麦茶であった。僕は麦茶が好みだが、冷やした蕎麦茶も美味しい。濃厚な蕎麦湯の後だったので、爽やかに感じられた。
新しい店を発見した喜びを噛みしめつつ、チャリンコで帰宅。
先日、朝日新聞で紹介されたCD「SOB−A−MBIENT」をセットし、ソファーで横になる。
CDはビニールの袋(ハードカバーではない)に入っているチープな作りである。ジャケットの写真は「神田まつや」であるが、客の写真は外人の親子連れ。
CDの1曲目は、神田藪蕎麦の女将の口上だ。
アンバランスに感じられるが、これが狙いなのであろう。
解説書(字が小さくてほとんど読み取れない)によれば、僕らより下の世代のミュージシャンには結構蕎麦好きがいるのだが、蕎麦屋では良い音楽が流れない。
そこで、蕎麦屋でかけるに相応しい曲を作ったという。
志は高い。
連日の仕事疲れと睡眠不足で、ソファーで1時間半、浅い眠りに落ちた。
このCD、石坂浩二が絡んでいるのだが、ビデオクリップが出来ると言う。一度は見てみたい。石坂浩二みたいに、道楽者で人非人の生き方が出来るのは羨ましいと、ふと思うことがある・・・。
次週は、蕎麦の聖地、信州からの蕎麦紀行。乞うご期待!
ただし家族とのバトルに勝てばの話だが・・・。
< 本日のお会計 >
浦霞 650円
合鴨塩焼き 900円
もり 700円
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合計 2,250円(内税なのか外税なのか分からず)
以上
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