2003/08/02 池之端「藪蕎麦」




2003年8月2日(土)13時45分頃

いつもよりは遅いが、6時に目は覚めた。ベッドから這い出るために、かなりの時間はかかったが、会社に出かけた。

我ながら偉いと思う。しかし朝から眠くて、おまけに空腹になると仕事に手がつかぬ。
店に電話したら「14時に暖簾を下げます」ときっぱり言われた。残る雑務をさっさと仕上げて、千代田線で湯島に出る。

今日でようやく梅雨明けだ。外は快晴で、むっとくる。

石畳を踏みしめ扉を開ける。14時近いが店内は満員だ。
入って右手は座敷(2人席×5列)、左手は椅子席(4人席と2人席×2列)になっている。
椅子の2人席に案内される。バッグを向かいの席においたら「足元において下さい」と言葉遣いは丁寧だが、断れない厳しさが口調に含まれている。相席が当然なのだ。

ここの仲居は上半身は白い仲居用シャツ(?)で、サンダルばき。接客には、店オリジナルのしきたりがある様だ。厨房へのオーダーは、独特の言い回しがある。

僕の隣はフランス人3人(男2人女1人)が座っていた。
以前、来た時も外人がいた。外人向け観光案内に載っているのだろうか?

女性が日本語で「茶碗むしありますか?」と日本語で聞く。
若い田舎っぽい仲居は、外人というだけで極度の緊張状態にあり、「お茶?ありません」と大きく×の仕草をする。「茶碗むし」が耳に入らない。

何度が同じ繰り返しがあり女性が降りた。お品書きには茶碗むしはない。彼らはフランス語で話しているので(だからといってフランス人とは断定できないか?)何を言っているかよくわからんが、日本については結構詳しそうで、住んでいるのかもしれない。

仲居が水をもってきたり、蕎麦を持ってきたりすると3人共「はい」と礼儀正しく頷いていた。
3人は冷たい天麩羅蕎麦を食べた後、ざるを追加していた。
量は物足りなかったのであろう。

蕎麦道仲間のN氏が先々週従兄弟の結婚式でフランスの田舎街(ナンシー)に行ってきた。N氏の情報に寄れば式に参列した60人程にフランス人の内、英語が出来たのは僅か1人だったそうだ。だからアメリカのいいなりにならない訳か?

閑話休題。

ビールには、蕎麦味噌がほんの少しついてきた。こいつがねっとりとしていて甘くて、疲れた身体には丁度いい。数箸分なのが、またうまい脚色だ。

1,500円もしたが日頃禁欲しているので「合焼」を頼む。
「お品書き」には「合鴨蒸し焼き」と記されている。
綺麗な肌色をしたスライスが5枚、小さいブロックが2個、ついている。カラシをつけ、特製のタレに浸して食べる。
美味。
鴨肉の繊維がきちんと織り込まれ、肉の旨味が凝縮されている。

ビールを飲む前までは、へたっていたが俄かに元気が出てくる。

シャキっとしたナガネギの千切りは、口直しにはぴったしの組み合わせだ。

14時まで僅か15分だったので、オーダーは一気にした。合焼を食べているうちに、せいろが出て来た。

丸いざるの上に蕎麦が乗っている。一瞬、ちょっと緩めに茹でてあると感じたが、腰はしっかりとしていた。

汁は良く出来ていて、蕎麦をまとうとダシの旨味が急にひきたつ。汁はごく僅かしか出てこないが、味がしっかりとしている自信の表れなのだろう。

蕎麦猪口が、またいい。厚みが薄く、蕎麦を自在にあやつれる。
楽しい。

湯桶またいい。黒い器は大きく、ずしりと重い。蕎麦湯は熱い。
白濁した蕎麦湯が、また美味い。

仲居が寄ってきた。作られた笑顔で「14時に火をおとします。お代わりはよろしいですか」と尋ねてくる。
「結構です」と答えると、厨房は直ぐに中休み体制に突入した様だ。

外にでる。むっとする。20分弱は楽しかったが、いくらなんでも「憩う」には短い。

僕は、ツルツルと音をたてうまそうに蕎麦をすすって(?)いた。お隣は、もぐもぐと音をたてずに(たてられる技術がない。教育・躾の賜物か)食べていた。彼らに、正しい日本文化を理解させられたであろうか?

勿論、仲居には充分感謝の言葉と礼儀をもって接したし、店を辞する時も「ご馳走様でした」とお礼を言って出た。

そうか、彼らは日本語はよく分からなかったっけ・・・。

< 本日のお会計 >
エビス中壜 600円
合焼               1,500円
せいろ                600円
==========================
合計               2,700円(内税)

箸の袋に住所も電話も書いてなし。自信の表れ?

以上

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