
2002/09/29 浅草「並木藪蕎麦」
2002.9.29(日)昼下がり
雷門から徒歩1分のところに「並木藪蕎麦」はある。
14時すぎで店内は満員ではないが、次々にお客が訪れる。仲居のおばさんは白い割烹着で、ハキハキしており活気がある。古い日本家屋で、右手に椅子席(6人席2卓、4人席1卓)、左手に座敷がある。お客をさばくために、ほとんど相席となる。
運良く、奥の三畳に居座る。一人で座ると仲居のおばさんがスポーツ新聞を渡してくれるのだが、今日は出なかった。
友人のI氏から「今度東京に行ったら蕎麦寿司が食べたい」とのリクエストを受けている。立ち読みで何冊か目を通すと「並木の先代が広めた」と書いてある。しかし壁に白紙に墨でかいたお品書きに「蕎麦寿司」はなく、お品書きにのっていないのは「天ぬき」だけであった。
まずビールと、わさび芋を頼む。わさび芋には、おろしたとろろ芋と、わさび、濃い口の醤油がついてくる。箸でのばしても、芋は切れることがない。相当な粘り気である。
隣に、父親と娘が座った。娘は、大学を卒業した後も、バイトをしながら芸術関係の大学院を目指しているらしい。生活は苦しくなるが、なるべく自分でやります、と話しているが、どうやら父親に精神的及び金銭的なバックアップをおねだりしている様だ。ちょび髭をはやしたサラリーマンとは思えぬ父親は、枡酒をたしなみながら、聞き役に徹していた。女性の子供をもつ親は、つくづく大変だと思うが、ちょっと羨ましくもある。たまたま井上ひさしの「東京セブンローズ(上巻)」を読んでいたので
影響を受けていたのかもしれないが・・・。
「天ぬき」を頼んでみる。てんやものを入れる器で出てきた。蓋を開けると、黒々とした汁がたっぷり入っており、その中に小海老のてんぷらが汁をたっぷりすって、浮いている。れんげで汁をすくい、口に含む。濃い、というか辛い。江戸っ子である。子海老はプリプリとして美味い。体が温まる。
「せいろ」は、刻んだネギと山葵がつく。汁はどこまでも濃く、蕎麦湯でわっても少々の量では、のびたりはしない。しっかりした汁だ。
ここの支払いは、奥におばあさんが陣取ったお会計どころでお金がやりとりされる。
この店にとっては、レシートやクレジットカードは、はるか彼方の出来事である。
照明は薄暗く、昔の日本が随所に残っている。少々騒がしいが、年寄りにはリラックスできる。「名店」と言われているが、敷居は高くない。
浅草観光のついでに、一度は寄ってみましょう。
< 本日のお会計 >
壜ビール 650円
わさび芋 650円
天ぬき 1,600円
せいろ 650円
ーーーーーーーーーーーーーーー
合計 3,550円
以上
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