
2002/10/05 埼玉県吉川市「ほそ川」
武蔵野線吉川駅を降りる。
「吉川なまずの里 ラッピーランド」と銘うっている。今日は27℃迄、気温は上昇したが、肌寒くなった。日本の地域振興策は、どこかずれているのではないか?
確かに、今日まで吉川市という街があることは知らなかったが、こういう街起こしはいかがなものか・・・。
ついこの間まで農地か荒地だったところに、2車線半のとおりができ、その周りに一戸建てが次々に出来た。合間に、郊外店が進出。日本中、どこにでもある様な均質的な町並みである。
徒歩15分と紹介されているが、暑いせいかもう少しかかった気がした。後悔し始めそろそろ方向転換しようかと決断をせめられた頃、「ほそ川」が見えた。住宅街の真中で、対面はコインランドリーである。
店に入ると、右手に掘り炬燵の席(6席)が2卓、左手奥は座敷席(4席)が2卓。中央は四角形で、3席×4=12席である。
掘り炬燵席は道路に面する側は全面ガラス張りであるが、外に細い竹林が作られており、道路や住宅は目に触れない様に工夫(?)がされている。
泉谷しげるが少し太った様な店主は、焼き物が好きらしく、店内にいくつも置いてある。近所のおばさんと(妊娠中の)義理の娘の二人組みと、話し込んでいた。
店内は洒落た山小屋風で、木目の什器が間接照明でセピア色のそまり、ここが「なまずの里」であることを忘れさせる。内装は計算され尽くしている。
静かで落ちついた雰囲気だが、カウンターの客席側に洗い場があり、水の音が気になることもある。
店内のサービスに一人、厨房に二人、みんな白装束で、頭は刈り上げている。応対は、小声ではあるがハキハキしている。店主は、白いねじりハチマキであった。職人。
まずエビス生と、穴子(江戸前)の天麩羅を頼む。
エビス生(小)は、シックな陶器のグラスになみなみにそそがれて出てきた、蕎麦の揚げ物が3枚ついてきた。
穴子の天麩羅は、20cm弱の少し焦げ目のついたキツネ色の穴子一尾、つけあわせの細いインゲンの天麩羅3本、栗の天麩羅1個、穴子の背骨の唐揚げ1本(香ばしい)と、豪勢である。汁と、塩がついてくる。
穴子に箸を入れると白い湯気が漂う。「ああ幸せ」と食す前に思ふ(井上ひさし「セブンローズの影響です)。ころもは厚くしっかり穴子を包んでいる。穴子には小骨があるが、舌にはかんじられない。身と一体化している。身にしまりが足りない気もするが、これが江戸前か
栗の天麩羅は生まれて初めてだと思うが、中々なものであった。
調子が出てきたので、「磯自慢 静岡県(メニューでは一番安い)」を頼む。グラスのおちょこの造形が気に入る。
空豆好きの僕としては、「焼き空豆」を外せない。焼いた三房と塩、おしぼりがついてくる。
空豆は一房に2〜4個入っている。房の両面は真っ黒にこげている、中は、ホクホクとしており、熱い内は空豆の皮もすんなり食べれる。美味である。茹でるより焼く方が美味しい。ガスバナーを来夏は買おう。
せいろを頼む。ざるに小盛りで出てくる。食べてみると見た目より量はあるが、先程のおばさんが一枚追加した様に、食事だけなら足りないだろう。メニューには汁ぬきで一枚750円とあった。
ここの蕎麦は、北海道産、茨城産と複数あるが、北海道産の新蕎麦が出てきた。ほのかな香りがある。硬からず緩からず。
汁は、盛りの割にはたっぷりついてくる。半分は、蕎麦を食べる時にはいらなかった。甘さは無く、だしがきいた辛口である。
つけあわせは、細く切った瑞々しいネギ、少しのダイコンおろし、山葵だった。
白濁した蕎麦湯で汁をわる。まろやかな蕎麦湯に辛目の汁が広がっていく。冬場であったら身も心も安らぐであろう。
トイレにはいったら、壁に小さなクモが微動だにせずはりついていた。ここは吉川である・・・。
「ほそ川」は、最近「美味い」と上位にランクされている。僕のバイブルには載っていない。
確かに良い店だ。近所にあったならちょくちょく行くでしょう。でも、往復3時間、交通費で千数百円かけるだけのインパクトはなかった・・・。
蕎麦屋はおくが深い、多すぎるのか?
< 本日のお会計>
エビス生 550円
穴子の天麩羅 1,200円
磯自慢一合 700円
焼き空豆 800円
せいろ 800円
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合計 4,200円 (足し算合わず)
以上
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