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手織り布のテディベアが出来るまで・・・

仲良しのミシェルとクオレ
何年か前にアメリカで作られた、手織り布のテディベアを見た時に「こういった布の使い方もあるんだな」と感心した事を鮮明に覚えています。その頃、もう織物を人に教えている私でしたが、布は織れてもテディベアを作るのは無理と諦めていました。自慢じゃありませんが私は相当な不器用人間なんです。
でも、こうやって私は布を、りえさんはテディベアを作ってくれるようになって、凄く嬉しいのと同時に「願っていれば叶うかも」という気持ちが確信に変わりました。これから先の内緒話は作品展の最中に2人で話していた事をまとめたものです。改めて聞いてみると面白い発見が一杯で、とても楽しかった!皆様ともこの気持ちを共有したいです。では、ごゆっくり・・・
成子:じゃあまず、何故テディベアを作るようになったのかを聞かせて?
りえ:NON-NOに出ていたテディベアの作り方を見て、いきなりチャレンジしてみたんです。それでいきなり友達
にあげた。大学生の頃かな?作るのが純粋に楽しかったし・・・
成子:どんな感じのベアだったの?
りえ:第1作はコットンでした。パッチワークのハギレみたいな感じの。NON-NOに載っていたのがそんな感じ
だったから。丈が15センチくらいのもので、何個も作って友達にあげました。
成子:見たから出来るってものじゃないと思うけど・・その後もどんどん作ったの?
りえ:いいえ。会社に入ったので、忙しくてしばらく休止。でも、会社関係から材料などを入手するルートを知っ
てボツボツ作り始めました。初めてお金を貰ったのは5年位前かな?それも材料費程度でした。でも、
材料費を頂いて作れてラッキーって感じだった。(笑)それから、段々と口コミで注文が来るようになり
ました。
成子:その後、コンテストに出したりしていますよね
りえ:お金を頂くようになってから、コンテストとかに出品した方が良いのかな?って思って。アーティストと
名乗るのにはやっぱコンテストかな?って(笑)
成子:「やっぱコンテストかな?」っていう乗りが良いわ(笑)安心料みたいなもんだしね
りえ:そうかも・・・でも、1回目は空振り、2回目に清里の「萌木の村」であったコンテストに入賞しました。
佳作だったかな?その時出した子は「ヤムヤム」という子でした。テディベア博物館のクリスマス
企画だったと思います。
成子:そんな企画があるんだ・・・
りえ:色々ありますよ〜
成子:アーティストとして「ハク」も付いて良かったね(笑)じゃあ、どんな事にこだわって製作してるの?
りえ:全て手縫いです。
成子:それって、逆に手縫いじゃない場合が多いのかしら?
りえ:手縫いだと絶対に同じものにはならないし、表情が出ると思うんです。あと、作る過程でまず
「顔」から作ります。顔だけつくって転がしておく。
成子:転がす!?怖い!!
りえ:その子が話しかけて来るんですよ(笑)「早く作って〜」って
成子:えっ〜!ますます怖い!!(笑)
りえ:えっ〜!可愛いですよ!!(笑)
成子:色々あるんですね〜、じゃあこの辺で私達の出会いの話でも・・・
りえ:昨年の5月頃でしたっけ?
成子:そうですね。お稽古に来ている生徒さんから、りえさんの事を聞いたんです。丁度、グループ展を
してい るから「是非見に行って下さいね」って。彼女は結婚直前で、ウエディングリングを持って
いるテディベアをりえさんに作ってもらっていたんです。それで、「テディベア!?」と・・・昔考えて
いたアイディアがムクムクと浮かんで来たの(笑)これは逢って手織りの布で作ってくれるかどうか
聞かないと・・・と思いました。それで、いきなり織物のサンプル帖と生地を持って行っちゃった(笑)
りえ:そうそう、いきなり生地が・・・
成子:やってくれるとも聞いていないのにね(笑)
りえ:とりあえず、私のクマを見てからにしたら?と思いましたね(笑)
成子:そうよね(笑)でも、何か確信みたいなものがあって・・・
りえ:確信??
成子:逢った途端に「こりゃ味方だな・・・」と同じような感性を持っているなって・・・
りえ:あははははは(爆笑)
成子:えっ〜!感じてたのは私だけ?(笑)
りえ:いやいや・・・(笑)
成子:とにかく、私はテディベアに対する知識は全く無いけど、「こういうベアが欲しい」というコンセプトは明確
にあったのね。それで色々話してみたら、りえさんの作るベアにとても合っていたんです。
りえ:私の作る子は、しっかりしたタイプで、ふにゃっとした抱きぐるみタイプじゃないんで・・・
成子:大人の持つテディっていうイメージだからその方が良いの。それで、布を渡して、これはどうやって出来
たのかを延々と説明したのよね?
りえ:もう手に入らない糸で織ったとか・・・?
成子:そうなんです!この糸はスウェーデンのべリオ社が以前作っていた「ローマ」という糸なんです。ウール
100%なんですが、独特の「ぬめり」があって、まるでアルパカでも入っているような肌触りの糸です。
これで織って仕上げると糸同士が凄く良く絡まり合って、素晴らしい布になるんです。でも、残念な事に
べリオ社は潰れてしまってもう製造していないし、本国に在庫もない。それが不思議なご縁で、アメリカ
で手に入る事になりました。私は糸となると見境がつかなくなるタイプで・・・(笑)全部在庫を買い取った
んです。
りえ:全部ってどのくらい?
成子:う〜ん、180キロ位はあったかな?
りえ:嘘!すっご〜い!!
成子:普通はしないよね(笑)でも、私は糸キチガイなもんで・・・良いなと思う糸を見ると、買わずに
はいられない(笑)それも少しにしておけば良いのに、それが出来ない性分なんです。
りえ:気持ちは判るような気がしますが・・・
成子:それでとにかく布を渡して、出来上がりを楽しみに待つって感じでした
りえ:お預かりしたのは、紳士服地のようなオーソドックスなタイプのと、手紡ぎの優しい色合いのと2タイプで
した
成子:全然違う雰囲気の布にしたの。どんなベアになるのかすっごく楽しみでした。出来上がったと連絡を頂い
て逢ったのは秋頃でしたね。新宿のイタリアンレストランで・・・
りえ:どんな反応か心配だったりして(笑)
成子:嘘ばっかり!見た途端に「これよ!これ!」って感じで、凄く気に入った。もう考えていたベアだったの。
凄くシックで素敵なベア。もう興奮してしまって(笑)ワイワイ話ししていたので、ウエイターが何度も
オーダーを取りに来て・・・でも、また料理を決めないで話し込んで・・・(笑)彼、結構ムッとしてたよね
(笑)もうレストランだって事を忘れてましたね。でも、本当に感激しました。だって自分の織った布が
ベアになるんですよ!それも、長い間の夢だったし。嬉しい事に記念すべき第1号は頂いてしまった
のですが、私はその後色々な人にこのベアを見せまくりました。(笑)皆さんとても誉めてくださいまし
た。まぁ当然と言えば当然なんですけど(笑)「文句なんて言ったら許さないわよ!!」って迫力だった
と思うんで(笑)
りえ:良かった〜(笑)
成子:私自身、作品展に向けて勢いがついた感じがしました。実際それに負けないように頑張りましたし。
周りからの注目度も上がっているって感じましたね。そうそう、作品展の話って何時したのかな?
初めて会った時かな?
りえ:帝国ホテルって?!聞いてビックリしましたよ〜
成子:そうねぇ・・まぁ私達も実感沸かなかったけどね・・でも、良いチャンスじゃない?やりたくても
出来ないもの。それで、作品展も出品して欲しいとお願いして、あともう1種類違う布を織るので、
それもベアにして欲しいと頼んだんですよね
りえ:そうそう
成子:作品展のプレッシャーはあまり感じなかった。とにかく良いものを作りたいって事だけ・・・
じゃあ、出品した子達の事を話してくれる?
りえ:最初に作った子の布は、白とグレーと茶のシックなチェックの生地でした。結構地厚のしっかりした生地
でした。手織りの布で作った事はなかったので、とにかく、どんなものなのかイメージが沸かなかったん
ですけど、思ったよりも縫い易かったです。でも、厚手だったので普通よりも縫い代を多目に取りました。
成子:だからある程度の大きさになったんですね
りえ:あれ以上小さいとひっくり返らないし・・・最初は直接綿を入れられないと思っていたけど、直接で大丈夫
だったし・・・
成子:直接入れられないと、どうなるの?
りえ:私は直接入れたいんですね。その方が雰囲気が作りやすいから
成子:なるほど・・・繊細な仕事をするのね。私が第2弾として織ったのはブルーとチャコールグレーの生地で
した。私としてはスウェーデンをイメージして織ったので、首に巻くリボンはゴールドにして!とか言って
ました。あの生地はどうでした?
りえ:縫い易かった!縫いながらなじんで行くのが判ったし・・・同じ糸ですよね?
成子:そう、同じ「ローマ」という糸です。でもね〜仕上げの方法が違うの。縮絨という工程があるんですが、
第2弾の生地はそれが凄く上手く出来たんです。夏の間に良い方法を勉強してね。だから作業が
やり易かったんだと思います。
りえ:そうか・・・
成子:もっと早くに知っていれば良かったんですけど・・・最後の手紡ぎの布なんて縮絨までやってもらった
んですよね(笑)
りえ:そうそう、携帯メールで工程を教えてもらって(笑)勝手にやっていたら2,3工程を飛ばす所でしたよ
成子:すみません・・・そんな事までして頂いて・・・やっぱり手紡ぎの布は縫い難かった?
りえ:そうですね。他のと比べれば・・・生地が薄手だったし、織り目も粗かったので、綿を入れる時に
「大丈夫かな?」って心配でした。でも、フンワリ入れたら、その雰囲気がかえって良かったですね。
女の子のベアって感じになって・・
成子:そうね。今回8体作って頂いたけど、女の子ベアは手紡ぎ生地の2体だけでしたね。でも、すっごく
可愛いの!!やっぱり女の子なんですよね〜(笑)実は、1体は私が頂いたんです。手紡ぎで生地
を織って、尚且つテディベアにしてもらうチャンスなんて、もう無いかもしれないし・・・作品展の記念
にもなるから。問題は飾りたいのに、家の犬が(ラブラドールのクリオ)自分のおもちゃだと思って
狙っているので、凄く危険なんです(笑)でもね、全部欲しかったというのが本心かな?
どの子も素敵!!顔も違うし・・・そうそう、全部に名前がついているんですよね。
りえ:そうなんです。作る前から名前があるなんて、贅沢なお子達・・・
成子:結構雰囲気掴んでいると思うんだけど。私が頂いた第1号の子はミレニアムに生まれたから「ミリオ」で、
2体目の女の子ベアは「クオレ」と言います。クオレはイタリア語だったかな?
りえ:イタリア語??
成子:生徒がつけてくれたの。10体分位用意してました(笑)じゃあ、最後にこれからの製作の予定というか、
希望は?
りえ:そうですね。やっぱりベア1本で行きたいですね。でも、今のように色々な人との出会いも製作の
アイディアになるし大切だと思うんですけどね。ただ、納期とかがあると結構厳しくて・・・
集中出来たらいいな〜って思っちゃう。
成子:そうよね。集中して作業が出来るのは週末なんでしょ?休む暇がないじゃない!?
でも、素敵なベアを沢山作って欲しい!この先もコラボレートして行きたいし・・・って私が生地を
織らなきゃ駄目なんじゃない!(笑)えっ!私次第って事??
りえ:そうとも言う(笑)
成子:頑張らせて頂きます(笑)じゃあ今度はどんなイメージで織りましょうか?
りえ:赤いベアを作ってみたいな〜
成子:赤ですか!?素敵!赤は好きな色だし、大人っぽい赤にしましょう!
今日はどうもありがとうございました。
りえ:ありがとうございました。
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