(4) キト・建設現場
ドレル=ハーグ少将は満足だった。<サイクロプス=アイ>は80%以上完成していた。ほぼ計画どおりの進捗だ。ナハティからのお褒めの言葉もいただけよう。ひょっとしたら、ロード=エリンその人のお目どおりもかなうかもしれない。何たる幸運。ガイア主に感謝した。
超巨大戦艦<マザー=アース>のブリッジで、ローランド大佐はドレルがうれしそうにあごの下の贅肉を引っ張っているのをいらつきながら眺めていた。ローランドはドレルとは対象的に、40前、控えめに言っても筋骨隆々、顔つきは精悍そのものの男である。金髪はだいぶ前から薄くなってしまったが、植毛してあった。見栄えは重要だ。特に、成り上がりたいなら。
ドレルを見て思う。こういう薄バカで上の顔色をうかがってばかりの御用聞き野郎があまりに多すぎて、地球連邦軍は今の腐敗に堕した。もっとも、こんな状況だからこそ、自分も40を前にして大佐までのし上がれたのだ。コロニーの民間企業にでも勤めていれば、もっと競争相手は優秀だっただろう。
アンデス山中の上空に、小山のような<マザー=アース>のがぽっかりと浮かんでいる。
眼下には山岳の光景が広がっていた。だが、青々しい森林はみあたらず、ところどころに赤茶けたような、いじけた植物がへばりついているだけである。これが環境破壊が進んだ宇宙世紀0215年の地球の姿だ。
目立つのは、山と山の間の巨大な円筒の穴であった。内側の壁面は鏡のような輝きを放っていたが、深い。上からでは底は見えなかった。
「で、完成予定はいつなのかね。次には<血の災い>計画の発動が待っているのだ」
この1時間で3回目の同じ質問をもらいながら、ローランドは我慢強く丁寧な返事をした。完成予定は2ヵ月後である。もちろん、予想であるので、遅くなる場合もあるが、全力を尽くして監督していると。
ドレルはますます満足そうに、あごの贅肉をつまみ、額の汗をハンカチでぬぐった。こいつが肥満と高血圧で死ぬのが先か、おれにとっての利用価値がなくなるのが先か。ローランドはドレルの体臭に耐えた。
(5) サンティアゴの夢
右肩あがりに個体数を増やしてきたが、もはや限界だった。資源は枯渇した。個体同士が激しく争い、資源を奪い合った。お互いを殺しあうこともいとわなかった。別に恥ずべきこととは思われない。個体数は平衡状態に達した。
きっかけは何だったのか、わからないが、飛躍した。大きさの決まったパイをむやみに奪い合うことはやはり無駄である。短い時間に各種の実験が試みられた。配給性の似非ユートピアは彼らを停滞に追い込んだ。共同体により貢献をした個体が大きな資源を得られるようにすると、より効率的になった。個体数は再び増加した。だが、やはりやがては資源の制限から平衡状態に達することが予想された。この状況をブレークスルーするには、どうすればいいのか、じっくりと考え出した矢先に、活動は急に停止させられた。残念なことだった。

ええ、言いましょう。私は、ちび、デブ、ハゲ、三拍子そろっていますとも。本職のホームページのほうから確認してください。その辺のコンプレックスが凝縮されてます。
ドレルはさすがにおいて、ローランドは作者的にはかなり愛すべきキャラです。もっと大事にしたかったんですが・・・。
<サンティアゴの夢>については、追ってあきらかにされます。ヒントは(ターンAガンダムを見た人には必要ないと思いますが)ナノ・・・です。
このへん最初に書いたから、文章が短いなあ・・・(汗)