2006年度 活動記録

2006年度 役員一覧 (任期:2006年07月~2007年06月)
代表者: 古川原 哲夫、山崎 真稔、有満 保江
理事:   古宇田 敦子(会計担当)、森本 峰子(事務局担当)
       橋本 茂一(編集担当)、加藤 めぐみ(編集担当)
監査:   一場 慎司


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下記「定例会案内」のなかに掲載している各サイトにつきましては、
その後に閉鎖、あるいは削除されている場合があります。ご了承ください。

2007/06/16(土) 定例会:東京地区

事務局: 森本記 (2007/06/02)

イアン・ミドルトンの三部作を例会でとり上げていますが、5月例会でとり上げた Faces of Hachiko は賛否両論でした。がっかりした人、興味深かった人、作者が登場人物にまったく同情をしていないと思う人、いや、深い共感を持っていると思う人それぞれで、評価はいろいろ・・・。ですが面白い現象は、普通は決められた範囲しか読んでこないのに、たいていの人が最後まで読んできてしまったことです。評価は分かれても読者をひきつけるものが、この本にあるからではないでしょうか。

この Faces of Hachiko (『ハチ公』)の舞台は、1970年代初めの東京です。1972年の若者を対象とした意識調査によると、虚無感を抱いている人は36%で、充実感を抱いている人の16%を大きく抜いています。それが逆転するのが1981年・・・。その後しばらくは充実感が虚無感を圧倒するのですが、2007年にはさらに逆転して、虚無感が29%で充実感が16%だそうです。『ハチ公』のなかに流れる虚無感は当時の時代を反映し、さらには現代にも通じるのかも・・・。


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月の例会では、三部作の最後の Reiko (『玲子』)を読みます。10年ぶりに日本に戻ってきたニュージーランド人の作者が、昔の恋人の玲子と再会。玲子は結婚して二人の子供もいるのに・・・。もし、これも時代を反映しているとしたら、充実感が虚無感をしのぐような内容となるのでしょうか。

●日時: 616日(土)午後2時から5時まで
●場所: 日本女子大学(目白キャンパス)
       100周年記念館:11階の留学生課目の部屋

●講読テキスト: Reiko ; A Novel of Present-day Japan by Ian Middleton, Inca Print


さて、文学会で近いうちにとり上げる作品のご案内です。Lloyd Jones Mister Pip という、ニュージーランド国内でベストセラー1位という話題作を読む予定です。
Mr Pip is a timeless, brutal novel based on fact. It is set in Bougainville in the 1990’s when Papua New Guinea isolated the island in retaliation to the independence movement --
この作品は、2007年の Commonwealth Writers’ Prize Overall Best Book Award を受賞しています。この賞をニュージーランドの作家が取るのは、ジャネット・フレーム以来だとのこと。詳しくは下記をご参照ください。
http://www.nzbooksabroad.com/shopdetail.php?a=0-14-30208-97


それでは皆様、例会でお会いしましょう。


[ 情 報 ]
●新刊本のご案内
郭南燕(Guo Nanyan) 編著『周縁地域の自己認識;津軽とオタゴの知識人を中心に』、弘前大学出版会、2007年、1,470円(税込)。

北半球と南半球の辺境と見なされる津軽(日本)とオタゴ州(NZ)の人々の心理状況と自己認識をとり上げ、ナショナリズム、環境問題、文学など幅広い分野から考察する内容の本です。編著者の郭南燕氏はオタゴ大学の教授。ANZ文学会のラクエル・ヒル、澤田真一、サワダ・ハンナ・ジョイの各会員も執筆しています。
詳細は下記サイトをご参照ください。
http://www.hirosaki-u.ac.jp/hupress/shoseki/023.html
 

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2007/05/26(土) 定例会:東京地区

事務局: 森本記 (2007/04/23)

文学会でとり上げる本は、必ずしも「面白くてやめられない」本ばかりではありません。義務のようにして読まなければならない時もあります。ですが、4月例会からとり上げたイアン・ミドルトンの三部作の1作めは、先が知りたくてどんどん読んでしまいます。ニュージーランド人の眼から見た日本人の生活が、生々しく描写されているからでしょう。本を開くと、私たちが日常無視しているような音や匂いが珍奇なもののようにとり上げられ、「私たちって、そんなにエキゾチックな民族だったっけ?」と、自らも一歩下がって見つめることができます。ソフィア・コッポラ監督の映画『ロスト・イン・トランスレーション』(Lost in Translation, 2003) を見た時のような感覚です。ミドルトンは、単に「ガイジン」として外側から日本人を見ているだけではなく、その喜びや悲しみを、共感を持って描いています。

さて、5月例会のお知らせです。

●日時: 526日(土)午後2時から5時まで
●場所: 日本女子大学(目白キャンパス)
       100周年記念館:11階の留学生課目の部屋

●講読テキスト: Faces of Hachiko ; A Novel of Present-day Japan by Ian Middleton, Inca Print
●講読ページ: Part 2 (最初から113ページまで)

それでは、例会でお目にかかりましょう。

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2007/04/21(土) 定例会:東京地区

事務局: 森本記 (2007/03/21)

お元気ですか。3月の例会で LAZAROS X を読み終わりました。『ルーツ』の再来かと思われる作品で、テリー・ギリアム監督で映画化したら、どんなに面白いだろうかと思います。荒唐無稽の自叙伝として始まったものが、実は周到に構築されたひとつのストーリとなって収束するエンディング。自分の人生がこんなに不思議な物語になっている人は滅多にいないでしょう。ミステリーのネタばらしをしないために、語るのはこの程度に留めておきます。

さて、4月例会のお知らせです。

●日時: 421日(土)午後2時から5時まで
●場所: 日本女子大学(目白キャンパス)
       100周年記念館:11階の留学生課目の部屋

●講読テキスト: Faces of Hachiko ; A Novel of Present-day Japan by Ian Middleton, Inca Print
●講読ページ: Part 1 (最初から57ページまで)
Ian Middleton の日本三部作の1作め。長らく幻の名著だったのですが、すでに高齢の著者の手元にあった本を譲ってもらえたため、このたびの講読会で取り上げることができました。

それでは、例会でお会いしましょう。

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2007/03/17(土) 定例会:東京地区

事務局: 森本記 (2007/03/05)

上野の東京国立博物館で開催されている、「マーオリ -楽園の神々-」という展覧会に行ってきました。高床倉庫や集会所も本物の一部が展示され、美しい織物のマントや装身具、武器、農機具、釣り針、楽器など・・・。また、それらに施された彫刻も見事でした。これまで「マオリ」とか「マオリ人」と呼んでいましたが、この展覧会では「マーオリ」、「マーオリ人」と表記され、「ワイタンギ条約」はWaitangiの‘n’の部分を読まずに「ワイタギ条約」と書いてありました。これからは、こう呼ぶのが主流になるのでしょうか。驚いたのは、体や顔に施す伝統的な入れ墨が、最近また流行ってきていると知ったこと。この展覧会は318日まで開かれています。主な展示品の写真は、下記のサイトでも見ることができます。

http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=3675

さて、ANZ文学会の3月例会のお知らせです。

●日時: 317日(土)午後2時から5時まで
●場所: 日本女子大学(目白キャンパス)
       100周年記念館:11階の留学生課目の部屋

●講読テキスト: The Remarkable Resurrection of LAZAROS X by Les Terry, Simon & Schuster
●講読ページ: 165ページ~最後まで

それでは、皆様のおいでをお待ちしています。

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2007/02/17(土) 定例会:東京地区

事務局: 森本記 (2007/02/04)

記録的な暖冬で、桜の花も早く咲きそうというニュースに、春が待ち遠しいこの頃です。
さて、ANZ文学会の2月例会のお知らせです。

●日時: 217日(土)午後2時から5時まで
●場所: 日本女子大学(目白キャンパス)
       100周年記念館:11階の留学生課目の部屋

●講読テキスト: The Remarkable Resurrection of LAZAROS X by Les Terry, Simon & Schuster
●講読ページ: 79 164ページまで
メルボルンで1950年代に育った Les Terry の自伝です。彼の家にはガラクタがたくさんありました。長じて彼は、そのガラクタを通して、自分の本当の出自を知ることになります。彼の本当のお母さんは誰なのでしょうか。事実は小説よりも奇なり・・・、という言葉を思い出します。

それでは皆様、例会でお会いしましょう。


[ 情 報 ] 文学会のメンバーが所属しています静岡文化芸術大学で、下記のような催しがありますのでお知らせいたします。大学の学内特別研究の成果を一般市民に還元するものです。

●静岡文化芸術大学 文化芸術セミナー
  テーマ: オーストラリアの芸術と文化
  日 時: 2007217日(土) 午後130分~ 4時まで
         (質疑応答、および休憩を含む)
  場 所: 静岡文化芸術大学 南棟2階 南281中講義室

*事前申し込みは不要。当日、直接会場へお越しください。
*関連サイト: http://www.suac.ac.jp/news/event/104.html
 

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2007/01/27(土) 定例会:東京地区

事務局: 森本記 (2007/01/05)

あけましておめでとうございます。
今年も、参加するのが楽しみなANZ文学会を目指します。皆様のおいでをお待ちしています。
さて、例会のお知らせです。

●日時: 127日(土)午後2時から5時まで
●場所: 日本女子大学(目白キャンパス)
       100周年記念館:11階の留学生課目の部屋

●講読テキスト: The Remarkable Resurrection of LAZAROS X by Les Terry, Simon & Schuster

上記テキストは、すでにご注文いただいた方の分しかありませんので、ご了承ください。また、新たに使用する予定のテキストについては、会員の方々には個々にメールにてお知らせしてあります。文学会に未加入で例会に出席を希望される方は、事務局にまずご連絡ください。

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2006/12/16(土) 定例会:東京地区

事務局: 森本記 (2006/12/10)

今年も残り少なくなって参りました。今年最後の例会が下記のように行われますので、どうぞよろしくお願いします。なお例会終了後、ささやかな忘年会を兼ねたクリスマス会をしたいと存じます。それでは、例会でお目にかかるのを楽しみに。

●日時: 1216日(土)午後2時から5時まで
●場所: 日本女子大学(目白キャンパス)
       100周年記念館:11階の留学生課目の部屋

●映画鑑賞会: 『ケリー・ザ・ギャング』(Ned Kelly, 2003)

今回はDVDで映画の鑑賞会を行います。以前(20042月)の例会で、ピーター・ケアリーの『ケリー・ギャングの真実の歴史』( True History of The Kelly Gang ) を読んだことがあります。たまたま同じ時期にオーストラリア映画の『ケリー・ザ・ギャング』が発表されました。日本では劇場公開されずに、ビデオのみが発売されています。この映画の原作は Robert Drewe Our Sunshine でケアリーの小説とは関係がありませんが、ネッド・ケリーを扱ったものとして、ケアリーの小説と比較しながら映画を観てみるのも興味あることと思います。

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2006/10/21(土) 定例会:東京地区

事務局: 森本記 (2006/10/05)

10月に入り、傘なしには外出できない日が続きますが、お元気にお過ごしのことと存じます。今、日豪交流年を記念して、いろいろな催しが行われています。ブリジストン美術館では「プリズム:オーストラリア現代美術展」(123日まで)、東京国立近代美術館フィルムセンターでは「オーストラリア映画祭」(1029日まで)、その他面白そうな催しが目白押し。各地のフェスティバル・イベントについては、こちらのサイトへ: http://yoe.australia.or.jp/af/
さて、10月の定例会のお知らせです。

●日時: 1021日(土)午後2時から5時まで
●場所: 日本女子大学(目白キャンパス)
       100周年記念館:11階の留学生課目の部屋

●使用テキスト(詩集):Natsukashii (なつかしい)” by Ingrid Horrocks
以下は、ラクエル・ヒル会員による上記詩集の紹介です。定例会で詩集が取り上げられるのは珍しいことなので、ぜひご参加ください。
The next ANZLS meeting will deal with Natsukashii (Pemmican Press, 1998), the first collection of 16 poems by New Zealand writer Ingrid Horrocks (1975- ), a writer interested in testing the way in which place alters the kinds of worlds we are able to imagine. As the title suggests, these poems were inspired by Horrocks’s time teaching English in Japan. The poems have a short haiku-like quality and very easy to read. To whet your appetite・・・

 Courtship

  We stand close under
  the black of an umbrella.
  New snow falls softly.

  A thousand winters ago
  a shared umbrella
  meant a chance to whisper.

  When it snowed
  the streets were filled with
  kimono-coloured couples,
  stepping gladly together
  under paper umbrellas.

  In each lady’s black hair

それでは、1021日にお会いできるのを楽しみに。


●下記に、先月(923日:土曜日)に行われた定例会(講演会)の報告を掲載します。
(報告: ラクエル・ヒル)

On September 23rd, the ANZLS welcomed Dr Les Terry, Senior Lecturer in the School of Social Sciences at Victoria University and, for the past year, Visiting Professor in Australian Studies at the Center for Pacific and American Studies at the University of Tokyo.

Professor Terry published his memoir (or literary non-fiction to use his own words), The Remarkable Resurrection of Lazaros X, to critical acclaim in 2004. He began by sharing the story of his upbringing, which he told with an honesty that captivated his listeners. One of the key questions he had in mind when writing his book was can you undo childhood struggles to bring yourself together ?– in other words, does the writing process allow us to create a unified identity out of the fragmented pieces of trauma experienced during youth ? Professor Terry noted that this process of identity formation is more difficult when one of is a non-indigenous Australian, a problem also faced by Pakeha in New Zealand.

Other issues raised included the difficulty of getting published in Australia’s current climate, where publishers want to promote celebrity writing, and the influence of the magical realism model in The Remarkable Resurrection of Lazaros X. Professor Terry ended by expressing his desire to pen a piece of literary non-fiction based on his time in Japan, a book that all the ANZLS members in attendance eagerly look forward to reading.

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2006/09/23(土) 定例会(講演会):東京地区

事務局: 森本記 (2006/08/30)

せみが行く夏を悲しんで鳴いているように聞こえるこの頃、いかがお過ごしでしょうか。ウェリントンの友人からは、避寒にケアンズに行って帰ってきたら、寒さが身にこたえたという報告。地球の上に巨大な扇風機をつけて、温度を均等にしたいような気分です。
さて、9月の定例会(講演会)のお知らせです。

●日時: 923日(土)午後2時から4時まで
●場所: 日本女子大学(目白キャンパス)
       100周年記念館:11階の留学生課目の部屋

●講演会: 講演者はVictoria工科大学文学部助教授のLesie Terry氏です。講演会の3日後の26日には帰国なさるということで、あわただしいなかでも快く本学会においでいただけることになりました。ですが、フォーマルな講演会ではなく、Terry氏の著書の第一章を各自が読んできて、それについて気楽に話すという形式です。その第一章については、コピーを学会のほうで用意いたします。コピーの入手方法については、会員の方々にはお手元にお届けする「例会のお知らせ」のなかに記してあります。学会に未加入の方で出席を希望される場合には、必ず事務局に事前にご連絡ください。

ところで、本学会の行事ではありませんでしたが、去る7月にはNZ映画『クジラの島の少女』(2002) の原作者であるウィティ・イヒマエラ氏が来日されて、東京と関西で講演会が開かれました。東京の講演会ではパネル・ディスカッションも同時に開かれて、本学会から3人の会員(澤田真一、ラクエル・ヒル、森本峰子)がパネリストとして参加し、NZ作家のアイデンティティーの問題について発表しました。イヒマエラ氏の講演とパネル・ディスカッションの内容報告については、在日NZ大使館の下記のサイトをご覧ください。

http://www.nzembassy.com/news.cfm?CFID=25138024&CFTOKEN=46896228&c=17&l=59&i=2650


それでは、皆様、秋分の日はANZ文学会の講演会においでください。

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2006/07/22(土) 総会および定例会:東京地区

事務局: 森本記 (2006/07/05)

今朝テレビをつけたら、北朝鮮がテポドンを打ち上げたというニュースで、どの民放局も大騒ぎをしていました。NHKでも精力的に取り組んでいるかと思って、チャンネルを変えると、なんと、どこそこの町が今日合併などというのんびりしたニュースを放送しているのです。いったい日本は危険なのか平和なのかわからなくなりました。
さて、総会および定例会のお知らせです。

●日時: 722日(土)午後2時から5時まで (総会の後で定例講読会)
●場所: 日本女子大学(目白キャンパス)
       100周年記念館:11階の留学生課目の部屋

●講読テキスト: The Denniston Rose by Jenny Pattrick, Black Swan Book
●講読ページ: 282ページから最後まで
9歳のローズちゃん、火事でお父さんが焼け死に、彼女のかわいいお顔も大やけどして、ようやく治ってきたと思ったら、今度は新しいお父さんにレイプされちゃって、次にはジフテリアにかかり、一難去ってまた一難の連続。ついにはお父さんを殺して捨てちゃう? ページを開くごとに次々と新しい展開。テレビドラマになったら毎週山場がありそう。

8月の例会は、例年通りありません。9月の例会ではNZの詩人の詩集を取り上げる予定です。それでは7月にお目にかかりましょう。


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