シドニーアジア予選レポート

シドニーオリンピックアジア一次予選(1999年6月12日〜18日)

香港ツアーレポート(6月11日〜15日)

注・本人ガンバサポの為、ガンバの選手がどうしてもメインになってます、すみません

今回、近畿日本ツーリストのツアーに参加。これが信じられない格安(^^ でした。
同行は、MTさん、「あっし〜GO」のやなぎ命さん、MKさんの4人です。ガンバサポ2人、アントサポ2人の組み合せでいざスタート。このツアー、安価のため、「どんなホテルなんや」と心配しつつ出発・・。同じツアーの皆さんはほぼ男性、レッズサポの方がほとんど。(感じのいい方達ばかりでした)。

11日。合流。

成田でみなさんと合流。香港到着は飛行機がたっぷり一時間遅れ・・九龍の旺角(モンコック)のホテル・メトロポールに夜中に到着。意外に(失礼)きれいな、いいホテルで「これは」とまず驚く。

さて。やなぎ命さんが、東京から持参して下さった代表ユニを受け取って大感動・・初めての背番号入り代表ユニ!なのだ。フィリピンから合流のドリアンさんとも再会!そしてその日は疲れきって眠ってしまう・・やはり若くはない。

しかしホテル内の飲み物は「高い」と聞いたので近くのコンビニに仕入れにだけはきっちり出かけた。つい、ついでに「おせんべい」を買ってしまう自分がおかしい。

12日。対フィリピン戦

いよいよ試合の日だ!・・その前に、ツアーにつきものの「観光」。これはパスで(強制的に)連れていかれる。

バスにて名所を訪れるがとにかく暑い!バスを降りると湿度が高くとても立っていられない。私達は「さっ」と覗いてはバスに逃げ込んでいた。扇子売りのおばちゃんが、「一本100円」とせまってくる。扇子は買わずにミネラルウオーターを買った。しかしなんと暑い!まとわりつく湿気の不愉快さに、ここで試合をする選手達の体調が心配になる。
香港は返還してから初めてだが、別に何の変化もなかった。あの大騒ぎは何やったんや。

いよいよ試合会場へ。ホテルからみんなそれぞれのユニを着込み(最初、恥ずかしい、と戸惑っていたが結局部屋で着てしまった)、いざバスへ。ロビーに下りるとみなほとんどユニ姿。
しかしながら、ガンバの選手の番号を背中にしていたのは、私とMTさんの2人・・。

香港ナショナルスタジアムは香港島にある。

住宅街にいきなり姿を見せるこのスタジアムは、観客席を屋根で覆ってあるとても立派なものだ。ピッチと客席の間もとても近く、施設もきれい。そして見やすい工夫もされている。ただ従業員のマナーがなっていない。(特に座席案内の女)

観光が長引いて、しかも道が混んでおり、スタジアムについたらすでに選手はアップを終えようとしていた。ぶつぶつ言いながら座席についたが、二階席中央2列目というとてもいい場所をゲットしてくださっていた。全体が見えてとてもいい。

ちなみに座席代金は、メイン二階が1200香港ドル、メイン一階は1000香港ドル。一階メインの中央部分はもっと高い。もっとどころか「なんでやねん」という値段だった。
香港ドルは日本円で16〜17円。当日券も相当余っていた(爆)。

稲本が首からカードを下げている・・どうもベンチ入りもしないらしい!!待て、おい、「ええっ」となる。見れば古賀も・・これは決して調子が悪いのではなく、選手を試す為だろうと勝手に推察して心を落ち付かす。

そして「え」と思ったら音楽もなく静かに選手が登場。いきなりの事に「静かな・・」とぴっくり。
それぞれの国の国家が流れ、「ああ代表試合なんだ」と実感。
主将の宮本がコイントスをし、そして試合開始。・・と時計を見るとまだ時間前。いいのか?こんないいかげんな・・!

けど試合は始まった。
・・相手チームの選手が小さく見える・・。「もしかしてあっちはU16なのでは」と思うほど。

GK・曽ケ端
DF・中澤(後半1分・山口)、宮本、中田
MF・酒井、石井、中村、明神(後18分・本山)、小野
FW・柳沢、平瀬(後半5分・吉原宏太)

試合開始から3分、相手DFのクリアミスから平瀬がゴールを決めた。そこからはまさにゴールラッシュ。くわしい試合の内容は今回は民放・BSと放送もあったので、流れは略して気付いた点などを。

まずは柳沢の存在感の大きさ。
彼には相手チームの1人が背中からコバンザメのようにくっついて(後半は脚がつってたようだが)、彼がボールを持つと3人ほど寄ってくる始末。それが他のFWや攻撃陣をフリーにした。「そのマークはよせ。バスケやないんやで」と口にしたくなったほど。しかし柳沢は、的確な動きで中盤からのパスを受け、何本もアシストを試みた。また何度も「ここだ」というスペースに走り込んでいたが、そこにはコンビネーションの問題なのか、思い描いていたパスが届くことがなくとても残念だった。しかし、やはり格の違う選手である。無得点などこういう動きを見ていると気にならない。

中村のFK。まさに息を呑む素晴らしさ。これは世界レベルと確信できる・・なにしろ「速くて」ボールが見えなかったくらい。小野の落ち着いたプレーもよかった。

宮本は声を張り上げていた。大量得点が続く中、彼は常に冷静だった。「まだ試合は終わっていない。まだ気を許してはいけない」という判断を常にしていた。得点を重ねてもほとんど表情を変えなかったのは、「今後の闘いにおいて、このままでいいはずがない」と感じていたからか。

今回はDFはほとんど仕事がなかった。

しかし中澤は可能性を感じさせた。高さもあり、きちんとラインを守るという意識も強かった。

スタジアムで見ていて感じたこと。(あくまで素人考えである)
今回は「チームとしてまとまる」という目標があったはず。
しかしゴールラッシュは、「俺も」「俺も」のアピール合戦に見えた。当然だろう、メンバーは入れ替わる可能性もあるのだから。それぞれ保障もないという意識の中、「俺も」となるのは当然かもしれないが。

それは相手があまりに格下であり、「入れ放題」であったからだと思う。ボールをとっても攻めてこないで守りを固めてくる相手。しかも技術に差がありインターセプトは楽々。

ゴールラッシュの爽快感が正直少なくなく、それよりも中盤のポジショニングが崩れ前へ前への姿勢に「このままでいいの」の不安が襲ってきてしまった。見ていて連携によるスムーズな流れのゴールが少なかった。もちろん、いいシュートも含まれてはいたが、最終予選であの形はなかなか作れないだろう。

形という点で意識を高く持っていたのは柳沢か。

大量得点は、昨年のSBSを思い出したが、あの時は各自のポジショニングも的確で、ある種の「よかったな」という気持ちを感じた。何かが今回は違う。

試合終了後、宮本と柳沢の笑みが消えていた。

それは、「これではいけない」という彼らの気持ちが感じられ、その淡々とした表情に逆にほっとした。

試合後、ピッチの上に稲本の姿があった。客席から「稲本!」の声援が上がると、彼はそちらを見て、ニコリと笑って手を挙げた。脚の調子も悪くはなさそうだ。安心する。

 

帰りはスタジアム前で記念写真を撮った。「顔はいかん」と後ろ向きで(大笑)。
香港の美しい夜景を見ながらホテルに戻った。

夕食は、ドリアンさん達もご一緒に、ホテル近くの中華料理の店に。(ここのエレベーター、叩かないと動かない!これではまるでナイジェリア)。帰りに道端の果物屋でドリアンさんが「ドリアンを食べたい」と申されて「臭いからだめ」と大反対。結果、他の果物を購入、部屋で頂き今日の試合の話など・・。

戻ると青6さんよりフアックスが!今日のナビスコの結果を知らせて下さったのだ、もう大感動。対アントラーズに1−1のドロー発進!これもやはり嬉しい報せであった。

13日。フリーの日

この日は丸まるフリー。さあ香港だ!飲茶だ、買い物だ!!
スターフェリーを使って香港島の中環(セントラル)に渡る。それぞれ時間を決めて自由行動。
まずは新聞を買って昨日の試合を確認。
・・いい格好言ってるが、手にした英字新聞を完璧に訳するのは不可能。単語を拾って「わかったふり」をする。

さてさて、「見るだけでも嬉しい→ポイント」買い物タイム。日曜日なのでとても人が多い。その暑さの中、香港で働く人達はオフを道路に座り込み、ゲームやランチを楽しんでいる。

こちらは「あかん、暑い暑い」と言いながら、クーラーを求めてとある高級ショッピングセンターに飛び込む。待ち合わせもここに決めて、この中をうろつくことに決定。

そして・・私達はここでアディダス軍団に遭遇。MKさんが「あああ」と指差す方向には・・。
宮本、稲本、小野、平瀬、山口、中澤、山下、吉原・・「どえええええ?!」。
ここでも宮本主将が一同を率いて説明している様子に見えてしまった。あの指さし確認も完璧のようだ。

しかし、あちらも大切なオフ(あるいはお散歩の時間か?)声などかけては失礼・・ここは静かにしておこう、と決める。

けれどまあ、こういう香港のこんな場所で会うのはやはり驚き。

「心臓に悪い」と、MKさんと2人、軍団を避けて喫茶店に飛び込んで2人で「ぜーぜー」言いつつ真っ昼間からビールを飲む。(実に美味しい!)

おばさんなので、こういう場合はついつい身を隠そうとしてしまう。(いや、別に隠さなくてもあちらは絶対にこちらを見るはずもないのだが)。しかし暑くて外には出れない。「ふーう」と、吹き抜けの二階のフロアを見上げれば・・稲本・小野選手の2人が並んで立っていた・・。「おー豪華な」と感心しつつグビグビ、ビールを飲む。(このあたり、若いギャルの行動とは違う)。

夕食は「もう出かけるのは面倒」という気持ちも一致し、ホテル内の四川料理の店に。(MTさんが現地の方に、ここは美味しいと聞いてくださっていた)。とても美味しく、明日の応援の活力もこれでついた。

14日。対ネパール戦。

この日は添乗員さんに交渉して早めにパスを出してもらう。
ロビーに下りると、レッズサポの方が、なんと素晴らしい応援旗を制作して下さっていた!手作りの日の丸も頂いた。本当に嬉しい。

バスの中では、「日本代表応援コール」を練習。初めての経験である。「おおっ、本当に歌ってしまった」と自分に感動・・してどうするのだ。レッズサポの方の心意気に感動!

「今日はゴール裏にいって応援してテレビに映りましょう」との声。
しかし私などが映るとテレビの前の皆さんに「やめんかい」とご迷惑をおかけするので、大人しく席につく。・・と、現地の友達に会おうとう事になり、最初は一階の席に。が!ここはぬあんと、ネパールサポータ軍団の席ではないか!これが「うるさい」「オーバーアクション」。「熱くて理性を失ったおっさん」たちの恐ろしいパワーに耐えられず、すぐさま元の二階席に逃げ込んだ!おっさんたち、もっと落ち着いてくれ!

さてその前にパンフを買いに行く。一箇所にしか売ってなくて、初日は発見できなくて(このあたりの案内は実に不親切)、ドリアンさんにお聞きして初めて存在を知ったのだ。

これはいい「おみやげ」だ!と、「テン!!」と叫ぶと、「オーウ、テン、テン??」と売り場のおっさんに驚かれる。恥ずかしい。そしてパンフは・・予想外に重かった。ずしりと重い・・こりゃたまらん。テンは早まったか・・開くと全部中国語で全く読めない。そして宮本の写真が山口に・・。やってくれるやないかい。

宮本恒靖・球曾(クラブのことらしい)・大阪松下/GAMBAOSAKA。何が「大阪松下」なんだろう?
キープレイヤーとして、「南」「宮本」「市川」「稲本」「小野」「中村」「柳沢」の名前が上げられていた。

中国語では、GK→守門員、DF→守衛、MF→中場、FW→前鋒 と、表記する。

ちなみに日本チームのことは「日本奥運隊」と言う。

アップの選手達を今回はじっくり見ることができた。
各ポジション、ラインコントロールの練習、ストレッチ・・と次々と繰り返されていく。今日は稲本が先発の様子、これは嬉しい。ストレッチは、宮本、稲本、古賀が固まってやっていた。

それにしても宮本が痩せているように見えた・・。

GK・南
DF・古賀、宮本、戸田
MF・稲本、小野(後11分・中村)、酒井(後20・石井)、広山、本山
FW・山下、平瀬(後半11分・吉原宏太)

今日はフィリピン戦の時よりは涼しい。
試合開始後、あきらかにフィリピン戦より「ぶつかってくる」と言う印象があった。ネパールの選手は若そうだが、必死の様子である。予想外のネパールの動きに、日本チームも守備・攻撃とも果敢に動く様子が見えてきた。
「試合らしい試合」に見えた。

稲本の位置が気になる。ボランチなのだが、二列目と重なるように動いている。
しかし、果敢にボールを奪いに行く姿はいい。まだ完全な試合勘が戻っていない様子だが、時間の問題と思う。ボランチの位置から飛び出して打ったシュートはとても良かった。こういう動きは脅威を与えられる、やはり大事な選手だと思う。

あと少し、調子と感覚が戻れば・・そう思った。なにしろ闘える選手である事は確実なのだから。

試合が進んでくると、それぞれのポジショニングの乱れが気になってきた。時にゴール付近まで攻めこんでくる相手にDFの動きも忙しくなる。しかしこうでないと、試合の意味はないようにも感じた。フィリピン戦では、あまりにあっけなかったので・・。

しかしどんな場合も宮本の反応は常に落ち着いている。このチームにとってライン統率は命綱のようなものだ。それが確実であるからこそ高い位置で常に攻撃できるという事実があるのだから。

控えの選手達はずっとアップ中・・こんなに長い間・・。
次第に疲れからか、ピッチの中の選手のミスが増えてきた。ネパールは全力でやってくるので、油断はできない。シュートはきまるように見えないが。それにしても応援団がうるさくて仕方ない、ネパールの・・。

ここでおかしな事が。南に対する意味不明のファールの判定。

ハーフタイム、トルシエが引き上げていく宮本を呼び止めた。宮本は頷き、レフリーに対し、その確認をしに行く。ダイレクトの英語で確認する姿が頼もしいし、こういう不可解なことに対する毅然とした態度も気持ちいい。

中村がコーチによって一対一のアップに入る。
やはり暑い・・ここでビールをぐびぐび(またもやオッサン現象。しかし私は酔わない)
そしてついに発見、後ろの席に宮本・稲本ファン・・嬉しかった。

ここでやっと気付く。隣のブースは放送の中継席ではないか!
ラモスが見えてびっくりする。(意味不明のびっくり)。
風に乗って解説の声が聞こえてきた。しかし前半見ていて全く気付かなかった。よかった・・関西弁で大声でわめかなくって・・。

後半、稲本は中央で手を叩き、よく声を出して仲間を盛り上げている。後ろでは宮本。
ガンバコンビは、自分のチームでも中心をとっているだけあって、とにかく声を出す。

アイスクリームを売りに来るおじさんが、試合を見ている前に堂々と入り込んでくる!すごい商売根性だ。

後半、中村を投入してから動きがUPしてくる。

しかしあわや得点という恐ろしい場面が・・サイドネットでほっ、としたが・・。

3バックの事について帰国後いろいろ言われていたと聞いたが、宮本はよくコントロールしていたと思う。アルゼンチンで見せた完璧さを頭において判断してほしい。このライン統率をまず完璧にしておかないと、最終予選は簡単に闘えないのだから。

いろいろ試合を見ながら思った。「チームを作る」という目的である試合である以上、まずは「ミス」を減らして各自ポジショニングを確認し「自分の仕事」をする、というのが大切なのではないか。順調に勝ち進んではいるが、チームとしての完成度はまだまだ、と。

「最終予選はこのままでは・・」と思う。けれど彼らの力なら、きっと、それまでにまとまった「いいチーム」になってくれることだろう!あれだけ豪華な中盤の意思疎通が完璧になった時、それはもう・・。

試合終了。

ヒーローインタビューに宮本が呼ばれる。
彼を選択してくれたトルシエに感謝を。

自分達の真下だったのでよく見えた(ささやかな、いや、実はでっかい喜びを感じる)。

これで私達の香港戦観戦は終了。
バスの前で、ツアーのみなさんと記念写真を。

翌日は朝の飛行機ゆえ4時45分起きというムゴイスケジュール。
ホテルでは重いパンフを必死でスーツケースに詰め込み、ホテル内で食事して、さっさと眠りに就いた・・。

かくして香港ツアーは終了。
仕事さえなければ、残りの試合も見たかった!

しかし海外遠征応援は楽しかった!
ぜひいつか、ガンバでも組んでほしいなあ、と思った(^^