潜む月の紅さの中で
終わっていくことだけを願ったから
頬を伝った朱い水が
今でも 熱く 流れ墮ちる
―砂漠の果て―
夜に漂う闇よりも 煌煌と輝く月を恐れた
突き刺さる紅い光は 蝕むように私を追い立てた
旅人は その光を頼りに砂漠を越えたというのに…
違う空を見ていた
手折れることのない心を持った旅人とは違う月の下
歩みを忘れた私の足は
冷たい砂漠に飲み込まれ…
見えない道標 砂漠の道程
私は静かに沈んでいた
砂に埋もれた無機の残骸と共に
つかみ所のない闇をかき抱いて
零れ落ちる砂の闇
いつになったら
私は終われる?
いつになったら
とりとめのない闇を求め
沈まない紅月から逃れ
眠りを望んだ日々が終わる?
何も知らない旅人よ
貴方はこの眠りの砂漠で
何を望むというのですか
奥底から響く冷たさは
夜の砂漠の静寂
何も聞こえず
何も思わず
何も、見ずに
終わる日々を願って
心を探し求める旅人よ
私はいつになったら
この荒んだ砂漠を越えられる?
たったひとり
迷いという名の脆く儚い砂の大地で
今日も私は
紅い月を見るのだろう
終わりを報せることのない
贖罪という名の紅い月の下で
今日も私は
終わりを夢見るのだろう
この旅が終わったら
楽になれますか
この旅を乗り越えたなら
渇ききった心の中に
光を見出すことが出来ますか
この思いを乗り越えたら
静かな眠りにつけるから
私は願う
砂漠の果て