磨針峠(すりはり峠)
滋賀県に「磨針峠(すりはりとうげ)」という場所があります。
その名の由来のお話です。
その昔、諸国を修行して歩いていた青年僧が、挫折しそうになってこの峠を
通りかかった時、斧で石を摺(す)っている老婆に出会います。
聞くと、一本きりの大切な針を折ってしまったので、斧をこうして磨いて
針にするといいます。そのとき、ハッと、
「この老婆の苦労に比べたら自分の修行はまだまだ甘かった」と、
自分の未熟を恥じ、心を入れ替えて修行したのちに弘法大師になった、
という伝説から「磨針峠」の名はきています。
その後、再びこの峠を訪れた大師は、明神に栃餅を供え、杉の若木を植えて、
「道はなほ学ぶることの
難(かた)からむ
斧を針とせし人もこそあれ」
という一首を詠んだと伝えられています。
今も峠の上には磨針明神社が鎮座し、境内には周囲が8mにも及ぶ、
弘法大師のお手植えという杉の木がたたずんでいます。
〜私言〜
私が小さい頃に聞いたお話です。今も時折思い出します。
「ローマは1日にして成らず」という言葉があります。
わびさびを表現する色として十二単衣の重ね色があります。
世の中の成功した多くの人は、苦難を乗り越え最後までやり遂げた人なのです。
斧から削って1本の針を作るという老婆の言葉を聞いて弘法大師は、修行成就の道を知ったのです。
この気持ちをいつも忘れずにいたいですね。
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