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ミステリー小説編 あらすじ&感想・その他
ABC殺人事件(THE ABC MURDERS)

著者 アガサ・クリスティー
「今月の21日、アンドーヴァを警戒されたし・・・ポアロのもとに送られてきた挑戦状の
予告どおり
殺人は起こった。煙草屋を営むアッシャーという、Aの頭文字の老婆が
撲殺されたのだ。つづいて、第二、第三の挑戦状が届き、べクスヒルでBの頭文字の娘が、
チャーストンでCの頭文字の初老の紳士が殺された。
しかも、現場には必ずABC鉄道案内が残されていた。アルファベット順に殺人を繰り返す
犯人の意図は何か?また、鉄道案内の意味するものは?
ポアロは懸命に犯人の心の輪郭をつかもうとするが・・・


小説編T・U共にSF小説をご紹介しましたが、今回はミステリー小説のご案内です。
実は私、SF小説と同じくらいミステリーも好きです。特にミステリーの女王と呼ばれる
アガサ・クリスティーのファンです。今回ご紹介する「ABC殺人事件」はアガサ・クリスティー
全盛期の代表作と呼ばれるほどの作品で、アルファベット順に殺人を犯す異常な犯人を
私立探偵ポアロが見事な推理で追い詰めていきます。
物語の世界で代表的な探偵といえば「シャーロック・ホームズ」などが挙げられますが
このポアロは昔ながらの現場主義を否定。靴底を減らし、猟犬のように現場を嗅ぎまわる
ことを良しとせず、事件解明の全ては自分の「灰色の脳細胞」の中で解決されるとしています。

名探偵ポアロの活躍を皆さんもご覧になってください。

ナイルに死す(DEATH ON THE NILE)

著者 アガサ・クリスティー
「社交界の花形であり財産家でもあるリネットと失業中のサイモンのハネムーンには、
暗雲がたれこめていた。婚約者を奪われたジャクリーンが拳銃を手に2人の行き先先
に現われ、嫌がらせをするのだ。同じナイル河観光船に乗り合わせたポアロは、そんな
彼女の振る舞いを押しとどめようと試みたが、やがて恐るべき惨劇は起こった!
ポアロの名推理が暴き出す意外きわまる真相とは・・・」


ロマンスとミステリーが鮮やかに結合した最高傑作と称される作品。
かなりの長編です。分厚いです。でも面白いです。
映画化もされているので、小説と合わせてご覧になってはいかがでしょうか。

「ナイル殺人事件」 製作年 1978年
監督 ジョン・ギラーミン 出演 ピーター・ユスティノフ

複数の時計(THE CLOCKS)

著者 アガサ・クリスティー
「カヴァンディッシュ秘書・タイプ引受所から派遣されたタイピストのシェイラは、
依頼人の家の居間で待っていた。3時の約束なのに依頼主ミス・ペブマーシュは
まだ戻っていない・・・。そこは奇妙な居間で、時計が無数に置いてある。
しかも、そのうちの4つは定時より早い4時13分を指して停まっているのだ。
突然、柱時計が3時を告げた。思わず立ち上がったシェイラの顔は、微笑から
やがて驚愕に変わった。ソファの横に、男の惨死体が横たわっていたのだ!
死体を囲むあまたの時計の謎とは・・・?」


アガサ・クリスティーと言えばイギリスを代表する推理作家ですが、この作品の中では
クリスティーがポアロの口を借りて探偵小説論を展開している非常に珍しい作品です。
例えば・・・
「アルセーヌ・ルパンの冒険」・・・いかにも空想的だし非現実的でもある。
それにしても、なんという活気、なんという生気がみなぎっていることか!
荒唐無稽ではあるが、けんらんとしている。ユーモアもあるしね。

「シャーロック・ホームズの冒険」・・・アーサー・コナン・ドイル卿に私は敬意を表す。
シャーロック・ホームズのこれらの物語は実際は不自然だし、欺瞞に満ちてもおり
すごぶる技巧的な構成になってもいる。しかし、その手法の芸術性・・・その点を
考えると全然違ってくる。言葉の与えてくれる愉しみ、ことにあのワトスン医師という
素晴らしい人物の創造。あれはまさに大成功だよ
・・・などなど。このようにクリスティが他の作家たちの作品について
批評している珍しい内容が含まれる本作品。

三幕の殺人(THREE ACT TRAGEDY)

著者 アガサ・クリスティ
「引退した俳優チャールズ・カートライトの自宅でのパーティの席上、
善良な老牧師がマティーニを口にしたとたん苦しみだし、死亡した。
数ヵ月後、今度はチャールズの友人の医師が、自宅で催したパーティの
最中にポートワインを飲んで死んだ。出席者も死の状況も全く同じでだった。
捜査の結果、二人とも毒殺である事が判明した。だが、犯人はどのようにして
大勢の中で、狙った人物に毒入りのグラスを取らせる事が出来たのか?
二つの死にはどのような関係が?ポアロは大胆な仮説を組み立てた・・・」


クリスティが生み出した名探偵といえば、エルキュール・ポアロとミス・マープル。
特にポアロは「安楽椅子に座って縦横に頭をめぐらせただけで解答を導き出す」
という独自の理論を持ち、実際に事件を解決していきます。
今回の作品では偶然にも現場に居合わせため危うくポアロも毒殺される可能性が
あったという面白いもの。そのことについて最後にポアロが言ったセリフが
実にポアロらしく面白いです。

メソポタミヤの殺人(MURDER IN MESOPOTAMIA)

著者 アガサ・クリスティー
「ルイズの初めての結婚は悲惨を極めた。その思い出から逃れようと、
考古学者レイドナー博士と結婚した彼女のもとに、殺された先夫からとしか思えない
奇怪な脅迫状が舞い込み始めた。そして古代アッシリアの古跡調査のため、
夫とともにイラクへ渡ったルイズを追いかけて、ついには死を予告する不吉な手紙が
来たのだ。こうしてポアロが“幻想的な犯罪”と称したこの不可思議な殺人の幕は
切っておとされた。殺人鬼の悪魔の知恵とポアロの灰色の脳細胞とは
すさまじい緊張のうちに相対した!中東を舞台にした作品中の最高傑作!」


クリスティーは本書を始めとして中近東を舞台にしたミステリーをいくつか書き上げております。
「ナイルに死す」「死との約束」「死が最後にやってくる」「バグダットの秘密」など・・・。
なぜ中近東を舞台に取り入れたのか?答えは簡単、クリスティーの夫「マックス・マローワン氏」は
オリエント専門の考古学者だったからということ。
「考古学者というのは理想的な夫ですわ。だって奥さんが年を取れば取るほど、高い値打ちをつけて
くれますもの」  これはクリスティーが夫を評したジョーク。

葬儀を終えて(AFTER THE FUNERAL)

著者 アガサ・クリスティー
「大富豪のアバネシー家当主リチャードの葬儀を終えて、莫大な遺産が均等に
一族の者達の手に入ることになった。その遺言公開の席で、少し頭のおかしな末の
妹コーラが無邪気な顔で言った。『あら、リチャードは殺されたんじゃなかったの?』
翌日、コーラは自宅で惨死体となって家政婦のミス・ギルクリストに発見された!
そして彼女にも凶悪な犯人の手を伸ばされ・・・。容疑は相続人全員に及ぶが、
弱りきった遺言執行人エントウイッスル氏は、名探偵ポアロに救いを求める。
一族の心理葛藤の中にポアロは何を見たか!」


この作品は1953年に発表されたクリスティーの54冊目の長編です。
アガサ・クリスティーの代表作は?というアンケートを取ると、大胆なトリックを
使った「アクロイド殺し」と「そして誰もいなくなった」の2編が圧倒的に支持されている
との事ですが、今作も負けず劣らず読者に愛好されている推理小説の一つです。
クリスティー作品の特徴でもある、登場人物の細やかな描写や、家具だの壁にかけられた
肖像画、はたまた食事や午後のお茶・茶受けも菓子・・・などなど、女性らしく細かく配慮
された様々なシーンを是非お楽しみください。

雲をつかむ死(DEATH IN THE CLOUDS)

著者 アガサ・クリスティー
「ロンドンのクロイドン空港へ向かう定期便プロミシューズ号がパリのル・ブールジェを
飛び立った。乗客は30数名。探偵作家や考古学者、伯爵夫人などに混じり、
後部客室にはエルキュール・ポアロの姿も見えた。英仏海峡にさしかかった時、
突如機内に黄蜂が飛び回りはじめた。乗客の一人が黄蜂を殺し、機内は再び静かに
なったが、最後部席の婦人の息は、すでに途絶えていた。首には一つ、黄蜂の毒針で
刺された跡が・・・。大空の旅客機という完全な密室で起こった異様な事件に、
居合わせたポアロが調査を開始する!殺人動機の謎とアリバイ崩しの名篇」


この作品はクリスティー・長編ミステリーの17冊目の作品です。
クリスティー作品の中では比較的初期の頃の作品といえるでしょう。
この「雲をつかむ死」の次に発表された作品がかの有名な「ABC殺人事件」となります。
しかし、この「雲を〜」も負けず劣らず大胆なトリックを使用した傑作となっています。

クリスマス・プディングの冒険(クリスティー短篇集13)

著者 アガサ・クリスティー
「イギリス政府の上層部から持ち込まれた重大かつデリケートな依頼・・・
ある外国の王子が由緒ある高価なルビーを女性に騙し取られた。
それが応じの手元に戻らなければ、政治上の悲劇的な結果を招く
可能性がある。ポアロの力で取り戻して欲しいというのだ。
ポアロは指示通り、くだんの女性が隠れているらしい屋敷へゲストとして
潜り込んだ。しかしそこで待っていたものは、庭の新雪を真赤に染めた
死体と、そして意外な結末・・・(表題作)」


表題作をはじめ、ポアロ物5篇、マープル物1篇を収録した短篇集。
クリスティーが自身の子供の頃のクリスマスのことを楽しい気持ち一杯で
思い出しながら書いた「クリスマス・プディングの冒険」では
イギリスの伝統的なクリスマスの様子が伺える内容となっています。

                          
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