「入門編」より詳細な文献リストです。生命技術・生命倫理に関する文献も広く含みます。
文献の探し方と読み方のアドバイスは、こちら。
<指>とあるのは、同女図書館・指定図書室(1F受付後ろ)の自然科学史の棚にある本です。
リストは1998年までに出版されたものが中心です。
#印は1998年現在、書店で注文すれば購入可能であることを確認できた書です。
科学技術は進展が早いために、書かれている内容が時代遅れになっている場合もあるので注意してください。
目次の分類は便宜的なものだから、イマジネーションを働かせて、関連の別の項目も探してください。
| ♪ ♪ ♪ | 生命倫理(バイオエシックス)関連 | インフォームドコンセント |
| 安楽死・尊厳死 | 闘病記 | 出生前診断・生殖技術・生命操作 |
| 【補遺】不妊治療・生命操作など | 人工妊娠中絶 | 障害児の子育て・障害学 |
| 優性思想とナチズムの科学 | クローン | 脳死・臓器移植 |
| ホスピス・終末期医療 | 性転換手術 | 人体実験・動物実験 |
| 医学ほか | 公害・薬害 | DNA・バイオテクノロジー |
| 遺伝子組み換え食品 | 環境ホルモン・ダイオキシン | 低容量ピル |
| 核兵器・原発 | オカルト・怪談の科学 | 辞典・白書・その他の文献 |
●生命倫理(バイオエシックス)関連
- 星野一正『医療の倫理』岩波新書、1991年、650円。日本生命倫理学会初代会長による生命倫理の解説。入門に良い。# <指>
- 加藤尚武・加茂直樹編『生命倫理学を学ぶ人のために』世界思想社、1998年。2300円。生命倫理学の入門におすすめ。参考文献表あり。#
- 木村利人『いのちを考える―バイオエシックスのすすめ』日本評論社、1987年。 <指>
- 米本昌平『バイオエシックス』講談社現代新書、1985年。
- 加藤尚武『二十一世紀のエチカ』未来社、1993年、1854円。京大教授の著者が生命倫理学と環境倫理学について、一般人向けに書いた論文集。入門に手ごろ。#
- 加藤尚武『バイオエシックスとはなにか』未来社、1986年、1545円。臓器移植、死の判定、生み分けなどを論じる。#
- 加藤尚武『倫理学で歴史を読む』清流出版、1996年、1500円。応用倫理学の視点から生命倫理、環境倫理ほかの各種のテーマを論じている。読み易い。#
- 加藤尚武他編『生命倫理学』世界思想社、1997年、2300円。
- 加藤尚武・飯田亘之『バイオエシックスの基礎』東海大学出版会、1988年、3296円。欧米の「生命倫理」論を代表的な論文の日本語訳をつうじて紹介。#
- 飯田亘之・加藤尚武『バイオエシックスとはなにか』1986年。大学の総合講座のテキストとして編集されたもの。
- 今井道夫・香川知晶『バイオエシックス入門』(第2版)東信堂、1995年、2500円。医療系大学等での教科書。より知識を深めるには各章末の「参考文献」を利用せよ。#
- 森岡正博『生命学への招待』勁草書房、1988年、2370円。バイオエシックス・生命倫理学への一石。
- ビーチャム&チルドレス『生命医学倫理』成文堂、582頁、1997年、7000円。生命倫理のもっとも基本的文献のひとつ。専門的。
*バイオエシックスの概要や用語を簡単に知るには、『現代用語の基礎知識』(自由国民社)や『imidas』(集英社)の「生命倫理」や「バイオエシックス」の項も便利。
●インフォームドコンセント、新しい医者・患者の関係の提言
- 星野一正『インフォームド・コンセント』丸善ライブラリー、平成9年、680円。 日本人に馴染むインフォームド・コンセントのありかたを提言。入門に良い。#
- 水野 肇『インフォームド・コンセント』中公新書、1990年、680円。医事評論家からの提言。
- COML編『語り合う医療』創元社、1995年、1500円。約30人の患者と医療者の考えを列挙。COMLは民間のNPOで、患者と医療者の望ましい関係を啓発している。書末に「推薦図書」一覧あり。#
- 和田努『患者が主役だ』法研、1997年、1200円。
- 中川米造『医療のクリニック』新曜社、 、2884円。
●安楽死・尊厳死について
- NHK人体プロジェクト編著『安楽死』NHK出版、1996年、1800円。NHKが放映したオランダの安楽死についての書。安楽死問題に関し最初に読むには最も手ごろだろう。知識を広げるには書末の「参考文献」が役立つ。#
- 保阪正康『安楽死と尊厳死』講談社現代新書、1993年、650円。終末期医療と「尊厳ある死」を考える。入門に良い。#
- 宮川俊行『安楽死の論理と倫理』東京大学出版会、1979年。安楽死や尊厳死の分類と分析がもっとも厳密。古典的名著。専門的。
- 奥野善彦編『安楽死事件』医学書院、1994年、1957円。北里大学の学生による安楽死事件の模擬裁判。お奨め。#
- 入江吉正『死への扉―東海大安楽死殺人』新潮社、1996年、1700円。1991年に東海大附属病院で安楽死事件のノンフェクション。書末の「参考文献」は役立つ。#
- ベルトカイゼル『死を求める人びと』1998年、角川春樹事務所、2200円+税。オランダは世界で初めて安楽死を合法化して実行している国。本書はその安楽死をおこなう医師の手記で、欧米で大反響があった。
- リサ・ベルキン『いつ死なせるか―ハーマン病院倫理委員会の6か月』文藝春秋、1994年、2300円。1988年のテキサスの病院を舞台とした医学ノンフェクション。院内「倫理委員会」、末期医療、安楽死など。#
- 小俣和一郎『精神医学とナチズム』講談社現代新書、1997年、640円。# ナチズムの安楽死。参考文献一覧あり。
- 松田道雄『安楽に死にたい』岩波書店、1997年、1200円。高名な小児科医が説く安楽死の必要性。エッセイ風。#
- 日本尊厳死協会編『シニアのための尊厳死読本』三省堂、1992年。日本尊厳死協会は尊厳死を広める運動をしている団体。
- ジョナサン・D・モレノ『死ぬ権利と生かす義務』三田出版会、1997年、2400円。
- ギャラファー『ナチスドイツと障害者「安楽死」計画』現代書館、1996年、3605円。ナチスの優生思想による大量安楽殺。ヒットラー帝国の医師は、20万人以上のドイツ市民を計画的に安楽死させた。欧文参考文献有り。#
- ジョナサン・D・モレノ『死ぬ権利と生かす義務』三田出版会、1997年、2400円。
- 安楽死・尊厳死にかんしては、インターネットでも多くの情報が提供されています。
YAHOO( http://www.yahoo.co.jp/ )などで、検索してみてください。なお、YAHOOで検索するばあい、「安楽死 尊厳死」と2語をいっしょに検索したほうが、たくさんのコンテンツが出てきます。
●闘病記
闘病記や死に臨んだ人々が残していった言葉を集めたものも、たくさん出版されているので、それらも手にしてみて下さい。ここでは数点だけ挙げておきます。
- 川越厚編『遺された言葉』日本基督教団体出版局、1998年、1500円。がんや白血病でなくなった22人の手紙や手記。#
- 江国滋『おい癌め 酌みかはさうぜ 秋の酒』新潮社、1997年、1600円。がんとの闘病をうたった俳句集。#
●出生前診断・生殖技術・生命操作など
- 同女・図書館の指定図書室(1F受付後ろ)にある「ディベート用資料・出生前診断」という青ファイル(1999年作製)を見てください。主な文献を収録してあります。
- 同女・図書館の指定図書室にある「出生前診断」という黄色ファイル(1998年作製)。 おもに1998年までの新聞のスクラップ。
- 佐藤孝道著『出生前診断−−いのちの品質管理への警鐘』有斐閣、1999年、1800円+税。検査の種類や技術論から、各国の優生学の歴史、法律、障害を持って生きることまで、幅広く解説。
- 毎日新聞社会部医療取材班『いのちがあやつられるとき―しあわせと倫理とにゆれる生殖医療革命』情報センター出版局、1995年、1262円。生殖技術の問題点について、最初に読むには手ごろ。おすすめ。#
- 金城清子『生命誕生をめぐるバイオエシックス』日本評論社、1998年、2600円+税。生命操作全般に渡って解説されている。現在、本書はけっこうお奨めかな。
- 金城清子『生殖革命と人権』中公新書 1996年 680円。生殖技術の現状と問題点を、少数者の不妊の人々の人権という視点から考察。おすすめ。#
- 石川准他編著『障害学への招待』明石書店、1999年、2800円+税。出生前診断、優生思想を含む。知っているはずのことも、見方を変えると別のものが見えてくるという本。
- NHKが提供しているホームペーシ「地球法廷」は、生命操作にかんして興味深い情報がいっぱい。覗いてみてはいかが? http://www.nhk.or.jp/forum/life/index.htm
- 立岩真也『私的所有論』(勁草書房、1997年、6000円)第9章。力作。本書の論考は生命倫理全体にかかわるが、特に出生前診断については第9章を見よ。むずかしい言い回しも多いが、一度は手に取ってみる価値がある。とりわけ、書末の文献表は利用価値が大きく、出生前診断や生殖技術にかんする主な資料は網羅されている。立岩さんのホームページもある。 # <指>
- P.シンガーほか『生殖革命―子供の新しい作り方』1988年、晃洋書房。生殖技術を全面的に肯定することで物議をかもした問題作。
- グループ・女の人権と性『アブナイ生殖革命』有斐閣選書、1989年、1957円。生殖技術に全面的に反対する女性たちによる書。不妊症やその治療法および関連事項を知るには、同書末に付された解説がわかりやすい。# <指>
- サイアス編集部「出生前診断は『安心』をもたらすか」(「SCIaS」1997年5月16日号、16-17頁)。新たに開発された出生前診断技術であるトリプル・マーカーの概要を簡単にしるにはこの記事が適当。
- 立岩真也「出生前診断・選択的中絶をどう考えるか」(江原由美子編『フェミニズムの主張』勁草書房、1992年、2700円)所収。#
- 江原由美子編『生殖技術とジェンダー ― フェミニズムの主張3』勁草書房、1996年、3600円。フェミニズムおよびジェンダーの立場からの中絶や生殖技術についての論文集。学術書。#
- 京都ダウン症児を育てる親の会編『「出生前診断」及び、「母体血清によるスクリーニング検査」に関するアンケート調査の結果報告書』(図書館指定図書室の自然科学史の棚にある)。京都市のダウン症児を育てている親の会が実施したアンケート結果。ダウン症の子供を育てている親達ならではの、障害を肯定する子育ての様子をかいま見ることができる。それらは医療機関や研究者からは得られない情報である。 <指(コピー)>
- 玉井真理子『障害児もいる家族物語』(学陽書房、1995年、1648円)158〜168頁。著者は医療短大講師で、ダウン症の子供を育てている。# <指>
- 玉井真理子「母体血清マーカースクリーニングと女性たちの選択―どんな選択をしてもサポートが受けられるというメッセージ」、『ペリネイタルケア』16-1:47-52頁)。
- 根津八紘『減胎手術の実際』近代文芸社、1998年、1800円。減胎手術とは、排卵誘発剤の使用によって、三つ子や四つ子などの胎児を妊娠したばあい、すべての胎児を無事出産することが難しいため、子宮内で胎児を選択的に減らすこと。
- 別冊宝島『赤ちゃんが、欲しい』
●【補遺】不妊治療・生命操作・出生前診断・遺伝子操作・クローン・人工授精・凍結受精卵・臓器移植などに言及している文献を補足しておきます。
どれもそれなりに重要で、おもしろい。
- たまごクラブ特別編集『赤ちゃんがやってくると信じて』ベネッセ、1999年、1000円+税。不妊を乗り越えた女性らの手記。不妊治療の検査や実態をわかりやすく解説している。
- ピーター・シンガー著『生と死の倫理−−伝統的倫理の崩壊』昭和堂、1998年、2300円+税。刺激的な本だと思うよ。一読してみては。
- 生命操作事典編集委員会編『生命操作事典』緑風出版、1998年、4500円+税。遺伝子操作の基礎知識と問題点。
- 生命操作を考える市民の会編『生と死の先端医療−−いのちが破壊される時代』解放出版社、1998年、2200円+税。
- 山口研一郎編『操られる生と死−−生命の誕生から終焉まで』小学館、1998年、1900円+税。
- りー・M・シルヴァー『複製されるヒト』翔泳社、1998年、1800円+税。ヒトはいよいよ造られる。クローンほか。
- 奈良信雄『遺伝子診断で何ができるか−−出生前診断から犯罪捜査まで』ブルーバックス、1998年、860円+税。
- 石原理『生殖革命』ちくま新書、1998年、660円+税。
- 堤治『生殖医療のすべて』丸善ライブラリー、1998年、760円+税。
●人工妊娠中絶
人工妊娠中絶については、多くの資料がありますここでは下記を挙げておきます。
- 金城清子『生命誕生をめぐるバイオエシックス』日本評論社、1998年、2600円+税。第1章を見よ。
- 今井道夫・香川知晶『バイオエシックス入門』(第2版)東信堂、1995年、2500円。本書のU−4を見よ。
- 江原由美子編『生殖技術とジェンダー ― フェミニズムの主張3』勁草書房、1996年、3600円。
●障害をもつ子供の育児書・障害学
出生前診断は障害をもつ胎児の選択的中絶をともなっている。
そこで障害者やその家族が書いた本、障害をもつ子供の育児書、現代の障害学、ダウン症についての文献を少し紹介しておきます。
- 乙武洋匡著『五体不満足』講談社、1998年、1600円+税。著者は「障害は不便だが、不幸ではない」という名言を述べた、両手両足のない早稲田大学の学生。障害に暗イメージしか持てない人は本書を一読してみては。
- 山本おさむ『どんぐりの家』全6巻、小学館、1993〜1997年。各870円。障害者を描いた話題の漫画。ステレオタイプの障害者漫画を越えている。面白いから読んでみて。指定図書室にある。
- 野辺明子他編『障害をもつ子を産むということ−−19人の体験』中央法規、1999年、1800円+税。障害をもつ子を産んだ女性19人の手記。障害に偏見をもっている人も、そうでないひともぜひ読んでほしい1冊。
- ぽれぽれくらぶ『今どきのしょうがい児の母親物語』 しょうがい児を育てているお母さんらの体験記。 <指>
- 石川准他編著『障害学への招待』明石書店、1999年、2800円+税。
- 毛利子来ほか編著『障害をもつ子のいる暮らし』筑摩書房、1995年、2427円。障害を持つ子供の子育てについて優れている。同書のような育児書は他にあまりないようだ。書末には障害者の親が書いた本が参考文献として挙げられている。また病気や障害をもつ子どもと家族を支える患者・親の会のリストもある。# <指>
- 茂木俊彦他『障害を知る本・ダウン症の子どもたち』 <指>。ダウン症について知りたい人は本書をどうぞ。
- 岩本昭雄・甦子『走り来たれよ、吾娘よ――夢紡ぐダウン症児は女子大生』かもがわ出版、1998年、1800円。ダウン症の女性が大学を卒業するまでを両親がつづる。# <指>
- 正村公宏『ダウン症の子を持って』 <指>
- 松友了『父は吠える・知的障害児の息子とともに』 <指>
- 木田盆四郎『ぼくの手おちゃわんタイプや』 <指>
- 境屋純子『空飛ぶトラブルメーカー』一読を。<指>
- 安積遊歩『癒しのセクシー・トリップ』 おもしろい。障害者に接したことのない人は、衝撃を受ける本だろうなあ。障害を持つ女性がみずからの性についても語っている。一読を。<指>
- 松村敏明『障害児の兄として教師として』 <指>
- 山田真『子育て みなな好きなようにやればいい』 <指>
- 小笠毅『ハンディをもつ子どもの権利』岩波ブックレット <指>
- 音楽之友社『障害児と音楽』 <指>
- 定藤文弘『現代の障害児福祉』 <指>
- 相澤譲治『社会福祉と基礎体系』 <指>
- 茂木俊彦『障害児と教育』岩波新書、1990年、630円。#
- 大野智也『障害者は、いま』岩波新書、1997年、630円。#
- 全日本手をつなぐ育成会『すき』1998年、600円。ダウン症の青年らの出会いや、別れの写真集。購入連絡先:全日本手をつなぐ育成会 03-3431-0668。#
- サイト:「日本ダウン症ネットワーク」
ダウン症関連の情報を集めたネットワーク。国内外のダウン症関係の情報が充実している。
- サイト:「障害児と働く母親ネットワーク」
ダウン症児などの子育てについてのインターネットのホームページ
- ボー・スベドベリ作『わたしたちのトビアス』偕成社、800円。
- ボー・スベドベリ作『わたしたちのトビアス大きくなる』偕成社、800円。
- ボー・スベドベリ作『わたしたちのトビアス学校へいく』偕成社、1998年、1200円。この3冊は、スウェーデンのダウン症の男の子トビアスの日常生活を、文と写真でつづったシリーズ。
- 谷口明広編著『障害をもつ人たちの性−−性のノーマライゼーションをめざして』明石書店、1998年、2000円+税。性は、障害者にも開かれつつあります。「障害をもつ人たちの性を保証して行くために」という視点で書かれた論集。良心的だと思うし、健常者も一読の価値があると思う。障害者の『性のバイブル』になるかも。
- 障害者の生と性の研究会『障害者が恋愛と性を語りはじめた』かもがわ出版、1994年。
- 高谷 清著『透明な鎖』大月書店、1999年?、1600円+税。近年、滋賀県の工場で起きた知的障害者にたいする暴力、横領についてのルポルタージュ。
●優生思想(優生学)とナチズムの科学
出生前診断は優性思想(優生学)であるという主張がされることがある。
不良な遺伝子を排除しようとする優生思想を語るとき、大量の強制不妊手術、安楽死、虐殺をおこなったナチズムについて知る必要があるので、ナチズムの科学と優生学にかんする文献を少し紹介しておきます。
優生学の概要については、まずは平凡社の『世界大百科事典』の「優生学」の項を見よ。
市野川容孝ほか共著『優生学の過去と現在』講談社現代新書、近刊。
米本昌平『遺伝管理社会−ナチスと近未来』弘文堂、平成元年。'98年現在品切れ。ナチズムの科学や優生学について。
マーク・B・アダムズ編著『比較「優生学」史』現代書館、1998年、5500円。
- ギャラファー『ナチスドイツと障害者「安楽死」計画』現代書館、1996年、3605円。ナチスの優生思想による大量安楽殺。欧文参考文献有り。#
- 小俣和一郎『精神医学とナチズム』講談社現代新書、1997年、640円。# ナチズムの安楽死。参考文献あり。
- 山本尤『ナチズムと大学』中央公論社、1985年。
- バイエルヘン『ヒットラー政権と科学者たち』岩波書店、1980年。
- 鈴木善次『日本の優生学──その思想と運動の軌跡』 三共出版、1983、2000円。日本の優生学の歴史について。
- 市野川容孝「福祉国家の優生学」、『世界』1999年、5月号、167-176頁。福祉先進国スウェーデンにおいて、40年間、強制不妊手術がなされてきた。もちろん日本でも同様なことが行われてきた。
- 市野川容孝「性と生殖をめぐる政治―あるドイツの現代史―」(江原由美子編『生殖技術とジェンダー』、勁草書房、1996年、第5章所収)
●クローンについて
- 米本昌平『クローン羊の衝撃』岩波書店、1997年、400円。クローニングにたいする各国の対応や倫理面についてはこの文献を読むように。# <指>
- 今井 裕『クローン動物はいかに創られるのか』岩波書店、1997年、1000円。生殖工学の第1線にある著者がその技術を紹介。#
- ジーナ・コラータ『クローン羊ドリー』アスキー出版局、1998年、1800円。ジャーナリストによるドリー誕生のルポ。
- 軽部征夫『クローンは悪魔の科学か』祥伝社、1998年、1680円。著者は東大先端か学研究センターの教授。クローン、遺伝、バイオの最前線を解説。
- 熊谷善博『複製人間クローン』 、1300円。著者は分子生物学者。
- 金城清子『生命誕生をめぐるバイオエシックス』日本評論社、1998年、2600円+税。第9章がクローン。
●脳死・臓器移植について
1997年7月に「脳死移植法」が公布され、ドナー・カードなどにより生前から臓器提供の意志表示をしている者は、脳死として認められ、臓器を提供できるようになった。
また、1999年初めには、同法施行後初の脳死移植が行われた。
下記の文献は同法が成立する以前に出版された書籍がほとんどなので、読むときはその点を注意して読むように。
- NHK脳死プロジェクト編『脳死移植』NHK出版、1992年、1200円。入門に良い。参考文献を付す。#
- 立花隆『脳死』中公文庫、1988、920円。参考文献一覧あり。下記の書などをふくめ、著者は脳死にかんし精力的に発言してきたジャーナリスト。
- 立花隆『脳死再論』中公文庫、1991年。
- 立花隆『脳死臨調批判』中公文庫、1992年。
- 波平恵美子『脳死・臓器移植・がん告知』福武書店、1988年、600円。著者は医療人類学者。日本人の伝統的死生観など参考になる。#
- 森岡正博『脳死の人』福武書店、1989年。
- *島次郎『脳死・臓器移植と日本社会』弘文堂、1991年。
- 梅原猛編『「脳死」と臓器移植』朝日新聞社、1992年。
- 別冊宝島123『科学論争を愉しむ本』JICC出版局、1990年。98年品切れ
- 小松美彦『死は共鳴する』勁草書房、1997年、3000円。力作。脳死・臓器移植への批判的論集。主要参考文献一覧あり。#
- 日本移植者協議会編『移植者として伝えたいこと』はる書房、1994年、1600円。腎移植者13人の体験記。#
- 山口研一郎・関藤泰子『有紀ちゃんありがとう』社会評論社、1992年。
- トリオ・ジャパン編『これからの移植医療』はる書房、2500円。移植者たちからの発信。
- 鈴木盛一『生命から生命へ 臓器移植』海竜社、1998年、1500円。移植医からのメッセージ。
- 脳死・臓器移植を考える委員会『愛ですか?臓器移植』社会評論社、2400円。提供者の人権を説く。
- 十字猛夫『骨髄バンク』中公新書、1994年、700円。白血病などの治療法である骨髄移植を平易に解説。#
●ホスピス、終末期医療、高齢化、老人ホームなど
- 谷荘吉・錦織葆『日本のホスピスQ&A』東京書籍、1995年、1200円。質問形式でのホスピスの解説。全国ホスピス一覧あり。「参考文献」は利用価値大。#
- 柏木哲夫『生と死を支える ホスピス・ケアの実践』朝日選書、1989年、1100円。著者は淀川キリスト教病院の元ホスピス長。ホスピス一覧あり。読み易い。#
- 山崎章郎『僕のホスピス1200日』海竜社、平成7年、1400円。聖ヨハネ・ホスピス科部長によるホスピスケアの分かりやすい紹介。#
- 柏木哲夫『死を看取る医学―ホスピスの現場から』NHKライブラリー、1997年、870円。著者は2千人をこえる人々を看取った医師。体系的、読みやすい。#
- 甲斐裕美『ゆたかな命のために ホスピスで出会った生と死』偕成社、1400円、1997年。小中学生に向けたホスピス紹介。#
- ジム、ジョアン・ボウルデン夫妻『「さようなら」っていわせて』大修館、1997年、900円。子供に死の意味を教えるための絵本。#
- 東 栄ー『ドキュメント ホスピス24時』広済堂出版、1997年、1650円。ホスピへの密着取材。#
- 東 栄ー『老人介護24時』広済堂出版、1996年、1600円。特別養護老人ホームへの密着取材。#
- 本間郁子『特養ホーム 入居者のホンネ 家族のホンネ』あけび書房、1600円。特別養護老人ホームに入居しているお年寄りや家族の本音。#
- 宮子あずさ『看護婦が見つめた人間が死ぬということ』海竜社、1300円。一看護婦が伝える死にゆく人々からのメッセージ。#
- 額田 勳『終末期医療はいま』ちくま新書、1995年、680円。#
- 金子 勇『高齢社会 なにがどう変わるか』講談社現代新書、1995年、650円。日本の高齢化を解説。#
アイラ・バイアック『満ち足りて死ぬこと』翔泳社、1997年、2000円。米のホスピスにかんしてのノンフィクション。#
●性転換手術について
98年内には日本国内初の性転換手術が行われた。
- サイアス編集部「どう補う『体』と『こころ』の不一致」、『サイアス』1997年7月4日号、12-13頁。97年に発表された日本での性転換症治療ガイドラインを解説。
- 山内俊雄「私たち倫理委員会はなぜ性転換を認めたのか」、『論座』1997年12月号、96-103頁。これらの『論座』の特集は、国内初の性転換手術を可能にした埼玉医大倫理委員会の答申をめぐって。
- 虎井まさ衛「『望みの性』として晴ればれと生きてゆきたい」、『論座』1997年12月号、104-97頁。
- 清水弘司「男性、女性、あいまいな性」、『論座』1997年12月号、110-117頁。
- 虎井まさ衛『女から男になったワタシ』青弓社、1996年、1800円。アメリカで性転換手術を受けた体験。
- 虎井まさ衛『ある性転換者の記録』青弓社、1997年、1600円。#
●人体実験・動物実験
- 常石敬一『七三一部隊』講談社現代新書、1995年、650円。科学史家の著者が、先の大戦で日本が中国でおこなった生体実験と細菌戦について調査。#
- 常石敬一『医学者たちの組織犯罪―関東軍731部隊―』朝日新聞社、1994年。上書とあわせて手にとると良い。
- 宮田親平『毒ガスと科学者』光人社、1991年。
- 高杉晋吾『日本医療の現在 人体実験と戦争責任』亜紀書房、1973年。
- アルバカーキー・トリビューン編『マンハッタン計画 プルトニウム人体実験』小学館、1994年、1800円。#
- 片岡啓治訳『所長ルドルフ・ヘスの告白遺録 アウシュビッツ収容所』サイマル出版会、1972年。
- ハンス・リューシュ編著『現代の蛮行 沈痛の叫び―これが動物実験だ!』新泉社、1989年。
- 太田竜『声なき犠牲者たち 動物実験全廃に向けて』現代書館、1986年。
●医学ほか
- 中川米造『素顔の医者』講談社現代新書、1993年、600円。医療の望ましいあり方を常に提言してきた中川氏の一連の著作はおすすめ。
- 中川米造『学問の生命』佼成出版社、1991年、1500円。
- 波平恵美子『医療人類学入門』朝日選書、1994年、千数百円。#
- 波平恵美子『病と死の文化・現代医療の人類学』朝日選書、1993年、1262円。#
- 米本昌平『遺伝管理社会―ナチスと近未来』弘文堂、1989年。'98年品切れ。
- 山崎章郎『病院で死ぬということ』主婦の友社、1990年。
- 毎日新聞社会部『大学病院ってなんだ』新潮社、1994年、1300円。大学病院の知られざる内側をレポート。#
- 北沢杏子『エイズの絵本』アーニ出版、1996年、1845円。子供にエイズについて伝えるための絵本。#
- ウィリアム・モーロイ『自分で決定する、自分の医療』エイデル研究所(連絡先03-3234-4641)、1993年、1000円。死を迎えるまえに、事前にどのような医療を受けたいかを詳細に自分で指定しておく「治療の事前指定書」の書き方を記す。
●公害・薬害などについて
- 毎日新聞社社会部薬害エイズ取材班『厚生省の「犯罪」薬害』日本評論社、1500円、1997年。1960年代はじめのスモン、サリドマイド、クロロキンの3大薬害をはじめ、日本では何度も薬害が多発している。なぜ日本は繰り返し薬害を起こすのか。薬害を知るには手ごろな入門書。#
- NHKスペシャル取材班『埋もれたエイズ報告』三省堂、1997年?、1600円。
- 広河隆一『薬害エイズの真相』徳間文庫、1996年、580円。#
- 浜 六郎『薬害はなぜなくならないか』日本評論社、1997年、2600円。薬害防止をライフワークとした臨床医からの提言。#
- 泉 博『空前の薬害訴訟』丸ノ内出版、1996年、3000円。世界最大の薬害スモン、その裁判の原告団の弁護士だった著者による書。#
- 桜井よしこ『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』中央公論社、1994年、1500円。
- 富家孝『厚生省薬害史』三一新書、1997年、850円。水俣病からO-157や薬害エイズまで。読み易い。#
- 大谷藤郎『らい予防法廃止の歴史』勁草書房、1996年、4200円。国家による強制収容、終生隔離、断種・・・ハンセン(らい)病者の苦難と屈辱の歴史。#
- ハンセン病と人権を考える会『知っていますか? ハンセン病と人権 一問一答』解放出版社、1997年、1030円。より詳しくハンセン病の歴史を知りたい人のために参考文献の紹介あり。#
- 森元美代治『証言・日本人の過ち』人間と歴史社。ハンセン病について。
- 平沢保治『人生に絶望はない』かもがわ出版。ハンセン病について
- 原田正純『水俣病』岩波新書、1972年発行、1996年第31刷、650円。公害の原点といわれる水俣病、その水俣病を診た熊本大学医学部の医師による書。
- 原田正純『水俣の視図』立風書房、1992年、1500円。水俣病について書末の参考文献が役立つ。
- W.ユージン・スミス&アイリーン・スミス『写真集 水俣』三一書房、1982年、普及版、1993年新装版、5150円。アメリカの写真家によるミナマタの写真集。#
●DNA、バイオテクノロジー、遺伝子医療などについて
- 柳澤桂子『遺伝子医療への警鐘』岩波書店、1996年、2200円。遺伝子医療の問題点を指摘。#
- 柳澤桂子『われわれはなぜ死ぬのか』草思社、1997年、1600円。生命科学者が死とは何かを科学的に問う。#
- 柳澤桂子『生命の奇跡―DNAから私へ』PHP新書、1997年、657円。文系の人も向く科学的読物。#
- 大朏博善『いま、遺伝子革命』新潮出版、1996年、1500円。北大医学部でおこなわれた遺伝子治療などの遺伝子の‘いま’をルポ。著者は科学ジャーナリスト。#
- 別冊宝島341『遺伝子・大疑問』宝島社、1997年、933円。遺伝子の基礎からクローン人間まで。#
- 木村 光『バイオテクノロジーの拓く世界』NHK出版、1996年、950円。バイオテクノロジーの草分けである著者が、バイオテクノロジー全般を紹介した書。#
- 本庶 佑『遺伝子が語る生命像』ブルーバックス、講談社、740円。初版は1986年だが、96年までに20版を重ねている。分子生物学者による解説。#
●遺伝子組み換え食品
- 天笠啓裕『遺伝子組み換え食品』緑風出版、2575円。
- 大朏博善『いま、遺伝子革命』新潮出版、1996年、1500円、191頁〜203頁。
- 別冊宝島341『遺伝子・大疑問』宝島社、1997年、933円、73頁〜93頁。
- ポスター「遺伝子操作食品」日本子孫基金(03-5276-2253)、250円、1997年作。日本子孫基金は食品や住まいの安全性にかんするNPO(市民団体)。
●環境ホルモン・ダイオキシン
- シーア・コルバーンほか著『奪われし未来』翔泳社、1997年、1800円。
- 脇本忠明『ダイオキシンの正体と危ない話』青春出版社、1998年、840円。
- 宮田秀明監修『ダイオキシンから身を守る方法』成星出版、1998年、1200円。ダイオキシンは母乳をとおして排出される。では授乳はどうするか。
- 青山貞一『ダイオキシン汚染――迫りくる健康への脅威』法研、1998年、1200円。
- 長山淳哉『しのびよるダイオキシン汚染』講談社ブルーバックス、1994年、660円。
- 環境庁ダイオキシンリスク評価研究会『ダイオキシンのリスク評価』中央法規、1997年、3000円。
- 駒橋除『ダイオキシンゼロへの挑戦』日本工業新聞社、1997年、1400円。
●低用量ピルの解禁
早ければ1999年秋から、避妊用の低容量ピルが解禁になります。メリットや副作用などちゃんと知って、自己決定しましょう。
- 菅 睦雄『ピルの本』保健同人社、平成10年、1200円。わかりやすい。
- 金城清子『生命誕生をめぐるバイオエシックス』日本評論社、1998年、2600円+税。第2章がピルを解説。
- 『新・ヤングアダルト情報源[異性編]』サンマーク出版、1997年、971円+税。ピルのことはまだ書いてないが、男女の出会い、デート、ラブホテルの使い方、避妊、性病など、大学生なら知っておきたい恋愛のハウツウ本。この手の本は一回は読んでおこう。
- 朝日新聞(朝刊、1998年3月24日〜26日)のスクラップ。図書館指定図書室にある。
- 「暮しと健康」保健同人社、1997年、2月号。
●核物理・原子力・原爆・原発について
- リチャード・ローズ『原子爆弾の誕生』上下、紀ノ国屋書店、1995年、各3,800円。ピュリッツァー賞受賞作。第2次世界大戦中の原爆開発についてはもっとも詳しいと思われる。
- 吉岡 斉『原子力の社会史』? 、1999年?
- 山田克哉『原子爆弾』ブルーバックス、講談社、1996年、1,000円。原爆開発されるまでの核物理学の歴史に詳しい。物理学に興味のある人は、根気はいるがおもしろく読める。書末に附された参考文献は利用価値大。
- 斉藤道雄『原爆神話の五〇年』中公新書、1995年、720円。原爆投下は戦争終結を早め、多くの人命を救ったとする考えをめぐるアメリカの原爆論争。
- 朝日新聞社大阪本社「核」取材班『核兵器廃絶への道』朝日新聞社、1995年、1,400円。
- 吉田文彦『核解体』岩波新書、1995年、650円。冷戦後の核保有の状況と未来の展望。
- 七沢潔『原発事故を問う』岩波新書、1996年、650円。「チェルノブイリ」から「もんじゅ」までの原発事故について。
- 加納時男『なぜ原発か』祥伝社、平成元年、750円。原発推進派の著者が感情論を排し、世界のエネルギー問題を念頭において原発の必要性を解説。
●オカルト・怪談の科学
オカルトや怪談、占い、予言などに惹かれる人も多いと思います。これらに関してのまじめな考察として、とりあえず下記の文献を挙げておきます。なお、私は占いは信じませんが、「自己の対話」としての意義があると思っています。
- 池田清彦『科学とオカルト』PHP新書、1999年、657円+税。
- 中村希明『怪談の科学−−幽霊はなぜ現れる』ブルーバックス、1988年、760円。
●辞典・辞書・その他の文献
☆科学技術の用語を簡単に調べるには
- 百科事典が大変役立つ。また『現代用語の基礎知識』(自由国民社、約2500円)、 『イミダス』(集英社、約2600円)、『知恵蔵』なども大変便利である。
☆毎年、政府が発行する白書も重要である。
- 科学技術庁『科学技術白書』、環境庁『環境白書』、原子力委員会『原子力白書』 、原子力安全委員会『原子力安全白書』(すべて大蔵省印刷局刊)ほか。
☆最近の科学史の見方については
- 村上陽一郎『新しい科学史の見方』日本放送出版協会、1997年、550円。人間大学(TV)のテキストだが、やさしく書かれている。
☆文献案内として
- 中山茂他『科学史研究入門』東京大学出版会、1987年、2400円。これから科学史技術史を目指す人のための研究動向や文献の紹介
- 池田祥子『文科系学生のための文献調査ガイド』青弓社、1995年、2060円。