箱根・強羅温泉 神奈川県
新型ロマンスカーで定番温泉へ行く


ODAKYU   SUPER EXPRESS 50000
ROMANCECAR  VSE    Vault Super Express


 ロマンスカーと言えば、”SE車”だ。2代目以降は頭にN、L、Hi、Rを冠した各SE車が活躍して来たが、14年ぶり期待度満点の新型は”V”の文字が冠せられた。
 ちょっと見は九州新幹線の800系”つばめ”風だが、内容はVSEにアドバンテージ。伝統の連接車両もハイテクで復活。 

 新宿に入線した車両はシャープな先頭形状だが、シルキーホワイトの塗色も手伝って、かなりのボリューム感。
 大きなプラグドアの出入口の脇には、縦長のLED表示板が目新しい。縦書きの”箱根湯本”と言う4文字が、温泉情緒を演出している?

 ”木”の風合いを生かした車内は、落着きのある柔らかい光で満たされている。今流行りの”和のテイスト”と言う程では無いにしても、これもまた800系”つばめ”が脳裏を掠める。
 ”アーチ天井のSE車”と言うコンセプト通り、間接照明にほんのりと照らされる丸い天井は、古き良き時代の鉄道車両のそれに通じるものがある。まさにロマンスの名にふさわしい。夜間に乗車してみたいものだ。格調の高い天井の高さは2550oとのこと。
 


 僅かに窓側に偏向した座席は、P=1050o。座り心地も良く、ごく自然に車窓が目に入る。5°偏向の効果なのか?
 車窓の重要な鍵となる窓ガラスは長大である。幅4mの開口を2枚突合せで実現している。デザイナーは当初8mを要望したらしい。眺望とボディ強度との闘いの結晶なのだろう。外観は開放的雰囲気だけど車内からの眺望は閉鎖的と言う食わせ物デザインが多い中、さすがロマンスカーである。
 日よけシェードのガイドレールも、上下に張られた細いワイヤーを使用し、目障りな事無く機能を果たしている。細かい心遣いだ。

 発車間際、隣のホームにJR東海の371系が入線して来た。”あさぎり”をRSEと共同運行するJR版ロマンスカーである。こちらは縦に大きな窓が自慢のオススメ車両だ。2ショットを撮りたいところだが、軍配は箱根の湯煙に上がった。おいてけ堀は御免である。
 近くの女性客グループが「あらま、国鉄の特急??」「なんで??国鉄??」と、思考の泥沼にはまっていた。無理も無い。もし本当に国鉄の特急ならば、それは間違いなく幽霊電車だ。平成になって久しい昨今、春の椿事と言えよう。

 新宿を出ると、箱根湯本までは小田原停車のみ。ストレスの無い、快適な乗車時間を過ごせる。
 車内サービスもSE時代の”走る喫茶室”スタイルを踏襲した現代版なのだろう。
 乗務員が乗車証明書を配りに来た。サービス全般に、新型ロマンスカーに対する意気込みを感じられる。重ね重ねさすがである。

 途中、静態保存されたNSEが車窓を過ぎる。
 ロマンスカーのロマンスって、乗車した人々のロマンスと言うよりも、伝統の料金特急を誇り高く運行する鉄道マン達のロマンなのかなと思った。
 
  外野の声A  「へぇー、EXEってロマンスカーだったんだ。凄いんだね。」
  外野の声B  「特急料金取るからロマンスカーなのかね?」




  静峰閣 照本                         


 強羅と言うと芦ノ湖観光の中継点程度にしか考えていなかったが、気になる宿を発見したので、今回は目的地とした。
 最寄駅はケーブルカーの中強羅だが、強羅公園も見てみたいので強羅から歩く事にする。地図で見ても大した距離では無さそうだし。

 延々と坂を登り強羅公園に到着。クラフトハウスでの陶芸体験を楽しみにしていたが、休日と言う事もあって1時間待ち。あっさりと断念。
 天気も良かったので、ベンチでゴロ寝。噴水の水音も心地良い。至福の時である。結果、2時間近く爆睡してしまった。これじゃ体にいいわけ無いよ。

 昼寝している間にチェックインの時間が来てしまったので、宿へ向けて再出発。上り坂の角度が更にきつくなる。日頃の運動不足が祟る。もう、ヘロヘロだ。

 そんな状況下、衝撃の真実に気が付いた!
 すぐ横を登って行くのはケーブルカー。都電荒川線では無いのだ。熊野前から荒川車庫まで歩くのとは訳が違う。違い過ぎる。
 なに故にケーブルカーが運行しているのか?と言う基本的な現実を完全に失念していた。箱根の山は天下の嶮なのだ。残念!

 朦朧としながら宿に到着。早く靴を脱いで、畳の上で大の字になりたい。当然、靴下も脱ぎである。
 チェックインの手続きに耐え、部屋へと案内される。が、更に試練の追い討ちを課せられる
 ガイド本に載ってる外観からは想像も出来ない程、館内は広かった。長い廊下と階段とエレベーターで構成された迷宮である。道中、大浴場などの説明を受けるが、頭の中を超特急で素通りだ。

 部屋に入り靴下を脱いでいると、すぐに担当の仲居さんが挨拶に来てくれたが、倦怠感で殆ど無視状態。ごめんなさいね不機嫌で。花粉症の症状まで気遣ってくれたのに。

 お茶を飲んで一服した後、早速温泉攻略を実施する。説明を上の空で聞いていたので多少迷う。

 目を回す程強烈な硫黄泉が今回の目的だったが、どうやらいい線行っている様だ。
 クリアな単純泉の内風呂に対して、露天風呂はドロリ濃厚な硫黄泉。庭も広く、眺望もなかなかのものだ。暖かい季節になったら、露天風呂&庭先BBQなんて企画を所望してしまう。

 夕食も結構イケていた。季節柄か、桜の風味を生かした料理が何品かあり、一足早い花見を舌で愉しむ事が出来た。

 個人的に何となく陳腐感を抱いていた箱根だったが、まだまだ箱根は面白そうだ。反省。

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