
Augarten Flakturm
アウガルテン・フラックトゥルム(アウガルテンの高射砲塔) 
DATA
建物名:Augarten Flakturm(アウガルテン・フラックトゥルム)
設計者:Friedrich Tamms(フリードリッヒ・タムス)(独)
所在地:オーストリア ウィーン2区 アウガルテン公園内
用途:軍事施設(高射砲塔、レーダー塔、シェルター)
竣工:1942年
構造:鉄筋コンクリート造
交通:
- Schwedenplatzから路面電車の(N)か(21)でObere Augartenstr.下車。
- Schottenringから路面電車(31)か(32)でObere Augartenstr.下車。
ウィーン中心部の北にあるアウガルテン公園の中に鉄筋コンクリート造の巨大な塔が2基建っています。これが第二次大戦中にナチスドイツが建設した高射砲塔(独語でFlak=高射砲、Turm=塔)です。ナチス占領下のウィーンは連合国軍の爆撃にさらされたので、防衛のために建てられました。撤去しようにもあまりにも頑丈で巨大なため壊すことができず、戦後半世紀以上たった今なお異様な姿をさらしています。
ウィーン市内にはこのような塔が2基1組でここを含めて3カ所、合計6基あります。そのうち、アウガルテン公園のそれが広々としているだけに見やすいです。なお、内部は立入禁止です。
ただし、私は行っていませんが、別の場所の高射砲塔のうち1基は水族館として活用されているようです(関連サイトの4番目を参照)。
01 公園内道路からの眺め。公園と言ってもかなり広い上に塔も普通の建物とは異なるので写真では遠近感が掴みにくいのですが、とてつもなく巨大な建造物です。ダムなどの土木構造物はともかく、単体の建築物でこれほど巨大で大量のコンクリートを使用している例は滅多にないと思います。高さは約40m。
02 周囲に緑が生い茂っていれば印象は違ってくるでしょうが、私が訪れたのは1月の夕刻だったので荒涼として一層不気味な雰囲気でした。なんというか、戦争の狂気を感じます。
03 見上げたところ。長年、風雪にさらされてかなり汚れています。開口部はほとんどありません。内部は10層に分かれ、医療施設や食料庫、発電器などがあり、最大3万人の収容が可能とのことですので(建築文化2002年2月号より)、高射砲塔はもとより要塞としての役割もあったようです。
04 上部のアップ。大きなクラック(亀裂)が入っています。戦時中の攻撃によるのか後に自然に入ったものなのかは分かりません。
05 半円状に持ち出した部分に高射砲が設置されていたと思われます。その下に突き出ている6本の梁の用途は分かりません。施工上の理由によるような気がしますが。
06 半円状の片持ちスラブの見上げ。ここにも大きなクラックが入っています。いつか崩壊するのではないでしょうか。なお、真下には近づけないよう塔の周囲はフェンスで囲まれています。
07 アウガルテンの2基1組の内のもう1基で、こちらは四角柱の形です。フラットな壁面が垂直にそそり立つので、円筒形よりもさらに威圧感を感じます。
08 見上げたところ。こちらには目立つクラックは見あたりません。この先何百年も建ち続けていそうな感じです。
参考文献:
- 「SD」1986年2月号 特集:ナチスドイツのウィーン要塞(鹿島出版会)
- 「建築文化」2002年2月号 特集:ウィーン20世紀建築MAP(彰国社)
- 「ドイツの火砲」(広田厚司、光文社NF文庫、光文社)
関連サイト:
最終更新日:2008年7月3日
作成日:2002年9月8日
撮影時期:2002年1月
作成者:タケ(旧名 tks )(
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