連載 自動車リサイクルの現実と課題
Part 1:第1回〜第50回

浅妻 裕 ・ 阿部 新 ・ 中谷勇介 ・ 平岩幸弘

『月刊整備界』(せいび広報社) 35巻7号(2004年7月)〜39巻8号(2008年8月)

Modified: April 10, 2009
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新連載にあたって

 今,わが国の「自動車リサイクル」は,新しい時代へと移り変わろうとしている.半年後の自動車リサイクル法の本格施行を控えて,全国各地では第3回目の説明会が開催され,関連する企業,業界,団体,官庁の動きも慌しくなってきた.自動車静脈産業の構図も劇的に変化しつつある.果たして,新たな自動車リサイクルの仕組みは青写真どおりに機能するのだろうか.そこにはどのような障害や問題が待ち構えているのだろうか.自動車産業の動脈・静脈セクターはどのように進化していくのだろうか.そして,21世紀のテーマである「循環型社会」の形成へ向けて,わが国の自動車リサイクルはどうあるべきなのか.
 今回から始まる新連載では,そういった素朴な問題意識を念頭におきつつ,自動車リサイクルをめぐる動向をつぶさにスケッチし,関連するトピックスを取り上げ,その課題や論点を検討し,学術的視点も織り交ぜながら考察していきたいと考えている.
 連載に当たっての基本的なスタンスは,これまでと同様に「現場主義」であり,その手法は,企業や工場の「現場」を歩き,聞き取るという「現場調査」である.「現場」を巡って対話を重ねるたびに,我々は予想もしなかった新たな発見と,数多くのヒント得ることができる.自動車リサイクルをめぐる複雑な現実やそのダイナミズムを読み解く上で,「現場」こそ,最高の教材といえよう.限られたスペースではあるが,我々が「現場」から学び,そこから考えたことを,丁寧に記述していきたい.本連載が,激動する自動車リサイクルの現実と課題を考える際の一助になれば幸いである.
 なお,我々の過去3年間にわたる研究成果の一部が,『自動車リサイクル ―静脈産業の現状と未来―』(東洋経済新報社刊)として出版されている.先の連載「自動車解体事業の現実と課題」と合わせてご参照いただきたい.

2004年7月 (連載第1回より抜粋)

連載3年目にあたって

 2004年7月に始まった本連載も,今回から3年目に入る.以前の「自動車解体事業の現実と課題」から累計すると,これまでに4年間・48回分のレポートを連載してきた.周知のとおり,この間,自動車リサイクルをめぐる国内外の状況は大きく変貌してきた.国内では「自動車リサイクル法」が施行され,一方では「自動車の国際リサイクル」がますます活発になってきている.一旦回り始めた歯車が元に戻ることは決してない.むしろ,その勢いはますます加速するばかりである.しかも,その先にどのような世界が出現するのかは,予測することが極めて難しい.
 本連載では,自動車リサイクルの未来の姿を描くことはできない.しかし,現実の有り様をできるだけ正確に把握していくことにより,おぼろげながら,進むべき路が見えてくるのではないかと考えている.引き続き,読者および関係者の皆様からのご指導をお願いする次第である.
 なお筆者らが参加する研究グループでは,現在,(財)トヨタ財団より研究助成を受けて,「アジアにおける自動車リサイクルの実態調査および国際的制度設計に関する政策研究」(研究代表・寺西俊一・一橋大学教授)を行っている.そこでの調査結果の速報なども紹介していく予定である.

2006年7月 (連載第25回より抜粋)


■連載 「自動車リサイクルの現実と課題 Part 1」 一覧

(あさづま ゆたか,あべ あらた,なかたに ゆうすけ,ひらいわ ゆきひろ)

■Note


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