イラ・イ・アルカの音楽

2001.1.1.更新 メニューに戻る
私達『グル−ポ・イラ・イ・アルカ』は南米アンデス地方の民族音楽「フォルクロ−レ」を演奏しているグル−プです.

フォルクローレ


みなさんは、アンデス山脈という地名をご存じでしょうか?では、ペルー、ボリビア、エクアドルといった国名は? サッカーの好きな人なら耳にされたことがあるかもしれませんね。

世界地図をお持ちの方は南アメリカのページを、地球儀なら日本のちょうど反対側をご覧ください。南米大陸の西側、つまり太平洋側に、長く連なる山脈がありますね。これがアンデス山脈です。ここは世界で一番大きな山脈です。富士山よりはるかに高い山がいくつも連なっていて、自然のとても厳しいところです。

しかし、なぜかこの自然の厳しい高地に、昔から住みついていた人々がいました。彼らがいわゆる「インディオ」と呼ばれる人々です。(注:「インディオ」という呼称は蔑称とされ、「インディヘナ」という呼称が適当とされていますが、ここでは日本人にとってなじみのある言葉として敢えて「インディオ」という呼称を使っています。)この地方は、今では私たちが普通に口にしている、トマト、トウモロコシ、ジャガイモ、タバコなどの原産地です。インディオたちは、それらの原種を栽培して暮らし、15世紀頃にはインカ帝国という偉大な文明国を築きました。のちにインカ帝国はヨーロッパ人によって征服され、王宮を埋め尽くしていた黄金や宝物は略奪されてしまいました。しかし彼らの文化は滅びることなく、綿々と今日まで受け継がれてきました。もちろん少しずつ変化しながらではありますが。

そして、この土地で生まれ、征服者であるヨーロッパをはじめとする様々な文化の影響を受けながら育ってきた音楽が、「フォルクローレ」と呼ばれる音楽なんです。この言葉をご存じない方でも、「コンドルは飛んで行く」、あるいは「ランバダ」という曲をお聴きになったことはあるでしょう。これらの曲も、もとはフォルクローレなんです。この2曲、全然雰囲気は違いますが。

サンポーニャとイラ・イ・アルカ


いにしえのインカ帝国では、王様の指示で、人々が助け合って暮らしていくしくみが国家規模で作られていました。しかしインカ帝国ができるずっと前から、ここに暮らす人々の間には、人や自然はお互いに助け合ってゆかなければならない、そうしなければこの世の中は成り立たないのだ、という考え方がありました。厳しい自然の中で生きていくための智恵だったのでしょう。そして、彼らが使っている楽器や、その呼び方にも、その考え方は表れています。

「サンポーニャ」という楽器があります。この楽器の起源は非常に古く、インカ帝国ができるよりずっと昔から、ほとんど形を変えずに使われていたと考えられています。
これは自然に生えている葦や竹の茎を切り、節で閉じている方を下に、開いている方を上にして束ね、口で息を吹き込んで音を出す楽器です。みなさんはジュースやビールの空き瓶に口を当て、息を吹き込んで、「ボ〜〜ッ」という音を出したことがありませんか? あれとまったく同じ原理なのです。管の長さを変えれば音の高さが変わり、長い管ほど低い音が出ます。音程を調節した各種の長さの管を順に並べ、糸や竹の皮などで縛れば「サンポーニャ」のできあがりです。
もともとは地方ごと、村ごとに形の違うサンポーニャがあったのですが、現在楽器屋さんや民芸品屋さんで買える一般的なサンポーニャは、下の写真のような形をしています。
写真の右下の方をご覧下さい。吹き口が2列になっているのがおわかりになりますか? つまり、この楽器は、管を横1列に並べたものを、さらに2つ束ねてあるのです。しかもよく見ると、2列の管の吹き口が、それぞれ互い違いに並んでいるのがわかります。実は、それぞれの列の音の並びは演奏者側から見て
  (Fa)(Re)(Si)(So)(Mi)(Do)
   (Mi)(Do)(La)(Fa)(Re)
という具合に、1つ飛びになっているのです。そして私たちが見慣れている鍵盤楽器とは異なり、右が低音で左に行くにしたがって音が高くなります。ですから、ドレミファソラシドと音階を吹くためには、右から左へ2つの列の管を交互に吹かなければなりません。もちろん、2つの列がそろわないと、曲を演奏することもできません。
それを昔からの伝統的な吹き方では2人で一組となって向こう側の列の管を 吹く人と手前側の列の管を吹く人は別々の人が 担当します。
相手が吹くときはこちらは息を吸って休みます。 こちらが吹くときは相手は息を吸って休みます。 協力しあって相手とタイミングを合わせないときれいに ひとつの曲を演奏することができません。
だからサンポーニャは「相互の協力を必要とする楽器」なのです。

この楽器は2つの列がそろわないとまともに演奏できないことから、世の中や世界、自然界における必要不可欠な対極のものに例えて、 それぞれの列のことを「男と女」や「夜と昼間」とか 「表と裏」などのように考えたりもするのです。

この2つの列にはそれぞれ名前が付いています。演奏者から見て手前側となるほうが「イラ」、向こう側が「アルカ」、元々の意味は「導くもの」と「導かれるもの」という意味です。そうです。これが私たちのグループの名前の由来なのです。 「イ」は「〜と〜」という意味のスペイン語です。
だから、私たちは「お互い協力しあいましょう」 という意味のグループなのです。

土の匂いのする音楽


前述のように、フォルクローレはいろんな音楽や文化と混ざり合いながら成長してきました。でも、その中には急速に他文化と融合したものもあれば、気が付かないくらいゆっくり影響を受けて変化したものもあります。ゆっくり変化していったものには昔ながらの文化や人に優しい空気を強く感じる音楽が沢山あります。日本でもお年寄りの人達が口ずさんでくれるような歌からはなにかほっとするような暖かさや懐かしさがにじみ出てきます。

イラ・イ・アルカでは元気いっぱいの曲を沢山演奏しますが、そんな中にも人や自然の暖かさや古きよき時代の懐かしさを感じてしまうような音楽を好んで演奏しています。田舎の方で今でも好まれて演奏されるような曲や昔からの伝承曲には昔ながらのアンデスの土の匂いみたいなものを感じます。

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