シャルル・E・ジャック
Charles・Emile Jacque
1813-1894



「羊」
キャンバスに油彩
15号
ロドリゲス(フランス公認鑑定士協会会員)の鑑定書付き。
| シャルル・E・ジャックは、バルビゾン7星に数えられる作家です。 元々は版画家で、17歳の時に地図版刻師に弟子入りし、石版の基本的な技術を習得します。1836年にはロンドンでシェークスピアの挿絵本などに関わり、1845年にはエッチングでサロン初入選しました。 このように版画家として高い評価を受けていたのですが、ミレーなどと知り合い、1945年から油彩画を始めますが1849年に家族揃ってバルビゾンに移り住みます。 得意としたモチーフは、ニワトリ、豚、牛、羊などの家畜をテーマとしたものですが、特に羊は人気があり、数多くの作品を残しています。 ジャックは「羊飼いのジャック」、「羊のラファエロ」などと呼ばれることもありますが、その理由は、羊の一頭一頭に個性があり、深い愛情を込めて注意深い観察の元に描ききったからだといわれています。 この絵は、薄い茶色で色彩を統一し、窓から差し込む光を浴びて小屋の中で干し草を喰む羊が一塊りとして緻密に描かれていますが、一頭だけこちらを振り返って見つめる羊が描かれています。 羊はおとなしく、臆病で用心深い生き物ですから、夢中で食事をしているときでも、見張り役をする羊がいるのでしょう。 それによく見ると、羊の足下にニワトリが描かれていますが、小屋などを描くときにはお約束的にニワトリや犬が登場します。 ニワトリの役目は周囲の状況を知るためにだそうですが、農村育ちでないのでよくわかりません。 ミレーやトロワイヨンらも羊を描いていますが、それは農村の風景の一部として配置されることが多く、ジャックのように羊を主役とした作品は余り多くありません。 隣家に住んでいたミレーとの仲違いが原因で1854年にバルビゾンを離れることになりますが、バルビゾン芸術の伝統を失うことはありませんでした。 1861年には、「羊の大群」でサロンの3等賞を受賞しています。 晩年は養鶏所、アスパラガスの栽培などの事業に手を出し、絵画一筋のバルビゾン作家たちとさらに疎遠になってゆきます。 |