7歳になるメスのシェットランドシープドッグを飼っている。実はここ3年間、狂犬病の予防注射を受けていない。
3年前の春、動物病院を受診したときに注射を断った。私の言い分は、「昭和32年以来、日本で狂犬病が発生していないから(これは事実)、注射する必要はない。責任を持つので注射は受けない」というもの。「責任を持つ」とは、我が家の犬が人間を噛んで狂犬病を感染させたら、その責任を持つという意味である。獣医師は、「法で決まっている。何回も市から督促がいく。新潟はロシアの船が行き来しているので、狂犬病の犬が持ち込まれる可能性がある。ペレットなどにも狂犬病にかかっていることがある」などと、注射を受けたほうが良い理由を説明してくれた。「日本の犬すべてが、予防注射を受けているとは考えられない」という私の反論に対して、「老犬や病気の犬には注射はしない」と答え、さらに「獣医のなかにも予防注射不要論者がいる」と、好意的に答えてくれた。結局、注射は受けず、フィラリアの血液検査で異常のなしと診断してもらい、高価なフィラリアの薬をもらって帰った。
その後、獣医師が忠告したように市から督促のはがきが送られてきた。また電話もかかってきた。それらに対し、拒否を貫いたというより無視した。その後も注射は受けていないので、督促のはがきは毎年くる。あきらめたのか電話はかかってこない。注射を受けなくなって困っていることは、動物病院を受診していないのでフィラリアの薬が底をついてきたことだ。ところでフィラリアの薬は何であんなに高価で、動物病院でしか手に入らないのだろう。薬局に売っていても不都合はないと思うのだが。
狂犬病の予防注射は「狂犬病予防法」で生後91日以上の飼い犬はすべて受けなければならないことになっている。しかし、罰則規定はない。狂犬病は致死率の高いウイルス感染症で、世界中では毎年数万人がなくなっていて、いつ日本に入ってくるか分からないから、日本中の飼い犬に予防注射が必要というのが建前である。春になると各自治体は、獣医師を雇い、予防注射を行う。それを受けなかった犬は、動物病院で受けなければならないシステムになっている。感染しない病気の予防することなど全く無駄だと思うのだが。人間が対象の予防注射ならとっくに見直されているに違いない。注射を止めると、さしあたり収入が減る獣医師とワクチンを作っている薬剤会社が困る。両団体とも政治献金をわんさと使っているに違いない。犬は注射をされて「キャン」とは吼えるが、文句までは言わないから、この法律は永遠になくならないな。