Q05:打撲による皮下血腫

質問
68歳の母が階段を踏み外して転倒し、膝を打撲しました。
その日に、医師から打撲と診断を受け、湿布と内服をもらいました。
しかし翌日の朝、打撲したところだけでなく膝の裏まで内出血が広がっていました。さらに翌々日は、よりひどくなっています。
母は高血圧で薬を服用していまが、医学上考えられる問題はどういうものがあるのでしょうか。 (30歳代 女性)
回答

打撲による皮下出血は、皮下組織の毛細血管がつぶされたり切れたりすることにより起ります。毛細血管の切れた箇所は、主に血小板の作用により数分から数時間のうちにふさがり、出血は止まります。
出血した血液は、血管に戻ることはありません。この血液は皮下組織がやわらかい眼の周りや膝の裏や陰部などでは広がりやすく、手のひらや足の裏では皮下組織が硬いため、広がりにくい傾向があります。また出血した血液は重力の影響を受けます。
たとえば膝の前に皮下出血が起こると、数日のうちに脛(すね)や膝の裏側に広がります。場合によっては足首付近まで広がることがあります。
皮下出血は紫色から徐々に黄色になり、出血の量にもよりますが、おおよそ1か月で吸収されます。
皮下出血の量が多く限局している場合は、針を刺して血液を吸引したり、皮膚を切開して血液を洗い流したりすることもあります。
さて、膝を打撲し皮下出血が膝の裏に広がり、翌々日にはさらに広がったとのことですが、これは出血が続いているわけではなく、出血した血液が重力の影響を受け、皮下組織がやわらかい膝の裏に広がったためです。
高血圧で治療中ですので、定期的に血液検査を受けておられることと思います。採血のあとの皮下出血はいかがでしょうか。ほとんど皮下出血が起こらないとすれば、止血のメカニズムが正常であると推察されます。
お話の内容から異常があるとは考えにくいのですが、打撲と皮下出血で治療を受けている医師、または、高血圧の治療を受けている医師に相談してみてはいかがでしょうか。

皮下血腫(4)