ごあいさつ



 私たちの二男、昇平は発達障害を持っています。
 医師からADHD(注意欠陥多動性障害)という診断を受けたのは、今から約7年前のことです。その診断名は今も一応変わっていません。
 けれども、その当時から、私はADHDに関する情報だけでは、二男に充分な対応ができないことを感じていました。社会性の問題、行動の問題、認知の問題、感覚や身体的な問題、能力的な問題……。発達障害について調べれば調べるほど、ADHDの近隣にあるという自閉症やLD(学習障害)に非常に近い特徴もあると感じられてならなかったのです。
 我が子の本当の姿はどれなのだろう、と悩んだこともありました。ADHDへの対応が本当にこの子に合っているのだろうか、と不安を感じた時期もありました。けれども、ADHDとしての対応を捨てて、自閉症などの対応「だけ」に切り替えることを考えると、やっぱり同じ不安を感じたのです。どの対応「だけ」でも、この子には足りない。それは母親として、生まれたときから昇平を見つめ続けてきた私の直感でした。

 ADHD「だけ」でも、自閉症「だけ」でも、LD「だけ」でも、昇平には足りない。
 では、どうするか?
 解決方法はとても簡単でした。診断名にこだわらずに、どの障害からも昇平に合っている対応を選んで使ってしまえばいいのです。同じような考え方の親たちの間で「いいとこどりの対応」と呼ばれていたやり方でした。


 この7年の間に発達障害に関する研究や理解は劇的に進みました。
 ごく普通に見える人たちの中にも、発達障害の特徴を抱えて苦労している子どもや大人たちが大勢いることがわかってきて、それに合わせた対応の必要性が叫ばれています。そんな中で、ADHD、自閉症、LDといった障害がそれぞれ独立したものではなく、お互いに特徴がオーバーラップすることの多い、境界線のあいまいなものだということもわかってきました。その特徴の入り混じり方は、一人一人でそれぞれに違っています。7年前の母親の直感が、今、学術的にも証明されてきていると感じています。

 それはちょうど、しま模様のシャツを着ているようなものだと、私はずっと考えてきました。ADHDの色、自閉症の色、LDの色というものは確かにあるのですが、その割合や混じり合い方が一人ずつで違っていて、世界に二つと同じものがない、オリジナルな「しましまシャツ」です。
 一人ずつがオリジナルだから、その対応もまたオリジナルになって、手間や時間がかかります。でも、個性的という面では、他に比べものがない存在です。
 ですから、二男には将来、自分の持っているしましま模様を恥じて隠すのではなく、自分らしい「色合い」として堂々と胸を張れる人間になっていってほしい、と願っています。きっとできるのではないかと思うのです。自分の持っているしましま模様をよく知り、その得意不得意への対応の仕方を自分自身で学んでいければ、きっと……。



 ここは、昇平という一人の「しましまっ子」の成長を記録したサイトです。
 診断を受けてからずっとつづり続けた日記は、それこそ7年間にも及んでいます。
 時々は、親としてがっくり来たり、どーんと落ち込むこともありますが、たいていすぐに復活します。なにしろ日々の昇平の成長の様子が面白くて楽しくて、落ち込み続けていることができないからです。
 昇平に限らず、子どもというのは本当に前向きだと思います。いつだって、生きていきたい、伸びていきたい、と願い続けているのです。それならば、そんな子どもの気持ちに応えていくことが、親としての務めなのだと思っています。

 また、これまでにADHDに関して自分なりに理解したことや、私が読んで参考になった書籍、ペアレント・トレーニングやリタリンといった療育的な情報も載せてあります。発達障害のある子の親や専門家、自身が発達障害を抱える成人当事者が集まる掲示板もあります。私自身が、情報をほしい、同じような立場の人たちと交流したい、とずっと願い続けてきたからです。子育ての行く先が見えなくなって、どうしたらいいのだろう、と立ちすくんでしまったとき、情報や仲間たち、そしてそれを支えてくれる専門家の存在は、本当に心強いものです。

 ここは、本当に、単なる一人の発達障害児の記録サイトです。
 ですが、見に来てくださった方の参考になることがいくらかでもあれば。同じような立場の親たちがいると知ることで、少しでも子育ての元気を得ることができたら。そんなことを願いながら、今日もサイト運営を続けています。――私自身もマイペースで楽しみながら、ですが。
 肩に力が入ることなく、親も子どもと一緒に自然体で成長していければと思っています。


〜以上、ごあいさつに代えて〜



2006年8月8日 しましま島管理人 朝倉玲

(全面改正)






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