明るい悩み相談室   …「きんぎょ注意報!」


☆ 14歳の優しく美しい乙女です。
☆ 一人寂しかった私の前に、ある日突然すてきな男性が現れたんです。
☆ 私が困っているといつも助けに来てくれたの。
☆ でも、「あなたのような人に出会えて幸せだった」と別れの言葉を残して、
☆ その人は突然私の前から姿を消してしまいました。
☆ あの「青バラの君」は誰だったのでしょう?
☆ 彼のことを思うあまり今も眠れぬ夜を過ごしています。
☆              
         静岡県田舎ノ町:かわいそうなちとせ


  あなたのことはテレビとコミックスと某アニメ誌で良く知っています。
 以前から、本当はちーちゃんは葵のことを好きになりはじめているのでないか、ただ、ちーちゃんは、そういう自分の気持ちに向きあってしまうのを凄く「こわがっている」という印象があります。
 だから、思わず何かの弾みで葵君を意識していることに自分で直面しそうになったり、わぴこたちにそれを悟られそうになると、むしろそれを強く否定するような言動を取るのです。
 「私は本当は田舎ノ中なんかに来なくても良かったお嬢様なのよ。都会的でトレンディでお上品で華麗なライフスタイルが似合っているの。わぴこや葵なんかとは本来なら住む世界が違うのよ。
 お父様の遺産を受け継いだ私の好意で、新田舎ノ中として再建して、わぴこや葵を私の目指す名門校にふさわしい生徒に教育してあげようって思って理事長引き受けてあげだけなの。
 なのにわぴこたちったら、いつまでたってもダサくって子供じみた態度を改めないじゃない。それどころか、そういうライフスタイルに私の方を巻き込もうとばかりするのよ。
 不幸にして都会の学園にいられなくなった今の私は仮の姿、いつかきっと素敵な王子様が私の前に現れて、この不幸な寂しい境遇から私を救い出して、本来のお嬢様としての幸せな生活に呼び戻してくれるのよ。
 葵? 何よ、あいつ、いつも私にいじわるしたり憎まれ愚痴たたいたりして私の足を引っ張ってばかりの超迷惑な奴!」
 
  ― 恐らく、あなたはこんなふうに思っているんでしょうね。

  青いバラとは、昔から、ヨーロッパでは「現実には存在しない愛する対象への報われない激しいロマッチックな憧れ」の象徴です。そう、現実には、どんなに品種改良しても青いバラだけは作れない。

 物語の冒頭、街を歩きながら「私は独りぼっちだ」とあなたは言いました。「どうして? 私たちが一緒にいるじゃない」とわぴこは怪訝そうな顔をして答えています。

 ちーちゃん、君がこころの目を開きさえすれば、そこには、ずっと前から君のことを心配し て、君を仲間だと思っているたくさんの人達がいることに気づけるんだよ。わぴこや、秀ちゃん…そして、口には出さないけど、実は一番君のことを気にかけてくれている、葵君が。  
 最後に別れの言葉を告げに来た時の「青バラの君」の声が誰の声だったか、良く思い出して見てください。その声の主は、あなたのロマンチックな妄想とは掛け離れた男性かもしれない。でも、あなたが思っても見なかった、手ごたえのある現実の幸せを共に築いていくことができる人かもしれませんよ。

  いつまでも青バラの君と会った古い館の方を見つめて帰ろうとしない時の、何か遠くを見つめるような、少し意地を張るような、そのくせ取り澄ましたちーちゃんの眼差しが、凄く印象に残りました。そうか、これが今のちーちゃんの目線なんだな…と。
 
 肩ひじ張って、そんなに遠くを見つめなくてもいいんですってば。


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