Dear,ひかるちゃん  

    ……劇場版「きまぐれオレンジロード・あの日にかえりたい」


 Dear ひかるちゃん、元気?

 あの試写会の日まで、僕は何よりまどかさんのファンでした。正直言って、君のことは、カワイイとは思ってたけど、魅力的な女性として心ひかれるってことはなかったんです。でも、恭介に振られた後の君の姿を見ているうちに、こうしておたよりしてみる気になりました。

 君が、恭介とまどかさんが相思相愛じゃないかっていうことを、これっぽっちも疑ったことがないなんていうこと、僕にはとても考えられなかった。まどかさんと川べりで話していた時、君も言ってたけど、もし全然気づいてないなんてことがあったりしたら、君は明るくて単純なだけのおめでたいパープリンってことになっちゃうもんね。

 でも、気づいてたんだ、やっぱり。そして、「逆転できる」って信じて、まるで何も知らないでいるみたいな明るい笑顔で、いつも 介にアタックしていたんだね。それだけじゃ、ほんとうは恭介を一方的に「巻き込んだ」恋愛ゴッコを越えられないかもしれないってことも、うすうす感じてたんじゃないかな。

  ....ひかるちゃんもあせってたんでしょ? まどかさんと恭介が予備校でふたりだけの世界作ってしまいそうなのに。だから、キスまでしちゃった。でも....ついに来ちゃったね。君の笑顔のノリが恭介に通じなくなるその時が。

 でも、最後には恭介にしがみついて「私はいったい何だったんですか!答えてよ オ!!」って絶叫し、中途半端に「愛する人のために身を引こう」なんていうごまかしに走らないで、徹底的に振られ抜く道を突っ走った君は、凄く正直だった。人を恋するってことは、結局そういうことだって、僕も思うし。一度はあそこまでやらなかったら、後々でもっと君は傷つくことになった気もする。

  この映画も「ひかるちゃんのために」作られたんだ。原作者のまつもと先生がコミックスの最終巻で大幅に描き足した時に言ってたのと同じようにね。そのことを、 「ひかるちゃんがかわいそう過ぎる」って思ってしまうファンの人たちに、いつか、すこしでもわかってもらえたらいいな。

  望月監督も試写会の席上で言ってたよ。「恭介もいずれまどかにフラレて、ひかるとヨリを戻そうとするけど、その頃はひかるにも彼氏がいたりして」って。そした ら、恭介の奴(失礼、古谷徹さん)ったら、「それじゃ一番悲惨なのは僕じゃないですか!」ってあきれてたよ。

 ともかく、立派にひとりの女を演じ切ったね。熱いカーテンコールを送ります。
 決して、君への同情や哀れみからではない拍手を!

                  Yours sincerely




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望月智充作品全般については「誕生」のページを参照。




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