光とヒカリの別れ
……「魔法騎士レイアース」
『レイアース』第8話、「召換士アスコットの恐怖の罠」。
光は傷ついた小さなかわいいけものを怪物の魔の手から助け出す。その動物に、東京でのわが家の愛犬と同じ「ヒカリ」という名前をつけてかわいがる。
しかしその獣は召換士アスコットが放った新たな刺客、ビガーだった。ビガーは花を摘んでいる光の背後でみるみると巨大な怪物に変身する。だが、駆けつけた風と海の前に光は立ちふさがる。
「この怪物はヒカリが大きくなっただけなんだ。病気か何かになっただけなんだ。魔物になってもヒカリはヒカリだよ」と。
そして自分を前足で一撃の下になぎ倒したその怪物の足の傷…光を怪物から救おうと風が剣をふるってできた傷のてあてをしようとすらする。
しかし、森が火に包まれ、他の動物たちや風たちの命が危ない現実に直面した時、光は皆を救うために、泣きながら「ヒカリ」に斬り付けるつらい決断をする。
…その時、光の剣は「成長」する。
森の火事を消すために海が招来した天からの雨は光の涙雨とひとつに溶け合う。
…従来の多くのアニメのパターンだと、似たようなシチュエーションで、光の怪物に対する「純粋な」愛情がその怪物の心を動かして、光が刃をふるわなくても解決する方向に向かうというのがありがちのパターンではなかろうか。だが、この物語は、光が現実に「ヒカリ」を斬り捨てることを「成長だ」と言い切る。
敢えて言おう、ビガーに愛犬「ヒカリ」の名前を与えてしまったことそのものが光の弱さだったのかも知れない…と。光は小さい頃から一緒に育った愛犬との懐かしい日々との二重写しの幻想に捕らわれるあまり、邪悪な怪物への変容という目の前の現実を受け入れ切れなくなってしまったのかもしれない。
怪物ビガーのために墓を作ってあげた時、光は、アスコットの魔術に利用されたあのかわいそうな小さな獣との永遠の別れを悲しむと共に、自己愛の投影たる愛犬「ヒカリ」からも独り立ちし始めたのではないか。今の光には、共に歩む海と風、そして救わねばならないセフィーロの世界があるのだから。(94/12/5)
P.S.
7話も、いつもは沈着冷静な風が思わずひとりだけでフェリオを救おうと砂漠に舞い戻る当たりの描き方が妙に好きです。ポケベルでもブレゼントして「気が向いたら」なんて言われてみたい<笑>
衣食住保証された大名旅行のファンタジーかと思わせながら、7話や8話のように結構生々しいパッションでつっ走る話が出て来ると、「作りの丁寧な売れ線作品」とか言ってられなくなる。しかし私の秀才型制服美少女嗜好は宿命か? えーくそ今度の読者カードは風ちゃんで行くしかないではないか。笠原お姉様、涙が止まりません!
彼なりに私に気を使っているのだろうが、ミネバ様、君が気にすることではない。私はまだ引退してはいないつもりだ。ともかく一度ホームページを始めるとむちゃくちゃ忙しいんだよ。しかし私はあの論争に勝ったつもりでいたのだが(笑)
ただ、この頃から次第に私の投稿が完全にアニメ誌の枠にいよいよ収まらなくなり始めていたのも確かだろう。
「レイアース」は、第1部最終回を巡って、結局「異世界へと召命された戦士たち」という大論考を書く引き金となる。
それにしても、この内容、今読むと、「エヴァンゲリオン」の、シンジがトウジやカヲルを殺すか否かの選択を迫られたエピソードを完全に先取りしていた気もする。
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