本/著者別−ふ

★は1個から5個の間でテキトーにつけてあります。
出版社等は私の読んだ時点のものです。
最新更新日:2004年09月10日
の作家
著者
タイトル コメント
出版社・叢書
備考
福井晴敏 ふくい・はるとし
1968年東京都生まれ。千葉商科大学中退。江戸川乱歩賞でデビュー。
『亡国のイージス』 ★★★★
アメリカが極秘で開発していた液体毒ガス爆弾(なんか変だな)が北朝鮮国民解放を目指すテロリストに奪われた。テロリストは最新鋭の防諜システム(これがイージスね)を搭載した自衛艦を乗っ取り日本政府に要求を突きつけてきた。対するは防衛庁の秘密組織。イージス艦はミサイルに液体毒ガス爆弾を装備して東京湾に迫る。国民には秘密。東京ディズニーランドは営業中だ!(いやこれはそんなに意味ないです)
「液体毒ガス爆弾」てのはちょいネタバレかも(最初のほうずっと「アレ」と呼称している)。私は「シュリ」 〜 これ 〜 「シュリ」(再)という処理をしたのですが、北朝鮮といえば液体爆弾、しかも無色透明、そして犯人は国家の思惑とは別に動く、と。なんか決まりがあるのでしょうか。
テロリストとの駆け引きとか、自衛艦内部の攻防とかちょっと「ダイハード」みたいなとこもあるし、タイムリミットも仕掛けてあるし、読みどころ満載です。またすぐ映画化の話を持ち出す人もいますが、とりあえず無理だと思ってください。自衛隊も協力してくれないだろうし。 追記 → 阪本順治が撮ることになりました。しかも空自が全面協力、って海自は協力しないのね……。 → その後の情報で海自も協力していることがわかってビックリ!
次の『∀ガンダム』の帯に「大藪春彦賞受賞後第一作」とあるので、おそらくそういう賞を穫ったのでありましょう。
その後くわしくは知らないが、なんかトリプル受賞したらしい。
講談社
 
『ターンエー
  ∀ ガンダム (上・下)』
★★★
昔、地球によくないことが起こったので、環境修復のためのナノマシンをばらまいて、人類は月に移住しました。一部の人々は地球に残っていましたが、科学技術とともに歴史の記憶を封印し、今はアーリーアメリカンな暮らしをしています。自動車が普及仕立てって感じです。そこへ、そろそろいいかなと思って、昔一度地球に来てかぐや姫騒動を起こしたことのある女王様に連れられて(基本的には冷凍睡眠してて、ときどき起きる)月の人たちが帰ってきました。月の人たちは普通に科学技術も継承していた(そうでないと月なんかでは暮らせない)ので宇宙船とか巨大ロボットも持ってました。土地の譲渡に関して地球の人たちともめて、ちょっと争いが起こりました。それに反応したのか、土地の人々が崇拝する石像の中から巨大ロボットが出現しました。偶然それに乗り込むことになった少年は、実は月の人たちの移住のために事前に環境検査(自らの体で人体実験する)に来ていた月の少年だったのです。
上巻は、地球が宇宙船を掘り出す(地面にはロボットとか武器とか昔のものがたくさん埋まっている)まで。
そして下巻は急展開。月では地球に帰りたくないジジイが計画の阻止を画策。昔、女王一族に反乱して冷凍刑にされていたお侍さんを起こして、地球のロボットに対抗する特別なロボットを与えました。一方地球では核兵器とか毒ガス兵器とか掘り出しました。いろいろもめて月の軍団を追放された女王様は地球側の宇宙船に乗って月へ行くことになりました。月へ行く途中でロボットに乗って「行け、ファンネル」とか騒いでいるお侍さんと戦ってやっつけました。意外とあっけなかったです。っていうか、この人はテレビの最終回にも出てたはずなのに。そういえば、実は地球人に女王様とそっくりな人がいて、嫉妬とかごちゃごちゃあるのですが、面倒くさいので書きません。月では人類が忘れてしまった昔の歴史を見せてもらいました。宇宙世紀ダブルオーセブンティーナイン、人類は増えすぎた人口を……とか永井一郎がしゃべるフィルムです。白いロボットと脚のないロボットがちょっと画面を横切るとか白々しい書き方がしてあります。「立てよ国民よ!」とか頭ベッタリ男の演説も聞こえました。スペースコロニーとか落としたりして大虐殺です。で、みんなで反省するかというと、いろいろあって逆に月でも戦争状態になります。その頃地球ではもう核兵器も毒ガスも使っちゃってました。枯れ葉剤とかもあるんだよ。月ではブチ切れた女王様が蝶々の形をしたロボットを持ち出しました。サイコミュとかいう方式で今週のびっくりどっきりメカをたくさん操るヤツです。人類の運命やいかに。
それにしても、うーむ、また読むのに時間がかかってしまった。文章のリズムが合わないのであろう。
おそらく下巻はテレビとはまったく違う展開だと思われますが、まあ後半は最終回以外はほとんど見てないのでどうでもいいです。とりあえず読後感はいいし(でもちょっとデウス・エクス・マキーナ的な小道具で無理矢理ハッピーエンドの感なきにしもあらず)。
「ターンエーガンダム」は、楽しい時間(とき)をつくる企業・バンダイと、時をかける男・角川春樹の提供でお送りいたしました。
← それが気に入らなかったのか、本作は『月に繭 地には果実』と改題されて角川春樹事務所の宿敵(?)・幻冬舎で文庫化されることになる。
ハルキ・ノベルス
原案 富野由悠季
矢立肇
『Twelve Y.O.』 ★★★
『亡国のイージス』につながる江戸川乱歩賞受賞作。どうやら前年に書いて乱歩賞に応募したものの大沢在昌のみ猛プッシュで落選した小説も世界観としてはつながっているらしい。やっぱり順番を逆に読むってのはよくないです。というのは、後半に出てくるネタが『亡国のイージス』で明かされているからです。
相変わらずこの人の文章との相性は悪い。今回ははっきりカッコつけて変な書き方してると指摘できる箇所が多々あるので、そのせいで読みにくいのだろう。
平は自衛隊の画策する特殊部隊のヘリ・パイロット候補だったが、事故のトラウマで飛べなくなり、今は入隊の勧誘役で日を送っていた。町で当時知り合ったいわゆるスパイの東馬と再会。今は退役して沖縄の米軍撤退運動をしているという。そういえば最近海兵隊が出てったな。実は東馬によるコンピュータ・ウィルス・テロのせいだった。自衛隊の秘密諜報部ダイスに連行された平は東馬をおびき出す囮にされるが、東馬の方が一枚上手、平は東馬に奪還される。そして平は日米両政府の欺瞞を知ることになる。
クライマックスの派手派手スペクタクルシーンは大変いいのだが、中心となる人物を設定していないせいか(必ずしも平が主役なわけではない)どうも全体に人物が薄っぺらで、せっかくのクライマックスの中で展開される人間のドラマ(というほどのものでもない)が安っぽい。
講談社文庫
 
『終戦のローレライ (上・下)』 ★★★★★
映画の直前(というか正月かなあ)に読むつもりでおりましたが、自主的に戦争物特集を組みましたので、その一応の終わりにタイトルがちょうどいいものを持ってきました。(でもこの人の読むと確実にスケジュールが狂うから困るんだな。)
1945年7月末。わかっている人には間もなく日本がアメリカに負けるのは既定の事実であった。この時、既に敗れていたドイツの潜水艦が日本を目指していた。それは元フランス軍のものを接収したもので、通称ゼーガイスト、ドイツ語で”海の幽霊”である(追撃する米軍はシーゴーストと呼んでいる)。コイツは一風変わった姿をしていた。潜水艦なのに砲塔がついているのだ(水中では使えません)。ついているのはそればかりではない。後部甲板には独立機動できる特殊潜行艇ナーバルが接続されていた。合体メカである。が、実のところナーバル自体はどうでもいいので、重要なのは中に搭載されている新型海中探索システム、通称ローレライである。これが物凄くて、実際に稼働するのは上巻の中頃だが、最初に書いてしまうと、ドーム内に浮遊する砂鉄によって立体ジオラマとして表現されるのだ(気持ち的にはソラリスの海です)。他に視点を変えて主観で覗ける潜望鏡みたいのもついていた。SFです。映画がとても心配です。これくらいの絵空事ぶりなら小説ではちょっと顔を背ければ許すことができますが、映画は常時見えてますからね。松本零士にデザインさせるのがいいと思います。ネジとかメーターとか無駄にゴテゴテさせればリアリティも出るかもしれない。ゼーガイストを操っているのはもちろんナチの残党で、しかし中の一人、親衛隊のフリッツ・S・エブナー少尉はちょっと様子が変わっていた。どう見ても東洋人なのだ。彼は日本人とのハーフであった。彼が純血者以外入れない親衛隊にいられるのには理由があった。ローレライの操作ができるのは彼だけなのだ。彼らはローレライを手土産に日本に保護してもらい、そこからどこぞに亡命させてもらう手はずであった。だが、あと少しで到着という時に米潜水艦の襲撃を受け、艦長は重荷であるナーバルを捨ててしまった。
反戦思想を持つ弟に自殺されたせいで潜水学校の校長に甘んじていた絹見(まさみ)少佐は海軍の中枢を担う戦術参謀(本当の肩書きは忘れた)の朝倉大佐から誘われ、極秘任務を引き受けた。ゼーガイスト改め伊507の艦長である。すでに敗戦は確定しているが、今のまま敗戦を迎えては日本民族はロクな行く末にはなるまい、人心は荒廃し云々、とにかく現代のような状況になってしまうであろう、それを阻止するために国家の切腹を断行し、強い民族に生まれ変わらなければならないのだ。そのための秘密兵器が海に沈んでいる。元は伊507に付属していたそれを速やかに回収すべし。
横須賀で特攻用潜行艇・海龍の乗組員だった折笠征人上等工作兵と親友の清永上等工作兵は伊507に配属された。海龍は回天より前につくられたミニ潜水艦で、そもそもは特攻専用ではない。彼らも工作兵であって最初から特攻要員なわけではなかった。海龍の整備などを担当していた縁で配属されたのである。彼らはいよいよ特攻かと思ってやってきたのだが、任務はナーバルの引き上げ作業であった。辺りをウロウロしていた米潜水艦と「沈黙の艦隊」みたいな戦闘を交わしたりしながら、ドイツ製の潜水服(「ゴジラ」ラストのあれ)を着込んでナーバルに接近した折笠の耳に歌が聞こえてきた。「名も知らぬ遠き島より流れ来る椰子の実ひとつ……」
まだ、上巻の三分の一も来てないけど、ここで終わり。続きは映画コーナーにて!(予定) ローレライの秘密については、本としては厳重に秘匿していて(なにしろ下巻の登場人物一覧にさえ……いやなんでもない)、しかし映画の情報を見たりすると最初からバレバレになっており、うーん、私は映画コーナーでも秘密にしたまま書くぞ!(それは難しいぞ)
それはそれとして、この人の文章が読みにくいわけがなんとなくわかった。単語と単語、特に平仮名と漢字が私の経験にない接続のされ方をしているようである。次に出てくる漢字が音読みなのか訓読みなのかもわからないのだ。普通、本を黙読するという行為においては、文章がまとまりで視覚に入ってくるわけだから、単語一個一個には引っかからないはずなのだけど、パッと入った文章が見慣れないフォルムを持っていて即座に解析できず、結局頭から順に流さざるを得ないっていう感じなんだな。その上、一回音読みで通り過ぎた後、訓読みだったことに気づいて後戻りしてしまう。何冊読んでもこの人の文章が経験として私の頭に蓄積されないのは謎だが、あるいは手書きで書き写したりするといいかもなあ(そんなことしません)。
講談社文庫
 
福田和也 ふくだ・かずや
よく知らないけど、論客でしょ。
『この国の仇
 「反論できない正論」を討つ』

光文社
 
福間健二 ふくま・けんじ
たぶん詩人が本業だと思うけど、映画評論とかもよくやっている。監督もしたことあるんじゃないかな。ピンクかホモ映画の。
『ピンク・ヌーヴェルヴァーグ
 佐藤寿保、佐野和宏、
 サトウトシキ、瀬々敬久の挑戦』

ワイズ出版
編著
藤木稟 ふじき・りん
京極の亜流という扱いでいいのかしら。
『ハーメルンに哭く笛』 ★★★
なんか本屋のノベルス・コーナーでとんでもなく大きな扱われ方をしていたんですよ。これは2作目なんですけど、別に続編とも謳ってないのでデビュー作は気にせずこちらを買いました。そしたらやっぱりこれはシリーズの第二弾で、前作の話がちょいちょい出て来るんですよ。京極のも前に出た人物がたくさん出てきますけど、ぼーっとしてたら気がつかないような扱い方、つまり前作でどういう役割をしていたかは今回の話では表面的にはまったく気にする必要はない、という書かれ方なんですね。それがどうもこちらはかなり前作を引きずっている。京極の名前出したのはちょっと似た雰囲気だからです。これを読む分には、前作ではどうも陸軍絡みの陰謀があって、でも結局は語り手の恋人が二重人格の真犯人とかいう感じで最後は死んだようである。なんてことが読みとれてしまう。いや、今のところ前作は読んでないので本当かどうかはわからないのだが、とにかくそんな描写があったらちょっと前作読もうって気にならないです。この前作の陸軍の将校が出没して、登場人物たちはもう彼が出てきただけで怪しんでいたりするのですが、前作未読の読者にはただの通りすがりにしか思えない。困っちゃうなぁ、そういうの。
あと巻末に「差別的表現が多々ありますが時代性をかんがみてそのままにしときました」なんて書いてあるわりに、実は言葉の置き換えは逐一やってあって、かえって私は納得行かないのだ。これ最終的なネタに絡むけどいっちゃおう。朝鮮人差別が出てくるんですけど、文中すべて「コリア」って書いてあるのね。舞台は太平洋戦争前、ここはどうしたって「朝鮮人」でしょ(それかもっと激しいヤツ)。さらに、これに関係してイイモノ側レギュラーがとんでもないことしてて、私の感覚ではもう彼はイイモノとしては使えないと思うんですが、この先どうするんでしょう。
トクマ・ノベルズ
 
藤崎慎吾 ふじさき・しんご
1962年、東京都生まれ。現在は埼玉県在住。米メリーランド大学海洋・河口部環境科学専攻修士課程修了雑誌の編集者や記者、映像ソフトやマルチメディア系コンテンツのプロデューサーなどの仕事のかたわら小説を書く。サイエンスライターとしても執筆している。
『クリスタルサイレンス』 ★★★★
火星とネット。
すっごく忘れたけど、進化についてのSF。ちょっと神林長平みたいの。
朝日ソノラマ
 
『螢女(ほたるめ) ★★★★
廃棄されたキャンプ場。その管理棟の廃屋でつながっていないはずの電話が鳴る。向こうからは山ノ神に仕える螢女を名のる女の声が。近くで行われているリゾート開発を止めろという。その工事現場では、機械の故障やそれにともなう事故が頻発していた。それらの機械や鳴る電話には謎の粘菌が付着していた。というオカルトな感じで始まるSF。
森は、植物も動物も粘菌を媒介にして生体電気で複雑につながる回路を持つコンピュータ・ネットワークだった。
いや、やっぱりオカルトかもしれん。これくらいうまく書いてあれば、私もオカルト物をなんでもかんでもトンデモ扱いしなくて済んだであろう。というより、特撮物については自分の納得する形に読み替える(科学的に間違った設定、とか突っ込まれがちなところを何とか誤魔化して補正する)訓練ができているが、オカルトも毛嫌いしないでそういう訓練すればいいのかもしれないと気づいた私であった。
朝日ソノラマ
 
『ストーンエイジCOP 顔を盗まれた少年 ★★★★
2030年代。警察民営化促進中。とりあえずコンビニ最大手の4Uチェーン(業界第2位はセブンイレブン)が乗り出した。拳銃の所持以外は捜査・逮捕等警察官と同等の権限を持つ巡査補という位を設け、受け持ち地域は通常の警察と分け合うが基本的にコンビニ店舗の周辺の彼らは「コンビニCOP」と呼ばれる。この頃、日本は温暖化がかなり進み、都市部の冷却効果をねらってつくられた雑木林の公園は、今や熱帯雨林(雨は降らんわな)と化しつつあり、住民があれやこれやとペットを捨てるので、ヘビやサソリやワニ等が棲息する危険地帯であり、そして年々子供のホームレス、いわゆるストチルが増えつつあった。
4年前の交通事故で記憶をなくした滝田は、この時代に珍しくゴツイ男で、首はないに等しいくらい太く、顔は日本人離れというか人間離れしたゴリラのようであった。まるで石器時代人のようであったが、それだけでこういうタイトルなわけではない。彼の過去は謎のままで明らかにシリーズ化を目指したものであり、実は最後に彼とホームレス少年探偵団が「ストーンエイジCOP」という私設警察を模索するが、これをそのまま使ったタイトルというわけでもなく、シリーズの背後に文明を石器時代に戻すプロジェクトが今回の悪者とは別の手で進められているようなので、こっちの方から名付けられたものと思われる。つまり主人公の名前じゃなくて、(今後の)役割の名前なのだ。
彼はコンビニ(この頃は基本的に無人)を襲撃したストチルの一団を撃退、中のひとり健一を捕まえるが、最近ホームレスになった彼は、ニセモノに取って代わられたと妙なことをいう。4Uでゲームキャラの顔にお手軽整形した少年が家に帰ると、彼の顔をした少年がいついており、母もそいつが息子だと疑わない。父は精子バンクから買った高級品なのでいない。遺伝指紋(DNA検査簡易版)もニセモノを健一と認めている。滝田が捜査を始めると途端に邪魔が入る。ホームレスの子供たちと接触すると彼らをまとめているオジイという老人に引き合わされる。オジイが束ねる子供たちは「山賊」と呼ばれ、狩猟等をして暮らしていた。彼らはアボリジニのごとく、ドリーミングという動物のトーテムが与えられていた。「ダンス・ウィズ・ウルヴズ」みたいなものですね。というように、設定を細かに書いているとキリがない。最近「山賊」以外のホームレスの子供たちに覇気がなくなっている、というか、どうやら、覇気のない子供(通称「ET」)と入れ替わっているように見受けられる。そして健一が何者かにさらわれる。彼を連れ去ったらしきバンを見張っていると、子供の交換をしていた。追跡装置をつけたところ、バンは4Uの親会社の研究所に入っていった。滝田はオジイの紹介してくれたジャーナリスト(兼過激派?)・李光洙とともに研究所に乗り込む。そこで見たETの正体とは?!
ストーリーより設定が面白かったかな。このETの正体とか。ETなんかはこれでは今のところ悪者なわけだけど、こっちを主役というかメインで書いたりすると物悲しくてよさそう。
というわけで、シリーズの今後への期待(原作版ナウシカみたくなったりして ← 覚えてないけど)も含めた得点。
カッパ・ノベルス
 
『ストーンエイジKIDS 2035年の山賊 ★★★★
後で読む人のためにも素直に「2」ってつけた方がいいのにな。というのは、これは普通に『ストーンエイジCOP』の続編で、前作のネタバレもしているのです。
前作から1年半ほどが過ぎた2034年の暮。
山賊たちの暮らす公園に身長2メートルほどの黒い羽根に覆われた怪物が出没し、ホームレスやストチルを襲い、そして食う。それは全体の印象はカラスだったが(カラスの大群とともに現れる)、羽根の代わりに鈎爪つきの腕を持ち、クチバシの代わりにギザギザの歯が生えている直立二足歩行の化け物で、骨格はドロマエオサウルス(ていう、羽毛の生えた恐竜がいたのよ)に似ていた。山賊たちは人食いカラス男の襲撃を避けるため、あちこちの木にカメラを仕掛けた。そのカメラを取り外すヤツらがいる。山賊のサブリーダー・クシーはその一人を捕まえる。その少女は最近公園住みついたプラスチックや発泡スチロールを食べる新種のETらしき緑の子という子供らの一人だった。彼らに名前はなく番号で認識されていた。クシーが捕まえた少女はナインと呼ばれていた。
滝田はあれから日本全国をさまよい歩いていた。その間に彼は不思議なことを発見する。兄弟かと思うほど自分によく似たコンビニCOPが全国のあちこちにいるらしいのだ。謎のメモで(どうやらそれは李の届けたものらしかったが)東京に呼び戻された滝田は、元同僚に頼んで巡査補名簿を検索し、近場にいる自分に似た警官・岩渕に接触する。岩渕はなんとコンビニCOPになったきっかけ(記憶喪失)まで滝田とそっくり同じなのだった。
その頃、警察と4Uではホームレスやストチル狩りのための特殊部隊を結成していた。
つづく
カッパ・ノベルス
 
藤谷治 ふじたに・おさむ
1963年東京都生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。会社員などを経て、下北沢で独自のこだわりで開いた書店を経営。
『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』 ★★★★
私同様の適当な文体で、青春をちょっと過ぎた人たち(どちらかといえば人生負け組、と定義されている)の日常の冒険を描く。「アンダンテ・モッツァレラ・チーズ」というのは仲間内だけで通じるギャグで、辛いことも仲間とバカ話してれば乗りきれるさというのが本書のテーマだ。たぶん。
文体に関してはすごくいいたいことがあって、しかしそれはネタバレみたいなことになるのだろうかと悩みつつ、もちろん書いてしまうのですが、この本は「ぼく」が語ってます。仲間を描写するときは「ぼくたち」です。彼らは近所だったりするのでひとつの車に同乗して会社に行きますが、そこでバカ話が展開されます。仲間は5人。誰がどこに座ってということまで書いてあります。で、5人全員について「ぼく」が見た目の三人称で語られるのです。わかりにくいかな。つまりですねえ、「ぼく」は車の中に存在していない。というか、この本のどこにも「ぼく」はいない。しかしどこにでも「ぼく」はいる。この書き方はすごいよ。こんなの思いつかないよ普通。しかもそれを売りにしている気配がない。でもまあ、やっぱ気になるので、新手のミステリかと思って最後の方まで「ぼく」探ししちゃってましたけどね(虫とか腕時計とかさ)。いややっぱり「ぼく」はいるのかなあ。もう1回じっくり読まないといけないのかなあ。
小学館
 
『おがたQ、という女』 ★★★★
最初は満点かという勢いだったのだが、おがたQの内面描写が足を引っ張り(案外普通の女の子だったので)、特に後半は腰砕けの印象。誰か一人称の話者を立てて、つまり例えば前作で活躍した「ぼく」が外側から見るだけで語った方がよかったのでは。
小学館
 
藤原伊織 ふじわら・いおり
江戸川乱歩賞でデビュー。中年。
『テロリストのパラソル』
世間でいわれている通り、私も偶然に頼りすぎだと思いました。
講談社
 
レイ・ブラッドベリ Ray Bradbury
御多分に漏れず、私も萩尾望都で読んだ口です。その後、2・3の短編集は読みましたが、SFファンタジー作家のはずが、一番印象に残っているのは、咄嗟に殺人を犯して指紋を拭きまくる話ですね。
失礼ながらもう故人かと思っていたら、こないだ「ワシのタイトルを真似ることはまかりならん」と「華氏911」(マイケル・ムーア監督)に噛みついてましたな。ブッシュ支持なのかな?
『火星年代記』 ★★★★
THE MARTIAN CHRONICLES
ファンタジーというか寓話なタッチで書いているのはちょっともったいない気がするのだが、それが持ち味なんだろうし、まさにそこが受けているのだろうとも思う。
変則型連作短編で、いろんなタイプのSFネタが詰まっている感じが『ハイペリオン』のルーツっぽい。
ハヤカワ文庫NV
訳 小笠原豊樹
の作家