本/著者別−す

★は1個から5個の間でテキトーにつけてあります。
出版社等は私の読んだ時点のものです。
最新更新日:2004年07月23日
の作家
著者
タイトル コメント
出版社・叢書
備考
ドクター・スース Dr.Seuss
本名セオドア・スース・ガイゼル。1904年アメリカのマサチューセッツ州に生まれる。ダートマス大学卒業後さらにオックスフォード大学で学ぶ(卒業って書いてないとこが何やら怪しいね)。1937年から絵本の出版を始めて大人気。1980年ローラ・インガルス・ワイルダー賞、1984年ピューリッツァー賞特別賞。1991年没。
「グリンチ」
『グリンチ』 ★★
HOW THE GRINCH STOLE CHRISTMAS
映画「グリンチ」の原作。
クリスマス好きのダレモ村の北の山に住むグリンチはクリスマスが嫌いで、サンタクロースの格好をして村中からクリスマスの飾り付けやプレゼントを盗んで回るのだったが……。
いやもうズバリ書いたとおりの進行で、映画の感想に書いた前半のストーリーは映画がオリジナルで膨らませたもの。あの後にクリスマスを盗む展開になります。というか、アメリカでは毎年のように再放送されるアニメ版があるそうで、映画はそちらに近いのかも。そもそも似てる似てるといわれていたジム・キャリーのグリンチはさほど似てる感じがしない。緑の毛むくじゃらに黄色い目、という特徴からして、原作は黒赤の二色刷りだから関係ないし。絵本とはいっても挿し絵がでかくて毎ページにある、という程度のもので、しかもその絵がなぐり描きのペン画。グリンチと村の住民にあまり違いは感じられず(毛むくじゃらってのはそうらしいのだけど、鼻とか髪型とか適当だし)、これじゃあグリンチはただの悪者だもんなあ。ていうか相対的に村人は徹頭徹尾いい人たちだもんなあ。というところが気に入らないのであった。
アーティストハウス
訳 井辻朱美
周防正行 すおう・まさゆき
ご存知ヒット映画の監督。ピンク映画出身。「変態家族 兄貴の嫁さん」でデビュー後、ちょろっとテレビの仕事をして、伊丹十三の「マルサの女」のメイキングを2本撮ったところで、一気に一般映画へと羽ばたく。しかし「ファンシィ・ダンス」「シコふんじゃった。」「Shall we ダンス?」(アメリカでも公開)と、ピンクを入れても、実は「異業種監督」の北野武よりも本数は少ない。
「Shall we ダンス?」
『Shall we ダンス?』 ★★★★
ラストが映画と違う!
幻冬舎
 
鈴木杏 すずき・あん
1987年4月27日、東京都生まれ。血液型B型。女優。堂本版「金田一少年の事件簿」テレビシリーズのゲストでデビュー。私が知ったのは野沢尚脚本「青い鳥」(トヨエツ・夏川結衣・佐野史郎)の子役。その後ハリウッド映画「ヒマラヤ杉に降る雪」で工藤夕貴の子供時代で工藤を凌駕し(米「ヤングスター・アワード」に日本人で初めてノミネートされた)、NHK教育「六番目の小夜子」で私をノックアウト(この時、松本まりなからもダウン食らっている)。「ジュブナイル」「リターナー」と、どうやらロリコンぽい山崎貴監督にねらわれている。
「青の炎」 「ジュブナイル Juvenile」「スチームボーイ」 「ナイン・ソウルズ」 「花とアリス」「ヒマラヤ杉に降る雪」 「Moon Child」 「Returner リターナー」
「奇跡の人」
『あんころもちべえ』 ★★★
「小学五年生」に2年に渡って連載された(つまり2世代)、鈴木杏の12歳〜15歳がいっぱいつまった 1stフォトエッセー。タイトルは本人のニックネーム。
普通に考えれば小林和さんが書いてるんだろうなあ。固有名詞以外にルビがなく、おそらく小学四年生までに習う漢字しか使っていないのだろう。と、思うのだが、新聞で二字熟語の片方だけ漢字とかいう低能なところもなく自然。さすがは教育雑誌だ。内容は別にいいでしょう。
小学館
撮影 萩庭桂太
構成 小林和
鈴木輝一郎 すずき・きいちろう
奇天烈な名刺をつくったり、プロ作家なのに「本の雑誌」にハガキを出したり、売り込みにせいを出していた。最近は時代小説を書いているみたいだ。
『めんどうみてあげるね
 新宿職安前託老所』
★★
託老所というのは、老人ホームと違って昼の間だけ老人を預かるという託児所の老人版で、架空の施設だと思っていたら最近は本当にあるらしいですね。昼間老人だけうちに残しておくと火事とか泥棒とかが心配だということらしいですけど。で、これは連作短編集で、表題作は推理作家協会の賞をもらっていることからもわかる通りミステリです。と思って読みましたが、いうほどミステリでもなかったです。ネタ的には大友克洋の短編に似たのがあって、それでなくてもさして意外性というのもなく、ちょっと気の利いた小説という感じです。著者は福祉関係に力を入れているらしく(その割に内容は「ちょっといい話」じゃないのだが)、点字訳、朗読テープ作成に関しては著作権フリー、自分の祖母にも読めるように活字は大きく、というような工夫をしています。
新潮文庫
 
鈴木光司 すずき・こうじ
学生時代に結婚したのかな、作家修業中(ようするに無職)は専業主夫として家事育児にせいを出す。そのせいか今でも子育てにはうるさい。
「リング」 「らせん」 「リング2」 「リング0 バースデイ」 「ザ・リング」 「仄暗い水の底から」
『リング』 ★★★★
それを見た人は七日後に死亡するという呪いのビデオを追う記者は、自らも呪われてしまう。ビデオの影には怖ろしくも哀しい超能力少女・貞子がいた。
怖くはないのである。でも面白かった。評判になるまでは(本屋で見かけても)ボクシング物だと思っていた。
映画版はこちら。
角川文庫
 
『らせん』 ★★★★★
貞子の呪いの正体はウィルスだった。
「リング」にはまるオカルト好きな人には評判よくないが、私はこれが一番面白かった。理屈っぽい男だからなー。続編は「デビルマン」みたいな、人類VS何万人もの貞子との壮絶な戦争になると期待していたら、あんなことに……。
映画版はこちら。
角川書店
 
『楽園』
新潮文庫
 
『仄暗い水の底から』
水にまつわるホラー短編集。小説の方、何も書かないうちに、中の一編「浮遊する水」が映画化された。
映画版はこちら。
角川書店
 
『光射す海』
新潮文庫
 
『ループ』 ★★
「リング」「らせん」を夢オチにしてしまう三部作完結編。世間があまりにオカルト扱いするのに反発した鈴木がSFにしようと無理をした。
角川書店
 
『バースデイ』 ★★★★
『リング』『らせん』『ループ』それぞれにまつわる短編3本。
これがあるので『ループ』もまあ存在しててもいいことにした。
表題作は『リング』のプレストーリーで、「リング0 バースデイ」として映画化された。
角川書店
 
『シーズ ザ デイ』 ★★★★
Seize The Day。これは要するに「生きろ」ということであろう。
ほぼ捨てられる形で離婚して、買ったばかりのヨットに寝泊まりすることにした途端に、16年前のフィジー沖沈没の悪夢がよみがえる!
というより、さすが子育て自慢の鈴木光司だけあって、連綿とつづく親子の絆みたいな話がメインなのだが、オチは素人の想像の域を超えるものではまったくないし、ネタとしては途中で投げ出している(と思われる)ものも多々あるのだが、読みやすいし、実は私はヨットというか小型帆船物って好きなんですよね。
とりあえず1年半も連載したにしては短すぎるというのが最大の欠点であろう。
ところで、最近映画のタイトルでも「・」使わずに分かち書きというのがよくあるのだが、こういうのってコンピュータとかの検索で困るんじゃないの? (うちのページではこの手の分かち書きは、基本的には半角スペースで処理することにしています。)
新潮社
 
鈴木孝夫 すずき・たかお
慶応かどっかの教授。前にも2・3冊読んでいる。丸谷才一とセットで読むと日本語への理解がより深まるであろう。何でも拾って暮らす人として有名になった。
『教養としての言語学』
岩波新書
 
鈴木良武 すずき・よしたけ
シナリオ作家協会の研究所、研修科、虫プロダクション文芸部を経て脚本家としてスタート。虫プロ→日本サンライズって感じの流れで仕事をしている。というか、この人って、別名でプロデューサーやってたりしなかったっけ。気が向いたら調べよう。
『機動武闘伝Gガンダム 発動の章 ★★
予約とかしてないのだけど、とりあえずテレビシリーズのDVDボックスを買う気になっているので、ちょっとこっちも買ってみた。どうやらテレビとは違うストーリーらしい。あれ? いつもの「原作 矢立肇・富野由悠季」ってのが書いてないな。ファンばかりか製作者からも「ガンダム」と認められていないのか……。
これに東方不敗というキャラクターが出ていて、人によっては、元々アニメオタクだった私がここから香港映画に流れていったと思っているかもしれませんが、それは違います。ちょうど香港映画にハマリかけた時に「東方不敗」という映画がやってきたところ、パンフにGガンの監督がコメントを寄せていて、初めてその存在を知ったのです。いや番組は知ってましたが、当時はオタク的なものから卒業していたので、戦隊と同様ガンダムも第一話をちょっと見てみる程度で、その時点ではまだ東方先生も登場していませんでした(というか、第一話ってメイキング特番なんだろうしなあ)。タイミング的には「東方不敗」という名前が日本に登場したのはGガンが先ということになります。もちろん偶然かち合ったのではなく、監督が香港映画マニアで、LDを個人輸入していたのです。それでどうしてジジイにしちゃうかなあ。
とりあえず世界観みたいなのの設定はテレビと共通。富裕国は、汚れきった地球をなかば捨て去り、スペースコロニーをつくって宇宙に上がっていた。この頃オトナになった人類は、戦争はなくさなければならないが、人間の暴力衝動は抑えられないということで、4年に一度、各国代表の巨大ロボット同士が戦い合い、その優勝者が以後4年間の地球の統治権を持つ(コロニーは別)という「ガンダムファイト」を開催していた。
テレビでは日本列島の形をしているスペースコロニー国家ネオジャパンは、ガンダムファイトのためと称して自己再生能力を備えたバカデカイ究極の戦闘ロボ・アルティメットガンダムを開発していたが、開発者のカッシュ博士と長男のキョウジが反乱を起こし、キョウジはアルティメットガンダムに乗り込んで地球へ逃亡した。カッシュ博士は反逆者として冷凍刑にされた。博士の次男ドモン・カッシュは、10年前に流派東方不敗の創始マスター・アジアに師事し武術の修行に励んでいたが、ネオジャパン政府から呼び出しを受け、首相じきじきに次回のガンダムファイターを任命される。いやガンダムファイトより重要なのは、地球で暴れ回るアルティメットガンダム、通称デビルガンダムを倒すことだ。目的を達すれば博士も放免されるであろう。もう既にテレビと設定が離れてきているのだが、どうにもうまくない設定ばかりで困ってしまう。
実はアルティメットガンダムは、世界にはびこる軍事力復活をねらう組織がつくらせたものであった。ガンダムの一体や二体では到底倒し得ないもの、それを倒すにはどうしても軍隊が必要なものをつくったのだ。ネオジャパン政府もその考えに同調する者ばかりで、実のところデビルガンダムを倒そうとする、つまりドモンの味方は首相ただひとりなのだ。首相は自らの優秀な秘書ミカムラ・レイン(姓名の順が間違ってるんだよ!)を、エンジニアだったり作戦参謀だったりのサポーターとしてつけてくれた。ドモンとレインはこの作戦で初対面である。ちなみにドモンの母はずっと昔に物故。ドモンに与えられたロボットは、シャイニングガンダムであった。シャイニングガンダムはジャンボーグAとかライディーンみたいな、操縦者が動いた通りに動く新方式だった(なんか他のガンダムは普通に操縦してるみたいよ)。
地球へ降りたドモンを次々と敵が襲う。ネオアメリカのチボデー・クロケット(ガンダムマックスター)、ネオチャイナのサイ・サイシー(ドラゴンガンダム)。彼らはテレビと違ってただの敵だ。対するドモンは弱っちい上にバカで、ひょっとして少年の成長物にしようとしているのかとも思うが、そもそもバカみたいな文章だったりするので(麻生とか梅原タイプ)、あまり著者に期待するのはやめよう。あとがきで開き直ったエクスキューズをしているが、言い訳というより煽りになってしまっている。ガンダムファンから非難轟々のGガンを受け入れる心の持ち主であるかしこい読者の君たちならこれだって大丈夫なはずだ。バカめ! テレビのGガンが受け入れられたのはガンダムとしてどうこうは置いといてメチャクチャ面白かったからに他ならぬ。つまらんもん書いといて何をゆうちょるか!
そしてこの巻のラストでデビルガンダムとともに姿を現したのは、ドモンの師匠マスター・アジアその人(マスターガンダム)だった! マスターは出てきた早々、人類皆殺し計画を打ち明けるのだった。早すぎる展開に驚いたドモンは石破天驚拳であっけなく負ける! つづく。
角川スニーカー文庫
口絵・本文イラスト 逢坂浩司
佐野浩敏
『機動武闘伝Gガンダム 流動(るどう)の章 ★★
前巻から、拳法というのはそもそも釈尊を護衛する武術から始まったとしつこく書かれていたのだが、「釈尊」っていい方から怪しい通り、著者は敬虔な仏教徒であろう。たぶん阿含宗の人であろう。そんなわけで、前巻で怒りと憎しみをパワーの元とする暗黒の拳法を会得してしまったドモンは、これでもかこれでもかと著者からいじめられるのであった。
マスター・アジアに負けたドモンは傷を癒そうと修行の地ヒマラヤに籠もる。そこへネオフランスのジョルジュ・ド・サンド(ガンダムローズ)が攻めてくる。やられる。前巻で道連れになった子供が暗殺集団カーリーにさらわれる。
高山病のドモンが下山しようとするとネオロシアのアルゴ・ガルスキー(ボルトガンダム)が襲ってくる。瀕死のドモンは逃げ込んだ洞窟で5人の僧侶の舞いと微笑に翻弄され、しかし癒される。怒りを抑える術を身につけ(かけ)る。目覚めると洞窟の中に5人の僧侶の石像があった。釈尊を守る護衛たちの像らしかった。ドモンはいつの間にか大リーグボール三号の要領で敵の攻撃から身をかわすワザを会得する。そのワザで子供を救い出す。
その頃、軍事力復活派は宇宙戦艦を集結させ、そしてマスター・アジアは狂いはじめていた。ドモンはデビルガンダム退治に期限を切られる。
角川スニーカー文庫
口絵・本文イラスト 逢坂浩司
佐野浩敏
『機動武闘伝Gガンダム 綺羅の章 ★★
いよいよ完結編。
「仮面ライダー龍騎」が始まった時に、いろんなライダーがたくさん出て戦うってのは「Gガン」だなという声があることはあったのだが、「龍騎」劇場版(≒テレビ最終回)を見てしまった後でこの小説を読んだところ、まさしく元ネタって感じですねえ。というのは黒い…ムニャムニャ(「龍騎」のネタバレになるので書けない)。
デビルガンダム開発の間抜けな真相とは。
仏門の徒として大リーグボール三号に感動し、唐突にドモンの味方になったサイ・サイシーは、かつてドモンと戦った男たちなら彼のことを理解してくれるはずだと、チボデー、ジョルジュ、アルゴを拳で説得しようとする(オイラが勝ったらドモンの兄貴を助けてくれよ)が、ズタボロに負けてしまうのだった。
その頃、タクラマカン砂漠で自己修復中のデビルガンダムと対峙するドモンがやられそうなところへ、行方不明になっていたマスター・アジアが現れる。「流派! 東方不敗は! 王者の風よ! 全新! 系列! 天破侠乱! 見よ! 東方は赤く燃えているッ!」。ちなみに「全新系列」というのは、単に「新シリーズ」という意味です(「東方は赤く〜」は映画「東方不敗」の続編「風雲再起」の英題が「EAST IS RED」なので)。香港の人たちはこれとか「超級覇王電影弾」(すごいチャンピオンの映画攻撃)とかどう思ったのであろう(書き文字が出ちゃうからさあ)。
デビルガンダムの修復というのはDG細胞がどうのこうのでなくて、今週のびっくりどっきりメカが溶接したりして修理します。これはこれで画面で見ると面白そう。
問題はですねえ、これ「G」ガンダムじゃねえだろうというところですね(いや全部が問題だといえなくもないが)。というのは、ドモンが乗るのは最後までシャイニングガンダムで、ゴッドガンダムが出てこないんですよ。それじゃお前Sガンダムだろうっちゅう。いや、ひょっとすると著者はシャイニングは既に「ゴータマ」ガンダムになっているとでもいうつもりなのかも。
角川スニーカー文庫
口絵・本文イラスト 逢坂浩司
佐野浩敏
ミッキー・スピレイン Mickey Spillane
本名、ジェイムズ・モリスン・スピレイン。1918年ニューヨークのブルックリンにアイルランド移民の子として生まれる。カンサス州立大学卒業。さまざまな職を転々とし、空軍に入隊、第二次世界大戦にも出征した。少年向けコミックブックを書き散らした後、1947年『裁くのは俺だ』でデビュー。
『大いなる殺人』 ★★★★
THE BIG KILL
昭和28年9月、ハヤカワ・ポケットミステリの1番手として登場(当時の解説は江戸川乱歩)。だが、ここで読むのは7年後に同訳者で改訳された版である(と、編集S氏の解説に書いてあるのだが、その新版の発行が実際にいつなのかはわからず。この本は奥付では昭和47年5月の14版)。訳者は戸田奈津子の師匠の映画字幕翻訳家(訳書はチャンドラーとかが有名)。戸田の意訳がチクチクといじめられる昨今ではあるが、これは師匠譲りであろう。清水氏の最も有名な意訳は「君の瞳に乾杯!」(「カサブランカ」。原語は「Here's looking at you, kid.」)で、これは悪く言われたことはない(でもNHK教育で見た時は違う字幕でしたね)。とにかく昭和35年頃の古い訳なので、ひらがなの撥音や促音は普通の大きさの字だ。
「おれは人間が嫌いなんだよ。どんな奴でも、人間というやつは気に喰わないんだ。人間なんてやつの仲間に入つたら最後、いやつたらしい薄汚い、しち面倒なことばかりじやないか。だから、おれは人間が嫌いなんだ。貴様もそうだぜ。人間嫌いつてのは、こんなもんだ」
旧仮名遣いの丸谷才一が普通に読めるわけだし(7年以上読んでないわけだが)、「つ」や「や」が小さくないことぐらい全く関係なく普通に読めた。戸田が天使の「ミカエル」を「マイケル」と訳して怒られたりしているわけだが、本作で出てくる「ブルー・ダニューブ」っていうのは「美しき青きドナウ」じゃないですかね(ディナーの時にかける曲)。こういう例については常磐新平が「漫画のアメリカ船長」と書いていたのを見てバカめと思ったことがある(キャプテン・アメリカね。知らないんなら訳さずカタカナで書いた方がまだ賢明)。
マイク・ハマー。ニュー・ヨークっ子の私立探偵。もちろん拳銃所持許可証を持っていて、.四五口径を持ち歩く。身長6フィート、体重190パウンド。ラッキイ・ストライクを手放さない(はずだったのが、ブランク置いた復帰作では禁煙していた!)。旧式の自動車に特製エンジンを積み、女性のネックラインとか乳房に病的愛着を持つ。秘書のヴェルダとの関係については、書かれた順に読まないとわかりません(思い出せません)。シリーズ三作目の本作では、保険屋の仕事で出張中で留守だ。マイクは女にはモテモテだ。ニュー・ヨーク市警殺人課のパット・チャンバース部長(課なのに部長)が友人で、共に検事と仲が悪い。私のイメージではマイケル・ダグラスなんですけど。マイク・ハマー物の映画は見てないです。「俺がハマーだ!」(Sledge Hammer!)は大好き(第1シーズンしか見てません)。
今回は、バーで隣り合わせた男が泣く泣く赤ン坊(1歳くらい)を置いて店の外に飛び出し撃ち殺された事件に依頼なしに首を突っ込み、彼が金庫破りで間違えて入ったらしい部屋の元ハリウッド女優や、実は大物馬主の娘である検事の美人秘書とよろしくやりながら、ヤクザたちと渡り合う話。マイクはどういうわけか昔から乱暴者のようにいわれるが、今回だってボコられまくりで3回くらい失神したよ。真犯人は例によって例のごとしなのだが(このパターンは3回は使ってる)、オチは凄い。タイトルはこれのことなんだろうな。
ハヤカワ・ポケットミステリ
訳 清水俊二
デレク・A・スミシー 正体不明。
『コリン・マッケンジー物語』 ★★★
見ていないのですが、ニュージーランドに幻の物凄い映画作家がいた、というピーター・ジャクソン監督が嘘ドキュメンタリーの手法で撮った映画がありまして、それのサブテキストみたいなものだと思います。
読み進んでいくと、これは日本あたりの秘宝系映画ファンが書いたものであろうというところが垣間見えて来ます。で、訳者あとがきによれば、作者の父はアランといってハリウッドで沢山の映画を監督している人だそうです。って、オチを訳者が書いてどうする。ということで、本当は柳下毅一郎の創作でした。決めつけちゃいました。
以下、映画ファン以外の方への解説。プロデューサーの権限が強いハリウッドでは、監督が完成させた映画にプロデューサーが口を出すことがしばしばあります。契約上、最終編集権(ファイナル・カット)をプロデューサーが持っていることが多く、試写会のアンケートで評判が悪いとすぐにラストをハッピーエンドにしろや〜、などといってきて監督ともめます。時には監督が降りちゃうこともあります。その場合に、プロデューサー側で好き勝手に編集した映画は架空の映画監督の名前で完成され、上映されます。この架空監督ってのは、習慣なのか、いつも同じ名前を使うことになってまして、それがアラン・スミシーなのです。ですから、アラン・スミシー監督作一覧とか見て、あれもこれもみんなこの監督か〜、とか感心しないようにしてください。
「ロード・オブ・ザ・リング」公開記念で再映されたよー。
パンドラ・発行
現代書館・発売
訳 柳下毅一郎
の作家