本/著者別−よ

★は1個から5個の間でテキトーにつけてあります。
出版社等は私の読んだ時点のものです。
最新更新日:2004年11月07日
の作家
著者
タイトル コメント
出版社・叢書
備考
養老孟司 ようろう・たけし
あれ、ずっと毅だと思っていたよ……?
脳の学者さんだよね。実はこの人の本は5冊くらい持っていて、でも読んだ記憶があるのはそのうち3冊だなあ、ということが引っ越しの際に判明した。この世には燃えるゴミと燃えないゴミと古紙しかない! と、勢いついてた時に見つけたので2冊くらい捨てた気がする。
『バカの壁』 ★★★★
上記のように半端な扱いをしているのだが、読めば面白いのである。今回は学術的というか、専門分野のことより一般的な話である。タイトルの件はメインの話ではないが、最後にうまくそれでまとめてある。
新潮新書
 
横山秀夫 よこやま・ひでお
昭和32年、東京生まれ。国際商科大学卒。上毛新聞社に勤務後、フリーライターとなる。平成3年くらいからミステリ業界にジワジワと進出。
「半落ち」
『半落ち(はんおち) ★★★★
「2003年版 このミステリーがすごい!」が出た途端に、その第一位を読むというミーハーなことをやってみた。というか、「このミス」と一緒にレジに持っていってみた。
容疑者が全てを自供する「完落ち」に対して、一部を隠している状態を「半落ち」という。
W県警の管理部門で教育係もしていた49歳の刑事が妻殺しを自首してきた。妻はアルツハイマーにかかっており、数年前に病気で亡くした息子の命日を忘れたと思いこみ、自分が「母」であるうちに殺してくれと夫に頼んだのだ。刑事の妻殺しというスキャンダルに慌てた県警上層部は、事態の収拾を急ぐが、刑事が妻を殺したのは自首してくる2日前で、その間の足取りについては黙秘していた。彼の部屋には事件後に書いたと思われる「人間五十年」という色紙が置いてあった。あと1年。数少ない手がかりと目撃情報から彼は新宿歌舞伎町に行っていたらしいことがわかるが、何をしたにせよ、その地名は印象が悪すぎる。隠蔽をはかる上層部と、何をしたか隠したい刑事の思惑が重なり、調書が捏造される。
という事件を、連作短編ふう、というか駅伝式に次々主人公が変わりながら進めていく。取り調べの刑事、検事、記者、弁護士、裁判官……、あまりに澄み切った容疑者の目に動揺する彼らは、イイ線まで行くと壁(上層部の思惑とか、秘密にしてくれと懇願する容疑者の目)にぶち当たり、あと1年しか生きる気がないかもしれない容疑者を心配しながら、次の走者にタスキを渡す。彼を生かすためにはすべての真実を明らかにする、つまり完落ちさせる必要がある(公にしなくてもいい)。
まだ50にはほど遠い若輩者の私としては、そんなに秘密にしなくてもという気はするのだが、秘密っていうより、人物が描けている点に大変感心しました。とか冷静にいってるけど、ちゃんと泣いたよ。
昔っから推理小説読んだり刑事ドラマ(主に「特捜最前線」)を見たりして、こんだけ裏や人間模様がある事件でも新聞記事はそっけなかったりするんだろうなあと思っていましたが、これの記者の章を読むと、ああ新聞記者もわかった上で書いてる(あるいは隠してる)んだな、と小説と現実をごっちゃにして納得してしまいました。という感じにウマイわけです。
講談社
 
『出口のない海』 ★★★★★
甲子園の優勝投手・並木は誘われてA大の野球部に入るが、時すでに日中戦争が始まっており、軍事演習の最中に故障してしまう。必死にリハビリを進めるが、どうしても元のピッチングを取り戻せないと悟った彼は、なぐさめの言葉もかけられないチームメイトに、笑顔で「魔球」を開発することを宣言した。昭和16年12月8日のことであった。
「魔球」といいながら、内容は直球で、やがて学徒動員、並木はなかば騙されるように人間魚雷回天隊を志願し、訓練にあけくれ、やがて出撃の時が来る。その間にも彼は魔球の開発をつづけるのであった。
電車で読むのはお勧めしません。
私は、回天のことは『広島に原爆を落とす日』で知り、しかしつか先生のことだから眉唾だなと思い(だって魚雷に人間を乗せるなんてどう考えても無謀な作戦じゃん)、十数年後に「人間魚雷回天」を見て(監督は回天隊の出身だぞ!)、そして『僕たちの戦争』を読んでからこれ、という流れなのですが、これは大変よかった。と、思う。こっちが回天メインで回天のことから作戦のことから隊員の気持ちまで凄く詳しいので、こっちを先に読むと『僕たちの戦争』の描写が軽いように見えてしまうのではないかと思う(いや、あれはもともと軽いタッチを目指しているのですが)。しかも回天戦の結末とか似てるしな(参考文献ダブってるからな)。同じなら詳しい方が強いに決まってるもん。いずれにしても映画を先に見ることをお勧めします。
講談社
 
吉永みち子 よしなが・みちこ
競馬記者出身のノンフィクション作家にしてテレビのコメンテイター。ふと気がついたら騎手の女房になっていた人。
『性同一性障害』 ★★★
埴谷雄高の『死霊』(「しれい」と読むはずだが確認できず)という偉そうなカルト小説(?)がありまして、結局第九章までで未完だったと思いますが、私は学校でとりあえず第六章まで丸一年かけてジックリ読まされまして(15年程前、第七章発表直前の出来事でございました)、で最初に先生のいったのは、テーマは「自同律の不快」であると、今ちょっと辞書ひいてみても「自同律」なんて言葉は載ってないですが、先生によれば「自同律の不快」というのは、二日酔い等で気持ち悪くて自分の体が自分のものではないみたいな気がする感じのことをいうのだそうです。本の内容は覚えてませんが(嘘)、これだけは覚えてますね。なんで二日酔いなどをテーマにせにゃならんのか。まあいいです。で、何がいいたいのかというと、この「性同一性障害」というのはまさに「自同律の不快」であります。あたし女なのになんでチンチンついてんのかしら。自分の体が自分のものでない感じ。そのものズバリです。これが相当つらいものらしい。吉永さんはインタビューはちゃんとやっているのだろうと思いますが、密着取材とかしていないので、このつらさまではこちらに伝わってきません。そこは相当不満です。
書き出すと長くなるなー。とりあえずゲイでも異性装者でもないと。精神異常とはちょっと違うと。だから精神的な治療ではいかんともしがたいので、肉体の方を改造する。しごく真っ当に思いますね。
ちなみにこれを読んだのは、日頃の、女になってレズになりたいとかいう主張とは関係なく(読んでる間この件についてはいろいろ考えましたが)、こないだアカデミー賞主演女優賞をとったヒラリー・スワンクが演じているのがそういう役だからだったりします。これは実話だそうで、本書でもちょっとだけ触れられています(例によってキリスト教が関係してそうだが)。
このように勉強したあと大林宣彦の「転校生」を見たりすると、また違った感じがするかもしれません。
集英社新書
 
の作家