にっかつロマンポルノ「母娘監禁・牝」ニュープリント再公開記念
前川麻子 トークライブ
2001年 8月24日 (金)
シネロマン池袋
ヨコハマ映画祭で新人賞だの助演男優賞だのを穫ったり評判のよかったロマンポルノ末期の「母娘監禁・牝」(ははこかんきん・めす)だが、すでにプリントが廃棄されて幾歳月、この映画のためににっかつに入社したり映画監督になったりと人生を狂わされた人々が奔走した結果(?)ようやくニュープリントと相成り、そのお披露目のため、元日活だったらしいシネロマン池袋にて舞台挨拶がわりのトークショーが行われました。私はそのヨコハマ映画祭に行っていたのですが、頭痛はするし女の子連れだったのでこれの上映前に帰ってしまいました。横浜東宝会館の向かい側の会場を出ると、なんとさっき舞台上で表彰されていた前川さんが一人で横断歩道を渡っていくではありませんか。ところでその表彰式での前川さんは、映画本編で見るような可憐な女子高生よりは、今こうしてトークをしている舞台作家兼演出家(兼小説家)のほうに近かったように見えました。というのは有り体にいえば「大人じゃん」という感じでした。トークショーは切通理作の司会でゲストに今岡信治を招いて極めて文化的に行われましたが、客の半分以上はただのピンクの客(オヤジだオヤジ)だったしまったく盛り上がらずに終わってしまいました。前川さんの座ったパイプ椅子の背でスクリーンにへこみができてしまいましたが、係のおじさんがうーんと考え結局そのままにしていたら映画上映時には直っていました。
この映画は通常の興行に組み込まれて、他のエクセスのピンク映画と3本立てで上映されており、当然のように私は全部見て帰ったのですが、この劇場のいつもの客ではありませんという風情の人たち(この日はレディースシートも設けました)は、みんな「母娘監禁・牝」だけで帰ってしまったようでした。というわけで、私は生まれて初めてのピンク映画館体験だったのですが、うーむ、ピンク映画館というのは映画産業ではなく、性風俗産業なのでした。というのは詳しくは書きませんが、どうも客席でお仕事している方々がいらっしゃるらしい。このシネロマン池袋は一般映画館にも割引付きチラシを置いたりして映画ファンを呼び込もうとしている熱心なところなのですが、そういうところでさえこの状態。ましてこの日はレディースシートまで用意する特別な日なんだから金渡して今日はやめてねとか裏工作しとけばいいのに。上映前に5・6本のエクセス作品の予告編がありましたが、もちろん濡れ場ばかりを並べたせいもあるのでしょうが、なんだか国映作品にくらべてアダルト・ビデオっぽい感じがしました。
それにしてもこの世界にたった1本の上映プリントが何年にも渡って全国津々浦々のピンク映画館(と特集上映)を回るのかと思うと感慨深いものがあります。