日本映画−OL

戦後の日本で強くなったのは女性とナイロンの靴下であった。社会進出を果たした女性は和製英語でビジネス・ガール、BGと呼ばれた。が、ビジネス・ガールとは要するに「商売女」のことではないかという話が出て、雑誌「女性自身」が新語を募集し、オフィス・レディ、OLが選ばれた。
シリーズでもなんでもないが、「OL」で始まる映画を集めた。

★は1個から5個の間でテキトーにつけてあります。
最新更新日:2004年05月07日
<日本映画−お 前編>
タイトル コメント
スタッフ キャスト
OL官能日記 あァ! 私の中で」 ★★★★
日活ロマンポルノ。
不倫しているOL亜佐美。母も亡く、父にもベッタリ。ヒヨコ売りの男との関わり。彼女の自立を描く。
小川亜佐美のデビュー。素人くさい声が可愛い。
これは部屋一杯のヒヨコに囲まれてのセックス、というのが見どころのようにいわれているのだが(変だから)、ここは真横からのワンカットで動きもなく、ひょっとして手前のヒヨコの群れと向こうで絡み合う男女の間には仕切りがあるんじゃないかという絵(なぜか真ん中にはストーブも立ってます)で、いまひとつ。せめて俯瞰の絵があれば。事前にヒヨコのこと聞いとかなきゃよかったな。
これのすごいのはヒヨコよりラストのカルメン・マキ&OZ「私は風」ですよ。別れを決めた不倫相手(課長)との思い出の冬の湖でのゴタゴタ、無理矢理のセックス、ここから歌かかりっぱなし。私はこれ知らないので最初は五輪真弓かと思いました。そういう重いフォークソングみたいな中でセックス。亜佐美の冷めつつもイヤがる顔。無理な体位にのけぞらされる。暗めの歌。男を置いて出てきた湖畔。夜明け。一転して激しくなる歌。走る亜佐美。バスに乗る。東京へ。ヒヨコの彼の家。もぬけの空。一羽のヒヨコ。一人立つ亜佐美のイメージショット(裸じゃないですよ)の積み重ね、街を行く亜佐美。「終」。ここまで歌かかりっぱなし。歌詞もかなりリンクしている。映像のための歌なのか、歌のための映像なのか。前に見たさすらいの恋人 眩暈」につづいて、またもやプロモーションフィルム。素晴らしい。ちょっと「愛の新世界」の六本木から渋谷までの走りを思い出しました。
この後のストーリーとしてはヒヨコの彼の子を身ごもっているとかいう展開になるはずですが(脚本には彼のカラッポの部屋でお腹おさえるとか書いてあったんじゃないかと思うんだけど。一羽のヒヨコ見つけたシーンで。そもそもタイトルが「私の中で」だし、亜佐美が中絶してたり課長がパイプカットしてたり、いろいろ散りばめてあります)、そんな段取りみたいなことはどうでもいいといわんばかりのブチ切り方。このラストの街角は新宿紀伊國屋前の交差点。紀伊國屋以外みんな工事中で、風景にも新しい息吹を感じる。
あァ! ネタバレどころかラスト全部書いちゃいましたねえ。でもお父さんの話書いてないからいいか。
その他の挿入歌、ピンクレディー「ペッパー警部」。
監督 小沼勝
脚本 宮下教雄
撮影 水野尾信正
音楽 高田信
小川亜佐美
日野道夫
山田克朗
村国守平
中島葵
工藤麻屋
立原昌子
浜口竜哉
影山英俊
小見山玉樹
中平哲仟
雪丘恵介
堺美紀子
「OL性告白 燃えつきた情事」
ウィンター・スカイ
★★
ピンク映画
監督 池島ゆたか
脚本 五代暁子
撮影 清水正二
音楽 大場一魅
佐々木麻由子
川瀬陽太
河村栞
水原かなえ
竹本泰志
樹かず
入江浩治
神戸顕一
なかみつせいじ
「OLの愛汁 ラブジュース」
 → ビデオ:「はたらくお姉さま アフター5は我慢できない」
ふわふわと、ベッドのうえで
★★★
P−1グランプリ2000参加作品。ていうか、これこそがその元凶。ピンク七福神で、瀬々敬久に蹴られた男。
主題歌ですが、クレジットも出ないし、おそらく無許可。ビデオ版はどうなってるかなー(相米慎二のロマンポルノ「ラブホテル」はビデオでは山口百恵がかからないと聞いた。それじゃあの映画は成立しねえぞ?)。
男にふられた28歳のOLが終点の駅で出会った20歳の男とつき合う。「人間関係はリセットできる」という今どきの彼にショックを受ける。捨てられる予感。
短編小説のあじわい。「リセット」の台詞もそうだし、オチもそうだけど、ちょっと感心したりするのは台詞だったりモノローグだったり、おそらく脚本を読んで受ける感銘以上のものはない。オチは絵でも表現しているのだが、さらにモノローグで解説してしまうのである。映画ならではのものがあるとすればセックスシーンのはずだが、年上であるという自覚を持った28歳のOLともなるとこんなことやあんなことまでするが、綺麗に撮っているせいか、いやらしさがない。
というわけで、非常に評価されている作品だが、これではまだ監督の評価はできないんじゃないかなあ。

その後……
「ラブホテル」のDVDをゲット。山口百恵はちゃんとかかっている。古本屋で相米の本を立ち読みしたところ、曲は石井隆脚本の指定(そうだろうと思ってました)。レコード会社とかは通さず、百恵マネージャーと知り合いだったし、当然のように三浦友和と親しかったことから適当に話をつけた、とのこと。でも劇場版よりボカシが多い気がする。
そして「OLの愛汁 ラブジュース」のWOWOW用R指定改訂版も見た。音楽差し替え! クラシックのピアノ曲になってるなあ。ついでにタイトルもただの「ラブジュース」になってた(どうせ変えるんならシナリオタイトルにすりゃあいいのに。これじゃあ新藤風の「LOVE/JUICE」とまぎらわしい)。さらに私が「あんなことやこんなこと」と書いた肛門なめ他の一部セックスシーンがカットされているのであった。ボカすだけじゃダメか。
監督 田尻裕司
脚本 武田浩介
撮影 飯岡聖英
主題歌
    「ここでキスして。」
    椎名林檎
久保田あづみ
佐藤幹雄
林由美香
澤山雄次
コマツユカ
森永徹
羅門ナカ
「OL百合族19才」 ★★★
にっかつロマンポルノ
金子は監督2作目かな。山本×小田で(このコンビはたいてい小田の方が先に書いてあるのだけど、山本が主役だと思うなあ)「セーラー服百合族」(那須博之監督)というのがあって、これがホモ=薔薇族に対抗してレズ=百合族と命名した作品だったらしいのだが、ヒットしたので那須監督で「同2」、そして第三弾の本作はデビュー作「宇能鴻一郎の濡れて打つ」で山本と組んだ金子が担当。この辺ただの知識で書いてます。今は規制がきつくなったので「セーラー服百合族」というタイトルでは上映できないようなことを聞いたことがある。「制服百合族」とかに変えて上映とか。今回はOLなのでセーラー服ではないが、制服はあるのである。でも黄色いワンピースであまりOLという感じはしない。
高校生活いろいろありつつもレズカップルとして過ごしていた二人だが、卒業後はかおるがすぐに就職したのに対して奈津子は田舎でくすぶっていた。この辺の事情は「セーラー〜2」にあるのかもしれないけど、とにかく奈津子がかおるの会社に中途採用されて上京(当然同棲。同性の場合でも同棲っていうの?)、半年ぶりに再会したってとこから始まる。
レズというよりバイセクシャルのかおるは、奈津子の課の伸吾に入れあげていた。そんなかおるに不満の奈津子は、実際につき合ってみれば男のダメさもわかるはず、とかおると伸吾の仲介をする。伸吾は同じ課の冴子とできていたのだが、すでに腐れ縁という感じで、未だにセックスしたりはするものの、つき合っているという意識はない。意外やかおると伸吾は順風満帆、結婚へと話は進む。傷心の奈津子が夜中チャリンコでかっ飛ばしていたところ、会社に電気がついている。課長の上田だった。「人に来られちゃ自殺できん」という彼は業績不振で左遷されるのだ。辛い気持ちの二人。上田を誘う奈津子。セックスすると明日への希望が湧いてきた。転職を決めて明るい上田「この先、君ともうまくやれると思うんだ」「私もうお会いするつもりありません」「君のことは忘れないよ」「私はすぐ忘れます」「ああそう」。かおると伸吾の結婚はすぐそこまで迫っていた。
金子のテーマは綺麗な絵を撮るってことだったんじゃないでしょうか。真っ白な部屋で強い照明を当てた女二人の絡みなど美しゅうございますし、外へ出るとなんかフィルターかけて街灯とか七色の光を発したりしているのである。「銀河鉄道999」のヘッドライトみたいである。伸吾と冴子のコピー室での絡みもガシャンガシャン動いているコピー機の緑の光が美しい。そういえば、やはり同監督が2本撮った後を継いだ「学校の怪談3」でもコピー機が光ってたような気がする。好きなのか、コピー。
全体としてはもうちょっとコメディ色が強い方がいいんじゃないかと思うが、ひょっとすると前作とのつながりで面白いところとかもあるのかもしれない。
タイトル直後の部屋での二人の絡み、カメラ下がるとガラスのはまったドアが閉まる。これが2列にガラスがはまっているのだが、下の方を映しているのでガラス4つが「田」の字のように見え、つまりまるで画面中央に十字架があるようである。この辺に平成「ガメラ」シリーズとのつながりを見た!(無理矢理)
監督 金子修介
脚本 斎藤博
撮影 片岡二郎
選曲 細井正次
山本奈津子
小田かおる
山本伸吾
久我冴子
上田耕一
大島崇史
木村孝雄
木村栄一
石川登隆
<日本映画−お 前編>