| <日本映画−は 後編> | |||
| タイトル | コメント | ||
| スタッフ | キャスト | ||
| 「光の雨」 | ★★★★ <第14回東京国際映画祭見損ね作品> 1969〜72年、山籠もりからあさま山荘にいたるまでの連合赤軍(劇中劇)と、それを撮影する監督(大杉)と俳優たち(若者)。 「安保!」「反対!」「闘争!」「勝利!」、1969年、日米安全保障条約の継続を阻止しようと、全国の学生諸君は運動を繰り広げる。彼らは世界を革命するために、革命戦士と強固な組織を必要としていた。彼らは『毛沢東語録』で勉強し、「インターナショナル」を合唱し、オルグって仲間を増やし、ジグザグデモなどで抗議したが、ガス銃や放水車、ジェラルミンの盾に警棒で武装する機動隊に対抗するため、ヘルメットをかぶり角材を持ち石を拾い火炎瓶をつくりヤッケを着た(ヤッケは武装ではありません)。やがて組織内で思想的に(とは限らないが)対立し、内部抗争、いわゆる内ゲバが起こったりした。この辺のことは『初級革命講座 飛龍伝』で習った。 結局、安保は締結され、いわば負け組の学生運動家たち。そんな中、池内万作がリーダーだが妻の裕木奈江の方が統率力のある一派は山奥にアジトを構え、思想学習と軍事教練の合宿をする。資金は金融機関を襲って確保、武器も銃砲店などから手に入れた。彼らは自己批判と相互批判でムニャムニャして、総括(えー、自分の中の反革命を粛清して自己変革をムニャムニャ)して革命戦士にならねばならないのだ(いや、ここらへん難しいので勘弁してください。もっといろいろそれっぽい単語を羅列したりしたいのだけど)。来るべき殲滅戦はもうすぐだ。脱走者が出ると官憲に情報が漏れるのを怖れてアジトを移動しなくてはならないので大変だ。やがて、別の山本や高橋の一派が合流し、映画では違う名称なのだが、とにかくいわゆる「連合赤軍」となった。山本は揚げ足取りの名人で、各人の自己批判は突っ込まれてボロボロになり総括させられる。一人で総括するのは大変なのでみんなでよってたかって総括援助(タコ殴り)してあげなければならない。「あなたのためなのよ」バキッ「がんばれ」ボカッ、彼らはボコボコになり雪山の寒さも手伝って(屋外に立てた丸太に一晩中縛りつけられたりするし)次々に死んでいく。 革命だ何だってのはやっぱりどうもよくわからないなと思っている若い役者たちだったが、撮影の合間に「寒い寒い」いってると「革命理念が足りないからだ」と自己批判させられたりして、演じている役に乗っ取られる者も現れる。連合赤軍と同世代の大杉監督は原作の『光る雨』に寄せられた自分宛の読者ハガキの「革命の(略)誰何するのに返事をせぬか」という短歌を読み現場から失踪してしまう。役者たちは残念会を催したりするが、まだ役柄から抜けきれず、やがてメイキングの監督として現場に密着していた萩原が後を継いで撮影が再開される。 見ている間にいろんなものを思い浮かべた。「飛龍伝」、「鬼畜大宴会」、「DISTANCE」、「バトル・ロワイアル」、『スズキさんの休息と遍歴』(矢作俊彦)、『光源』(桐野夏生)。「鬼畜大宴会」は思い浮かべるも何も同じ題材です。「バトル〜」は山本(関西弁)が出てるせいかも。あと死者の名前が字幕で出るし。「DISTANCE」は山奥のアジトでの共同生活だから。気になるのはそういう原作というか、現実の事件にまつわることよりも、映画で付け加えられた、いうならばメタな映画撮影のエピソードについてである。『光源』は、劇中劇のメイキングを監督する萩原が以前に撮ったっていう映画が、これに出てくる映画みたいだというだけで、内容はあまり関係ない。いや、両方とも監督が逃げるし、元アイドルがヘアヌード写真集云々って話が出てくるのも一緒だな。『スズキさん〜』は、自分の「名前」を告げられることで忘れたフリをしていた当時のこと(もちろん学生運動)に絡め取られるという筋立てが、大杉演じる監督の設定と同じ。実をいうと『スズキさん〜』はあまり覚えていないのだが。 このように撮影隊のエピソードはなんとなく借り物の匂いがするし、やはり息抜きの感じなので(始めの方にある萩原の撮るメイキングでの役者へのインタビューがあまりに演技っぽいので、以後もメタ部分では気を削がれた)、私としては劇中劇オンリーで突っ走ってもらって、もう閉塞感でキツキツって感じを味わいたかった気はする。 |
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| 監督 高橋伴明 脚本 青島武 原作 立松和平 撮影 柴主高秀 美術 金勝浩一 音楽 梅林茂 劇中短歌 福島泰樹 筆文字パフォーマンス 軌保博光 |
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| 「光る女」 | ★★★ <相米慎二特集> あわや童貞を失う寸前までいった幼なじみ・安田を訪ねて東京へ出てきた熊男・武藤は、謎の歌手・秋吉と知り合い、プロモーターのすまけいに地下プロレスに誘われる。 |
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| 監督 相米慎二 脚本 田中陽造 原作 小檜山博 撮影 長沼六男 美術 小川富美夫 スタイリングデザイナー 小川久美子 音楽 三枝成章 |
武藤敬司 秋吉満ちる 安田成美 すまけい 出門英 伊勢将人 レオナルド熊 中原ひとみ 伊達三郎 児玉茂 高山千草 |
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| 「PiCNiC」 | ★★★ 私ねえ、たぶんいまだに首の据わりが悪いんですよ。だから映画館では尻を前にずらして頭を背もたれで支えて座ったりしてます(座高を低くする意味もあるんですけど)。で、この映画はそういう私にとってはすごく怖いシーンがあります。そこばかりでなく全体的に精神が弱っている場合にはオススメできません。 日本公開版はオリジナルの半分くらいの長さしかなかったと思う。伊藤かずえの出番が半端なのはそのせいか(彼女の出演シーンは精神病院の中なのでマズイ描写ありそう)。 |
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| 監督・脚本 岩井俊二 撮影 篠田昇 音楽 REMEDIOS |
CHARA 浅野忠信 橋爪浩一 鈴木慶一 六平直政 伊藤かずえ |
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| 「美少女プロレス 失神10秒前」 | ★★★ 日活ロマンポルノ。 イン・ザ・スペ〜〜〜ス! (パラララパッパラッパラッパッ) いいもんだぁね〜。 高校時代(表面上は)親友だった奈津子とかおるはそれぞれ、夢の島大学、八王子大学に進路が別れた。奈津子は姉もスター選手だったプロレス部に拉致されムリヤリ入部。宿敵・八王子大との決戦に備えてシゴかれる。夢の島大はアイドル研究会(意外と裏社会に力を持っている)の協力を得て、ルックスにも気を配っていた。というか、とにかく男が出てきたのでセックスとかいろいろ見せ場がつくれるわけだ。そうでなくても合宿で先輩にボディー洗いの奉仕をさせられたりとかあるのだが。奈津子は応援団の下っぱからいい寄られたり、幼なじみのデザイナーとBまで行ってるけど最後はつい引いてしまう。で、処女だったんだけど八王子大との乱闘でかおるに蹴られて処女膜が破れたりとかありつつ、いつの間にかかおるがデザイナーとくっついているのでヤキモキしたり、青春恋愛ドラマを繰り広げるのであった。 去年、今年と一気にロマンポルノの勉強を進めている私だが、はじめてセックスが邪魔だと思った。特に奈津子の恋愛話関係。もちろんポルノなのでエッチあるのはいいのだが、見ていて完全に横道なのである。プロレス一直線、途中にセックスの関門があるのでズバズバ突き抜けて行くしかない!(これは、く〜だらない特訓でもいいんですよ) という感じならよかったのだが、プロレスの話は置いといて、という感じで青春セクシー路線みたいになってしまう。プロレスに絡めたセックス・エピソードなんていくらでもつくれそうではないか。余分な小細工する必要なし。 そのプロレスですが、意外や山本奈津子、小田かおるともに練習を積んだらしく、投げられるとちゃんと受け身とってたりするんだよね。やられ方がうまいのは山本、攻撃がうまいのは小田って感じでした。 |
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| 監督 那須博之 脚本 佐伯俊道 撮影 森勝 擬闘 高瀬将嗣 音楽 スペクトラム |
山本奈津子 小田かおる 渡辺良子 美野真琴 由利ひとみ 志水季里子 井上麻衣 |
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| 「美女と液体人間」 | ★★★ 例によって南太平洋で水爆実験、通りかかった日本の漁船が被曝。 事件がわかりにくいのだけど(もう忘れかけてる)、土砂降りの中、佐藤允と麻薬の取引でもめた男が発砲しながら溶けて服だけになってしまった。平田・小沢ら警察の見解では服脱いで逃げたということになって行方を探す。その男の愛人が美女・白川だ。キャバレーで歌手をしている彼女は(昔の映画ってキャバレー歌手ばっかりだな)彼の行方について何もしらなかった。警察の必死の捜査に関わらず男の行方はようとして知れない。そんなところへやってきたのは平田の友人で生物学者の佐原だ。佐原は放射能が生物に与える影響を研究していたのだが、実験中にカエルが溶けてしまったのを見て、今回も男は溶けてしまったのではないかという。そんなバカな。でももちろんその通りなのだ。 人間の液体化現象は伝染する。漁船の船員はドロドロになりながら日本に帰ってきて(あまりはっきりでもないらしいが、ちょっとだけ意識が残っている)他人に触ると相手もドロドロになり、というのが回り回って冒頭の事件。被爆者が化け物になって人を襲う、さらに伝染するなんてのは、「ウルトラセブン」の「遊星より愛をこめて」を考えれば放送禁止というよりジャンク間違いなし。 液体人間は動きもスローモーだし、さほど活躍しない。スライムがアニメでしゅるしゅるっと動くほか、人間タイプは、緑のタイツ着せて波ガラスとかでモヤモヤッとさせたのを合成してる感じかな。当時はスライムという製品はなかったと思いますけどね。溶ける人間もべったり映すんじゃなくて段階を飛び飛びに撮ってるだけ。いずれも今ならCGで簡単に美しくできます。昔の特撮を見て今でもオオーと思うのはセンスに感心したりするからで、これはCGでお手軽につくりゃあいいってものではありませんが、この映画の特撮についてはお手軽にキレイにつくれればそちらの方がいいでしょう。 |
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| 監督 本多猪四郎 特技監督 円谷英二 脚色 木村武 原作 海上日出男 撮影 小泉一 音楽 佐藤勝 |
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| 「美人秘書 パンストを剥ぐ!」 | ★★ ピンク映画 タイトルに合わせたのか、パンストを剥ぐ時に「ベリベリベリ」と音を立てるのがどうも気に入らない。静電気の音なのかな? 別の人の素材の違う2枚のパンツも同じ音立ててる。 |
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| 監督 池島ゆたか 脚本 五代暁子 撮影 佐藤芳郎 |
佐野和宏 佐々木基子 田口あゆみ 神戸顕一 杉原みさお 松木良方 |
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| 「ピストルオペラ」 | ★★ 日本殺し屋ランキング上位者が次々と殺されていく。ランク1位の「百目」が門外不出のランク表を持ち出したとの情報をつかんだ3位の江角は、担当の元締め・山口の協力を得て、「百目」討伐に乗り出すが。 みたいな、ストーリーはどうでもいいのだろうと思ってはいたのですが、どうでもいいというより、全然ない方がよかっただろう。実はちゃんとあるストーリーが思いの外しょぼい。わけのわからない画面のつながりは相変わらずだが、一番衝撃的なのが少女(韓英恵)のヌードというのはどうしたものか。負けてるじゃないの。いや、まあ単にビックリしたってだけなわけですが。 |
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| 監督 鈴木清順 脚本 伊藤和典 撮影 前田米造 美術 木村威夫 特撮・タイトルバック 樋口真嗣 特殊造型 原口智生 山田陽 音楽 こだま和文 |
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| 「必殺! 主水死す」 <必殺!>シリーズ |
★★★ |
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| 監督 貞永方久 脚本 吉田剛 撮影 石原興 照明 中島利男 音楽 平尾昌晃 |
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| 「必殺! 三味線屋・勇次」 <必殺!>シリーズ |
★★★ 「必殺!」の命は照明にあり。その証拠に撮影が違っても照明は同じ人だ(というか、前の撮影が監督になってるけど)。この人さえ照明をやっていれば誰がとってもそれなりに「必殺!」になるであろう。 阿部寛、世界観にハマっててなかなかいいのでレギュラー希望! でも死んじゃう。 |
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| 監督 石原興 脚本 野上龍雄 撮影 藤原三郎 照明 中島利男 音楽 平尾昌晃 長部正和 主題歌 中条きよし |
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| 「羊のうた」 | ★★ <第14回東京国際映画祭参加作品> 美術部に所属している小栗くんは、最近真っ赤な液体の出てくる夢ばかり見る。彼は田中・永島夫妻と暮らしているが、彼らは彼の親ではない。医者である父・利重の親友で、病気の姉の療養のためかなんかで離れて暮らす父に代わり、彼を育ててくれているのだ。母・高橋はすでに亡くなっていた。18歳(たぶん)の誕生日に正式に養子にならないかという話が出た。田中らは話さないが、どうやら利重はすでに亡くなっているらしい。小栗は記憶に残る実家を訪ねるとそこには姉・加藤(和服)がいた。ここには来るなと加藤はいう。話の流れは忘れたが、とにかく母の家系が吸血病で、年をとると人の血が吸いたくなってしまうのだね。遺伝的に男と女で違いがあって云々という話があったがもう忘れた。父はその病気の研究の第一人者で、今は弟子の相変わらずロン毛の鈴木が、すでに発病した加藤の研究治療にあたっているのだ。差別にあたるとマズイとは思うのだけど、そういうのがわかっている人は、子供が自分と同じ思いをするなんて耐えられないわ、とかで子供をつくらないようにするのだが、とかいうエピソードが、うーむ、原作(読んでない)ならありそうだが、この映画では全然出てこなくてちょっとどうかと思う。小栗くんはちょっといい関係の美波に手を、じゃなくて美波の首に歯をかけそうになって思いっきり悩むのであった。 これは吸血鬼ではなくて血が吸いたいという病気なので、それなら自分の血をストックしといて時々飲んでりゃいいじゃんと思うが、どういうわけか小栗くんはハナっから美波の首をねらうのであった。牙も生えないのに吸えるようである。ひょっとすると、これ病気じゃなくて吸血鬼なんじゃないかと思う。 ストーリーも悩める青春物で、ホラーにしないんならせっかくお綺麗な加藤が出ているのだから、美しい姉と弟の妖しく淫靡な関係とかいうふうにすればいいと思うのだが、美波が疑うほどにはそう見えない。 時間が経った今では、とにかくかったるい印象しかない。 |
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| 監督 花堂純次 原作 冬目景 脚本 花堂純次 渡辺麻実 撮影 藤井良久 音楽 貴三優太 浜口史郎 主題歌 airi |
小栗旬 加藤夏希 美波 永島暎子 田中健 鈴木一真 利重剛 高橋かおり |
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| 「ヒッチハイク 溺れる箱舟」 | ★ |
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| 監督 横井健司 脚本 KAZU 永森裕二 撮影 下元哲 美術 西村徹 編集 山本浩司 音楽 遠藤浩二 |
寺島進 小沢和義 竹内ゆう紀 山本浩司 |
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| 「人斬り」 | ★★★★ 幕末、土佐。真剣を振り回す危ない目つきの勝新。土佐勤王党に入ったもののすることもなく金もなくイラついているのだ。総帥・武市半平太(仲代。参謀の下元がいつも一緒)から出動命令。「お前の太刀筋は邪道で面白いが、まだ人を殺したことがない。今夜の暗殺を見学して殺し方を覚えろ」ドシャ降りの雨の中、吉田東洋(辰巳)暗殺。「天誅ーッ!」とかけ声は勇ましいが(「なるほど人を殺すときにはテンチュウっていうのか」)殺すのに手間がかかる(「俺ならもっとブスッと」)。勝新=岡田以蔵がはじめて人斬りを目にした夜であった。真っ赤な花にタイトル。昼、橋の上の花売り娘「ハナいりまへんかー」。オープニング。ズンタタズンタとか、以後、音楽はいずれもちょっと軽いのが残念。京に上がった土佐勤王党は、姉小路公知(中谷)の擁護を得て、先に京をのし歩いている薩摩・長州らに追いつくべく、過激に実力行使、以蔵を筆頭に政敵を殺しに殺してまわるのだった。以蔵は薩摩の田中新兵衛(三島)と並び称される「人斬り」となった。同僚の山本(髪型が実に山本圭そのもの)「どうしたらそんなにうまく人が斬れるのですか」「まず、テンチュウっていうんだ、へへへ」。以蔵は暇なときは馴染み女郎(倍賞)の部屋に入り浸りだったが(これがデビューの倍賞さん、ほとんどノーメイクな感じ。見えそで見えないお色気担当)、実は公知の妹に一目惚れ、なんとかモノにしようと野望を抱いていた。そのためにも出世、金。それで殺しに精を出しているのだ。そんな以蔵を心配する幼なじみの坂本龍馬(すでに見た目はボス時代の石原)は武市に意見するが、「人のことより自分を心配しろ」と勤王党を脱退して幕臣・勝海舟(山内)の護衛をしている”裏切り者”龍馬を追い返す。人斬り新兵衛が龍馬をねらっていたのだ。やがて、やり過ぎの以蔵は公知に嫌われ(「天誅天誅いわれて人殺されちゃあ、いい加減ミカドも迷惑なんだよ」)、作戦からはずした武市と対立。倍賞「人は誰でも何かに自由を縛られてんのさ。あたいは借金、あんたは…」。龍馬「何でも武市のいいなりか。お前はお前だろう」。身分制度がなくなれば公家の娘との結婚の目もありだ。以蔵は日本の夜明けを夢想する。 今となっては、一番の見どころは三島由紀夫の切腹シーンでしょうなあ。片肌脱ぐのでボディビルで鍛え抜かれた筋肉が美しい(そうか?)。次に因縁の「影武者」対決。勝新と仲代のツーショットはどちらが本物の武田信玄か区別がつかない。そもそもどちらも武田信玄ではありません。勝新は主役だし製作からして勝プロなのだが、「兵隊やくざ」と同じ役柄で変わりばえしないし、正直仲代の無表情の方が勝ってる気がする。怖いんだよー、ガラスの目玉が。でも仲代も無表情なのはいつもか。あとは山本・石原の変な髪型とか、光と影と陽炎に血飛沫、たわわな倍賞さんなど見どころ満載の一級品です。路地で暗殺、勢い余った刀が相手の腹から横の格子までズガガガッと斬る殺陣や、返り血よけに提灯越しに刺すとこがお気に入り。 橋本脚本らしい、のかどうかわからないが妙に壮大かつ無茶なのは、新兵衛を罠にかけるにあたって彼の刀が武市の手元にあることについて、武市「この謎は100年たっても200年たっても解けないだろうが、とにかくどういうわけかこの刀はここにあるのだ」と押し切ってしまうところ、とか。 ところで、欽ちゃんは牢名主で二郎さんはその世話係(田中が牢番)。欽「おめえ、何やってきたんだ」 以蔵「人殺しよ」 欽「ナンデそゆことするのカナ」。そんな会話はしない。やっぱ演技は二郎さんの方が断然うまい。 |
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| 監督 五社英雄 脚本 橋本忍 参考文献 司馬遼太郎 『人斬り以蔵』 撮影 森田富士郎 照明 美間博 美術 西岡善信 音楽 佐藤勝 |
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| 「人斬り銀次」 | ★★★★ 古尾谷雅人(総理大臣役)の遺作。 特攻隊の生き残りっていうと、鶴田浩二が頭に浮かんだりするわけで、正直いって夏八木じゃ若すぎます。本人曰く戦争は子供の頃にちょっと記憶にあるだけとのこと。 素直に、夏八木が刀を抜くと竹内に変身するっていう演出でよかったと思うが。っていうか、その方が素直じゃないし。 |
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| 監督 宮坂武志 脚本 吉川次郎 原案 石田幸一 脚本協力 矢口義文 撮影 富田伸二 照明 佐藤才輔 美術 塩田仁 スタントコーディネーター 辻井啓伺 音楽・主題歌 奥野敦士 |
夏八木勲 竹内力 つぐみ 益子智行 石橋蓮司 鶴見辰吾 麿赤兒 船木誠勝 古尾谷雅人 永澤俊矢 松井涼子 嶺乗崇 水上竜士 奥野敦士 金子政 大久保貴光 崎山凛 館昌美 前沢保美 本橋由香 |
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| 「現代やくざ 人斬り与太」 | ★★★★ |
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| 監督 深作欣二 脚本 石松愛弘 深作欣二 撮影 仲沢半次郎 美術 中村修一郎 衣裳 河合啓一 疑闘 日尾孝司 音楽 津島利章 |
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| 「人斬り与太 狂犬三兄弟」 | ★★★★ |
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| 監督 深作欣二 脚本 松田寛夫 神波忠男 撮影 仲沢半次郎 美術 北川弘 音楽 津島利章 |
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| 「人妻集団暴行致死事件」 | ★★★★ 日活ロマンポルノ 古尾谷・酒井・深見の不良少年チーム(というほど悪ではない)は、タクシー運転手・土方・ガス管工などをして割と地道に暮らしていたが、酒と女には目がない。ボス格の古尾谷は染め物屋の父・小松とは折り合いが悪く、前科あり、よそに部屋を借りようと思っている。女にはもてて、ホステスさんとも仲がいい。酒井は(すみません、本当はどっちがどっちかわかってません。今書こうとしているのは「宇宙刑事ギャバン」の「人形は見た」の巻にゲスト出演して私を泣かせたチョビ髭の男です)農家の祖父の家でピンクレディー「UFO」など聞きながら適当に暮らしている。深見は彼女がいるものの、やらしてもらえずふてくされている。この彼女が「サード」のテニス部?志方さんだ。つい先日「桃尻娘」で「サード」に思いを馳せたと思ったら続けざまにこれだ。森下愛子の図書館初体験&峰岸徹相手に乳房に汗ツツーっもよかったが、土管の中で客に抱かれながら「お腹すいたなぁ」とかつぶやく志方さんも私の心を鷲掴み(このへん男子高校生の気持ちで語ってますね)。 3人はある夜ひどく酔っぱらって、止めてあったトラックから卵を盗む。持ち主は漁師兼養鶏家の室田。室田は元は浅草あたりの香具師だったが、今はこの、よくわかりませんが越ヶ谷あたりでちょっと頭の弱いと評判の奥さん(2人目)黒沢と地域に根ざした暮らしをしている。当時の越ヶ谷あたりというのは、たくさんあった畑が小さくなり次第にベッドタウン化しつつあるという状態。それでタクシー・土方・ガス管工、交通網や住環境等が整備途上なのだ。セックスのたびに声も出せないほど心臓をドキドキさせて背中に爪を立てる黒沢に室田は大満足「お前は本当に好きなんだなあ」。見ている私も彼女は彼を頼り切っているのだ、などと思っていた(しかしタイトルが「殺人」でなく「致死」なのはこのへんに原因があったのであり、事件後室田は愕然とすることになる)。当初警察に被害届を出した室田だが、犯人が地元のガキ共だと知るとあっさり取り下げ。俺も昔はムチャしたもんだ、ガハハハ。3人に焼き肉までおごってやった。その豪快で闊達な人柄に3人はほれこみ、オッサン、オッサンと慕うのであった。初めは怖がっていた黒沢も次第に馴れてくる。なにしろ最近めっきり酒に弱くなった室田は、夜毎酔っぱらってトラックを止めて荷台で寝込み、それを3人が送ってきてくれるのだ。卵を盗まれた夜もそういう状態だったのだ。 室田と仲良くなることで、若者達にも生活にハリが出て、一所懸命に働き、休日には室田と子供のように遊ぶのだった(投網を習ったり相撲をとったり本当に小学生のようだ)。見ている私も幸せ気分になりつつ、しかしタイトルがこんななので後に起こるであろう悲劇を想像して物悲しい気分になるのであった。ここがまあクライマックスではないけど、中盤の山場。 この後は人妻集団暴行致死事件が起こって室田ガックリ、という展開。室田の演技に思いっきり感動しよう。本当に素晴らしい。黒沢の死体っぷりもいい。 というわけでこれは傑作と呼んでもいい出来なのだが(それにしても田中監督はどうして見た目のアート派をやめてしまったのだろう)、肝心の事件に至る経緯、若者たちの心の動きというのが全然理解できないのである。黒沢が以前あいまい宿で客をとっていたらしいというのを聞いたし、すごい名器らしいのも聞いた、そしてこの日はむしゃくしゃしていた、もちろん酔っていた。でもそれだけじゃあなあ。やっぱり男はレイプ好きな生き物だってことなのかなあ。 今回は「桃尻娘」のようにうまく当時の風俗を取り入れたストーリー紹介になりませんでしたので(「桃尻娘」については完璧だと自負している)、ここで単語だけ上げておきましょう。「あっち向いてホイ」「なんちゃって」「シラケ鳥」。ちなみに古尾谷の口癖の別れの言葉は「あばな」でした。笑ってしまった。 |
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| 監督 田中登 脚本 佐治乾 原案 長部日出雄 撮影 森勝 音楽 石間秀樹 篠原信彦 |
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| 「人妻発情期 不倫まみれ」 | ★★★ ピンク映画 もともと金融物Vシネマの脚本90分を半分以上ザックリ切って、エッチを増やして60分という感じがするなあ。とにかくストーリーに関して(キャラクター描写含む)は言葉が足りな過ぎです。 大手金融会社から焦げつき物件を回してもらい、これがだいたい若い女なわけだが、相手を風俗に沈めて回収するジゴロっぽい仕事の川瀬は、次の女・小室に惚れてしまう。ところで事務所所長の朝吹は、疲れている川瀬を見ると、私が慰めてあげると服を脱いでまたがったりするのだが、どう見ても慰められているのは朝吹の方なのであった。小室は旦那・本多が相手してくれないのを買い物で紛らわすためにデリヘルをやっていたが(それでも借金地獄)、そのお得意さんの飯島は、実は旦那の上司で、しかも何を隠そう、飯島は朝吹の事務所に仕事を回す金融屋だったのであった。川瀬はデリヘルのことはまだ知らない。 |
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| 監督 工藤雅典 脚本 橘満八 工藤雅典 撮影 西久保維宏 音楽 たつのすけ |
小室友里 川瀬陽太 本多菊雄 朝吹ケイト 飯島大介 赤星昇一郎 |
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| <日本映画−ひ 後編> | |||