日本映画−か 前編

★は1個から5個の間でテキトーにつけてあります。
最新更新日:2004年12月22日
<日本映画−お 後編>
タイトル コメント
スタッフ キャスト
「劇場版カードキャプターさくら」 ★★★
舞台は香港。ほら、それだけで見る価値あるでしょ。

同時上映 「CLOVER」
監督 浅香守生
原作 CLAMP
(声の出演)
丹下桜
岩男潤子
久川綾
関智一
緒方恵美
田中秀幸
くまいもとこ
 野上ゆかな
 林原めぐみ
 井上喜久子
 桶澤利香
 山口由里子
 芝原チヤコ
 菅原祥子
「怪談海女幽霊」 ★★★
監督 加戸野五郎
脚本 松本功
原案 海樹満咲
撮影 岡田公直
照明 石森浩
美術 宮沢計次
音楽 長瀬貞夫
明智十三郎
九重京司
矢代京子
沢井三郎
山川朔太郎
万里昌代
御木本伸介
倉橋宏明
若杉嘉津子
渡辺高光
大谷友彦
鈴木信二
小高まさる
山下明子
可児朱美
扇町京子
 津路清子
 水原爆
 石川冷
 千葉徹
 西一樹
 勝又馨
 九条明子
 美谷早百合
 秋山れい子
 大倉寿子
 瀬川美智子
 沖美架子
 津田裕子
 野辺澄江
 山口多賀志
怪談 お岩の亡霊」 ★★★
監督・脚本
    加藤泰
原作 鶴屋南北
    「東海道四谷怪談」
撮影 古谷伸
美術 桂長四郎
美粧 林政信
結髪 西野艶子
衣裳 佐々木常久
音楽 高橋半
擬闘 島義一
若山富三郎
藤代佳子
近衛十四郎
桜町弘子
三原有美子
沢村訥升
伏見扇太郎
尾上鯉之助
渡辺篤
伊沢一郎
明石潮
吉川満子
沢村宗之助
坂東好太郎
 水野浩
 林彰太郎
 和崎隆太郎
 小森敏
 霧島八千代
 松風利栄子
 赤木春恵
 遠山金次郎
 鈴木金哉
 香住佐久良夫
 毛利清二
 源八郎
 明智八百栄
 岡島艶子
「怪談おとし穴」 ★★★
16ミリ上映。上下のマスクはどうやら上映時にかけているらしく、今回は薄いマスクなので、下の黒い部分にうっすらと次のコマの上の部分が透けて見えていた。
渚まゆみは予告ほど綺麗ではなかった。というか下手だし。
監督 島耕二
脚本 舟橋和郎
撮影 小原譲治
美術 柴田篤二
音楽 大森盛太郎
成田三樹夫
渚まゆみ
三条魔子
船越英二
見明凡太郎
早川雄三
平井岐代子
田中三津子
福原真理子
津山由起子
橋本力
片山明彦
佐伯勇
 谷謙一
 遠藤啓平
 大山健二
 南方伸夫
 渥美マリ
 夏木章
 新宮信子
 木島進介
 河島尚真
 中原健

 (ナレーター)
 若山弦蔵
「害虫」 ★★★★
監督 塩田明彦
脚本 清野弥生
撮影 喜久村徳章
録音 臼井勝
音楽 ナンバーガール
劇中歌
    作詞作曲
     草野正宗
    歌
     櫛引彩香
宮崎あおい
りょう
蒼井優
沢木哲
石川浩司
田辺誠一
すずき雄作
天宮良
伊勢谷友介
石丸謙二郎
光石研
大森南朋
木下ほうか
 芳賀優里亜
 米丘ゆり
 半田美保子
 西満衣
 三村恭代
 三輪恵未
 佐々木麻衣
 椎名英姫
 頭師佳孝
 寺島進
 大沼百合子
 戸田昌宏
「回路」 ★★
催眠作用でおなじみ黒沢作品、今回はなかなか眠くならず、話はわけわかんないけど、ひょっとしてこれはイケテるんじゃないかと思いましたが、やはりラスト近くで眠くなってしまいました。でもたぶん全カット視覚神経は通してると思います(脳に達してないかも)。
わけがわかってないので、以下おそらくネタバレ含んでいると思いますが、私自身はどれがネタだかわかってません。
植物園みたいので働いている久美子が欠勤している同僚を訪ねると彼は首吊り自殺してしまった。彼のフロッピーにはなんか不気味な画像が入っていた。おなじく同僚の松尾はこの画像について調べようと彼のうちを訪ねる。彼の首吊った壁にある黒いシミが生きた彼本人に見えたりする。「開かずの間のつくり方」と印刷された紙を発見、近所に赤いガムテープで封印された開かずの間があったので中に入ってみるとクネクネガックン、気持ち悪い動きの幽霊に会った。
大学生の加藤は唐突にインターネットしてみたところ「幽霊に会いたいですか?」という謎のサイトにつながってしまった。ボケーっとした人を隠しカメラで盗撮したみたいな動画がいっぱいで気持ち悪い。慌てて切断したが、その後も勝手に電話かけてつながってしまう。理工学部の小雪に相談した。小雪のゼミ室?のコンピュータには白い玉がくっついたり離れたりする、どう見てもただのスクリーンセーバーみたいのが表示されている。先輩・武田のつくった、相手との距離感をシミュレートするプログラムだという。加藤は図書館でじっとこちらをうかがう黒い影に遭遇。武田は、あれは幽霊で、あの世が満杯になったんでこっちに出てくるようになったんだという。輪廻しないわけだ。武田は幽霊がこっちにやってくるシステム=回路は開かずの間という形態だろうと推測する。最初に開かずの間をつくったのは哀川翔だ(武田の想像シーン)。開かずの間はインターネットを通して人々の間に伝播していた。
久美子の周囲では、開かずの間をつくり自殺しては壁のシミになって消えてしまう人が続出していた。同僚も社長も消えていく。この間日本中で人々が消えていっていたようなのだが、ちょっと表現されきれておらず、いきなりといった感じでもう全然誰もいない世界になってしまう。
麻生と加藤の話は並行して描かれ、二人はなかなか出会わない。
この世の人が消えてしまうのは霊界に引きずり込まれたのかと思ったが(一旦死ぬし)、あっちはもう飽和状態なわけだから、あれか? サイバー空間に入っちゃったの? SFなの? それともただ消えただけでネットの話はコミュニケーションについてのダラダラした分析みたいのを入れたかっただけ? 人がいなくなった世界には、では幽霊がウロウロしているかというと、見た感じそういうこともない(幽霊は普通に見えるという設定のはず)。うーむ???
デジタル多用にともなう画質の違いをなくすためか全体に粒子の粗い画面(ちょいセピア気味?)。合成等きわめて自然。なのでインフェルノかなんか使ったバスの窓ハメだけ浮いていて目立ってしまった。
麻生久美子、ニッポンいちの肩出し女優!(よそでも見たことある) と思ったら女性陣は全員肩出していた。監督の趣味か? 肩フェチ必見の一本。
あ、役所のことが気になりますか? これ始まりに東宝マークにつづいて大映マークが出て、製作が大映・日テレ・博報堂でまるで「ガメラ」みたいだなー、と思ったらズバリ「ガメラ」と同じく海を行く船が映るんですが、その船の船長さんかなんかが役所。役目はヒ・ミ・ツ。風吹ジュンは麻生の母。
監督・脚本
    黒沢清
撮影 林淳一郎
ビジュアル・エフェクト
    浅野秀二
音楽 羽毛田丈史
主題歌
    Cocco
麻生久美子
加藤晴彦
小雪
有坂来瞳
松尾政寿
武田真治
菅田俊
哀川翔
役所広司
風吹ジュン
水橋研二
塩野谷正幸
北村明子
高野八誠
「COWBOY BEBOP 天国の扉」 ★★★★
(アニメーション) Knockin'on heaven's door
なんとなく丸の内シャンゼリゼに赴いたこの日、劇場前に長蛇の列ができていた。実はお隣・丸の内東映において「仮面ライダーアギト/百獣戦隊ガオレンジャー」の完成披露試写会が行われていたのであった! だからといって何があるわけでもないが、とにかく藤岡弘とかが舞台挨拶などしているお隣に私はいたのだ。感動……(そう?)。
さて「カウボーイ・ビバップ」である。全26話で製作しながら、内容(酒とか煙草とかその他倫理観)が夕方お子様タイムにふさわしくなかったりで半分しか放送されず(打ち切りでなくて抜粋)、ビデオでやっと全話をリリース、WOWOWでも夜中(11時過ぎ)に放送されたというアレである。私は2話くらい見たし、6話くらい録画した(見ろって)。カッコイイなと思った、がそれっきりである(いちおう一話完結だから後に引かなかったのね)。
雰囲気としては旧「ルパン三世」のギャグ色の薄い回といった感じである(最初の宮崎がかんでない頃とか)。特にインスト曲のオープニングがカッコイイが、映画はTVと違うオープニング。これがまたすごい(ロトスコープ使ってたらすごくない)。
2071年(相変わらず近未来すぎ)、間もなくハロウィンの季節。火星の街。火星は全体でひとつの国家らしい。看板を見た限りでは公用語はおそらく英語と中国語が半々(しゃべってるのは日本語だよ、文句あっか)。都会はアメリカ風(サンフランシスコ、シカゴ、そしてニューヨーク。鉛筆型のビルの脇にそれより高い双子のような2本の高層ビルが…)、郊外には中華・イスラム等エスニックな街が点在している。その火星を舞台に宇宙船(たぶん)ビバップ号を根城として集う賞金稼ぎ(カウボーイと呼ばれる)4人(男2女2)と1匹(犬)。彼らは相も変わらず(いや知らんけど)それぞれが好き勝手なことをしていた。
アフロのスパイク(山寺)と巨漢ジェット(石塚)は強盗退治。コンビニを襲った石橋蓮司そっくりな男(声もそっくりだ)を簡単に仕留めた。というのはありがちな人物紹介。ここの格闘シーン(ジークンドーらしい)から既に目を見張る。「クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦」に迫るデキだ。と思ったら中盤にはモップを使ったもっとすごいのがあって、それでもしかしこれでカメラが動きゃあなあと思っていたら、ちゃんとクライマックスのアクションではカメラが動いた!
ハッカー少女エド(多田)はアイン(犬)とパソコンで遊んでいる。腕はクネクネ〜。
そして、フェイ(林原)は競馬に行きがてら、しょぼい賞金首をねらっていた。使われたカードから割り出したタンクローリーを追っていた(飛行機で)が、高速道路で停車した車から降りてきたのはねらった男ではなかった。ひげ面で黒服のその男はヴィンセント(磯部)。突如、タンクローリーが爆発。ヴィンセントは何事もなかったかのように立ち去る。フェイは気づかなかったが、その周辺にいた人々は謎の奇病で死んでいた。
テロリスト・ヴィンセントには3億ウーロンもの賞金がかけられ、スパイクたちは彼の捜索を開始する。スパイクがモロッコ街でミッキー・カーチスを若くしたような男(声もミッキーそっくり)から渡された壺にはビー玉のようなカプセルが隠されていた。手かがりを追って裏で軍が暗躍する製薬会社に潜入したスパイクはそこでヴィンセントと同じ刺青をしたエレクトラ(発砲B・ZIN小林)と出会う。一方フェイはカードの男を追ってヴィンセントに遭遇、謎の奇病に罹患してしまった! このセンテンスは間をすごい省略して書きました!
とにかくこの絵を見ろ、ということです。セルアニメ(特有の影が写ってるよ)では世界最強。でもこれが完成形で、新しいものを提示したわけではないし、「新世紀のアニメはここから始まる」というよりは、「これが20世紀アニメの到達点だ」という感じです。「幻魔大戦」から始まった無理にリアルを押し進める方向と、杉野昭夫とかの漫画キャラクターがついリアルになってしまう路線がうまく拮抗した作品。今後、実写に目配せするアニメは最低このレベルでつくられなければならないだろう。これはきついし、逆にアニメの幅をせばめてしまったようにも思えるが、でもアニメーターは楽しんで描いているように見える。
ところどころデジタルった部分で画質がボケてしまうのはなんとかしてもらいたい。DVDとかだとキレイになるのかな?
監督 渡辺信一郎
脚本 信本敬子
原作 矢立肇
演出 武井良幸
キャラクターデザイン
作画監督
    川元利浩
メカニックデザイン
    山根公利
セットデザイン
    竹内志保
ディスプレイデザイン
    佐山善則
メカニカル作画監督
    後藤雅巳
アクション作画監督
    中村豊
美術監督
    森川篤
撮影監督
    大神洋一
デジタルワーク
    木下和宏
音楽 菅野よう子
演奏 シートベルツ
ゲストアニメーター(演出)
(オープニング)
    沖浦啓之
(ウエスタン)
    岡村天斎
(アクション)
    出渕裕
(ドッグファイト)
    板野一郎
(声の出演)
山寺宏一
石塚運昇
林原めぐみ
多田葵
磯部勉
小林愛
ミッキー・カーチス
石橋蓮司
屋良有作
井上和彦
小杉十郎太
有本欽隆
柴田秀勝
上田祐司
飛田展男
小山力也
平屋仁
 中嶋聡彦
 中博史
 垂木勉
 長沢美樹
 秋元羊介
 一条和矢
 依田英助
 長嶝高士
 小山武宏
 中野裕
 桑島法子
 天田益男
 菅原淳一
 千葉一伸
 小西克幸
 くじら
 村井かずき
「顔」 ★★★
1995年1月。父が女と逃げたので母が一人で切り盛りするクリーニング店の、引きこもりがちな長女・直美(つくろい物など家業の手伝いをしている)は社交的な妹・里穂(久しぶりに美しい。お腹も太くない)が鬱陶しい。だが逆にお姉ちゃんの方こそ鬱陶しいのだ、恥ずかしいのだ、迷惑なのだ、病院に行かせた方がいいと母さんもいってるよ、となじられて簡易家出(この辺が例によって「引きこもり」と判定していいのか悩むところである)。家出先で出会った佐藤にちょっと一目惚れ。家出の話はそれでおしまい。数日後、母が急死。ショックを受けた直美は二階の自分の部屋に閉じこもり、葬儀の手配等一切を里穂が引き受ける。弔問客も帰った夜更け、ふらっと降りてきた直美に里穂が噛みつく。「この店は喫茶店にしてあたしがもらう。それで今までお姉ちゃんに迷惑かけられてきたことみんな許してあげる」「別に許してもらわんでもええよ」祭壇に捧げられていたアルバムの、姉妹でよそ行きのカッコした子供の頃の写真に添えられた母のコメント「あらあら、直美の似合わないこと」を直美はどう解釈したのか。直美の宝物の少女漫画(ストーリーとか出てこないので、直美が夢見がちな少女であることの象徴らしい)のセリフを引き合いに直美が処女であることを揶揄する里穂。二階へ戻った直美を里穂は追いかけるが返り討ち。里穂はあっさり殺されてしまう。この絵はないのでよくわからないが殺されたのは一階でのような気もする。里穂の死体はそのままに、直美は風呂に入り、よそ行きに着替えて(おそらく客の服)香典をひっつかみ、父を訪ねることにした。
以下、直美の逃避行。
あんなことやこんなことがあって直美は逃げながら成長していく。自転車のエピソードが象徴的。潜伏先で自転車に乗る練習を始める直美だが、満足に乗れないまま逃げなければならなくなる。自転車にまたがるものの壁にぶつかりながらほとんど乗ってるとはいえない彼女は、しかしだんだんうまく乗れるようになっていく。全体的に逃げるが勝ちというのがテーマで、このあと出会うトヨエツは途中で逃げるのをやめたために酷い目に会ってしまうのだった。
そしてラスト、解放感があるのは認めるが、これはずっと前から読めてしまう。あそこであれしたときはああだったのに、あっちでああしてもこうはならなかったから、これはラストシーンにとってあるのだな。これに限らず特に冒頭の画面づくり等、妙に計算づくな感じがした。登場人物に感情移入する前に製作者に感情移入してしまった、というのはいい過ぎ。
絵づらは坂本監督の過去の作品で見たことがあるようなカットが目につき、これは旧阪本順治のまとめなのだなと思った。ので、次がすごい楽しみである。
とかなんとかいいながら、やはり藤山直美の気持ちがわかるかどうかが鍵なのであろう。私はよくわかりませんでした。
助演女優賞(何の?)は大楠道代に一票。こっちがメインならとても好きな映画になったかもしれない。 ← ホントに何かで助演女優賞とりましたね。
監督 阪本順治
脚本 阪本順治
    宇野イサム
原案 宇野イサム
撮影 笠松則通
音楽 coba
藤山直美
佐藤浩市
大楠道代
豊川悦司
國村隼
牧瀬里穂
渡辺美佐子
中村勘九郎
岸部一徳
内田春菊
早乙女愛
中島陽典
川越美和
「Chaos[カオス]」 ★★★
会社社長、光石の妻、美紀が誘拐された。犯人は何でも屋の萩原。といっても原作がこういうタイトルなんで、これは依頼された狂言誘拐なのだ。以下、現在・過去が入り乱れて展開する。回想シーンが、「回想でーす」という入り方をしないのでちょっとわかりづらい。そこらへんがカオス。また萩原が中谷の思惑と違う行動をとったりするあたりもカオス。誘拐依頼の陰に隠された真実が次第に見えてくる、というのはカオスじゃなくて普通のミステリです。
結構面白いですが、わかりにくい回想の入れ方が何の効果もあげてないのでかえってマイナス。
中谷美紀について夏生ゆうなが「あの子スタイルよくないし」というが、夏生さん、今回いつも以上にふっくらしていて、言葉にリアリティーがないぞ。監督は役者の体調を見てセリフを変えてあげましょう。
監督 中田秀夫
脚本 斎藤久志
原作 歌野晶午
    「さらわれたい女」
撮影 喜久村徳章
音楽 川井憲次
萩原聖人
中谷美紀
光石研
國村隼
菜木のり子
夏生ゆうな
山村美智子
新恵みどり
MIKI
田中哲司
浜田学
諏訪太朗
「課外授業・暴行」
羽田へ行ってみろ、海賊になったガキどもが今やと出発を待っている
★★★
自主製作映画みたいな感じがよかった。ロケ地(羽田の辺り)とか衣装(人民服とか)も○。
監督 瀬々敬久
脚本 佐々木宏
    瀬々敬久
撮影 斉藤幸一
中島小夜子
松永久仁彦
清野歴史
小川真実
佐野和宏
下元史朗
加藤海彦
山本竜二
島田由香
伊藤清美
「案山子 KAKASHI
(日本・香港)
★★★
原作は、お墓に案山子を立てると次第に案山子が死者そっくりになるという、ホラーよりはシュール系の心温まる(?)作品。
この映画は全体としては別の漫画、死んだら体が墓石になってしまう町を訪れた兄妹を描く「墓標の町」を元にして、怪異現象を「案山子」から持ってきて、あと「トンネル奇譚」とか他の漫画の雰囲気も織り交ぜつつ、しかしなんだその結局のところ、案山子がウガーッと襲ってくるB級な映画。
麻帆は兄・俊介と連絡が取れないので、彼の部屋を訪れた。部屋にはコウからの「待っています」という手紙。封筒から落ちたのは藁クズ? 麻帆とコウは友達だったのだが、という因縁話は後で出てくる。どうやら電話もないようなので、コウの住む不来彼方村(コズカタむら)へと車を飛ばす。途中、香港からの留学生・グレースを探す貼り紙を見かけるが、グレースの話はまったくの余談なのでもう無視することにする。不来彼方村へのトンネルで車が故障。歩いていくとたくさんの案山子をトラックに積んだ有薗と出会う。もうすぐ祭りなのだという。コウの家へ着くと、納屋で藁にまみれて何かしていた母親のりりィが帰ってくれという。父親の河原崎によれば、コウは町の療養所に入院中だという。兄は来ていないというし、コウの病気は麻帆のせいだと責められる。このへん麻帆は完全に受け身でほとんどリアクション取らない(質問もしない)ので何がどうなっているのか不明。以後も麻帆が何をどこまで知っているのかまったく描かれない。ポジションは狂言回しというか、客と同じ視点で物語に巻き込まれていく役割のはずだが、一方で物語上重要な役目を負っているようでもある。この麻帆の処理はうまくないと思う。脚本家が複数いるし、さまざまなバージョンの脚本があって混乱しているのではないかと思う。結局コウの家に泊めてもらうことになった。夜中に目が覚めた。兄らしき人影を見た麻帆はそれを追って納屋へ。コウの服を着せられた案山子が立っていた。いつの間にかコウが現れ「いつもあたしの邪魔をする」と責められる。夢だった。この後、案山子たちにウガーッと襲われたりしつつ(突き飛ばすと折れちゃったりします)、兄を発見して逃げようとするが……。という話。
いつもは普通に死者が案山子となって甦るのだが、今回はコウの生前の恨み辛みがマイナスエネルギーとなって、なんだか変なものを呼び寄せて、それが案山子たちに乗り移ってしまったということらしい。不気味な地響きとかが頻繁に起こるので、私はてっきり地面から巨大な柴咲コウが現れて……というのを想像してしまった。これは予告を見たときに思い浮かべた大林宣彦「HOUSE ハウスが頭に残っていて、それの「唇が」「大きすぎる」という名シーン?を期待してしまったためでしょう。いや直径5メートルくらいの柴咲コウの顔がニタッと笑うなんて最高じゃないですか。でも今回の青白塗り口紅真っ赤メイクは思ったほど綺麗じゃなかった。そもそも口紅が似合わないような気がする。でもやっぱりクライマックスは「HOUSE」と同じになるのであった。というか、あれはどう見ても「スペース・バンパイア」ですけどね。
ひとつところに立てられた案山子たちが一斉に覚醒するあたりはマイケル・ジャクソンの「スリラー」(ジョン・ランディス)みたいで、あれで本当に踊り出したら、それはそれで面白かったに違いない。
今回もどちらかといえば音でおどかす系のホラー(絵でもやってるけど)で、そろそろビックリしたー、じゃなくて、怖かったーっていう映画も見たいものだ(私がまた怖がらないんだ)。
監督 鶴田法男
脚本 村上修
    玉城悟
    鶴田法男
    三宅隆太
原作 伊藤潤二
撮影 菊池亘
特殊メイク
    ピエール須田
音楽 尾形真一郎
野波麻帆
柴咲コウ
りりィ
河原崎建三
松岡俊介
葉佩[雨/文](グレース・イップ)
田中要次
有薗芳記
五十嵐瑞穂
ボブ鈴木
森下能幸
小柳友貴美
「鍵」  原作 谷崎潤一郎
製作監督娘の恋人
1959
1974
1997
市川崑
神代辰巳
池田敏春
中村鴈治郎
観世栄夫
柄本明
京マチ子
荒砂ゆき
川島なお美
仲代達矢
河原崎健三
大沢樹生
叶順子
渡辺督子
辻香緒里
「ガキ帝国」 ★★★
<井筒自慢>
なんか、スタッフとキャストのクレジットがなかったような気がするのだが。
1967年・大阪。
岡山の少年院に入っていたリュウ(島田)が帰ってきた。迎えるのはチャボ(松本)とケン(趙)。彼ら三人は同じ工業高校の仲良し三人組だ。不良どもが組織化され群れる中、彼らは独立していた。それだけの力があったのだ(特にケンのパチキは世界一)。リュウのいない間にキタは北神同盟という組織に仕切られていた。北神同盟はバックに龍神会の上岡というヤクザがついており、会長はリュウの入院の原因になった、つまり彼にケンカで負け、ポリに電話したクロだった。一方ミナミは、リュウたちはこちらに住んでいるのだが、以前からあったホープ会が仕切っていた(「バックは専売公社やて」)。こっちの会長は、これは北野誠なのかなあ、とにかくリュウたちの知り合いだった。
リュウは少年院でツレになったコウ・ジョウシュン(升)を連れてきていた。名前からずっと中華系だと思っていたら朝鮮系だった(今回はどっちかわからないので韓国も全部「朝鮮」表記にする)。で、初登場時は新参者みたいに描写されているのだが、実はケンや北野誠(?)らと旧知の仲であった。隠していたのか、脚本のミスなのかわからない。ケンは在日朝鮮人だが、特に表明しておらず(金田さんなのだ)、知らない人もたくさんいるようだった(秘密にしているわけではないと思う)。ハングルをしゃべったら彼女が避けるようになったとかの(さりげない)描写あり。登場人物の半分近くが在日朝鮮人であり、それが当たり前の状況だったので、特に意識させるようには描写していない。北神同盟は日本人ばかりの組織らしい。
リュウたちはキタへ出向いて北神同盟のヤツら(自分たちより大人数)をボコボコにし、対立することになる。そんな時にも「ザ・ガードマン」は欠かせない。出動前に商店街のテレビを見て主題曲を口ずさみ、気合いを入れるのだった。「ガードマンてなんや」「守衛さんやろ」。コウはリュウの反対を押し切って北神同盟に入る。上岡に気に入られてのし上がっていく。そして次第に大きくなる組織間の抗争にリュウたちも巻き込まれていく。
(中略)そしてケンは走った。何処までも走りつづけた。70年安保闘争、そして万博の開催がもうそこまで来ていた。
すみません。何処までも走りつづけたというのは嘘で、最後は飲み屋に入ってビールを飲む。これはあれだ、「愛の新世界」の元ネタか?
音質が悪いせいでセリフも聞き取りづらく、しかしそれ以前に組織相関図とかの説明をする気がないので話もわかりづらいです。リュウの父(夢路)は鉄工所を経営していて、夜中に屑鉄拾いというか、鉄骨とかを盗みにくる朝鮮人軍団・アパッチ(夢路が命名。リーダーは國村)とか、東京から来てる新興勢力とか、朝鮮人社会とかいろいろな組織が混じり合い、しかしいつも激突してるわけじゃなくて、ゴーゴークラブのダンパとかボウリング場で一緒に遊んでたり(というほど仲良くはないが)もする。
大杉漣は大乱闘でメチャクチャにされた店の店長で、椅子の背が折れて「リクライニングになっちまった」とか泣きの演技で笑わせる。
これから井筒監督の映画を数本見るので、その後でも遅くはないが、監督は「主人公」というものを設定するのが苦手あるいは嫌いなのではないか。群像劇派の人なのではないか。「のど自慢」「二代目はクリスチャン」とこれを合わせて見るとそう思う。私は主人公っていうのがいた方が見やすいのですが。 ← 結局さほど数見たわけじゃないのではっきりとはいえない。
監督 井筒和幸
脚本 西岡琢也
原案 井筒和生
撮影 牧逸郎
音楽 山本公成
島田紳助
松本竜介
趙方豪
升毅
紗貴めぐみ
國村隼
上岡龍太郎
夢路いとし
大杉漣
渡辺とく子
「隠し剣 鬼の爪」 ★★★★
「たそがれ清兵衛」より全然いいよな(ただし永瀬の月代はなんとかして欲しい。自毛らしいけど他の人と違和感ありあり)と思って見ていたが、肝心の「隠し剣」があれじゃあなあ。そもそもワザのことだろ。というわけで、後半30分だけ違う映画、というか某テレビシリーズになってしまい(なんかトランペットが聞こえるようだよ)、実はそれまで照明が仕事してないなと思っていたのだが、下手に仕事して市川崑みたいに横からとかコントラスト強くしちゃうとまるっきりアレになっちゃうから気を使ったのかなと(仕事しちゃダメだよね、仕事しちゃ)。ラストは、ひょっとすると山田洋次は「北の零年」の監督をやりたかったのかなという終わり方(原作通りかもしれないけど)。
監督 山田洋次
脚本 山田洋次
    朝間義隆
原作 藤沢周平
    「隠し剣 鬼の爪」
    「雪明かり」
撮影 長沼六男
照明 中岡源権
美術 出川三男
衣装 黒澤和子
音楽 冨田勳
永瀬正敏
松たか子
小澤征悦
吉岡秀隆
田畑智子
緒形拳
高島礼子
倍賞千恵子
田中邦衛
光本幸子
田中泯
神戸浩
「カクト」 ★★
<東京フィルメックス2002>
ラストは(いきなり書くのかよ)、マリファナが手に入ってよかったね、という公序良俗に反する映画(そのせいでR−15食らった)。
クライマックスはみんなで街を追っかけっこするというSABUの映画そっくりになってしまうので、ここに寺島進を出すのはちょっとどうかと思う(寺島が出てきたのは是枝の関係だと思うけど)。
製作 是枝裕和
監督 伊勢谷友介
脚本 亀石太夏匡
    伊勢谷友介
原案 亀石太夏匡
撮影 伊藤寛
美術 磯貝俊裕
音楽 TUUKe
    S9
伊勢谷友介
高野八誠
伊藤淳史
香川照之
寺島進
加瀬亮
桃生亜希子
すほうれいこ
亀石太夏匡
川村亜紀
鈴木一功
田中要次
螢雪次朗
「影狩り」 ★★★
江戸幕府は財政困難により、自治をまかされている各藩の利権を奪取しようと、全国に公儀隠密、通称「影」を放つ。不正を暴くのはまだしも、時に謀略を仕掛け、豊かな藩を無理矢理お取りつぶしにしてしまう。影にねらわれた藩に雇われ、影たちを始末する三人組、十兵衛(石原)、日光(内田)、月光(成田)。彼らを影狩りと呼ぶ。彼らはそれぞれ影により流浪の身となったので、金銭ずくばかりではなく、影には恨みを抱いているのだ。
裕次郎がこれでもかとばかり日活勢を率いてつくった娯楽時代劇(公開は東宝)。一瞬、主役はチコ(黒人)なのかと思うほど裕次郎の顔は焦げ茶色だ(しかもヒゲ面)。回想シーンでは色白なのでわざわざ黒く塗っているようだが(白い時も塗ってるけど)、その回想シーンが終わるやいなや成田が「顔色が悪いぞ」というので笑ってしまった。まったくです。ちなみにチコはどういう役かというと、天井の暗がりに忍ぶ隠密役。裸なので姿が隠れるという。気配を感じた裕次郎がハッと天井の隅を突くとドサッと落ちてきて「このような怖ろしい者まで使うとは」といわれて出番おしまい。裕次郎ヒドイ。
監督 舛田利雄
脚本 池上金男
原作 さいとう・たかを
撮影 金宇満司
美術 小林正義
音楽 石原裕次郎
    広瀬健次郎
石原裕次郎
内田良平
成田三樹夫
浅丘ルリ子
江原真二郎
本田みちこ
丹波哲郎
辰巳柳太郎
チコ・ローランド
「陽炎2」 ★★★
父の仇を探す女賭博師、とかだっけ?
小柳ルミ子と渡辺裕之が印象に残った記憶があるが……(もはや渡辺の白い服が格好良かったとかしか記憶にない)。
企画 奥山和由
監督・脚本
    橋本以蔵
脚本監修
    五社英雄(故人)
撮影 藤石修
音楽 奥居史生
    浦尾画三
高島礼子
小柳ルミ子
原田芳雄
田村英里子
田辺誠一
渡辺裕之
石橋蓮司
塩見三省
神戸浩
青木卓司
大島蓉子
宮崎彩子
北原佐和子
大森ゆかり
「下弦の月 ラスト・クォーター ★★★
矢沢あいの漫画という意識しかなく見に行ったら、いろんな人が出てくるので得した気分になった(しかもいつの間にか渋谷シネパレスにメンズデーができてた)。元が少女漫画なため、実写でその描写はないべというところがあるのが惜しい。
公式の順番では、たぶん黒川・落合ってのはHYDEの後くらいに来てると思う。狂言回しの役割なので主人公とはいえないし(シリーズの主役みたいな感じだけど、たぶんシリーズじゃないよね、これ)。
監督・脚本
    二階健
脚本協力
    関えり香
原作 矢沢あい
撮影 中山光一
美術 佐々木尚
衣装デザイン・スタイリスト
    中村安孝
音楽 `島邦明
黒川智花
落合扶樹
栗山千明
成宮寛貴
HYDE
伊藤歩
富田靖子
緒形拳
さくら
うじきつよし
小日向文世
大森南朋
陣内孝則
<日本映画−か 中編>