日本映画−か 中編

★は1個から5個の間でテキトーにつけてあります。
最新更新日:2004年12月29日
<日本映画−か 前編>
タイトル コメント
スタッフ キャスト
「風花」 ★★★★
小泉編と浅野編の2パターンある予告を見て、別々に話を進めて途中で合流するという構成だろうと思っていましたが、全然違いました。映画の進め方としては最初から一緒にいた。アル中のお役人とピンサロ嬢の(おそらく死に場所を探しているのだろう)北海道旅行。その途中途中に回想シーンが入る。
上級公務員の浅野は普段はエリート臭をプンプンさせているいけ好かないヤツだが、彼には弱点があった。アルコール。まったく前後の見境がつかないほどベロンベロンになってしまう。そのだらしなさが可愛い。ある日、ベロンベロンでコンビニの商品を持ち出してしまい、それが写真週刊誌に載る。上司からも親からも責められる。インポにもなってしまう(これは前からかも)。でも酒は飲む。
故郷の北海道でも風俗嬢だった小泉だが、鶴見と結婚して妊娠、幸せな家庭生活を営んでいたと思いきや、鶴見の事業が失敗、大借金、しかも鶴見は事故で死んでしまう(たぶん自殺)。子供を母(坊さんと再婚)に預けて東京へ出てきた。もう30歳を過ぎて風俗嬢として人気のあろうはずもない。
浅野と小泉はピンサロで出会った。ピンクのショートカットのカツラに安っぽいバカデカダイヤ風髪どめが可愛いキョンキョンは、30歳過ぎても全然イイです! 年くっていい感じになられました! などと私は思ってしまうのだが、なにしろ浅野くんはインポだし、小泉は本来の仕事よりも話し相手になってやり、お互いのもう死んじゃおうかなー、という気持ちが共鳴する。と書くとちょっと短絡的で、キョンキョンは子供に会ってくじけた心にカツを入れてもらうつもりで、二人で北海道へ行くことにした。
この回想が順番ランダムに、現在と同じ画質で入ってくるのだが、さすがにアトム・エゴヤン監督で馴れている私はまったく動じない。浅野と恋人・麻生(ホステス)のエピソードがいつ頃なのか迷ったくらいで、後はズバッとすべて丸わかり。とにかく回想に入ったら、瞬間的に回想だとわかるのであった。
1シーン1カットとか、気が向いたら複数シーンを1カットでやっちゃうゴリ押しの長廻しで有名な相米だが、今回はそんなこともなく、あるいはそもそも1シーンが短いので、そういうのはまったく気にならない。とても見やすい。ちょっとラストが迷った末のやっつけ仕事みたいな感じもする(これがハリウッドだと、いかにも主演俳優とかプロデューサーが変えさせたって感じに見える)のだが、まあ普通に予想される話になってもそれほど感銘を受けたりしないだろうから、後味のいいこっちでOKですよ。いや、最後にとどめの花吹雪が欲しかったか。
監督 相米慎二
脚本 森らいみ
原作 鳴海章
撮影 町田博
美術 小川富美夫
衣裳 小川久美子
音楽 大友良英
小泉今日子
浅野忠信
柄本明
香山美子
高橋長英
麻生久美子
鶴見辰吾
小日向文世
木之元亮
綾田俊樹
酒井敏也
尾美としのり
椎名桔平
寺田農(声)
野間洋子
山本真亜子
笑福亭鶴瓶(声)
「花実のない森」 ★★★
「死んで花実が咲くものか」という言葉もあるので「はなみ」かと思っていたが不安だったので受付でタイトルはいわなかったところ、ここ、ラピュタ阿佐ヶ谷では上映前のお知らせを小屋が狭いのでお姉さんが肉声でやる(これはなかなかオツですよ)のだが、それでは「かじつ」といってましたね。クレジットの左右の切れ方が「高校生ブルース」と一緒なのからして16mm上映だと思うのだが、これについては特に何もいってなかったな。
登場シーンで若尾文子が絶世の美女だというのを実感する。見てるうちにお馴染みのおばさん気分になったけど。でもこれ、「江波杏子の映画」っていうくくりで上映されたんだけどな。
監督 富本壮吉
脚本 舟橋和郎
原作 松本清張
撮影 小原譲治
美術 間野重雄
音楽 池野成
若尾文子
園井啓介
江波杏子
船越英二
田村高廣
角梨枝子
川畑愛光
仲村隆
浜村純
吉葉千郎
川島真二
響令子
「花芯の刺青 熟れた壷」 ★★★★
日活ロマンポルノ
歌舞伎役者(女形。十八番は「道成寺」)の息子を、母(紙人形師)と娘が取り合う、しかも歌舞伎役者と関係のあった母(初めての男と思われる)は全身に刺青をするという、赤江瀑ファン涙々の和耽美物。舞台が京都でないのが惜しまれる。
ところでこのちょっと前に福助と牧瀬の「道成寺」映画の予告で聞いて「へぇ〜」と思ったのだが、「どうじょうじ」の発音ですね、これ私はずっと「道場・痔」というイントネーションで読んでましたが、牧瀬・福助ともに「堂・情事」という風に読んでまして、これでも玄舟さんはそう読みましたね(娘は私と同じ発音でした)。これが正しいんでしょうか(京風なの?)。
監督 小沼勝
脚本 松岡清治
撮影 森勝
美術 土屋伊豆夫
音楽 樋口康雄
舞踏 花柳玄舟
挿入歌
    カルメン・マキ&OZ
谷ナオミ
北川たか子
中丸信
花柳幻舟
蟹江敬三
長弘
結城マミ
小見山玉樹
北上忠行
近江大介
水木京一
伊豆見英輔
「ガス人間第一号」 ★★★★
銀行強盗。逃げる車。追うパトカー。乗っているのは三橋刑事。辿り着いたのは日舞の家元・八千草さんちの近く。犯人の姿なし。最近はおちぶれた八千草さんは執事がわりのドゥビドゥバー左卜全と住んでいた。八千草が怪しいとにらんだ三橋は尾行する。図書館で浮世絵の本などを見ている。踊りの参考にするので時々来ると教えてくれたのは司書の土屋。ところで強盗の手口は鉄格子で覆われた鍵かかってる金庫に入り込んで金を盗んでくる。あれ、これじゃ強盗じゃないな。でも鉄砲撃ったりしてたしな。まあ、そのような強盗が連続して行われている。犯人が捕まるが、便乗犯だったらしい。踊りの発表会関連で八千草が使った金に、銀行から盗まれたナンバーのものが混じっていた。重要参考人。新聞記者を引き連れ「僕が犯人だ」と名乗り出る土屋。実地検分で、フワーッとガス状になって鉄格子を擦り抜ける土屋。ある博士の人体実験でガス人間にされてしまった彼は八千草に恋をしていたのだ。
若い八千草さんは初めて見ました。というか、これ昔に見てますけど、俳優まで気にしてませんでした。お年を召した八千草さん(「岸辺のアルバム」以降ね)についてはナヨナヨした女という印象で好きではなかったのですが(声の関係もあります)、若い頃はキリッとしていてなかなかいいですね。でも、何を考えているのかわからないのはいいんだけど、男からポンと得体の知れない金を渡されてホイホイ使っちゃう女のドロドロした部分ってのがもうちょっと欲しかった(当然のように官能シーンがともなうであろう)。あと日舞のシーンが長い。
ガス人間というのは、顔とかがボヤボヤッとなりあちこちから煙が出て服がストンと床に落ちる程度で(服着たままペチャンコになって鉄格子抜けたりすることの方が多い。裸で歩き回るのもナンだし、毎回服捨ててちゃもったいないから)さほどイカしたものでもありませんが、顔がボヤ〜ッとする過程の表情が泣いているみたいに見えて、さまようエクトプラズム=魂みたいなガス人間の本質が表れてます。我ながらカッチョイイことをいいました。博士が何をつくろうとしていたのかよくわかりませんが(土屋は身長とかの問題でパイロットになれず、それを補うスーパー人類に改造するとかいう話だった)、ガス人間ってのは失敗の産物で、土屋は恨みとかいっぱい抱えているのだ。それが八千草に出会って、方法は間違っているのだけど、とにかく愛を知り、最後は浄化されるという、ストーリーからして魂の物語なのである。
今回、ガス人間の最大の失敗は、必要ないのに車で逃げ、しかも八千草さんちを目指してしまったという点である。ガスになってフワ〜ッと逃げればいいのだし、金を渡すのはいつも図書館で本にまぎれてやっているのだ。どうしてこんなヘマしちゃったんだろう(服がもったいないからか)。ていうか、ここ脚本の失敗。八千草さんが盗まれたナンバーの金を持っていたってとこから始めればいいのだ。
監督 本多猪四郎
特技監督
    円谷英二
脚本 木村武
撮影 小泉一
音楽 宮内国郎
三橋達也
土屋嘉男
八千草薫
佐多契子
伊藤久哉
田島義文
小杉義男
村上冬樹
左卜全
佐々木孝丸
山田巳之助
松村達雄
宮田羊容
三島耕
野村浩三
山本廉
松本染升
堤康久
山田彰
広瀬正一
中村哲
 塩沢とき
 熊谷二良
 坪野鎌之
 緒方燐作
 榊田敬二
 岡豊
 山田圭介
 権藤幸彦
 草間璋夫
 松本光男
 佐藤功一
 安芸津広
 渋谷英男
 橘正晃
 黒田忠彦
 藤野珠美
 伊藤実
 大前亘
 速水洸
 鈴川二良
 広田新二郎
「風の絨毯」
日本・イラン
★★★
柳生美結ちゃんが可愛いってのにつきる。
ソニー・ピクチャーズが、リュック・ベッソン(「WASABI」「キス・オブ・ザ・ドラゴン」)みたく、ワーナー(「さくや 妖怪伝」)とか20世紀フォックス(「OUT」)みたく、非ハリウッド作品の製作に手を出したワールド・シネマ部門(極東事業部、みたいの)の第一回作品。
岐阜の伝統的なお祭りの山車職人の三國さんは、ペルシャ絨毯を飾りに使おうと考えた。輸入商の榎木は妻・夕貴のデザインをイランの工房に送り、それで織ってもらうことにした。だが夕貴は完成品を見ぬまま、娘(小学生)のさくら(美結)の目の前で交通事故に合い、亡くなってしまう。榎木はさくらを連れてイランに絨毯を取りに行った。だが工房のオヤジは不動産財テクに忙しく、絨毯のことはすっかり忘れていた。折衝係兼通訳のキアニアンは、ただでさえ妻の死でガックリ来ている榎木が立ち直れなくなるのではないかと本当のことがいえない(当然商売を成立させたいという思いもある)。雑用係のアフマジュー少年はさくらちゃんに一目惚れ。このままでは彼女が明日にも帰ってしまう。そこで、あの人とこの人を呼んで三交代制とかで突貫作業をすれば間に合うのではないかと提案する。ううむ、何の工夫もないなあ。
タイトルは、絨毯に使う毛糸を染めたのを乾かすために風に当てるとこから来てるのかな。火とかで乾かしたのではダメで、太陽と風が必要なのだ。最初は子供たちがかついでワーッと走り回るのだが(乾いてないのをかつぐので、戻ってきた時には服が汚れているが、汚れ方が不自然すぎ)、2回目は榎木とキアニアンが車から外へ毛糸出して走る。昔、萩本欽一が朝シャンしてドライヤーを使わず、テレビ局までのタクシーの窓開けっ放しで乾かすのだといっていた(当時の朝シャンなんてのはもう、ハイカラ! というより、小原庄助さん?)のを思い出した。関係ないか。
ストーリーとしては、ただ急いで絨毯を織って間に合わせました、というだけで何の面白みもなく、たぶん、母を失った子供もイランの暖かい人の心に触れて癒されましたっていうのをやりたいのだと思うのだが(あとイランの文化を紹介したいとかいう雰囲気もあった。絨毯の織り方もわかったし)、特に何かきっかけとなるエピソードもないので、ただ単に時間が解決したってのと変わらない(イランにはひと月以上いる)。三國と榎木が微妙にコミカルな演技をしているのは、監督の意図と齟齬があるような気もするのだがどうなんだろう。まあそれより、ほら、どうしたって可愛い子に目が行くわけだから、初恋にドキドキしてるアフマジュー少年に感情移入するわけさ。例によって一応書いとくとハァハァしたりするロリコンなわけじゃなくて、俺も子供の頃の美少女にドキドキしたりする純な心を取り戻したいぜ、とか、そういうノスタルジックな見方をしたのです。他に、キアニアンの、どうやら子供が欲しいのにできない奥さんとか、いろいろ描写が深いんです、というフリをしてるとこがあちこちにあるが、そういうのは余計だと思いました。その奥さんとさくらちゃんの絡みで相米慎二「お引越し」ラストシーン(=ラストカット)そっくりな絵があったりして、女の子の成長について云々とか、カッコつけて論じたいところだが、もちろん私はそういうことは考えず、やっぱりアイドル育成に定評のある相米なんだし「お引越し」も普通に美少女でやった方がよかったかなあ(田畑智子さん、すみません)とか考えていたのだった。
監督 カマル・タブリーズィー
脚本 モハメッド・ソレイマン
    今井雅子
撮影 ハッサン・プーヤ
    宇井忠幸
美術 マジッド・ミルファクレイ
    間瀬広伸
衣装 マジッド・ミルファクレイ
    西野泰子
音楽 ペイマン・ヤザニアン
柳生美結
ファルボー・アフマジュー
榎木孝明
レザ・キアニアン
工藤夕貴
三國連太郎
「家族ゲーム」 ★★★★
例の5人横並びの食卓を見ていて、松田優作も伊丹十三ももういないんだよなあとか考えていたので、戸川純が出てきた時つい3人目かと思ってしまった。
この映画についてはいろいろわからないところもあるのだが、一番わからないのは成績がクラスでビリの「ブスの浜本」というキャラである。この子はかなり可愛いように見えるのだ。まあ、私の子供の頃を思い出しても一番のブスってのは話の流れで決まっていたように思うからなあ。
監督・脚本
    森田芳光
原作 本間洋平
撮影 前田米造
美術 中沢克巳
照明 矢部一男
編集 川島章正
助監督
    金子修介
松田優作
宮川一朗太
由紀さおり
伊丹十三
辻田順一
土井浩一郎
加藤善博
佐藤真弓
阿木燿子
伊藤克信
松金よね子
鶴田忍
 戸川純
 岡本かおり
 白川和子
 佐々木志郎
 植村拓也
 前川麻子
 渡辺知美
 松野真由美
 中森いづみ
 小川隆宏
 清水健太郎
「火宅の人」 ★★★★
煩悩に焦がれて抑えの効かないことを、火災にあった家に喩えて「火宅」という。
昔、太宰治(岡田)の友達で中原中也(真田)とかと議論を戦わせていた作家・桂一雄(緒形)。去年次男が日本脳炎にかかり寝たきりになってしまったことから、妻あゆみが神懸かりになってしまいウンザリ、10年前から知り合いの新劇女優・美枝子と関係してしまう。ごめんなさいと告白すると妻は出ていってしまう。子供の世話は前から来ていた家政婦や看護婦にまかせ、一雄はホテルにこもって、これまでの顛末を赤裸々につづる。雑誌に連載する。一雄は美枝子と同棲する。編集者のアトムも心配するが、「僕には今これしか書くことがないんです」と一雄はとにかく全部書いてしまうのだった。
という男女のゴタゴタが前半。ゴタゴタが行き着くとこまで行ってしまい、後半、一雄は放浪の旅に出る。たまたま、以前助けてもらったことのあるホステス慶子と船上で再会、九州の五島に帰郷するという彼女と同行する。旅先でも状況を書き続ける。
テレビで見たんじゃないかと思っていたが、前半見ていてよくわからん、原田美枝子の記憶がない。しかし、後半は確かに知っているようで、どうも後半だけ見たようなのでした(当時は裸の出る文芸大作ということで、五社英雄かと思っていた節もある)。
世間から見ると無頼派でかっこいい感じかもしれんが(読んでないから知らない)、実状はただ責任逃ればかりしている情けない男。いや、美枝子が妊娠したときなど「責任は取るよ。認知する」とかかっこつけていうのだが、決して自分からは何もせず、「決断するのは君だ」と大人ぶって結局はあなた任せのダメ男だ。と、つらつら悪口を書きましたが、別に彼のことは嫌いじゃないです。でももうちょっと自分が逃げてるんだってことをマイナスに感じてくれてもいいんじゃないかと。
それはそれとして、深作ってのは実は映像派の監督なんじゃないかということを感じた。前半の室内を中心とした照明の妙、後半の雄大な背景。特にこれはと思ったのは、崖っぷちを行く二人。画面下半分以上が崖で、ここにサーッと雲の影が走る。ただ天に味方されているだけかもしれないが、こんな絵はそうそう撮れるもんじゃない。現場に行ったら雲の影があって、これは使えるぞと待ったのでしょう。そんなことしてるから深夜作業組といわれてしまうのだな。でも、この松坂パートは本筋からいえば寄り道で(「あしたのジョー」でいうと、力石の死からカーロスの登場までのドサ回りの辺り)、あんまり一所懸命やることでもないのだけれど。
辛気くさい文芸物はゴメンですが、これはテンポもあって人々が熱くぶつかり合い面白い(いしだはちょっとヒヤッとさせてスリリング)。たとえば宮本輝の「花の降る午後」とかも大森一樹にやらせたら軽いコメディ・タッチのエンタテインメントになったように、辛気くさそうなものは娯楽系の監督にやらせるべし。
檀ふみは、回想シーンの一雄の母役。ということは自分の祖母を演じたということですな。
監督 深作欣二
脚本 神波史男
    深作欣二
原作 檀一雄
企画協力
    檀太郎
撮影 木村大作
音楽 井上堯之
緒形拳
いしだあゆみ
原田美枝子
松坂慶子
利根川龍二
一柳信之
大熊敏志
檀ふみ
石橋蓮司
井川比佐志
荒井注
下条アトム
山谷初男
宮内順子
岡田裕介
真田広之
澄川真琴
「カタクリ家の幸福」 ★★★★
<第14回東京国際映画祭参加作品>
ストーリーは原案映画の方をご覧ください。
ストーリー的な変更点は、まあラストの大団円(書きません)と、家族に祖父=丹波さんがいることで、彼の役目は孫を守ることだ。元映画でも長女の淡い恋愛が描かれていたのだが、今回、子持ち出戻りの長女・西田は、キヨシローと激しい恋に落ちてしまう。キヨシローは、リチャードというイギリス王室の親戚で米軍のエース・パイロットその他諸々の素敵な外人役だ。じゃなくて、いかにも胡散臭い結婚詐欺師役だ。丹波さんは彼から西田を守るために雄々しく戦うのだ。
で、この丹波VSキヨシローとかオープニングとかクライマックスとかでクレイ(粘土)アニメが登場(スタッフのクレジットでは「3Dアニメ」)。これはやめてもらいたかった。だって貧乏くさいんだもん。これが意外と長くてね。しかも大して役者に似てないし。貧乏の話をするなら、これがビデオ撮りだってことも書いておかなくちゃ。最新技術のどうのこうのっていうんじゃなくて、単に安い早い楽ちんでビデオにしましたっていう気配が濃厚。そんなにヒドイ画質じゃないけど。
最大の特徴はもちろんミュージカルであることだ。これは最初の掴みは失敗しているが(だって一曲目は塩田が暗い声で唸るんだもん)、後はいいです。画面(字幕! ミラーボール!)から何からカラオケ仕様でわかりやすいので研二と慶子の歌がクローズアップされてますが(私もシングル買ったけど。演歌コーナーで)、私はキヨシロー絡みの歌が一番好きです。
これはねー、新感線のバカ系芝居を見に行く時のような態度(インド映画でもいいけど)で臨むことが大切です。公開終了間際には、客席からインド映画のごとき(練習を重ねた)手拍子が出るかも、というような映画。「ぴあ」の出口調査で30点つけようとかいう態度で行っちゃあ楽しめないし、それは勿体ないです。
監督 三池崇史
脚本 山岸きくみ
原案 「クワイエット・ファミリー」
撮影スーパーバイザー
    山本英夫
撮影 野村明生
音楽 馬飼野康二
    遠藤浩二
振付 近藤良平(コンドルズ)
3Dアニメ監督
    キムラヒデキ
沢田研二
松坂慶子
西田尚美
武田真治
丹波哲郎
宮崎瑤希
ガタピシ(犬)
忌野清志郎
遠藤憲一
濱田マリ(声)
竹中直人
森下能幸
絵沢萠子
塩田時敏
中谷由香
めぐろあや
磨呂
有薗芳記
畠山明子
<学校の怪談>シリーズ 「学校の怪談2」
「学校の怪談3」
「学校の怪談4」
「加藤泰。映画を語る」 ★★★
16mm/ドキュメンタリー作品
特に何を語ろうというものでもないので、星つけなくてもいいか。
「緋牡丹博徒 お命戴きます」のメイキング映像や、イタリアの映画祭で回顧上映された時の佐藤忠男や鈴木清順を交えた旅行の模様に、加藤泰の講演の音声が入ったもの。低いカメラアングルは、もはや自分の映画のトレードマークなので使っているだけだなどと嘯く。固定アングルの長回しについては、昔はスクリーンの中の世界を大きく見せようとカメラを一所懸命に動かしていたが、誰やら偉い監督から、見える部分は見えるとこまでの有限世界に過ぎないのだといわれて、見えないスクリーンの外側の無限を見せようと努力しているのだという。講演については、ほぼ同内容の書籍あり(筑摩書房リュミエール叢書)。
旅行ではメシがうまいとかしかいってない。鈴木清順は別グループだったのだが、メシがまずいので移って来たそうだ。
シナリオ打ち合わせというコーナーで、監督の語る大バコ(準備作品「好色五人女」かな)を熱心に聞いていたのは、最初は中島丈博かと思ったが、やっぱりあれは水野晴郎なのかなあ。閣下に熱心に語ってもしょうがないよなあ(失礼)。
監督・構成
    安井喜雄
 
「加藤隼戰闘隊」 ★★★★
「撃ちてし止まむ」
どこが特撮でどこが記録フィルムかわからないんだよ、というと相当ほめているようですが、いやあ、これほとんど記録フィルムだと思うね。「トップガン」はこれのパクリだと思うね。
演出 山本嘉次郎
脚本 山本嘉次郎
    山崎謙太
撮影 三村明
照明 西川鶴三
美術 松山宗
音楽 鈴木静一
特殊技術
    円谷英二
後援 陸軍省
藤田進
河津清三郎
河野秋武
中村彰
生方明
沼崎勲
隆野唯勝
松尾文人
木村功
鳥羽陽之助
清水将夫
志村喬
清川荘司
黒川彌太郎
大河内傳次郎
高田稔
灰田勝彦
崔雲峯
「悲しくなるほど不実な夜空に」
<ディープ、クレイジー 映画(フィルム)
お父さん・古河、お姉ちゃん・葉月、弟・澤田。いい年こいた弟はブラブラするばかりで一向に働く気配がない。お姉ちゃんは何か仕事してるらしい。お父さんがリストラされた。再就職もままならず、葉月に生活費をくれろと頼む。なんであたしなのよ、と澤田をにらむ。とにかく、一家はお姉ちゃんの金で暮らす。この時点でお父ちゃんは確かに再就職は大変だろうが、股引姿で昼間っから酒を飲むヒモ・モードである。ある日、お父ちゃんはビデオ屋で葉月らしき女がジャケットのスカトロAVを借りてくる。見て愕然とする。どう見ても葉月だ。股引姿で酒かっくらって葉月を責めるお父ちゃん。「出てけ」。出ていく葉月。しかし数日後には澤田を金の無心に行かせるお父ちゃんであった。「あんたたち、あたしのウンコで喰ってるんじゃないの」
一見、葉月は暮らしのためにスカトロビデオに出たように見えるが、たぶん前から出ているのだと思う。本人はイヤイヤやってるフリをしているが。ということがいいたいのではなくて、こういうダメ親父が子供に見捨てられずにいることが不思議でならないのだ。娘の金で暮らしていながらAVを見ようって態度も問題だが(ちなみに私にはジャケットの女は葉月には見えませんでした)、説教するときくらいちゃんとしたカッコしろよ。というか、もちろん説教する権利なしである。葉月は葉月で開き直るべきである。(一家を支えるスカトロ出演というフリをしているのだから)普通「だったら父さん死んでよ」くらいいうだろう。リアクションがスカトロ女優の態度ではなく、それなら彼女が悩んでいるシーンとかあってしかるべきだと思うが、そういうのはない。
とにかくダメーな感じの人々をだらだら描くのがエンターテインメントより偉いと思っている(ように見える)映画はダメだ。
監督 宇治田隆史
脚本 宇治田隆史
    向井康介
撮影 近藤龍人
    向井康介
音楽 赤犬
葉月螢
澤田俊輔
古河潤一
川島佳帆里
小澤義明
前田博通
尾上恵美
美口やよい
小川トト
「カナリア」 ★★★★
東京フィルメックス オープニング作品
オウムの子供のその後を描く(この作品はフィクションであり、実在する人物・団体とは関係ありません)。Q&Aで「本人たちに取材したのか」という質問が出て(外人からだったかな?)、監督は「接触できませんでした」と答えていた。今のオウムのドキュメンタリー「A」(見てません)を撮った森達也の後輩なんだし何とかならんかったと思うが。いや私は別に取材しなくてもいいと思うんですけど。
監督・脚本
    塩田明彦
撮影 山崎裕
照明 佐藤譲
美術 林千奈
音楽 大友良英
エンディングテーマ
    向井秀徳
イメージソング
    「銀色の道」
    浜田真理子
石田法嗣
谷村美月
甲田益也子
西島秀俊
戸田昌宏
水橋研二
井上雪子
りょう
つぐみ
「歌舞伎町案内人」 ★★★★
ノンフィクションが原作で人物にもモデルがいますがフィクションです、という言い訳テロップが出る。なんとか頑張って歌舞伎町のジョイシネマ3とかトーアのレイト辺りでやって欲しかったが(コマ東宝が一番ふさわしいが)惜しくもテアトル新宿のレイトでした。
監督 張加貝
脚本 神波史男
    南木顕生
原作 李小牧
撮影 田中潤
美術 井上心平
スタイリスト
    小里幸子
北京語・京劇指導
    張春祥
音楽 SATORU
主題歌
    小野正利
チューヤン
山本太郎
坂井真紀
舞の海
ガッツ石松
瀧沢慎一
李丹
上田耕一
木下ほうか
黄奕
徳井優
張春祥
<日本映画−か 後編>