日本映画−し 前編

★は1個から5個の間でテキトーにつけてあります。
最新更新日:2004年07月12日
<日本映画−さ 後編>
タイトル コメント
スタッフ キャスト
「シークレットワルツ」 ★★
監督 野火明
脚本 野火明
    斉藤ひろし
原案 野火明
    徐克(ツイ・ハーク)
撮影 上野彰吾
伊崎充則
石堂夏央
堤真一
高田純次
佐藤允
山崎一
「GTO」 ★★
人手が足りないので北海道の高校に派遣された見習い教師、鬼塚栄吉・童貞は、強盗事件の犯人に間違われつつ、なんか生徒の自殺止めたり気球に乗ったりする、というような話だったと思う。スタッフはテレビ版とはまったく別で、フライデーの反町との交際報道で講談社とケンカした松嶋菜々子は出演していない(という騒動が持ち上がるのは映画の後かも。ラストで東京に帰ってきて特別出演するんじゃないの? とか気楽に考えていた記憶がある)。代わりのマドンナに新聞記者の藤原紀香。おお、これも寅さんみたいに地方回ってマドンナが出て、っていうシリーズにするといいかもしんない。
監督 鈴木雅之
脚本 田辺満
    長谷川隆
原作 藤沢とおる
撮影 浜田毅
音楽 服部隆之
主題歌
    反町隆史
反町隆史
藤原紀香
田中麗奈
笠原秀幸
夏八木勲
酒井敏也
角替和枝
甲本雅裕
西村雅彦
上田耕一
戸田恵子
 宇梶剛士
 伊藤俊人
 畠山明子
 白井晃
 梶原善
 阿南健治
 田山涼成
 モロ師岡
 今福将雄
 妻夫木聡
 忍成修吾
「シェイディー・グローヴ」 ★★
監督 青山真治
脚本 佐藤公美
    青山真治
撮影 田村正毅
音楽 山田勳生
    青山真治
粟田麗
ARATA
関口知宏
光石研
斉藤陽一郎
浅見小四郎
中野若葉
江角英明
矢島健一
塩見三省
「四月物語」 ★★★★
たしか最初はシネ・アミューズでかかったんだと思うけど、ちょうど定期的にかかる渋谷の単館行きたくない病かなんかでパスしてました。
今回は「花とアリス」の公開に関連した岩井俊二特集です。「花とアリス」の当日券か前売券を持っていると割引、リピーターも割引です。「花と」シリーズのハシゴを目論む私はまだ「花とアリス」は見ていないのですが(子供用→大人用という流れのハシゴがしにくい時間割なんだよね)前売券は持っておりました。受付で見せると券はお兄ちゃんに引ったくられてしまい「お願いします」と奥のお姉さんに渡されました。その間に私は1000円を払い(ホント俺1000円の映画が好きだなあ)、券は裏に「テアトルダイヤ」というハンコを押されて戻ってきて「この券はもう割引に使えませんので次回はこちらをお持ちください」とピンクの当日券の半券を渡されました。これだ! 私が前々から銀座シネパトスにいいたかったのはこれなんですよ! いやね、銀パトは見せるだけでOKだからさ、割引に使える半券がドンドン溜まってっちゃうですよ。それこそ1200円を券売機に入れつつある人にあげられるくらいにさ。やっぱり半券提示式割引は1回こっきりってのがシステムとして正解だと思うね(雑誌やチラシ割引は何度でも使えなきゃ嘘)。
東京の武蔵野大学に進学した卯月(うづき。いうまでもなく四月ね。松)は北海道から実家族(松本家ご一統)と駅員(塩見)に見送られて旅立った。荷物は多すぎて部屋に入らなかった。引越屋A「布団が二組あるけど」引越屋B「それ要らない」引越屋A「友達が来たりしたら」引越屋B「友達なんて来ないよ」卯月「……」引越屋B「俺の時は来なかった」。隣りに挨拶に行った。ちょっと暗めのお姉さん(藤井)だった。卯月は自転車を買った。ちょっと町が身近に思えた。武蔵野堂という本屋を探して出かけた。映画館で50年代前半の製作と思われる白黒の時代劇を見た。ちょっとだけだけど「髑髏城の七人」より面白そうだった。ジリジリと寄ってくる痴漢(未遂。光石)がいた。怖くなって外へ出た。学校では厚めのセーターを笑われた。確かに半袖でいいくらいだった。なんだかギョロ目の同級生(留美)が近づいてきて、それなりに友達になった。彼女に釣りのサークルに誘われた。部長さん(津田)はそれなりにカッコよかった。武蔵野堂へ行った。お隣さんを食事に誘ってみた。武蔵野堂へ行った。いつもの女性の店員でなく男性の店員(田辺)がいた。卯月はちょっとドギマギした。
という、いたって普通の新生活、始まりの物語。篠田昇の例によって光入れすぎ、おいおいそこピンボケじゃねえか、という空気感あふれる撮影がとても春らしさを表していてよい。のちにこの人がいち早くデジタル化を推進するというのが嘘のようである。
舞台は、まあ武蔵野市だわな。しかし空は広く、これまた広い道路は一直線で、国立の方とか奥に行くとこうなんじゃないかと思ったら、歩道橋に「国立市どこそこ」と書いてあり、しかし建物がこんなに近代的でいいのだろうかと思ったらエンドクレジットを見る限り例によって幕張とかそっちの方でもロケしているようだ。とりあえずですね、女子大生の素敵なキャンパスライフの始まりにはふさわしい風景なんですけど(っていうか、背景が白めの少女漫画ね)、「東京」にしてはゴミゴミ感が足りない感じでした。それはもちろんねらったのであろう、と。
関係ないけど、卯月のカレーライスの置き方が一般と逆の、向かって左にライス、右にルーだったのが嬉しかった。おそらくイギリス辺りから来て「月刊食堂」とかで推奨していると思われる左ルー右ライスは気に入らないので、俺は置かれたらいちいち回してるのよ(そうすると福神漬けとか最初から載せてある場合、福神漬けが手前に来ちゃうわけだが、それも気に入らないのでまず向こう側に引っ越させるよ)。和食だったらご飯は左でおかずは右だろ。カレーライスなんて和食だよ、キミ。
他の出演者。実はあがた森魚と並んでマイ・フェイバリット・ミュージシャンであるところの加藤和彦は、役名も加藤さんというなんだかエグゼクティブな人で、クライマックスにゲスト的に出演。時期的にいって当時見たらTV版「エコエコアザラク」(佐伯日菜子)組という認識だっただろう、太田有美は卯月の高校時代の親友、つぐみは同後輩でした。この頃のつぐみはポッチャリ型ですね。
私は久しぶりに女の子に生まれたかったよと思うのであった。

この岩井俊二特集、実は来週はこれ ↓ です(驚いたね、どうも)。
監督・脚本・編集
    岩井俊二
撮影 篠田昇
照明 中村裕樹
美術 都築雄二
劇中映画美術
    亀田潔
    荒木謙一
スタイリスト
    申谷弘美
音楽 CLASSIC
助監督
    行定勲
松たか子
田辺誠一
藤井かほり
留美
加藤和彦
津田寛治
松本幸四郎
藤間紀子
松本紀保
市川染五郎
塩見三省
光石研
つぐみ
 太田有美
 梅田凡和
 窪園純一
 峰野勝成
 城明男
 館山由紀
 江川加絵
 菊田由美子
 矢沢春樹
 田京恵
 落合太郎
 地曳豪
 川瀬忠行

劇中映画
「生きていた信長」
江口洋介
石井竜也
伊武雅刀
「式日(SHIKI-JITSU)」 ★★
シナリオに行き詰まった映画監督、ぶらり旅。線路に横たわる少女に出会う。「危ないよ」「これは儀式なの」興味を持つ監督。「明日はあたしの誕生日なの」少女は廃ビルに一人で住んでいた。翌日会うと、いやいつ会っても彼女は「明日はあたしの誕生日なの」という言葉を繰り返すのだった。
ゲージツですね。ピーター・グリーナウェイと黒沢清を足した感じ。ときどきイメージシーンでアニメあり。
大竹しのぶが出ているせいか、石井隆「死んでもいい」を思わせるところがある(そう思うのはたぶん私だけだろう)。
岩井俊二のモノローグを松尾スズキが、藤谷文子のモノローグを林原めぐみが当てるという珍しいことをしている。
ティーチ・インは庵野と藤谷セットで登場。
監督・脚本
    庵野秀明
原作 藤谷文子
撮影 長田勇市
劇中ビデオ撮影
    岩井俊二
音楽 加古隆
主題歌
    Cocco
岩井俊二
藤谷文子
大竹しのぶ
村上淳
松尾スズキ(声)
林原めぐみ(声)
「資金源強奪」 ★★★★
名前が平仮名になったせいか(だって、そう出るんだもん)演出が若い、というか、とにかく元気一杯で活きが良くハイテンポ。まさに快作である。
監督 ふかさくきんじ
脚本 高田宏治
撮影 赤塚滋
美術 井川徳道
音楽 津島利章
北大路欣也
梅宮辰夫
川谷拓三
室田日出男
名和広
安部徹
太地喜和子
渡辺やよい
小泉洋子
芹明香
天津敏
今井健二
西田良
林彰太郎
 丸平峯子
 鈴木康弘
 岩尾正隆
 北村英三
 中村錦司
 小田正作
 曽根晴美
 奈三恭子
 木谷邦臣
 藤沢徹夫
 福本清三
 山城新伍
 松方弘樹
「死国」 ★★★★
監督 長崎俊一
原作 坂東真砂子
脚色 万田邦敏
    仙頭武則
撮影 篠田昇
音楽 門倉聡
主題歌
    米良美一
夏川結衣
筒井道隆
栗山千明
根岸季衣
大杉漣
佐藤允
諏訪太朗
大寶智子
「地獄」で始まる映画
「自殺サークル」 ★★★★
<東京国際ファンタスティック映画祭2001参加作品>
出だしが一番スゴイので、書こうか書くまいか、ついさっきまで悩んでたんですけどねえ、やはりこれ書かなきゃ始まらないでしょう。
あれは夜9時過ぎでしたか、JR新宿駅中央線の下りホームかな、女子高生が三々五々やって来まして、全部で50人くらい、「白線の後ろに下がってお待ちください」、アナウンスが流れますと、ゾロッと白線のとこに並びまして、みんな仲良く手をつないで、ガーッと電車がやって来る、光るライト、きしむブレーキ、ズラッと並んだ女の子たち、屈託のない表情、ぶらんぶらんと手を揺すり、「いっせーのせっ」、(略)、線路からホームからお客さんから辺り一面真っ赤。
いきなりか、おい! 気配が怪しいので出ようかという良識ある方々も逃げ出す暇なしの惨劇でございました。もう逃げられません。
引き続き夜勤の看護婦の宝生さんやらさとうさんも飛び降り。
これに便乗したような自殺騒ぎも多発。
石橋、永瀬、麿、迫ら刑事たちも頭を抱える大量自殺。そこへ匿名の嘉門から、あるホームページに、ニュースが流れる前から自殺者の数を掲載するところがあると教えられる。そこからたどって謎の人物に行き当たる石橋。嘉門は嘉門で調べて行き当たったのは歌うROLLY。
それとは別に現場からたくさんの人間から切り取った皮膚の一部をつなげたトグロ状のものが発見される。どうやら被害予定者のものらしく、その数は、……忘れましたが、膨大な数。警察は自殺ではなく、自殺幇助または殺人という線で巷で噂される自殺サークルを追う。
その頃、テレビ業界では小学生くらいの女の子のグループ歌手が人気を博していた(謎)。
萩原さんは次に自殺しそうなので永瀬が追う女子高生で、この映画のキーパーソン(早く公開しないと彼女の暗号解読も古臭くなってしまう)。
さすがに映像詩人(?)の園子温、最後は、わかんねえよ! という感じに終わってしまうのですが、そこまではエンターテインメント(鬼畜)に徹してまして、テーマも「みんな自分のことしか考えないんだもん」とわかりやすい。いや、このテーマで最後まで行っているのかはわからないのですが。
公開されるや賛否うずまくのが必至な作品、とりあえずもう一回見せてくれ。サントラも売ってくれ。
監督・脚本
    園子温
撮影 佐藤和人
音楽 長谷川智樹
石橋凌
永瀬正敏
麿赤兒
迫英雄
萩原明(さよ)
嘉門洋子
ROLLY
宝生舞
さとう珠緒
余貴美子
北見敏之
倉本美津留
夏生ゆうな
鈴木桂子
奥野敦士
長澤奈央
「死者の学園祭」 ★★
演劇部の女子高生飛び降り自殺。彼女は妊娠していた。部長で友人のフカキョンは彼女の残した台本を学園祭に上演しようとする。それは学園の過去の実話を元にした芝居だった。学園の設立者の娘とドイツからやってきた美術教師の恋。彼には妻がいた。で、えーとなんか知らんが娘はピアノを弾き続け、教師は行方不明になってしまうのだった。よくわからん。台本の入っているフロッピーには「民数記××章」という言葉とともに数字が書いてあった。よくわからんが学校のコンピュータにも似たようなことが書いてある。謎の転校生がやってきた。フロッピー持ってた部員は転校生と会う約束をしていた放課後にひき逃げされる。フロッピーは何者かに抜き取られる。転校生は会えなかったという。フカキョンの親父は学校の美術館の館長で、イギリスから来た教師の伝手でなんか知らんバカ高い絵を買ったりしていた。そのイギリス教師にベタ惚れの生徒はピアノ弾いてて落ちてきたライトに当たって死んでしまう。フカキョンは倉庫にもぐりこんで怪しいオークションの現場を覗いてしまう。そこでまた「民数記」が出てきた。その他もろもろいろいろなことが起こるのであった。
が、私にはどれもこれもすべてバカバカしいようにしか思われないのであった。画面もカット毎はいい感じの照明なのだが、全体として見ると暗いのであった。これは最後のシーンをより明るく見せるための工夫なのかもしれない。
そして「新宿少年探偵団」のときにも思ったのだが、やはりフカキョンには華がないように思われてしかたないのである。その上今回は演技力もないようなのであった。ときどきタイムピンク・ユウリみたいに見えるのはいいのか悪いのか。
たぶん全校生徒が集まってると思われるシーンでも生徒は100人くらいしかいないようであった。演劇部は10人くらいいる。
監督 篠原哲雄
脚本 安倍照男
    山田珠美
原作 赤川次郎
    (長編第一作)
撮影 祭主高秀
音楽 溝口肇
主題歌
    深田恭子
深田恭子
加藤雅也
内田朝陽
セイン・カミュ
筒井康隆
根津甚八
宮崎美子
林知花
坂本三佳
黒澤優
上田耕一
金子貴俊
<したがる兄嫁>シリーズ 白衣と人妻 したがる兄嫁」
したがる兄嫁2 淫らな戯れ」
新・したがる兄嫁 ふしだらな関係」
「7月7日、晴れ」 ★★★★
サラリーマンとアイドルの恋。夜景。
すみません。泣いちゃいました。ロマンチストなんだよう。
監督 本広克行
脚本 戸田山雅司
撮影 袴一喜
音楽 DREAMS COME TRUE
萩原聖人
観月ありさ
田中律子
榊原利彦
うじきつよし
Taeco(西野妙子)
升毅
伊武雅刀
きたろう
山本太郎
仲谷昇
西岡徳馬
宮本大誠
西村雅彦
高杉亘
大村彩子
「69 sixty nine」 ★★★
監督 李相日
脚本 宮藤官九郎
原作 村上龍
撮影 柴崎幸三
美術 種田陽平
スタイリスト
    三田真一
衣裳 森幸代
オープニングタイトル
 演出
    清水修
    田村香織
 スタッフ
    久保コレオ
    和氣ゆか
音楽 中シゲヲ
    The Surf Coasters
    藤原いくろう
    鎌田ジョージ
主題歌
    CHEMISTRY
協力 長崎県佐世保市
    (財)佐世保観光
コンベンション協会
妻夫木聡
安藤政信
金井勇太
太田莉菜
嶋田久作
岸部一徳
柴田恭平
原日出子
加瀬亮
星野源
柄本佑
三浦哲郁
三津谷葉子
豊原功補
小日向文世
峯村リエ
瀬山俊行
新井浩文
水川あさみ
村上淳
 森下能幸
 井川遥
 國村隼
 桐谷健太
 与座嘉秋
 宮内陽輔
 澤田俊輔
 氏家恵
 菊地百合子
 三浦誠己
 千葉哲也
 豊田眞唯
 田中哲司
 神戸みゆき
 伊藤洋三郎
 眞島秀和
 橘ユキコ
 上原由恵
 鈴木一功
「失楽園<海外オリジナル版>」 ★★★
大ヒット不倫モノ。
ラスト、死体の発見時を想像して笑っちゃいました。役所広司のいじましい中年男の情けなさも微笑ましいです。
海外オリジナル版ってのは、ボカシが少ないとかそのレベルみたいです。成人指定でした。
監督 森田芳光
原作 渡辺淳一
役所広司
黒木瞳
柴俊夫
星野知子
木村佳乃
寺尾聰
平泉成
小坂一郎
あがた森魚
石丸謙二郎
「実録阿部定」 ★★★★
日活ロマンポルノ
そんなに褒めなくてもいいと思うのだが、とりあえず「愛のコリーダ」より高得点をつけときました。両方とも同じ事件を描いているので展開はほぼ同じ。しかしまったく違う。こちらの定(ちなみにさまざまな風俗業界を転々としてきた彼女はいくつもの名前を持ち、吉蔵の店に勤めた、つまり事件の時点では「おかよ」と名乗っている)は全然狂った様子がありません。しかも「これで私だけのものさ」と自覚的に殺してます。その前に首絞めプレイで弱った吉蔵を母子のように世話している(子供というのは自分の遺伝子が半分入っているので、いや「ので」って科学的な話をする必要はないが自分の分身なわけだ)。ここらへんがいいんだなあ。「愛のコリーダ」は定の狂っていくさまが哀れでよかったと私は思い、女性陣の「定に理想の愛を見た」風の感想が腑に落ちなかったわけですが、こちらなら女性陣の感想も納得です。
「愛のコリーダ」はちょん切って終わりでしたが、この事件、いや定の行動のポイントは、その後に切り取ったモノを持ち歩いていたという点にこそあるのです。定は、殺してから、吉蔵の逸物を切り取り、いっぱい出た血で、吉蔵の太股に「定・吉 二人」と書き、敷布に「定・吉 二人キリ」と書き、さらに包丁で吉蔵の肩に「定」と刻む。素肌に吉蔵の六尺ふんどしをサラシのように巻き、讀賣新聞でくるんだ逸物を中に押し込み(まさに肌身離さず)、吉蔵の駱駝のシャツと股引を身につけてから(吉蔵と一心同体)、血の付いた赤い襦袢を着込み、着物を着る。包丁(新劇ごっこをするために用意してあった)も新聞にくるんで持ち歩く。あちこちを歩き回る。二人で観光してるがごとくノンキに歩き回る。お金を工面してくれる校長先生の元へも出向き、「先生はお金で私を買っただけだってことを忘れないように」と因果を含め、その確認に抱かれる。愛したのは吉蔵ただ一人。一旦全部脱いで、着物だけ着直し、布団の下に吉蔵自身を滑り込ませる。何も知らない先生「こういっちゃなんだけど、今日のお前は臭いね」。これからはどんな男に抱かれても、定にとってそれは吉蔵なのだ。その後もひょうひょうと逃げつづける。吉蔵のモノでオナニーしたりもする(「飢餓海峡」みたいである)。
結論すると「愛のコリーダ」は定より吉蔵を描いた映画だったのかもしれぬ。しかしこっちの江角さんも別に藤竜也に負けてるわけではないので、阿部定事件についてはこちらだけ見とけば充分である。製作・公開ともにこちらが先、私がリアルタイムに見ていたら、「愛のコリーダ」の評価は相当低くしたであろう。
問題はポルノとしてどうなの、という点である。エロ度足りないよ。宮下さんは顔とか好きな方ですが、全体として色っぽくはないですし、田中監督もあまり色っぽい映画は撮れない人なのではないか、と少ない鑑賞本数ながら思います。監督にとってはこれがアート系から社会派に移るきっかけだったのではないかと思うのですがどうでしょう。とりあえず、この作品では両者がうまい具合に同居してます。
監督 田中登
脚本 いどあきお
撮影 森勝
美術 川崎軍二
音楽 坂田晃一
宮下順子
江角英明
坂本長利
花柳幻舟
橘田良江
千草蘭
大谷木洋子
水木京一
五條博
小泉郁之助
久松洪介
庄司三郎
         アウトロー
実録・安藤昇侠道伝 烈火」
★★★★
「荒ぶる魂たち」とまったく同じ話だった。こっちの方が見やすい(わかりやすい?)し、ケレン味があって楽しいのでオススメ。なのはいいが、どこが「実録」だよ、っていうか、安藤昇(の役)って出て来ねえじゃん。
監督 三池崇史
脚本 武知鎮典
監修 安藤昇
撮影 伊藤潔
美術 福澤勝広
CGプロデューサー
    坂美佐子
音楽 ジョー山中
竹内力
遠藤憲一
美木良介
山口祥行
勝村美香
野本美穂
力也
中山一也
原田大二郎
山口仁
ジョー山中
志賀勝
 千葉真一
 石橋蓮司
 内田裕也
 丹波哲郎
 りりィ
 栗原早記
 山之内幸夫
 小林滋央
 曽根[竹/央]樹
 ERIKU
 高野八誠
実録ヒットマン 北海の虎.望郷」 ★★
アカレンジャーとアオレンジャーが酒を酌み交わしたり、刈谷俊介&石原良純に誠直也が絡むと誰がヤクザで誰が刑事で、そもそもこれ何チャンネルなのか悩んだりします。
監督 岡田主
脚本 香月秀之
原案 山之内幸夫
撮影 下元哲
美術 西村徹
音楽 加納秀人&外道
    近藤宣幸
題字 佐久間良子
誠直也
武藤敬司
白竜
石原良純
夏樹陽子
嘉門洋子
刈谷俊介
小島聡
伊藤敏八
堀田眞三
力也
 梶山妙子
 宮内洋
 千田孝康
 小林千枝
 三夏紳
 宝創男弦錦
 前田寛之
 國本鐘建
 藤原英志
 山之内幸夫
ユーリー・ブーラフ
「しとやかな獣」 ★★★★★
<増村保造・川島雄三 × 若尾文子>
東京乾電池による舞台版をあまり評価しなかったのを反省して満点をつけてみた。舞台化したい気持ちはわかるし、舞台と観客が同一空間にいるというライブならではの効果で映画以上に一体化して、あたかも部屋の中で覗き見しているような気になるに違いないと考えたのだろうが、返って客観的になってしまったのは計算違いであったろう。通常なら舞台の方が(実現できないことが多いので)映画よりも客が想像力を働かせる余地があるはずなのだが、リアルな家庭劇ともなると、手の届かないスクリーンの中の方に軍配が上がるようである。劇中、そこは10月なのに汗ばむ陽気であり、狭い部屋(そういえば舞台の部屋がかなり広かったように見えたのも失敗か)の中にはいろいろな匂いがこもっている。それがスクリーンの中には感じられるのに対し、舞台と客席の空気が同じ劇場では、つまり返って「一体化」こそが劇空間を壊してしまうのだ。俺もうまいこというねえ。
(おそらく)東京郊外の団地、間取りは2K、バス・トイレ付き。ってな感じの部屋に住む前田一家。父・雄之助は元海軍中佐で今は無職、恩給を当てにしている。母・久乃は山の手言葉でお上品。娘のゆう子は流行作家のお妾さん。息子の愛光は芸能プロダクション(プロモーター)の社員だ。一見普通の家族だが、彼らは新しいタイプの守銭奴だった。物語が進むにつれて次々と悪事が明らかになるのだが、長くなるのでちょっと編年体で説明しよう。
ゆう子がバーの女給になったのが始まりだった。そこで流行作家の山茶花に見そめられ、お妾さんになる。すぐさま雄之助は山茶花に借金を申し込む。重なる借金だが返した例しがない。さらにゆう子のために山茶花が買った団地に一家が詰めかけ(これが今の部屋)、山茶花は別にアパートを借りるはめに。雄之助は山茶花から預かったルノワールの絵もなんとか処分できんものかと考える。事業やギャンブルは負けつづけである。山茶花の口利きで芸能プロに勤めた愛光だが、社長の高松が出張中にタレントのギャラを横領、車(セコハンだが)やポラロイド・キャメラを買ったりしている。その他愛光はさらに山茶花の名で銀座でさんざん遊興した。ママの蝶々が催促に来たりする。そればかりか出版社に行って山茶花の代理と称し原稿料をネコババしたりしている。雄之助や久乃は子供たちにいかにうまく立ち回るかを説くのだった。
というところで映画はスタート。芸能プロ社長・高松がタレントの小沢と経理の若尾を連れて怒鳴り込んでくる。このとき若尾は終始うつむいていて目立たない。しかし彼女はくせ者だった。愛光は横領した金を彼女に貢いでいた。彼女は彼女で経理を誤魔化している。書類上は問題ないように操作している。彼女は念願の旅館を建てたので(目黒の一等地に)愛光に別れ話を持ちかける。隠れて聞いていた久乃とゆう子は、若尾のしたたかさに感心する。彼女を敵に回してはいけない。若尾は高松とも計理士とも税務署の船越とも関係しているのだ。彼女にすべてまかせておけば警察沙汰やその他まずいことにはならないだろう。だが愛光は若尾にメロメロで、素直に別れようとはしない。
話も面白いのだが、夕焼け(ホリゾント)の前でカッポンカッポン鳴る鼓をバックにゴーゴーを踊り狂ったり、急にシリアスな顔がアップになったり(「あの貧乏暮らしに戻りたいのか。あれは人間の生活じゃない」)、若尾が白く長い階段を昇りつづけたり(高松は降りたり)、そういう映画的なシーンが絶妙なタイミングで挿入される。これが大変よろしいです。ハッとしてグーです。
ラストはちょっと思わせぶりなカットがつづくのだが、どうせ客には何が起きたか最初っからわかっているのだし、もっと思い切っていきなりスパッと終わってもよかったのではないかと思う。
監督 川島雄三
原作・脚本
    新藤兼人
撮影 宗川信夫
照明 伊藤幸夫
美術 柴田篤二
音楽 池野成
伊藤雄之助
山岡久乃
浜田ゆう子
川畑愛光
若尾文子
高松英郎
山茶花究
船越英二
小沢昭一
ミヤコ蝶々
「死に花」 ★★★
東映ではもはや定番の老人向け路線。しかも特撮作品だ。日本アイ・ビー・エム本社の隣りに銀行を1個建てちゃいました。もちろんCGね。
問題は監督が生真面目なことで、素直に老人が明るく元気になる話にしとけばいいものを(実際、後半はバカ話の展開なのだが)、ボケの話とか入れちゃって……。
でも大丈夫、これで老人が鬱になるなんてことはありません。なぜって、初日なのにガラガラだから……。宣伝の仕方かな。宣伝では明るく元気路線だったからな。老人向けは「しみじみ」「泣ける」という方向の方がよさそう。
監督 犬童一心
脚本 小林弘利
    犬童一心
原作 太田蘭三
撮影 栢野直樹
美術 磯田典宏
衣裳コーディネート
    宮本まさ江
ビジュアルエフェクト
    浅野秀二
音楽 周防義和
主題歌
    元ちとせ
山崎努
宇津井健
青島幸男
谷啓
松原智恵子
星野真里
長門勇
森繁久彌
藤岡琢也
加藤治子
鳥羽潤
岩松了
土屋久美子
小林亜星
 吉村実子
 白川和子
 高橋昌也
 ミッキー カーチス
 戸田菜穂
 大和田獏
 依田司
 大石美佳
 大下容子
 北村英治
 江草啓介
 稲葉國光
 近藤和紀
 佐藤佐吉
「忍ぶ川」 ★★★
とにかく私は原作の「忍ぶ川」については相当詳しい。なにしろ卒論で扱っているのである。映画も見る端から展開どころかセリフもズバッとわかるし、それどころか加藤が「〜なんだ」というのは本当は「〜なのだ」なんだよねとか、読点はこの位置でとか、風景を映していても地の文章が頭の片隅に浮かんできたりするほどである。それというのも、この映画はまったく原作そのままだからである。違いといえば、やたらカモメが飛んでるところと初夜のシーンがくどいところ(しかも音楽が不気味)くらいである(ラストの菅井きんも違うと言い切りたいが自信なし)。ここんところは映画ならではで、小説なんかには絶対に出せません、てところが一ヶ所でもあるかといえば、まったくありません。いや本当はひとつあって、本を読めない人には大助かりであろう。ただし時々字幕が出るので(しかも旧字体)文盲の方向けではない。
そんなわけで、実をいうと他人が泣かないところまで四ヶ所も五ヶ所も泣いている私であるが、この映画の存在意義は認めていないのです。カラーでシネスコとかだともうちょっと何か感銘を受けたかもしれないが(前にテレビで見ていて、横切ってるんだろうと思ったのだが、これスタンダードでした)。
ちなみにこの映画では私の卒論は成立しません。あそこら辺の描写が曖昧だからなあ。
監督 熊井啓
脚本 長谷部慶次
    熊井啓
原作 三浦哲郎
撮影 黒田清巳
照明 岡本健一
美術 木村威夫
音楽 松村禎三
加藤剛
栗原小巻
永田靖
山口果林
信欣三
滝花久子
井川比佐志
片平まゆみ
岩崎加根子
安部百合子
稲葉義男
菅井きん
「死びとの恋わずらい」 ★★★★
いちおう時代設定は今現在の映画、のはずなのですが、見よ、この女子高生のスタイルを! スカート膝下10cm超! 男子もシャツ出してるヤツいない! 茶髪ピアスその他なし!
この高校生の風俗がちょっと古めというのは、原作と違う映画のストーリーの伏線と呼べないこともないのですが、それにしてはちょっと古すぎるし、これは監督の趣味でしょう。なにしろ円筒形のポスト立ってます。見たとこ70年代ですね(ストーリーの伏線なら80年代後半でなければ)。でもまあ、学園物はこうでなきゃ。自転車通学、図書委員、屋上。よしよし。
母・秋吉久美子と二人暮らしの理沙は子供の頃に住んでいた町に帰ってきた。黒い服の少年が向かってくる不思議な夢を何度も見る。町の中に立っている祠。何かイヤなものを思い出して理沙はその前を通れない。学校には幼なじみの龍平がいた。ここで学園恋愛模様を振り向きで描写。龍平を見る理沙を見る慎二を見る明日美とユキ(龍平は理沙を見る)。明日美は優等生で転校生の理沙にも優しい。慎二とは幼なじみで恋愛とかそういうんじゃないの、と自分にもいい聞かせている。猪俣ユキはつぐみが普通の女優として脱皮しつつあるので、代わりに急遽ホラー・オカルト界につかわされた期待の女優(本人が望むかどうかは別として)、彼女は慎二→理沙を鋭く察知して燃え上がり、この町に伝わる辻占をしてみようと思う。例の祠の前に立ち、通りかかった人に自分の運命を占ってもらう(カンでテキトーにいってもらう)。カバンで顔を隠して(やりかたに決まりがあるらしい)待つユキ。足音。来たのは理沙の夢に出てくる黒服の少年(顔見えません)。「私の恋はみのるでしょうか」「絶対みのらない。その恋だけでなくて、お前は一生人から好かれることはない……」ひとりぼっちのユキ。カッター、カチカチカチ、ザクッ、ブシュ〜ッ(ちょっと血の量が足りません)。数日後、今度は明日美が祠に立った。黒服の少年は……。
というふうに、前半はわりと原作に忠実。ところが後半はガラッと変わる。伊藤潤二の漫画の真髄はどこにあるかといえば、やはり絵でありシチュエーションの異常さにあるのであって、ストーリーは二の次だ。しかし映画のストーリーはちょっと理に落ちすぎたところはある。そんなに綺麗に(しかもちょっとズルして)まとめなくてもいいのでは。伊藤漫画のラストのちょん切れ感とかも好きなんでね。
後藤も松田も好きではないのでほっとくとして(この映画の後藤の演技についてはネタを知った上でもう一度見直すべきなのかもしれないが)、なんといっても三輪明日美。この人は全然好きではないのだが、演技というかキャラクターの把握・造形においては若手ナンバーワンです。好きでもないのに魅せられてしまいますね。お姉ちゃんのひとみ(こっちの方が断然好き)もいい。いいけど今回はそもそもがいい役をもらっていて、その上でインパクトでは原作に遠く及ばないし。いや、イレズミ女なんですけど。え? 原作読んでないの? 私が生理的にイヤな伊藤キャラ・ベスト3のうちの1人ではないですか。全身穴ぼこ男、全身縫い目少年、そして全身イレズミ女。ああもう、全身なんとかはヤメテ。
Avid出力のせいなのか、全体にデジタルな感じ(輪郭のにじみとか)で最初は違和感を覚える画質ですが、もしモロにデジカメ撮影だとすると「ダンサー・イン・ザ・ダーク」よりもうまく行っていて、現時点で最高の水準だと思います。 ← デジタルの件、今となってはお笑いぐさ。
監督 渋谷和行
脚本 友松直之
原作 伊藤潤二
撮影 喜久村徳章
美術 丸尾知行
音楽 遠藤浩二
主題歌
    Adya
後藤理沙
松田龍平
三輪明日美
秋吉久美子
三輪ひとみ
猪俣ユキ
本田博太郎
斉藤洋介
高橋慎二
松田一沙
麻見奈央
<シベリア超特急>シリーズ 「シベリア超特急 ディレクターズカット・アメリカ版
「シベリア超特急2」
「シベリア超特急3」
<日本映画−し 中編>