| <日本映画−や> | |||
| タイトル | コメント | ||
| スタッフ | キャスト | ||
| 「誘拐」 | ★★★ 誘拐の身代金を持って、老境の刑事(人工肛門)が走らされる。 |
||
| 監督 大河原孝夫 脚本 森下直 撮影 木村大作 (と、たくさんのJSC会員) |
|
||
| 「雪の断章 ― 情熱 ―」 | ★★★ <相米慎二特集> タイトルにまで入ってしまったように、この映画の主題歌は斉藤由貴の「情熱」であるわけだが、実はこれは劇中あまり意味があるとも思えないところで唐突に2番がかかるだけであり(わざわざ2番にしたのは一応意味を持たせてるわけだが)、この映画で一番印象に残るのは、というと笠置シヅ子「買い物ブギ」(放送禁止かも)になってしまうので、えーと、この映画の全編に渡って流れる(斉藤が歌う)のは、私が鈴木清順の「悪太郎」を見て、すっごい知ってるけどどこで聞いたのだろうと悩んだ「行こか戻ろかオーロラの下を」という歌である。これで刷り込まれていたわけである。大正時代の歌かよ。日露戦争で帰りそびれた兵隊さん(「はいからさんが通る」の少尉とか)の歌かな。ついでに春歌みたいな別歌詞の、というのもズルズルと思い出した。「侍ジャイアンツ」で番場蛮が「タマを打つのが野球じゃならば、あの子のハートがなぜ打てぬ」(「じゃならば」は自信なし)と歌っていたのであった。いやー、なんか一件落着で大満足。 北海道、札幌。孤児(「みなし子」の方が雰囲気が出るか)で冗談半分に引き取られたお金持ち・ナバ家に奴隷のようにこき使われていた斉藤だが、気のいい青年・光源氏、じゃない榎木に拾われ、彼にべったりの色気ババア、家政婦の河内に嫉妬されつつ、榎木と親友の世良(ナバ部長の部下)の愛に包まれ健やかに育っていった。高校生(セーラー服)になった斉藤は、河内だのナバ家の長女・岡本だの榎木の婚約者だのからセクハラ(「育ててもらった恩返しに女としてご主人様にご奉仕しなければ」「もう毎晩のようにヤッちゃってるに違いないわ」)を受けるのであった。引っ越したマンションでご近所になった岡本は服毒死してしまう。直前にコーヒーを持っていった斉藤は容疑者(参考人)となり、レオナルド刑事(プリオ)につきまとわれる。 これはいい。何がいいかというと斉藤由貴(まるごと)、という話がしたいわけではなくて、相米慎二の入門編として最適じゃないかと思うのだ。これには相米の意匠があらゆるところに散りばめられている。長回し、少女、キャッチボール、桜吹雪、バイク(自転車)、服のまま水にザバザバ入る、等々。あと薬師丸が「翔んだカップル」「セーラー服と機関銃」とつづけて口にした「オロカ」というセリフを斉藤もいっており、「翔んだ〜」は脚本家が違うからこれは相米の語彙ではないかと思う。長回しは伝説の18シーン1カットで、子供時代の斉藤が榎木に引き取られるまで、雪が降ったり止んだり夜になったり朝になったりの数日間を一気に見せる。1カットで見せることにどういう意味があるかというと、まったく意味があるようには思えないのであって、ただの趣味と意地でしょう。すごいセットを組んだのはいいが、レール敷けるようにはつくらなかったので、手持ちでガタガタ動く絵が私は嫌いだ。東京で電話している婚約者を入れ込むってのも無理ありすぎだし。あと相米は全編に渡ってサーカスをイメージさせたいらしいのだが、この背景をうろつくピエロ(の人形)ってのも意図不明。 私はどういうわけか原作を読んでいた。当時、佐々木丸美の本を5・6冊まとめ読みしたのだが、これが女流作家ってのは思いこみが激しいねーという差別感情が芽生えた最初であっただろう。それほどいかにも女性が書きましたという匂いがする作風であった。 というわけで、たくさん悪口みたいのを書いてしまったが、斉藤由貴サイコー、ということで全て帳消し。しかし彼女も数年後に「トットチャンネル」で「買い物ブギ」を歌う笠置シヅ子(室井滋)と”共演”することになるとは夢にも思わなかったであろう(ディレカン仲間の大森一樹の遊びという可能性もある)。 追記 : 歌についてはさらに調べ、大正6年、作詞・北原白秋、作曲・中山晋平の「さすらいの唄」であることが判明。次は斉藤由貴がブツブツいう「ゆや〜ん、ゆよ〜ん、ゆやゆよん」について調べよう。 → 中原中也でした。正しくは「ゆあーん」。 さらに「侍ジャイアンツ」のは「侍ニッポン」という歌(「人を斬るのが侍ならば……」)だという話があって、私もそれは、ウム、そうじゃろうのうと変節した。 |
||
| 監督 相米慎二 脚本 田中陽造 原作 佐々木丸美 撮影 五十畑幸勇 美術 小川富美夫 音楽 ライト・ハウス・プロジェクト テーマ曲 斉藤由貴 |
|
||
| 「油断大敵」 | ★★★★★ |
||
| 監督 成島出 脚本 小松與志子 真辺克彦 原作 飯塚訓 『捕まえるヤツ 逃げるヤツ』 撮影 長沼六男 美術 中澤克巳 衣装 波多野芳一 音楽 ショーロ・クラブ |
マリア・フィリピナス |
||
| 「夢で逢えたら」 | ★★ メインの作品が、短かった、というよりはあまりにつまらないデキだったので、それを見せる前にちょっと監督の作風に関する情報を与えて観客に覚悟をうながす目的で併映された短編。 記憶喪失になった男とその恋人の関係の移ろいを描く無言劇(一部セリフあり)。いや意味ははっきりとはわからないのだが(夢オチなのかもしれないしなあ)、女の子の戸惑いとかはよく出ていた。 同時上映:「のんきな姉さん」
|
||
| 監督・脚本 七里圭 撮影 高橋哲也 音楽 侘美秀俊 |
安妙子 大友三郎 |
||
| 「夢なら醒めて……」 | ★★★★ なんかR−15アニメ「PERFECT BLUE」と同じ原作らしいのですけれども。どうしてこんなに内容が違うのか、と驚く。無理にまとめれば「他人に成り代わられてしまうアイドル」というアイデアが同じといえば同じ。今はちょっと原作を読む気になってますね。 そういう出自なので、アニメ野郎が来てますね。というのは、他の映画チラシには目もくれずアニメなんとか賞募集のチラシみたいのだけ持ってく人を3人も見かけたからね(オタクと書かなかったのは、制作者用みたいだったから)。私は映画のじゃないと思ってもらってきませんでした。「天使の火遊び」は見てそうな彼らに比べて私にアドバンテージがあるのは、ピンク映画に造詣(という程のものではないが)があるということでしょう。ということで、佐々木ユメカにハッとし、端々に見受けられる小林政広チックなノリの会話にヘラヘラし、後半炸裂する高田賢の照明に心ときめかせました。内容は、「PERFECT BLUE」というよりは伊藤潤二みたいでしたね。 |
||
| 監督 サトウトシキ 脚本 小林政広 今岡信治 原作 竹内義和 撮影 広中康人 照明 高田賢 衣装 朝生賀子 特殊造形 原口智生 イラスト マーティロ・マヌキアン 音楽 山田勳生 挿入歌 作詞作曲 パラダイス・ガラージ (豊田道倫) 歌 前田綾花 |
前田綾花 大森南朋 戸田昌宏 渡辺真起子 清水ゆみ 諏訪太朗 佐々木ユメカ 田中要次 根岸清子 水橋研二 上野亜香菜 有賀佑貴 大田祐歌 秋本つばさ 松江哲明 |
||
| 「夢野久作の少女地獄」 →DVD「火星の女」 |
★★★★ 日活ロマンポルノ。なれども、これはエロというよりカルトなのである。原作はかれこれ15年以上前に読んだのだが、かなり原作に忠実なように思う。 昭和初期かなあ、良家の子女を集めて花嫁修業をするたぐいの名門女学校があるわけだ。そこにちょっと浮いている感じの不器量な女学生がいて(ちょっと貧乏?)、校長に犯されてしまい……、うーむ、焼身自殺かなんかで終わるのだったかしら。映画では、この女学生にお金持ちのお嬢様みたいなレズだちがいて、最後に復讐編みたいのがくっついている。 原作は、なんでしょう、哀れなエログロみたいのを目指したのか、特に面白いとも思いませんでした。映画は、それにプラスして幻想風味がついていて、こっちのほうが面白いです。時々イケてる撮影があるし、音楽がまたいい。なんか旧「ルパン三世」と「太陽にほえろ!」の中間あたりの音楽。フォークソングっぽい哀れな主題歌も素敵だ。明治村かなんかで撮影したと思うのだが、セットを含めて背景はちょっと安っぽい。 これがデビューの飛鳥裕子さん。お嬢様役ですが、JACの黒崎輝の奥さんなんだってさ(夫婦でスキューバ・ダイビングのトレーナーかなんかやってるって)。またカルト度が上がったね? ちなみに客の男女比は6:4くらい。私の前にチケット買ったキミ、「一般一枚」は間違いだ。料金体系は男女で分かれている。「男一枚」が正解。私は黙って金出したけど。 ※ ずっと後になって気づくわけだが、飛鳥さんて「超電子バイオマン」のファラなのね。 あと原作は「少女地獄」という三本のオムニバスの中の一編「火星の女」ですね。 DVDタイトルは原作に忠実に、というわけでなくて ポルノに「少女」ってのがアウトくらったらしい。ということはあれもこれも……。 |
||
| 監督 小沼勝 原作 夢野久作 脚本 いどあきお 撮影 前田米造 音楽 コスモス・ファクトリー 主題歌 佐井好子 |
|
||
| 「EUREKA ユリイカ」 | ★★★★ 3時間37分、クロマティックB&W(モノクロフィルムで撮影、カラーフィルムに焼き付け。全体としてセピアなモノクロだが、時として色を感じることがある)、という形態的に特殊な映画(あとシネスコを加えて三重苦といわれている)。 「AKIRA」の5巻あたりが発売された頃(要するにちょっと前ってこと)。九州。役所の運転するバスが謎のサラリーマン風・利重にジャックされた。彼は拳銃を持っており、乗客はボコボコ殺される。松重刑事の突入で犯人は射殺、生き残ったのは役所と宮崎兄妹のみ。マスコミの取材攻勢も静まった頃、役所は兄・塩見や妻・国生を置いて家を出る。2年後、宮崎兄妹の母・真行寺も家を出て、父はやけ酒かなんかで事故死、保険金目当てに親戚がいいよってくるのを兄妹は無視、子供二人だけの生活が始まる。ふいに帰ってきた役所、でんでんの土建屋に勤める。幼なじみらしき同僚・光石らと働く。国生は別の男と暮らしていた。その頃、連続女性殺人事件が発生。役所は事務員の椎名にいい寄られアパートに送っていくが、人の噂を気にする塩見に愚痴をいわれるし、とにかく家に居づらくなって宮崎兄妹と暮らすことになる。(なぜか洗濯だけはちゃんとしているようだが)子供たちの家は荒れ放題、兄妹は口をきかない(しゃべれないのかどうか不明)。大人の役所は子供の世話をはじめるが、そこへ兄妹の従兄弟の斉藤がやってくる。とりあえず学校が休みの間ということで、勉強を見たりする。またまた役所が椎名を送っていった翌日、椎名の死体が発見された。松重は役所に目をつける。 殺人の話は何がやりたいのかよくわからないのですけれども(ときどきセリフ聞き取れてないけど、何か重要なこといってないよなー)、そういうドラマチックな部分はなくていいのだけど、まあ別にあってもいいので不問。この映画はそう積極的にストーリーを追うとか、画面を目を皿のようにして見つめるとかしなくていいのではないかと思う。肩肘はらずに椅子に座ってボーッとする。目の前を優しい画調の絵が流れていく(ついでに宮崎あおいが賢くて可愛い)。「生きろとはいわん、死なんでくれ」、ときどき役所が意味ありげなセリフをいったりするけど、そういうのはどうでもいいのだ。ボーッとさせるのがこの映画のテーマなのだ。だから長くないと意味がない。一般の意味とは違うけど体感ムービーという感じですね。一応いっとくけど、ずっと起きてましたよ。 |
||
| 監督・脚本・編集 青山真治 撮影 田村正毅 音楽 山田勳生 青山真治 |
|
||
| 「ゆりかちゃん」 | ★★ (ビデオ作品) 超能力者(霊媒?)もの。 |
||
| 企画 飯田譲治 監督 祭主恭嗣 |
榎本加奈子 平田満 毛利賢一 成田浬 酒井敏也 二瓶鮫一 鈴木清順 |
||
| 「許されざる者」 | ★★★★ 三池・武知×加藤雅也で、内容も親分殺されたヤクザが一人で戦争する話だし、ロケ地もダブっているようだし、上映時間も2時間半(で、いかにもカットされたシーンを追加して2巻組ビデオになりそうな)と、いかにも「荒ぶる魂たち」の第二弾みたいな感じである。 事件の黒幕である政財界の影のドン(右翼)の近藤正臣が入院する病院は、食糧ビルである。ということは、意外に撮影は古いのね。 |
||
| 監督 三池崇史 原案・脚本 武知鎮典 撮影 田中一成 美術 尾関龍生 音楽 遠藤浩二 |
|
||
| <日本映画−よ> | |||