2002年に見た舞台 最新更新日:2002年12月19日

★は1個から5個の間でテキトーにつけてあります。

タイトル コメント
劇団(主催) 会場
スタッフ キャスト
「エジソン郡の橋 天才発明家裏電説 ★★★
後楽園で生ガオシルバーを心待ちにしているみなさんを尻目に、伊達にあちこちに手を出しているわけではない私は一足お先にシルバー(玉山)に会ってまいりました。有名人が多数出ているこの芝居は、しかし発売が年末だったせいもあるのかまったく話題に上らず、集まったのはコアなファン層を誇る特撮な人々、主役気取りの山崎くん(実際に主役だが)には悪いが、客の半分は玉山目当てだったと思われます。「俺帰るわ」「もう帰っちゃうの」「これから(ガオアクセス、ハーッ!)」「ああ変身の仕事ね」。玉山はオールバックにしており、見た感じがシルバーではない。髪を下ろした茶髪の山崎と並ぶと、中居くんとキムタクみたいに見える。
えんたまってのは、また新人がカッコ悪い名前(演出家の卵?)で出てきたなと思ったのですが、遠藤環のことのようですね。彼はTBSの社員で(今はTBSエンタテインメント)「うちの子にかぎって…」の3人の演出家のうちの一人ですね(男だと思い込んでるけど)。
オープニングは「(アイキャンゲットノー)サティスファクション」だ。今回は珍しく出演者をしっかり把握していたので(それで見ることにしたから)もうビビビッとつみきみほの「花のあすか組!」が頭に浮かび、「お鼻のクスリ〜、赤い玉〜」という売り声がグルグル回る。というか、つみきみほが出てようが出てまいが、「サティスファクション」→「お鼻のクスリ」という条件反射みたいなものが形成されているのである。しかしのちに「(それを)黒く塗れ」などもかかったのであまり関係ないみたいでした。
エジソン(山崎)は発明家の血筋で、しかし本人はボンクラの遊び人だった。これまでもいろいろ発明してきたことになっているのだが、実はそれは姉のダイアン(つみき)の発明したものであった。しかし彼女は上がり症で記者発表などすると首がクラクラ揺れちゃうし、エジソンの才能を信じていたので彼に奮起をうながすべく、彼の手柄にしていたのだ。ここでちゃんと説明していないのがマズイのだが、発想はエジソンで開発はダイアンってことだったらしい。もっともエジソンは思いつきでテキトーなこといってすぐに忘れちゃうみたいだけど。かなり後の方でそういう説明があるが、最初に入れておくべき。今回発明したのは「電球」。しかしダイアンはこれをエジソンの幼なじみのマリー(牧瀬)の発明として発表しようと思う。というのもこないだの発明「電話」をエジソンが友人のベル(玉山)に売ってしまったからだ。しかしエジソンにホの字のマリーの説得で彼にチャンスを与えることにする。明日、ニューヨークから新聞記者のメアリー(森若)がカメラマンのジャック(岩田)を連れて来ることになっていた。帰宅したエジソンは、バーの女給・シャロン(小島)やジャネット(山口)、バーテンのワトソン(大和)を引き連れて泥酔していた。
全員の名前が出たし設定も説明したね。電球がきっかけで会社を興したエジソンとダイアンはビッグになっていく。エジソンはシャロンと結婚するが、実はメアリーともSMフレンドだった。不倫、ということで「○ジソン郡の橋」。以下いろいろあってヒロインとハッピーエンドで、ついでに大どんでん返しみたいのがある。ハッピーエンドは納得行かないとこもあるし、どんでん返しはどうも客の知識レベルを勝手に決めつけているフシがある。そのオチをオチとして活かすには、観客がエジソンのこれ(細かいこと)を知っててあれ(大筋の流れ)は知らないとかいう条件の設定が必要で、むしろ世間様は逆の状況のような気がする。こういう客の知識の前提条件を同程度にしておかなければならない場合は、たとえば(芝居全体を変えなくてはならないが)端々でエジソンの伝記朗読が挿入されるとかの小細工とか必要なのではないか。オチが若干空回りの感なきにしもあらず。
これはいわゆる赤毛物で、それに合った演技(芝居がかってるってことね)をしていたのは小島と森若、あと大和。今回は全員、彼らのノリに合わせた演技にした方がよかったのではないかと思う。元気一杯感を出そうとした山崎は浮いていた。牧瀬は基本的には今までと同じだが、私が「ターン」で見直したせいか、一皮むけた気はする。エプロンつけて味の素のCFのようであった。玉山はいちいちカッコつけたポーズを取るという特殊な役だったので、これはこれでよし。
チラシ等でとってもコメディーっぽく振っていたのだが、あまり笑いに重点は置かれていないようであった。
TBS(エンタマテインメント) シアターVアカサカ
作   大和
演出 えんたま
企画・構成・キャスティング
    遠藤環
    ダイア(団体さん)
山崎裕太
牧瀬里穂
つみきみほ
小島聖
玉山鉄ニ
森若香織
大和
山口佳奈子
岩田竜平

(開演諸注意)
 坂上みき
「優曇華の花待ち得たる心地。」 ★★★
小劇場好きのみやむーがいい出しっぺで集まった松田・きだの三人が主催するプロデュース・ユニットの旗揚げ公演。ちなみに宍戸ルンルンは初舞台です。途中から登場して芝居もパッとしないし声のボリュームも小さいけど、ストーリー的にはヒロイン。もちろん歌います。それにしても「おジャ魔女どれみ」(見てません)といいこれといい、演技になると暗いキャラになるのはどうしてなのだろう。
ふと気づくと得体の知れない森の中にいた(黒騎士ことギンガレッド兄・ヒュウガことニンジャレッド・サスケこと)小川。過去の記憶がない。得体の知れない戦闘員みたいのが襲ってくる。かろうじてかわすと今度はいかにもライバル・キャラといった風情の侍姿の男・火車(武智)に勝負を挑まれる。何が何だかわからない。さらに手が触手になっている化け物・地愚魔(辻)というのが襲ってきて、小川は混乱に乗じて逃げ出した。「やあやあ」とフランクに現れた杏(きょう/みやむー)によれば、ここはハザマの森という結界が張られたこの世ならぬ場所で、「蠱毒(こどく)」の術のために妖怪たちが集められているのだという。「蠱毒」とは壺の中に蛇や蜘蛛やサソリやムカデやとにかく毒を持っているものを入れて、互いに戦わせ、最後に生き残ったものから最強の毒を抽出するという、諸星大二郎や武侠小説を読んでいる私にはお馴染みの術である。それの妖怪版なのだ。「ということは俺も妖怪なのか?」この芝居では、妖怪は成仏しそこねた魂の集合が実体化したものという設定になってます。というわけで誕生したばかりの妖怪である小川には名前がない。杏がつけてくれたのは「砕かれた牙」砕牙(サイガ)。この「蠱毒」を主催?しているのは戸神という陰陽師(湯澤)で、杏はその式神でハザマの森の監視役だ。妖怪・砕牙に与えられた特殊能力は「不死身」。このままではどう考えても彼が生き延びる。だが、その不死身の体を唯一殺せる剣が森の奥に隠されていた。妖怪どもはその剣を探す。
ところで野鉄砲という妖怪(森戸)がいる。彼の能力は幻覚を見せて相手を油断させることだ。というわけで、突如として聞き覚えのあるイントロが流れ、赤いミニスカでバトンを回しながらルンルンが「コズミックランデブー」を歌ったりするのであった。が、ファーストアルバム「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・シ・シ・ド・ル・ミ」同様、途中でブチ切られてしまう。さんざんな扱われ方のデビュー曲である。他には幻の芸人を出したりする。これが日替わりゲストのコーナーで、拙者ムニエルさんたちはオタクが楽屋のみやむーにコクりに来たというコントを繰り広げ、客いじりを始めるのであった。
その後、森のさらにどん底に落ちた砕牙は、そこに軟禁されていた歌姫・紗紅羅(さくら/ルンルン)を助ける、というか彼女の歌に助けられる、というか、あまり軟禁されていた気はしなかったが、とにかく道連れになる。彼女の歌には妖怪を成仏させるパワーがあるのだ。砕牙はあとあとの都合があるので成仏しないのだ(なんか説明してたかもしれん)。彼女は優曇華(うどんげ)の蕾を持ち歩き、妖怪が成仏するとそれが花開くのだ。適当にタイトルを決めてあったのだろうがちゃんとフォローしたのだ。彼女は「ザ・セル」冒頭のジェニファー・ロペスそっくりの格好なのだ。
そんなこんなで、かなり私(「コズミックランデブー」のCD持ってて、みやむーのファンクラブに入っていたことがあり、TEAM発砲B・ZINの客である戦隊ファン)に特化された芝居なのだが、今ひとつ乗りきれなかった。内容がなさすぎるし、途中途中で、舞台に布が垂れて字幕が出るのがウザイのである。「生きてるうちが花なのよ」とか「死して屍拾う者なし」とか「決めた、決めた、お前を道連れに」とかそういった(違うけど)モノローグがズバンと字で出る。ださい。
コスプレして剣戟だと新感線っぽい気がするが、意外やつかこうへいっぽかった。なにかJAC(現在はジャパン・アクション・エンタープライズ=JAEになってます)なりの特徴があるのであろう。
ヤルッツェ、ブラッキン シアターサンモール
プロデューサー
    松田誠
原作 柴亮輔
脚本 本炭康典
脚色・演出・作詞
    きだつよし
殺陣 武智健二
衣装 木村猛志
音楽 佐藤太
小川輝晃
宍戸留美
宮村優子
武智健二
石倉良笙
辻脩人
湯澤幸一郎
高木稟
森戸宏明
山田トモナリ
石川油
関隆行
本多剛幸
塚田知紀
加藤学
大岩主弥
川守田政宣

<日替わりゲスト>
 拙者ムニエル
 (村上大樹
  加藤啓)
「売り言葉」 ★★★
松尾スズキがいた。大物を見かけるのはちょっとイヤだなと思った。だってこう書いてると嘘くさいじゃないですか。数十回ある公演で、なにも私の見る回に来ることはないだろう。ひょっとして何回も来てるのか?
『智恵子抄』は、教科書でちょっと読んだ(読まされた)くらいです。今回見たところでは、頭と青空がないのと終わりと、3つくらいの詩しか知りませんね。青空のは出て来ませんでした。とにかく私は詩歌お断りという立場をとっているので(でも詩集だって4・5冊は持っているんだぜ)。
明治末〜昭和初期。福島の素封家に育った智恵子(大竹しのぶ)は「新しい女」を目指し(生まれながらの「新しい女」ではなかったところがポイント)、これからは学問よと親を説き伏せ、女学校を出て東京へ行き女子大へ。一年上にウーマン・リヴの平塚らいてふ(国家神道原理主義者)がいた。智恵子は絵画の道を志し、デッサン力を認められるが、これはネタなのかもしれないので伏せるが(一般常識なのかもしれないが)ある事情で挫折する。いや挫折すべきところをなんとなく誤魔化して生きていく。いやいや挫折する必要はないのだが、智恵子は挫折しそうだと考えて誤魔化した。彼女には自分が理想とする自分像というのが見えていて、自分をそれに近づけようと無理を重ねる。芸術ばかりでなく、高村光太郎(イメージとしてヴァリオリニストが登場するが、野田のつもりとしては、彼の姿ではなく、発する音こそが光太郎なのだろう)との恋愛・生活についてもそうで、ノンキなお坊ちゃんで性欲過多(智恵子の被害妄想の可能性あり)の光太郎は自分ではまったく気づかないうちに智恵子を追い込んでいく。
タイトルは、生まれたときから智恵子に仕えつづけている智恵子付き女中(秘密あり)が、智恵子に代わって光太郎に対して発言する憎まれ口(福島弁)のこと。でも、話がタイトルをつけたときの構想と違ってしまってムリヤリこじつけた感じがするなあ。別にセリフに「売り言葉」って出さずに客に好きに考えてもらってもよかったのでは(そもそもは「詩」のことだったのだろうと思うのだが)。
無料で配られたリーフレットには野田の言葉として「(精神病院を舞台にしたり、キチガイ出したりするのは、倫理のことでなくて、作劇上の問題として)それやっちゃいかんでしょ」とあるが、これをキチガイの大家・松尾スズキはどういうふうに読んだのであろうか。今回、野田は、狂女のエキスパート・大竹しのぶの極めつけの狂気を見たいという理由で、これまでタブーとしてきたキチガイを題材にしたとのことである。しかし作中には智恵子の狂気を否定する(つまり「狂言」。いつもの野田ならダジャレにするところだが今回はほとんどダジャレなし)セリフがあったりするし、なんか考えがまとまりきっていないように見受けられる。狂気に至る過程が描ききれているとはいえないし、肝心の狂気はただわけのわからないことを叫ぶだけだったりする。
あるいはわざと半端で書き終えた戯曲を完全なものにすべく期待されたかもしれない大竹は、まったくの野田の操り人形にすぎない。口立てで演出したのではないかと思うほど野田そっくりである(声自体が似てたりする)。野田×大竹のがっぷりよつを期待したのだがガッカリ。大竹はハナから勝負をする気がないようであった。これだったら野田が自分でやれ。それか若手アイドル女優(演技に定評がある人ではつまらない)の登竜門みたいな形で毎年違う女優でやってみるとか。
舞台が菱形というか真ん中が出っ張っているために、ちょっと複雑な座席配置になっているが、私はそういうのは関係ない最後列。なので、ひょっとすると大竹は表情とかが凄かったかもしれないが、それはわかりません。でも表情がわかるくらい前だと、傾斜がないので前の人の頭が邪魔でしょうがなかろう。
小道具の使い方はうまいが、大竹がペタンと座ったままひとり数役をした時にビビッと来たので、野田はひとり芝居より落語を書いてみたらどうか。
劇中にかかるタンゴの「小さな喫茶店」というのが、あがた森魚が「バンドネオンの豹(ジャガー)」で歌っていたのと同じ歌詞だったので嬉しかったが(洋楽スタンダードあるいは童謡って、いろんな日本語詞があるからさあ)、そういえばその続編の「バンドネオンの豹と青猫」の「青猫」ってのは高村光太郎のことだったような気がする。
声の出演は、どうも野田しかわからなかったのだが、「多くの親しいお友達」には昭和天皇裕仁くんが含まれている。
シス・カンパニー スパイラルホール
作・演出
    野田秀樹
元ネタ
    高村光太郎
    『智恵子抄』とか
美術 加藤ちか
照明 小川幾雄
着物コーディネート
    井関智子
方言協力
    菅家ゆかり
大竹しのぶ

<ヴァイオリン演奏>
 渡辺剛
 (G−クレフの人)

<声の出演>
 白石加代子
 野田秀樹
 多くの親しいお友達
百獣戦隊ガオレンジャー 「オルグ消滅!さらば素顔の6戦士!!」 ★★★
(C)テレビ朝日・東映 後楽園ゆうえんちスカイシアター
「天保十二年のシェイクスピア」 ★★★
シェイクスピアで(日本を舞台にした)時代劇というと、やっぱり黒澤明な感じがするなあ。しかし実は黒澤でなくて石井輝男なのであった。井上ひさしが70年代に書いた、要するに「シェイクスピア全集 恐怖奇形人間」である。シェイクスピアの作品のあちらこちらを散りばめてあるわけだが(全体の構成としては「天保水滸伝」というのをかぶせてあるらしい)、私は、近頃ではシェイクスピアは「恋の骨折り損」と「タイタス・アンドロニカス」が一番詳しいというボンクラなので、元ネタはほんの一部しかわからないのであった。そのように膨大なエピソード・キャラクターを内包している作品なので、まったくもって散漫である。一応主役はリチャード三世&イアーゴウがごっちゃになっている上川隆也なのだが、ボロ切れまとった蓬髪のせむし男な上に出番は少ないし、はっきりいって後半まで主役とは気づかなかった(石井輝男の映画なら土方巽の役でしょ)。今回は25分の休憩を入れて3時間50分。元は4時間を超える作品で、泣く泣くエピソードを削った(代わりに歌とアクション入れてんじゃないの?)とのことである。普通に考えれば枝葉を削っているはずで、それで上川の出番がこれだけ少ないなら散漫な印象なのは元々の戯曲のせいであろうが、エピソードのつなぎと解説で熊谷がベラベラしゃべるシークェンスではいつも同じレゲエの曲がかかったりするのが、勢いを削いでいるのも確かである。レゲエじゃ呑気だから、なんか一休みって感じになっちゃうんだよ。解説抜きでいいんじゃないの。これ削れば30分は短くなる。劇場がデカいせいかみんな演技が大仰だったのも間が抜けてるように感じる原因であろう。短くするよりも、むしろ上川のエピソードを書き足し、3時間ずつ2日に分けて上演とか裏技を使ってじっくり見せた方がよかったんじゃないかとも思う。一方で歌を削れとも思う。でも、女性陣の踊りは結構よかったですよ。
役者は池田と阿部に見るべきものがあり、やっぱり客演陣に支えられる新感線という感じがする。阿部は奥さんに「尼寺へ行け!」だか「遊郭へ行け!」だかいうので高橋伴明監督「愛の新世界」の劇中劇(松尾スズキ作・演出)の「ソープへ行け!」というセリフを思い出したが(もちろん同じ元ネタなわけだ)、これをいったのは阿部でなく宮藤官九郎だったか。しかし、客演陣が活躍といっても山本亨なんかは可哀想な役であった。第一幕のラストでドーンと出てきて休憩に入るのだが、実は第二幕でもさほど活躍しない。キャラクター設定も半端。西牟田は、なんか普通の声になっちゃったね。沢口は今度こそ下手くそなのがみんなにわかったみたいでザマーミロという感じである。
例によって高いパンフ(2000円)の写真に金がかぶせてあるのが妙に好きなのでオマケした。
あとトイレに並ぶ女性の行列が見物。全長100メートルくらい。
社団法人劇団協議会
TBS
(劇団☆新感線)
赤坂ACTシアター
作   井上ひさし
企画監修
    鴻上尚史
演出 いのうえひでのり
美術 堀尾幸男
衣裳デザイン
    小峰リリー
振付 川崎悦子
殺陣 田尻茂一
    川原正嗣
    前田悟
音楽 岡崎司
上川隆也
沢口靖子
池田成志
阿部サダヲ
古田新太
熊谷真実
橋本じゅん
西牟田恵
村木よしこ
小林勝也
森塚敏
山本亨
高橋礼恵
粟根まこと
右近健一
武藤陶子
後藤智恵
滝沢貴子
川原正嗣
前田悟
武田浩二
横山一敏
伊藤竜也
 小豆畑雅一
 仲里安也美
 栗原妃美
 菅原和歌子
 佐藤浩子
 竹内いづみ
 平田ももこ

  並木大輔
  河野琢生
  神野崇
  岡田力
  松本芽育
  牧野淳子
  草野万葉
  織田陶子
  大島奈穂美
  青木和美
  小堤美紀
  永井美羽
  牧吾朗
  岡林史泰
  渡部洋
  佐藤耕一郎

岡崎司 (ギター)
高橋ヨシロウ (ベース)
TAKI (ボーカル・ギター)
Takeshi (ドラム)
石黒彰 (キーボード)
「十字架」 ★★★★
阿佐ヶ谷スパイダース 東京グローブ座
「You Are The Top 今宵の君」 ★★★
前回「三谷が取れない」と書いたのは「彦馬がゆく」三演のことです。三演とわざわざ書いたのは、もちろん再演は見ているんだぜという自慢話に展開させるためです。でもやめた。
そもそも市村VS鹿賀丈史という濃い顔合わせという企画だった本公演は、鹿賀が盲腸であえなくダウン、とりあえず初日を順延し、ホリプロ(「大江戸ロケット」につづく災難)の所属だったのか鹿賀とは似ても似つかぬアッサリ系の元夢の遊眠社・浅野が代役で演じました。私が見たところでは、この本で浅野というのは問題ありませんが、VS市村はちょっとどうか、いや凄くどうかと思う。まったく芝居のタイプが違う。戸田が間を取り持つ役なわけだが、やはり元ミュージカル女優なのでどうしても市村寄り。はっきりいえば市村が大人気ないのではないかと思う。自分の好きなようにやりやがって。
ピアノが置いてあるちょっと殺風景な仕事場。作詞家の市村がそわそわしながら長年コンビを組んでいた作曲家の浅野を待っている。事故死した歌手・戸田の七回忌追悼コンサートに新曲を提供することになっているのだ。最近は売れっ子の市村と売れない浅野という関係で、一緒に仕事はしていない。不本意ながらという感じでやってきた浅野と市村は曲をつくりながら戸田の思い出話をする。今回、三谷としては珍しく舞台的で、戸田も現れる回想シーンでは仕事場がバーやホテルや浅野の部屋になったりする。そもそも回想シーン自体画期的なことのような気がする。物事の表面しか見ない市村に対して、何でも見透かしてしまう浅野。市村のいい思い出の裏には浅野の知る別の一面を持つ戸田が隠されていて、市村はショックを受けまくる。
というのが前半で、ここらまでは快調であった。ところが後半、三谷が曲づくりに障壁を設けようと無理をするので、私はやっぱり気持ちが引いてしまった。ここらへん三谷の主義主張(あるいは言い訳)が入っていて素直にうなづけない。それは「不本意なものであっても何も提供しないよりはマシ」というもので、似たようなことが「ラヂヲの時間」にも出てきた。私は作り手の良心としてそれはどうなんだろうと思ったりしているわけだが、それはそれとして、それを表現するために、締め切りまでまだ半日もある時点で市村に「もうこれでいいや」といわせるのは無理があるだろう。市村は自分の気持ちを殺して周りに合わせて世渡りしていて、今でも第一線で活躍しているのでそのことに自信があり、自分の納得できないことはやらないという姿勢で周りと対立することが多くなり今は落ちぶれている浅野を自分と同じような生き方に変えてあげようとする。迷惑だろう、それ。でもまあその趣旨にそった展開になっているのならまだしも、この市村が「いいよ、いいよ」といっている時点では浅野は単に推敲している途中で「まだ完成していない」といっているだけなのである。市村とてこの時点で終わりにしようとするとはとても思えない。たとえば「あと30分ではとてもじゃないが満足できるものにはならないので今回は不参加にしよう」でもめるのならまだわかるのだが、なんでこんな不自然な展開にしてしまったのだろう。ひとつ考えられるのは、締め切りギリギリまでがんばると昼近くなってしまい「今宵の君」ではなくなってしまうということぐらいだが。
とにかく三谷には主義主張テーマまったくなしというのを期待したい(笑いがテーマとかいうのはよし)。
「渡辺謙が来てるわよ」とオバサンが旦那にいっているのを聞いたのだが、借金王はこんな高い芝居に来るな! というのはさておき、私の身に起こった重大事件を告白しておかねばなるまい。こう普通に入場して席に座っていたところ、「お客様、申し訳ありませんがチケットのご確認を…」と来たわけだ。私はどう見ても正しい席に座っていたのだが、「これは……お日にちが違いますね」。というのが実は先週の話である。どうしてだかわからないのだが、とにかく一週まちがえた私であった(曜日は合っている)。この後、もぎった半券を探し出し、メンディングテープで貼って割り印を捺し、「望月」と担当のおばさんの名前まで裏書きしてもらって帰ったのだが、お手数かけて申し訳ないとは思ったものの意外と恥ずかしくなく、これはオバサン化が始まっているのかなと思ったものの、それも特に不安ではないという、とにかくドジっても平常心な私であった。ちなみにその時、半券はもう一枚探されていて、そっちは全然違う劇場のものだということで、どのドアから入れという指示をするにも関わらずモギリの人は当てにならないので、ちゃんと自分で管理しましょうという教訓でした。
ホリプロ 世田谷パブリックシアター
作・演出
    三谷幸喜
美術 堀尾幸男
照明 服部基
衣裳 黒須はな子
ステージング
    上島雪夫
劇中歌「You Are The Top」
作詞 三谷幸喜
    井上陽水
作曲 井上陽水
    平井夏美
編曲 小野澤篤
    平井夏美
市村正親
浅野和之
戸田恵子

諸注意アナウンス
  川平慈英
「北大阪信用金庫」 ★★★
これチケット取ったときが面白かったのだ。実家に行く用事があったので通り道の渋谷のチケぴで買うことにしたのだ。10時ちょうどくらいに着いたのだ。思いの外短い列だが、これが全然動く気配がないのだ。チケぴのコンピュータが止まっているのだ。これは滅多に体験できないぞ。この日売り出しだった「スサノオ」の宣伝にはそれについての「お詫び」が書いてあるのだ。それにしてもいまだに宣伝しなきゃいけない「スサノオ」って……(まあ私も買ってないし。主役でもない佐藤仁美を見るには高すぎるのだよ)。というわけで、その後ちょっと動いてまた止まり、申込書預かって動き次第取らさせていただきます、ということで預けたのだが、いろいろ都合もあるのだろう、予約ということでなく、即チケット発券、現金払いということになったのだ。で、確認の電話があったりしたのだけど、留守電に連絡くれと入っていても店個別の電話番号はわからねえし(チケぴ総合案内は混乱つづいているのかずっと話し中)、とかいろいろあり、後日よそで見る予定だった映画をわざわざ渋谷で見ることにしてチケット受け取りにいったら、休日は早々と6時には閉まってたり、冒険の数々が繰り広げられたのであった。ちなみにこの時やはり後藤ひろひと作のG2プロデュース物を取ったのだが、これはまた近日参上。
悪くいえば、1年間主役を張ったもののその後の方向性を見極められない役者たちが集まってとりあえず何かをやろうと足掻く企画、ということになるのであろう。「忍者戦隊カクレンジャー」ニンジャレッド・小川(こいつは舞台に出ずっぱりだけど)、「激走戦隊カーレンジャー」レッドレーサー・岸(一時期声優やってたけど)、「電磁戦隊メガレンジャー」メガレッド・大柴(ウルルン紀行もしたけど)がコンビを組んで、グリーンレーサー・福田も呼び込んで、後藤ひろひとの過去作品に取り組んだ。後藤が吉本興業に所属しているせいか、天下の吉本がしゃしゃり出てきているが、目のつけどころは悪くないです。彼らのあと特撮業界は急速に女性の目を気にしたキャスティングに移行してますからね、今のうちにノウハウを身につけ人脈をつくっておけば、相当イケると思います。と、商売の話をしている場合ではなかった。
小川・大柴・岸の盗賊団が、でかいヤマの予行演習のつもりでしょぼい北大阪信用金庫から盗んできたノベルティ・グッズ「ホッキンくん貯金箱」(欲を出して金は取らない訓練中)の中には、京都からインドへ移送中の時価8億円の秘宝、可燃性ダイヤモンド「ラニヤンスー(王女の涙)」が入っていた。警備担当、影の最強警備組織SSFGGの田鍋が犯罪者たちの裏の裏をかいてしょぼく隠したのが裏目に出た。このダイヤ(と、裏に隠された核ミサイル制御装置の陰謀)を追って、転送装置のせいで蝿化進行中の康刑事や、腹からエイリアン背中からマニトウの怪盗スモーク(福田)や、プラスティック爆弾にやられたサイボーグガードマン(T−1000型)森下や、森下を追う未来からやってきたグラサンに革ジャンとショットガンのブレードランナー・後藤らが激しいバトルを繰り広げる、という映画ネタはさすがに過去作品(にしても「マニトウ」はねえだろうよ)という感じだし、わかってねえんじゃないか、女性客(新しいとこではホウキで飛んでた)。
最初の方で前の仕事の失敗で服役中の小川を待つ大柴と岸が経営するパブで歌うニセ氷川きよし役で「救急戦隊ゴーゴーファイブ」ゴーグリーン・原田が登場。彼はこれからレッド3人とユニットを組んで THE CONVOY SHOW みたいなことをやるらしい。終演後にダンスのお披露目あり。あと、なんかゴボウで芸をするオジサンが出てるのだが、吉本の芸人かなあ、名前がわからん。これ、演出をリリパット・アーミーの山内がやっているだけあって、このようなリリパ風ツナギ的なお笑いコーナーがあったのだ。
いつもの芝居以上に(香港映画以上に)女ばっかの客で、怖じ気をふるってしまう私であったが、そんな少ない男性陣のうち、ロビーで見かけた長身の男、見たことある気がするけど戦隊の人ではない。もしや中身の人かという彼は、声優の大塚明夫の気がするけどどうかなあ。「ブリスター!」で顔見たことあるのだ。大塚明夫のホームページで日記を読むのだ! そんなのあるかどうか知らないしやってられん。
ところでチケぴのお姉さんが誠心誠意取ってくれた席が「G列5番」でなあ、これ、とっても戦隊チックな感じがするんだけど、どう?
レンジャー・プロデュース
(吉本興業/G2プロデュース)
紀伊國屋ホール
作   後藤ひろひと
演出 山内圭哉
    森下じんせい
小川輝晃
大柴邦彦
岸祐二
福田佳弘
田鍋謙一郎
康喜弼
森下じんせい
後藤仁

ゲスト
  原田篤
「コスモ☆プロジェクト 〜 地球、そして宇宙 〜 ★★★★
演劇弁当猫ニャー 東京芸術劇場小ホール2
「長島茂雄殺人事件 ─アカシアの花─」 ★★★
相変わらず二転三転。チケットには「徳光和夫の青春 ―長嶋茂雄殺人事件―」と書いてあるし、それより大問題なのは、「演出 渡辺和徳」となっていることであろう。演出家でさえ降ろされてしまう、つか組であった。というわけで、ひょっとするとパンフと号外合わせて書いた出演者ですが、実際と違うかもなあ。そもそも大量投入しすぎです。最近の若手公演にありがちだった、早口で声が裏返っちゃうと何いってっかわかんねえんだよという問題もなく、相当声の出る人をそろえました。そういう基準でオーディションしてるのかな?
私も詳しいことは知らないのだが、演劇にはエチュードとかいう練習?がある。役者2・3人にシチュエーションだけ与えてシーンをつくらせるというヤツだ(と思うんだけど)。今回の芝居は、つか先生のことだからそうそう役者に何かをつくらせるということはしないはずだけど、似た形式で役者をグループに分けて思いつきで(口立てで)シーンをつくったのを適当にくっつけたという形跡がある。いや、演出家の交代劇があるからちょっと違うか。思いつきで書き散らしたのをまとめさせようとしたらまとまるはずもなく、演出家が泣きを入れたという感じか。
時間はメチャクチャである(話も)。戦後、日本中に希望を与えた長嶋茂雄。彼を狙撃するという予告が警視庁に届く。捜査に当たるのは小川警部。彼は野球を憎んでいた。相棒の川畑は村山実の息子であった。長嶋は内角に飛んでくるライフルの弾を踏み込んで打ち返すつもりだった。高校野球で内角の球に腰が引けてしまった小川は(これ別の芝居でもそういう設定あったから実話かも)忸怩たる思いである。その頃、天皇制を長嶋制に変えようとする一派がクーデターを企てていた。また野村監督一家は苦しんでいた。沙知代は幼い頃に防空壕に入れてもらえなくて、その防空壕の当番をしていた徳光和夫を恨んでいた。徳光は当然、長嶋を愛していたが、女性アナと結婚しようとしていた。彼女は夫と別居中で、その夫とは小川であった。小川は息子の踊場くんをこきつかっていた。長嶋の狙撃を依頼された暗殺者は、シャム双生児だったのを戦中に中国で天才外科医に切り離された子供たちだ。外科医は今は亀富士というサラ金を経営していた。暗殺者は東京ドームの屋根が一瞬開いたときに後楽園ゆうえんちのジェットコースターの頂点から、打てない選手に業を煮やし自ら打席に立った長嶋監督を撃とうとするのだった。そして、チェーホフの「三人姉妹」の謎が解け、ローマ帝国の将軍、マキシマスがグラディエーターとして復活するとき、誰も彼もが長嶋茂雄を憎んでいたことが明らかになり、ジュリーの歌声が響き渡った。一人ひとりが思うことは愛する人のためだけでいい。君に話すことがあるとしたら、今はそれだけかも知れない。今はさらばと云わせないでくれ……。やがて戦中の中国での未曾有の犯罪が姿を現し、テネシー・ワルツに合わせて踊る。
とりあえずモチーフを並べてみました。全体として、どーしたもんかという内容ですが、クライマックスで長嶋への恨みが噴出するところはかなりよかったです。
とにかくつか先生の音楽センスはいいです。ダンスシーンなんて「カウボーイ・ビバップ」だぜ。どこで聞いてんだよ、と思いますが、娘さんのミナコさんが実在の人物だとわかりましたので(宝塚音楽学校に入学しました)、そっちから来てるんでしょうねえ。
☆北区つかこうへい劇団 シアターX(カイ)
作・演出
    つかこうへい
殺陣 石垣広文
振付 古賀豊
音楽 からさき昌一
プリティ長嶋
小川岳男
山本哲也
川畑博稔
武田義晴
嶋祐一郎
とめ貴志
岩崎雄一
吉田学
黒川恭佑
踊場英佑
友部康志
糸永直美
 代田正彦
 井上直己
 赤塚篤紀
 吉浦陽二
 酒井隆之
 古賀豊
 石垣広文
 高野愛
 小川智之
 松本有樹純
 平岡陽祐
 梶原ひかり
 南野真一郎
「春子ブックセンター」 ★★★★
大人計画 本多劇場
南北オペラ 「金幣猿嶋郡(きんのざいさるしまだいり) ★★★★
劇団創立15周年記念公演(第二弾)。
役者は3人ほどよその芝居で知っていますが、劇団としては初めて見ました。カーテンコールの挨拶によれば「15周年なので、こんな変な芝居をつくってみました」とのことで、いつもとは違う模様。いや、見てる最中から違うだろうとは思ってました。このノリで泉鏡花とかやってるはずないもんなあ。初めて見るのにふさわしい芝居ではなかったわけだ。歌舞伎で南北のものを見てハズレたためしがないのでちょうどいい機会と思ったのだがちょっと失敗か。ひとことでいえば、女オカマの見るもの(差別的〜)ではあるのだが、30分くらいで脳が痺れてしまって、どうとでもなれと身をまかせてしまいました。でも点はちょっとオマケした(初めてだから)。
平将門は首を斬られ、彼の盟友はいずこともなく姿を隠した。将門の娘は召使いの元へ身を寄せていたが、そこへ安珍と偽名をなのる彼女の恋人で将門の部下がやってくる。召使いの盲目の娘・清の目が奇跡的にあくと、安珍とは以前に見そめた男であった。が、恋人と再会したばかりの彼が清に心をやるはずもなく、嫉妬に燃えた清は蛇に化身し……。一方、山の中に巣くう強盗団の頭領は将門の妻を連れ合いにしていたが、彼は将門の部下の息子で……とか複雑すぎて説明できない話をおちゃらけミュージカル化。
あとで聞くと美術から音楽から60年代風を目指したとのことだが、私は70年代かと思っていた。確かに考えてみればサイケデリックというのは「オースティン・パワーズ」に見られるように60年代らしいのだが、私としてはサイケ=「ゴジラ対へドラ」(71年)なのであって、音楽もテレビ主題歌みたいのとか、とにかく割とモノゴコロつきかけにインプットしたようなものばかりだったので。60年代じゃなくて昭和40年代とかいってもらえるとピッタシかも。
衣裳がめちゃくちゃ褒められているようなのだが、私はルネッサンス時代みたいな西洋のファッション(森川久美のヴァレンチノ・シリーズとかを念頭に置いております)はちょっといただけなかったです(半分くらい西洋風)。
役者は、まあ知ってる人はちゃんとわかったのだが、全体に白塗りなので、個別の印象ってのは特になし。あっ、みんな顔がデカ目かも。通路までやってきた桂憲一(泪目銀座で見てる)なんて大迫力でしたよ。
花組芝居 シアターアプル
原作 四世鶴屋南北
作・演出
    加納幸和
美術 川口夏江
衣裳 阿部朱美
音楽 星出尚志
    坂本朗
    上野まり子
    植本潤
山下禎啓
嶋倉雷象
大井靖彦
加納幸和
水下きよし
原川浩明
八代進一
植本潤
桂憲一
北沢洋
中脇樹人
秋葉陽司
溝口健二
各務立基
横道毅
松原綾央
橘義
戸田武臣
清水博之
杉本大樹
成田岳史
「ダブリンの鐘つきカビ人間」 ★★★
パルコ・リコモーション
(G2プロデュース)
パルコ劇場
流山児★事務所2002スペシャル 「殺人狂時代」 ★★★★
流山児★事務所 本多劇場
「メルダイバー」 ★★★
TEAM 発砲 B・ZIN アートスフィア
「熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン」 ★★★★
これは(私は)おなじみなので、細かい話しか書きません。
今回は宮崎勤の話の代わりに尾崎豊の話が入ってまして、ようやくつか先生も時事ネタを諦めてくれたのかと思いましたら、歌舞伎町の火事の話が入ってましたね。最近の先生はどうしても家族の話を入れたいらしくて、ゾロゾロと出演者が増えてしまいました。平岡は犬でトロイは例の客席担当(目立ちすぎ)。
今回の不満は、オープニングというか、始まって30分くらいのところにあるタイトルコールがないところ。通常「南から来た用心棒」のテーマがかかって役者紹介があるところをすっ飛ばしていきなり若林ケンの登場。歌は「なぜか上海」。こないだもそうでした。「幕末純情伝 黄金マイクの謎」で五百円札の人をやった時はよかったんですけど、この芝居では歌詞の関係もあるし素直に「しゃんららららんらんらんららん、はぴばーすでーすいーしっくすてぃ〜ん」でいいんじゃないかと思いますけどねえ。そいで、これもこの前からなんですけど、最後に名前を呼ばれるのは水野でなくて速見。これは私はバッドエンドと考えているので、なんとかならんもんでしょうか。どうすれば水野さんの名前を呼んでもらえるのだろう。時代のせいなのか? 歌については他にも不満はあります。そもそもオペラだった本作(そうか?)だが、今回はちゃんと歌わないです。なんかもったいないな。浜辺での「鉄道員」もハンパな使い方だし、こないだから「赤色エレジー」かけてんだけど、これもイマイチはまってない。「パピヨン」のテーマはちょっとバージョンが違うようであった。声は同じなんだけど。見た目では、阿部ちゃんがオールバックにしてないのも違和感があるな。あといつもはサスペンダーしてなかったかな? 春田は長靴とかゴン爺さんのネクタイとかしてないし。あと小川には高校野球のネタを入れてやってくれ。と不満を言い出すといろいろあるのですが、もともとデキのいい芝居だしおおむね満足でした。
内田有紀はこれで卒業(中退)かと思ったけどもう一回チャンスをやろう。問題は春田さんの方で、どうもしっくり来ない。で、過去の作品とかツラツラ考えてみますと、春田さんはどちらかというとボケの役者なんです。この芝居の刑事役はツッコミでないとあかん。かなり「あんた」という言葉の頻度が高いと思われます。春田さんは過去「あんた」より「俺」という言葉の方を多くしゃべってきたと思います。独白こそ春田さんを生かす道。それゆえ、あの特攻バーが素晴らしいのです。はっきりいっちゃえばミスキャストってことになるのだけども、つか先生は役者に合わせて芝居を変えるのが特徴のかたなので、演出ミスってことになるのかなあ。見た感じオーソドックスバージョンの刑事なんだから海岸で妹が死んで軽くなった話(「熱海」における春田の独白コーナー)とか入れてあげればいいのに。あれ夏子の歌つきだから、無理に持ち歌を田原ナントカの「抱きしめてトゥナイト」にしなくて済んだのに(春田が歌うべきなのに阿部ちゃんに取られちゃうんだよ。歌えないんだな、きっと)。ちなみにナントカっていうのは劇中でそういっているのであって他意はありません。なにしろ初演見たあとCD買ったし。
北区つかこうへい劇団 紀伊國屋ホール
作・演出
    つかこうへい
殺陣 石垣宏文
ダンス
    黒川恭佑
阿部寛
内田有紀
小川岳男
春田純一
若林ケン
踊場英佑
赤塚篤紀
岩崎雄一
トロイ
平岡陽祐
「フローズン・ビーチ」 ★★★★
ナイロン100℃ 紀伊國屋ホール
Inouekabuki Shochiku-Mix
「アテルイ」
★★★
松竹株式会社
(劇団☆新感線)
新橋演舞場
「アチャラカ再誕生」 ★★★★
空飛ぶ雲の上団五郎一座 ラフォーレミュージアム原宿
「これはあけぼの」 ★★★★
ナミギン名物、ラジオドラマ仕立ての携帯注意。今回は鈴木宗男VS辻元清美で(ともに仮名を使ってました)、劇中でも出てくる鈴木は川平が物真似をするので彼がやっているのだろうが、辻元はどうやら見学に来ていた松永玲子がやっているようだ。
建て直しとのことで雑然としている高級割烹の二階。シナリオライター川平が結婚するというので、そのお祝いに高校時代の同級生が集まることになった。あまり大袈裟にしてくれるなという川平を気遣うここの主人は同級生の菊池で、弟子入りして親方に気に入られ、娘と結婚してすぐに親方が亡くなり主人になったというトントン拍子の出世(?)だ。彼はしきりに川平の収入を気にする。葬儀屋をしているおかやまからの電話で甲本が来るといわれるが、川平も菊池も彼のことは記憶にない。実は最前から来ていた甲本は「目立たなかったので」と恐縮するが、彼の方は川平のドラマは全部見ているというし、菊池のことにも詳しく、そして何より、彼らの同級生で元アイドル、今はVシネ女優という頭打ちのとよたの大ファンなのだ。とよたは高校時代の川平の彼女だった。浪人・留年などで彼らより年上ながら、今もフリーターで適当に暮らしている野仲も甲本のことは覚えていなかったが、彼はそもそもそういうアバウトなキャラクターなのだ。とよたと親友で今も連絡を取り合っているという西田だけは甲本のことを覚えていて、甲本は感動してしまう。面倒見のいいおかやま(いま来ました)もそれには驚く。
ようやくやってきた川平の婚約者・森若はダンサーで、友達を連れてきたという。当然それはとよたなのであった。で、過去の探り合いなどをしながら話は進んでいく。西田ととよたは高校時代に大喧嘩をしてから音信不通であった等々。警官やマスコミがウロウロしているというのでビクビクする菊池。近くに鈴木議員の家があり、逮捕間近なのだ。で、真ん中くらいまで話を進めると、実は菊池は大借金に追われて一旦は夜逃げ、捜し物をしにソーッと戻ってきたところ川平と出会し、人のいい菊池はついみんなを集めてしまっていたのだった。そして明らかになる甲本の正体。彼は同級生ではなく、借金取りだったのだ。
そろそろ人生の先が見えてきて、仲間たちとの「勝ち負け」が気になる30台半ばの彼らの、明日はどっちだ――!
甲本の設定にメチャクチャ無理があるのだが(菊池が犯罪者で、甲本が刑事ならまだいいのだが)、まあこれには目をつぶろう。というか、つぶらないと先に進めません。やっぱり最初は刑事ってつもりだったんだと思うけどなあ。ラストをマイルドにしたかったんだろうなあ。この優しさ(?)がのちのち福島のクビを絞めることにならなきゃいいけど。
で、過去の秘密がいろいろ出てくるわけですが、これを誰かは知って誰かは知らないという状況をつくるために、登場人物の出し入れがちょっと不自然にある。というか。そういうのが透けて見えるような演出になってしまっている。舞台装置が一間っていうのをもうちょっと工夫できなかったかなあ。というのが残念。あと、山田太一のごとくときどき演説しちゃうのも惜しい。自分でも困ってるらしくて、無理な合いの手を入れたりするのがかえってウザイ。演説なしにした方がいいのだが(特に作家の愚痴はうるさいね)、どうしても入れたいなら、割り切って演説一本で通すくらいの覚悟が欲しい。実はタイトルはこの演説のひとつ(by 川平)から来ている。細かい説明は忘れたが、誰か偉い人の言葉によると人生は2日間なのだそうで、今は1日目が終わったあたり、ちょうど2日目のあけぼのなのだッ。というわけで、赤い照明がパーッと来て白く変わっていくのだが、白くなるまではなあ、どう見たって人生の黄昏って感じの色でしたよ。ここは誰がどう見ても朝陽っちゅう表現が必要だなあ。惜しいなあ。
というわけで、面白くはあるのだけど、脚本・演出ともに未完成な印象であった。特に希望はしないけど、(改訂版で)再演すると確実によくなりそう。
泪目銀座 紀伊國屋サザンシアター
脚本・演出
    福島三郎
舞台美術
    秋山光洋
衣裳 早川泰子
照明 佐藤公穂
    松村光子
    宮崎由紀
    高橋英哉
川平慈英
とよた真帆
菊池均也
おかやまはじめ
甲本雅裕
森若香織
西田薫
野仲功
「BIG BIZ 〜宮原木材危機一髪!〜」 ★★★
AGAPE store 全労済ホール スペース・ゼロ
「業音」 ★★★★
日本総合悲劇協会
(大人計画)
草月ホール
「サムライデュオ」 ★★★★
いや同じ点数とはいえ「業音」↑と比べるとダンチなんだけど、きだが吹っ切れたみたいなので励ましを込めた点にしてみた。
詳しいことは「メルダイバー」と一緒に間もなく書きます。
CHAIN TOKYO FM ホール
作・演出
    きだつよし
美術 秋山光洋
衣装 神場靖江
殺陣指導
    清水大輔
テーマソング
 作詞 s719
 作曲 小松清人
 振付 大場麻里子
原田篤
大柴邦彦
小川輝晃
岸祐二
東山麻美
武藤陶子
西ノ園達大

隠れキャラ
   ↓
赤木一番(きだつよし)
「障子の国のティンカー・ベル」 ★★
夢の遊眠社が旧作の再演に継ぐ再演で動員を伸ばしに伸ばしつつある1981年の正月三が日に野田が書き散らした未上演戯曲(新作は82年の「野獣降臨」までなし)を、自分は映画で忙しいニナガワが引っぱり出してきて弟子に演出させた。と、知ったかぶって書きましたが、私が夢の遊眠社をはじめてテレビで見たのがおそらく84年、実際に劇場で見たのが86年ですから、私のまったく与り知らぬ頃のことですね。
7時半はじまりはありがたいのだが、整理番号つき全席自由なので結局は7時につかねばならぬ。でも7時開場だけど入場は開演20分前ってのはどういうことなのか。会社から劇場までテクテク歩いて20数分。予想より早く着いた。劇場前でボーッと待つ。つまり屋外だが、すでにワイシャツ姿な私であった。目の前にチョンマゲ女が立ったので、とにかくこいつの後ろだけは願い下げだと思う。映画とかたまたま入ることもあるものならともかく、基本的に前売り重視で朝から芝居見ることがわかってるのに何故そんな傍迷惑な頭にしちょるのか(そういう視点で見ると「アマデウス」の中の劇場風景の巨大カツラ群は凄い)。7時開場、扉が開く。若い番号の人からロビー奥に詰めてください。と、いわれているのに78番の私より遅い番号の人たち多数が最奥に詰めてたりするのはどういう了見なのだろう。後楽園(今みたいな列つくってなかった頃)とかル・シネマとかいつもそうよ。お前ら慌てんな。で、10分してから中に入れ出す。表記通り。
薄暗い舞台。奥につくりこんだ台所。手前は居間か。真ん中に何か邪魔なものがあって台所の真ん中が見えない。幅2メートル、奥行き20センチほどの黒い板が天井まで伸びている。モノリスか! 猿スーツの鶴田が出てくるのか! そういえばチラシは胎児のように丸まってる写真だったしな! というのは間違いで、これは板でなくて、柱でした。両側から障子が閉まって奥と手前を分けるのね。幅が広すぎるんだよ。舞台右下影にピアノがあり、鈴木さんが弾いているのだが、カーテンコールで上に引っ張り上げられるまで気づきませんでした。
そのようにすぐに障子を閉めてしまうので、実は奥の台所はまったく出番がなく、無駄である。これだけ一所懸命飾り立てて、単にここは日本の一般家庭だというのを説明したに過ぎない。とにかく、その日本のご家庭でティンカー・ベル(通称ティンク)が妖精の世界のルールみたいなものを語る。ピーター・パンは自分に惚れているようなことや、昔人間は8本手足の男女だったのが神様が真っ二つに切ってバラバラにしたのでお互いに引き合うというような話をし、歌い、踊る。地球が実は北半球しかなくて、オーストリアとかも北に詰まってて、それが湖に浮かんでて逆さ地球で全円に見える。という話は面白かった。障子閉まり、障子の向こうで踊り続ける。影絵である。長い。どう考えても今踊っている影は鶴田ではなく、鶴田は舞台袖で着替えてるんだろうと思うくらいに長い。障子が開くとピーター・パンが立っていた。彼は、俺がティンクに惚れてるなんてのは冗談じゃない。俺が恋したのは二人だけだと嘯く。が、実はこのピーター・パンはティンクが仮装した姿で、ピーター・パンはすでに死んでいるのだった。ピーター・パンの死因は「人でなしの恋」であった。よくわからないが、ピーターは日本人形に恋をしてしまい、妖精の国を追われて……。というような話。「ベルリン 天使の詩」にインスパイアされたのではないかと思ったら、「ベルリン」は87年の作品でした。
「日本の女の子は髪はタドンのように黒くて肌はウドンのように黄色くて(うどんって黄色いかあ?)……歯は緑」という謎の台詞があり、つらつら考えるに野田は「葉は緑」と引っかけているのではないかと思うのだが(他の作品で「目=芽」「歯=葉」の懸詞あり)、そんなことは露とも感じさせない演出であった。たぶん野田は自分が演出するつもりで(自分にだけわかるように)書いたのだろうし、演出家は野田とはミーティングしていないであろう。もちろんシェイクスピアをやる人はシェイクスピアから話を聞かなくてもいいのだが、今回は話を聞いた方が、というか、そもそもこの戯曲には手を出さない方がよかったのではないかと。
鶴田は意外に色黒で、でも綺麗でした。
← このひと月後、鶴田は中山ダイスケと結婚した。
STUDIOコクーン・プロジェクト ベニサン・ピット
作   野田秀樹
演出 井上尊晶
美術 中山ダイスケ
衣裳 Theatre PRODUCTS
照明 吉川ひろ子
映像 清水寛子
音楽 bibi silence
鶴田真由

(演奏 鈴木光介)
忍風戦隊ハリケンジャー 「緑の光弾シュリケンジャー合流!」 ★★★
(C)テレビ朝日・東映 後楽園ゆうえんちスカイシアター
「ある豊かな生活」 ★★★★
競馬を辞めて暇になったさとう珠緒が舞台初挑戦。JRA(日本中央競馬会)からも花が届きました。
ナミギンではないので、というか、開演前の諸注意が全然なかったな。博品館劇場は、ずっと前の自由劇場のアメリカン(&焼跡派)なミュージカル以来だからかれこれ15年振りくらいではないかと(建物自体はこないだ行ってアナザーアギト買った)。客入れ最後の音楽は「上海バンスキング」でお馴染み「月光値千金」であった(違うかも。とにかく「上海バンスキング」の歌)。
実をいうと役者は主演の3人ともイマイチ・イマニ・イマサンくらいだが、演出は(役者の力を引き出すという部分以外)こちらの方が前作「これはあけぼの」より断然イイ。
内田は「業音」につづいて見るのは2回目だが、またまたパンツ一丁でうろついているのだった。それが彼の個性!(あっちはブリーフ、こっちはトランクス)
妹が結婚を決めて以来、かえって母から結婚の催促もされなくなって家に居づらくなった珠緒は、ひとり暮らしをしようと思いつつ、ちょっと不安なのでルームシェアリングして3人で一軒家を借りることにした(ハウスシェアリングね)。彼女は劇団の座付き作家なのだが、その戯曲同様浮世離れしたところがあり、彼女の親友にして演出家の陽子も驚いたことに、同居するのは、70近いお爺さん・犬塚と、東大生の内田という、共に男性なのであった。不動産屋の勧めにしたがい、第一回生活会議を開催して、あれやこれや取り決めようとする珠緒だったが、自分が感じ悪いことを自覚しつつ止められない内田は、ルールとか決めるのもそうなんだけど、こうやって呼び集められるのも迷惑だし、とにかくお互いのプライバシーに踏み込まないようにしようと感じ悪く主張し、犬塚はラジオ体操で腰を痛めて会議どころではないのだった。珠緒としては、父と弟と暮らしていた経験から、裸でうろつくのと下着を盗むのを禁止したいのだった。
引っ越して来た日は珠緒の29歳の誕生日で、陽子と劇団の看板役者の桂が遊びに来る。桂は犬塚とラブトーク(陽子の男とっかえひっかえ談とか)を繰り広げて仲良くなる。犬塚は未婚の独身人生を歩んでいる。自分のパンツ一丁姿にドギマギする珠緒の様子から、内田は彼女は処女なのではないかと思ったりするが、そういうわけでもないのだった(なんか昔、現実にさとうの非処女発言とかあったような記憶があるが)。誕生祝いをきっかけとして、感じ悪い内田を含めて住人3人は仲良くなる。犬塚のプレゼントは指輪で、それはかなり古いもののようであった。
引っ越してから筆が滑りやすくなった珠緒が適当に書いた桂の一人ミュージカルが受けて(演出した陽子自身は気に入らないのだが)、桂は仕事の依頼が殺到する。男出入りの激しい陽子はまたフラれたことをきっかけに内田と出来てしまうが、それを珠緒が目撃したせいで、内田ともめ、勢いに乗る内田は犬塚ともぶつかってしまう。気持ちのバラバラになったまま数ヶ月が経ち、桂が珠緒に求婚しようとしたまさにその時、風邪を引いた犬塚が意識不明になって入院してしまう。
家族がテーマなのだが、シリーズタイトルに引っ張られて恋愛〜結婚についてもちょっと触れてみたという内容で、可もなく不可もなくだといい過ぎで、優なく不可なしといったところだが、丸一年を描くので季節ごとに時間が飛ぶ、その省略のされ方が手練れの仕事って感じで感心した。この人は師匠筋にあたる三谷同様一幕一場物ばかりだが、もっと幅の広い物の方がよかったりするのかもしれない。
今回は、3部屋+庭・玄関と、ポイントが5ヶ所あり、それぞれ照明で微妙に強弱つけた見事な場面転換で、人物の出し入れも文句のつけようがない。
役者については、犬塚(力の抜けきった春田純一)はともかく、さとうも内田もまだこれからでしょ。内田は「業音」の時より下手で、キャラが合ってないのかも。彼の役は「OLの愛汁 ラブジュース」の佐藤幹雄に似ている。
これは福島の関係だろう、甲本雅裕が来ていた(女連れ)。ひょっとして、劇中のラジオのDJの声って彼だったり?
”29歳の女たち”シリーズ 5 博品館劇場
脚本・演出
    福島三郎
美術 升平香織
衣裳 菊田光次郎
照明 吉川ひろ子
さとう珠緒
犬塚弘
内田滋啓
今井陽子
桂憲一
「マイ・ロックンロール・スター」 ★★★★
(株)パルコ
(阿佐ヶ谷スパイダース)
PARCO劇場
流山児★事務所2002年冬公演 流山児かぶき
「盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)
★★★★
流山児★事務所 ベニサン・ピット
「応急エステティック」 ★★★
演劇弁当猫ニャー 全労済ホール スペース・ゼロ
「東京のSF」 ★★★★
ナイロン100℃ シアターアプル