舞台/ナイロン100℃以外のKERA 最新更新日:2003年05月28日

★は1個から5個の間でテキトーにつけてあります。

タイトル コメント
劇団(主催) 会場
スタッフ キャスト
「カフカズ・ディック」 ★★★
ケラと広岡由里子が組んだ新しいユニットの第一弾。本当に物凄く雑多な人々を集めました。
元東京乾電池・広岡(私にとっては市川準組って感じ)、NOVAのスズキさん・山崎、第三舞台・小須田、元夢の遊眠社・田山、M.O.P.・三上、大人計画・正名(キムタク「HERO」の警備員ね)、漫画家・内田、アイドル女優・小沢、ナイロンの松永と廣川。ちょっとどうかというような顔ぶれですが、今回はちょっともったいなかった。カフカ役・小須田とその親友ブロート役・山崎、カフカの妹役・小沢以外は何役もやるので印象が薄い。女性陣はそれぞれカフカの愛人というメインの役柄があるのでまだいいのだが、男性陣が可哀想な扱いでした(廣川はブロートの秘書役がメインかな)。
文芸評論家でありながら、人気大衆作家でもあるブロートは、結核で療養中の親友、フランツ・カフカの小説を出版社に売ろうと躍起になっていた。なぜなら、自分の小説よりも何十倍も素晴らしいものだから。彼の小説が誰にでも受け入れられるものでないことはわかっている。嫌悪感を抱く人もいるだろう。それはそこに書かれた真実がこの世界が実は不安定だということを暴いてしまうからだ。ブロートの熱意は実らず出版は拒否された。そもそもカフカ自身も自分の小説を世に出そうという熱意はないので、ガッカリしているのは自分ばかりなのだが、とにかくこの件を彼に知らせようと電報を打つ。だがその時にはすでにカフカは亡くなっていた。
という冒頭につづいて、以下カフカを取り巻く女性関係がポツリポツリと順不同に語られていく。二度も婚約破棄された広岡、人妻の内田、そして今看病してくれている松永。
いやまあ、カフカ読んでないけどさ。映画は見た。「カフカ 迷宮の悪夢」っての? と「審判 −トライアル−」っての。評判悪い「〜迷宮〜」は面白かったけど、確か何か賞をとった「審判」は熟睡しました。この芝居は別にカフカの小説をそのまんまやるわけじゃないし、ずっと起きてましたよ。
今回はいつもほど笑いは入れておらず、シュール度もそこそこで、非常に見やすいです。「ディック」なのでもっと下半身の話かと思ってたけど、単につき合ってた女性がたくさん出てくるってだけでしたね。随所に軽い笑いを入れつつも、普通にエピソードを並べただけって印象です。一番おかしかったのは松永の中国人ウェイトレス。この人は本当に芸達者だなあ。いずれナイロン本体で今江冬子(そもそも自由劇場「上海バンキング」のリリィ。ナイロンでは日本語ブロークンな謎の外国人を多く演じている)と対決してもらいたいです。
あと照明の演出に気を使っていたように思いました。
有名人、見たような顔の人はチラホラいたのだけど誰だかわかりませんでした。今回はパンフが凄いです。内田春菊の漫画の広告が4ページ強もある。こういう文化人を仲間にすると結構ラクラク経営できそうでいいですな。
オリガト・プラスティコ 本多劇場
作・演出
    ケラリーノ・サンドロヴィッチ
山崎一
小須田康人
松永玲子
広岡由里子
内田春菊
小沢真珠
正名僕蔵
田山涼成
三上市朗
廣川三憲
「室温 〜夜の音楽〜 ★★★★
場内が線香くさい。それもそのはず、今日はオカルト作家・内田の娘が殺された十三回忌なのだ。近藤巡査が腰を落ち着けているところへ内田のファン・村岡がサインをもらうついでに線香をあげにやってきた。有名な事件な上に内田は手記まで書いているのだ。道に迷ったタクシー運転手・三宅も家の中をうろつくところへ、佐藤がやってくる。彼こそ内田の娘を監禁・強制売春させた上に折檻して殺した当時高校生グループの一人なのであった(刑期を終えたばかり)。内田のもう一人の娘・中嶋、というのは実は殺された娘の双子の姉(たぶん)なのだが、彼女は佐藤の訪問を激しく拒む。しかし内田はこの十数年いろいろ考えた末にわだかまりを捨てていた。むしろ君が来てくれて嬉しいよ。まだ出所してないヤツらの親とか何もいってこないもんな。
という話で、一応サイコホラーということになっているのですが、そうでもない。とはいえ、出てくる幽霊たちよりは、生きている人間の方が後ろ暗いいろいろをかかえていて怖いのだというあたりがサイコなのでした。後半は秘密が出るわ出るわという展開。
今回は円形劇場だし、ケラもいろいろ演出に工夫をしているのですが、結局たまの知久くん(子供)のひとり語り(たまのメンバーもみんなセリフもある役です)がいちばんよかったりしたので、映像とか歌とかのさまざまな工夫より戯曲が勝っていたと思います。
(演技の話の)ほとぼりが冷めたので役者のことをちょっとだけ。実力派と見られているに違いないのでわざというのですが、中嶋さん、出だしが声のボリュームとか他の人と合ってません。でも小劇場ファンも明らかな新参アイドル女優と違っていじめないんだよな。後半は大竹しのぶばりのキレっぷりが見事。役者として一番面白かったのは近藤芳正の役だろう。人間としての深みがあってようございました。ケラなので笑いもまぶしてあって、それを一番担当したのはやっぱり三宅。三宅はちょっといつも通りすぎかな。ケツのポケットに入れてる白手袋(運転手だから)がタオルに見えちゃっちゃいけないです。運転手に見えないんです。
たまの歌は雰囲気もあってるし、いいっちゃいいのだけど、昔の持ち歌なんですよ。うちにレコード(アナログ)ありますよ。当時よく聞いたので、私なりの色がついている。スタンダードじゃないから人それぞれ全然違う思い入れがあると思う(ヒット曲ならある程度社会全体で決まった感じのイメージがあるのだけど)のでこれはうまくないのではないかと。
映像の演出は使い方が私の思い通りだー、どうだー。映像のことなら負けないぞー。
芝居好きなのか京晋祐をまた見た。
追記:2002年1月、鶴屋南北戯曲賞受賞。演出より戯曲をほめておいた私の眼力!
青山円形劇場プロデュース 青山円形劇場
作・演出
    ケラリーノ・サンドロヴィッチ
美術 加藤ちか
照明 関口裕二
衣裳 コブラ会
映像 奥秀太郎
映像イラスト
    古屋あきさ
佐藤アツヒロ
中嶋朋子
近藤芳正
三宅弘城
内田紳一郎
村岡希美
たま
  石川浩司
  知久寿焼
  滝本晃司
北野仁
佐々木光弘
佐藤剛成
戸田正範
中西広和
日栄洋祐
(声)
  小桜エツ子
  かないみか
「アチャラカ再誕生」 ★★★★
別役実・井上ひさしが画策する「常設喜劇小屋設立および若手作家・役者育成」プロジェクト立ち上げのプレゼンテーション(官公庁向け)として企画されたオムニバス・コント集。エノケンからフランキーや由利徹につながる浅草のアチャラカを目指すという意味で、彼らが舞台で映画でつくってきた「雲の上団五郎一座」というブランド名を象徴的につけたが、若い人にはそれじゃわからんので、ケラお得意の「空飛ぶモンティ・パイソン」のイメージを掛け合わせてみた。取りまとめ役・いとう、賛同者・筒井、賛同も何もいとう的には最初から引っぱることが決まっていたケラ。三谷も当然最初は文芸部として誘われたはずだが、どういうわけか十数年ぶりに舞台に立った。逆に筒井は、本は昔の渡して役者で出たい意向だったらしい。
コント集とはいっても、全体を、団五郎が行方不明になってしまった団五郎一座の舞台と舞台裏みたいな形でまとめてある。誰がどれを書いたかというのは明かされていないが、実は一個だけわかっている。頭とおケツを、ハリウッド役者名をセリフにまぎらわせたコントではさんであるのだが、それのラスト前、ということはクライマックスということですが、ここのネタが時代劇の舞台に子供が侵入してワヤクチャになるというもので、これはまったく「下北ビートニクス」でやった劇中劇そのままなのです。ちっとは変えろや、というか、趣旨としてアリモノを使うってのはありなのですが(イッセー尾形のライブみたいな方法論でいいと思うのですよ)、こういう見本市でクライマックスに使うこたあねえだろう > KERA、と思いました(いや、それもありなのかな)。
他は私が思うに、「らくだの馬さん」が別役で、「突っ込み指南」が井上(「二度見」追加はケラ)、「ジャングルの名探偵」は筒井、「キュリー夫人」がいとうで、吸血鬼〜泥棒〜ロボット操縦のくだりはケラかな(コントのタイトルは適当につけました)。と、いきなり書いても見てないとワケわからないなあ。でもコントだから書けませんです。WOWOWでやるので見てください。
みなさん気になっているのは三谷の役者ぶりだろうと思いますが、実際に来た客もそうで、ネタ的にもおいしいとこもらっているのですが、出ただけでちょっと湧いてました。なんか前より痩せたんじゃないか。というか、妙に背が高く見えましたね。舞台映えする男? 他は意外に個別の印象がなく、でもくりぃむしちゅーと池谷は「やるな」と思いました。深沢は探検隊の帽子うしろ前にかぶってたと思います。
ブラッと立ち寄って一幕だけ見て帰るような小屋を目指しているせいか、今回は自由席(チケットは整理番号付き)で、というのは主催者側の建て前で、たぶん半分方桟敷席なのでそうなったのだろうと思いますが、狭いのはともかく、席に角度をつけていないので、私なんか半分近く見えませんでした。例によって座高高いのが前にいるんだ。自由席だからといっても人気の出し物で間空けて座るわけにいかんでしょ。しかも、普通の座高の人のところでも舞台で座られると頭の先っちょしか見えないのよ。これは予想できることで、いとうとケラには反省してもらいたい。
舞台の左右には時に映像が流れるが、コント間のつなぎ映像が巨大な足にグワ〜ッと踏みつぶされるという「モンティ・パイソン」まんまをやってました。
「笑い」だけがテーマの舞台ですが、「春子ブックセンター」のような物足りなさ感はなく、しかしこれは出来の問題とかでなくて、小屋全体の空気の関係でしょう。ナイロン100℃の公演ってことでこれだと物足りないかも(猫ニャーなら文句ないかも)。
帰り際に峯村リエと今江冬子の後ろ頭を見かけましたが、周りの人が「三人そろって」といっていたので、あのチラッと聞こえたのは犬山の声だったのかな。自分のやった子供役を住田にやられてどんな気分なんだろう(犬山の方がよかったけど)。しかし、この「三人そろって」といった人は、友人に今江さんを説明するのに「メクラ、メクラ」といっていましたが、そういういい方はねえだろうよ。 ← 松永の日記を見ると彼女もいたようなので4人ともいたのか、犬山いなかったのか。
空飛ぶ雲の上団五郎一座 ラフォーレミュージアム原宿
脚本 文芸部
     いとうせいこう
     井上ひさし
     ケラリーノ・サンドロヴィッチ
     筒井康隆
     別役実
総合演出
    ケラリーノ・サンドロヴィッチ
    いとうせいこう

出演 俳優部
     いとうせいこう
     くりぃむしちゅー(有田哲平・上田晋也)
     住田隆
     中村有志
     深沢敦
     三谷幸喜
     みのすけ
     三宅弘城
     池谷のぶえ
     YOU

美術原案
    美術部
     安齋肇
     しりあがり寿
     なんきん

衣裳 今村あずさ
映像 上田大樹
「SLAPSTICKS」 ★★★★
一般的には、オダジョー・ともさか・古田と並べてあるのですが、オダジョーの17年後を演っているのが山崎で、私にとっては山崎の方が主役なんですよ。こういう回想主体のって、ハリウッドだと年くった時を有名俳優、若い時を売り出しかけの若手にやらせて、宣伝では有名俳優が主役みたいな扱いにしてるけど俺は認めないぜぇ〜、主人公は若い時の方だろ、とかなるわけですが、今回は逆だな。決してオダジョーが悪いってことじゃないですけど、うーん私が年をくったってことですかねえ。とにかく、左が現在(1940年代)、右が過去(1920年代)のキャストになっています(山崎、峯村は過去にも役あります)。本当はともさかはもうちょっと下でいいが、山崎を主役に据えるためにはともさかはこの位置でないといかん、と。
パルコ・キューブ PARCO劇場
作・演出
    ケラリーノ・サンドロヴィッチ
美術 堀尾幸男
照明 原田保
衣裳 前田文子
映像 上田大樹
映像協力
    喜劇映画研究会
音楽 中村哲夫
    LONG VACATION
山崎一
住田隆
峯村リエ
 オダギリジョー
 ともさかりえ
 古田新太
 大谷亮介
 金久美子
 村岡希美
 すほうれいこ
 廣川三憲
 中坪由起子
 吉増裕士
 坪田秀雄
 種子
 眼鏡太郎
 皆戸麻衣
「さくら」 ★★★
明治座再開場10周年(改名110年)。生まれて初めての明治座だよ〜。
タイトルはテレビまんまだけど、続編です。
今回は親孝行なのです。先週、奥村公延が「爆竜戦隊アバレンジャー」で、「ちょっと別の仕事で2・3週間留守にするから」と出かけていった先は、ここ明治座でした(というか設定では岐阜だな)。
明治座 制作部 明治座
作・脚本
    田渕久美子
演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出補
    石戸達郎
美術 松井るみ
照明 齋藤茂男
テーマ音楽
    小六禮次郎
音楽 野口五郎
映像 上田大樹
日舞 若柳禄寿
洋舞 家城比呂志
方言指導
    荒木優騎
高野志穂
小澤征悦
中村メイコ
野口五郎
麻丘めぐみ
熊谷真実
笹野高史
奥村公延
大塚道子
河西健司
飯島征貴
江成正元
荒木優騎
原金太郎
山上優
落合由子
鹿子かの子
針原茂
河内浩
 元木行哉
 米原克己
 石原身知子
 村瀬香奈
 奥野月琴
 宮崎ひとみ
 村上隆文
 我那覇美紀
 久光邦彦
 平本未来
 内田哲也
 植田健
 田中滋人
 吉田優
 櫻井幸輝

 (声の出演)
  森久美子
  寺泉憲
HORIPRO×NYLON100℃ Special Session
「ドント・トラスト・オーバー30」
★★★
凝った出演者の書き方をしてみた。例によってだいたい全員いろんな役をやっているのだが、一応メインの役としては、左が2004年(来年)の人で右が1968年の人です。
鈴木慶一は上機嫌で「ムーンライダーズのアルバムと同じタイトルのミュージカル」とかいうが、私がこの言葉を見たのはたぶん矢作俊彦の小説か何かで、それはムーンライダーズがアルバムを発表するよりも前であり、どう考えても慣用句というか一般的な言葉だと思う。この言葉を聞くと「フランシーヌの場合」とか、ポール・ニザンの「僕は二十歳だった。それが人の一生で一番美しい年齢だなどと誰にも言わせない」という言葉が頭に浮かぶが、まあ関係ないし、そもそもポール・ニザンさんが誰だか知りません(これも矢作か誰かの本で見たわけだ)。
フジテレビ・ニッポン放送・ホリプロ 青山劇場
作・演出・作詞・作曲
    ケラリーノ・サンドロヴィッチ
作曲・音楽監修
    鈴木慶一
音楽協力
    たま
振付 横町慶子
    伊藤千枝
美術 礒沼陽子
照明 大島祐夫
映像 上田大樹
衣裳 三大寺志保美
フライング・コーディネート
    松藤和裕
マジック・コーディネート
    HIRO SAKAI
ファイティング・コーディネート
    亀山ゆうみ
ユースケ・サンタマリア
秋山菜津子
井上順
新谷真弓
村岡希美
 奥菜恵
 大堀こういち
 犬山犬子
 三宅弘城
みのすけ

峯村リエ
松永玲子
藤田秀世
長田奈央
安澤千草
廣川三憲
大山鎬則
吉増裕士
喜安浩平
杉山薫

たま
石川浩司
知久寿焼
滝本晃司

Shilly Men
星川薫 (Guiter)
鈴木博文 (Bass)
青木庸和 (Keyboard)
濱田尚哉 (Drums)

小林克也 (声)