舞台/演劇弁当猫ニャー 最新更新日:2003年05月15日

2000年に「劇団」を発展解消し、2002年より、演劇を通じて弁当屋の開業資金を設ける団体「演劇弁当」(通称、ゲキベン)として活動している。

★は1個から5個の間でテキトーにつけてあります。

タイトル コメント
劇団(主催) 会場
スタッフ キャスト
(猫ニャー最終公演二本立て)
「将来への不安Z−2000」
「ファーブル・ミニ」
★★★★
初めて見たのが最終公演。劇団形式じゃなくなるだけらしいですけどね。両方とも再演らしい(「ファーブル・ミニ」は短縮版だから「ミニ」らしい)と聞いたけど、とにかく私が見るのは初めてですから。

「将来への不安Z−2000」
大学のお気楽な男女の集まり「きまぐれあすなろ倶楽部」。前向きに青春を生きる彼らが溜まり場にしている喫茶店。そのウェイトレスは不幸のどん底の人生を歩んでいた。彼女は彼らに憧れている。ある日、余った特製ウィンドブレーカー(背中にロゴ入り)を彼女が着てみたことから、彼らと仲間になる。が、彼らにも彼女にも恐ろしい不幸が待ち受けていたのだった。
とにかく、倶楽部の面々はいい気な人たちなのである。たいしてウェイトレスは本当に不幸なのである。我々は果たしてどちらに近いのか、というと、たぶんほとんどの人はいい気な人たちなのだ。そういったことを笑いのめす芝居。これは笑うか怒るか、笑うとしたらどこで笑うかで、その人の人となりがわかってしまいそうで怖い芝居なのであった。どうやら私は左後ろの方の男性の集団とは合わないようである。知らない人だからどうでもいいが。
シュールな笑いと評判の劇団だが、これはストーリーはわりと普通で(いや全然普通じゃないんですけど)、どういうつもりでつくったのか、どういうつもりで見ればいいのかがシュールなのであった。
安沢さんはなんだかとっても親しみが湧くなあと思って見ていたら、途中で気づいたがナイロンの人だった。

「ファーブル・ミニ」
伝記を読んでいてファーブルのあまりの地味さに疑問を持った(こんなに地味な偉人が存在するものだろうか)正名僕蔵は、ディスコで黒コートにサングラスの短髪の女性に声をかけられ、顔は茶色いが首は白いミスター・ブラウンの元へ連れて行かれた。君を探していたんだ。サングラスをかけたブラウンはカニ焼売とエビ焼売を両手に持ってどちらか選べという。それはそれとしてファーブルの真実の姿を見せてくれるのであった。信じれば現実になる。ファーブルはときどき6人になったりするお爺さんとお婆さんの元で育ち、放浪して偽善者に騙されたりしながらも、普通に昆虫の学者になったのだが、30歳のとき妻を殺してすごい力を身につけ世界を破滅へと導こうとする。そこへ現れたファーブルのお婆さんは変形合体する謎のモンスターになっていてファーブルと対決する。みたいなワケのわからない話が延々とつづき、正名も黒コートにサングラス、相手の弾丸をエビぞって避けたり、空中で止めたりしながら戦うのであった。
たぶんこっちが本流なのであろう、シュールなギャグの嵐。スクリーンにワーナーっぽいマークやなんか縦に流れる文字の群なんかも使ったりして豪華、意味なく派手。バカバカしいこと、この上なし。
わざわざ、「ファーブル〜」は「将来〜」よりだいぶ短くなっております、とかいうアナウンスもあったのだが、実のところほとんど変わらず、終了は10時過ぎ。

猫ニャーの若手女優さんは目が細い。なんか懐かしい顔立ちだ。少年ファーブルをやった乙井さんという人なんかは夢の遊眠社の竹下明子(違うような気がするけど資料が見つからない。野田秀樹の前妻ね)を彷彿とさせる。
ブルースカイさんには映画を撮らせたい。
猫ニャー シアターモリエール
作・演出
    ブルースカイ
小村裕次郎
池谷のぶえ
池田エリコ
西部トシヒロ
加藤美保
崎野雅司
立本恭子
乙井順
沖本尚紀
細川洋平
小澤敏彦
南サウス
安沢千草
正名僕蔵
「コスモ☆プロジェクト 〜 地球、そして宇宙 〜 ★★★★
「劇団」を解消し、「演劇弁当」(ゲキベン)として再生した猫ニャー(弁当屋の開店資金を演劇でまかなうことを目的とする団体)。旗揚げ公演は全席自由だったのでパスして(サラリーマンは贅沢)、第2回公演。
ナンセンスだかシュールだかのお芝居なので、ストーリーを語るのは至難のワザだ。
今さらだが巨大な隕石が地球に迫っていた。これを回避するためコスモ・プロジェクトが発動。しかし第一次、第二次とも失敗。隕石の衝突まで後7日。第三次プロジェクト進行中なるも、もう予算がなかった。総務の加藤さんはもう辞めるというが、彼女はスカトロマニアだった(これ、ストーリー的にはとりあえずどうでもいいんですけど、加藤さんは気に入っているので書いときました)。背中に羽根しょって駅のゴミ箱をあさる太ったおばさん・池谷(「ホーム・アローン3」に出てくるホームレスのイメージかな)こそプロジェクトの総司令官だが、彼女も辞職。後釜をねらう副司令官の細川は首持ち族だった。首持ち族というのはブロッケン伯爵のごとく、首が胴体から離れている種族で、長いこと人種差別されていたが3年前に差別は撤廃され、しかし人間たちは心の奥でいまだに差別していた。コスモ・プロジェクトの幹部役員は細川の司令官就任を阻止しようと、代理候補(マイケル・ベイとか)の選出を池谷に訴える。そのイイ顔にほだされた池谷は許可するが、苦労して成り上がった細川と役員たちの対立は深まる。細川の妻・乙井は、首持ち族であることを隠して(首の上に頭を乗せることもできるのだ)人間と不倫していた。
池谷の娘のTVレポーター・立本は一旦脱いだパンツをはき直すきっかけを逃して、威風堂々とマン毛まる出しのまま街をさすらっていたが、ウンコの摩擦(?)で肛門が異常発熱、次第に体が溶けて尻だけになってしまう。
首持ち族は120年に1度の大首祭りの時期だったが、隕石も来るし今年はやめようと思う。しかし昔気質の男が一人で準備を始める。その頃、弁当の配達人の妹がヤクザに監禁されていた。隕石の衝突まで後3日。
もういいですか。とにかく私としてはですね、この首持ち族がとてもお気に入り。差別とかの設定がなくても姿かたちに哀愁を感じる。なにしろ私は江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」のラストで普通に感動した男なのだ。手に持った首の、鼻こすったり、顔を手でおおって泣いたりという小芝居がまたいい。この芝居では瞬間的に青春ドラマや恋愛ドラマになるところがあり、ひょっとすると瞬発力で客を泣かせることもできるのではないかと思ったのだが、さすがに泣けなかった。惜しい。わけわかんないのに泣かされる空間。思えば、私が芝居を見るきっかけになった夢の遊眠社「野獣降臨(のけものきたりて)」がまさにそれであった(今は当時よりわけわかってます)。ちなみに首持ち族はジャミラ〜ジャンボマックスのラインのデザインで、夢の遊眠社の「ワルキューレ」かなんかにも似たデザインの巨人が出てましたね。野田秀樹とブルースカイを一緒くたに論ずる人はなかなかいないよ(別に論じてないですけど)。
さらっと通り過ぎたので気になってる人もいるかもしれませんが、マン毛は偽物です(言っとかないと、私は遭遇したことないが芝居では本物出たりすることあるし。おケツとか乳首は見たことあるよ。っていうか、これでも男のケツは出てます)。毛深いです。私が放送禁止な感じの言葉を書くときはだいたい劇中で使われた用語だと思ってください。出しちゃったマン毛について池谷が「夜空に浮かぶ月のように」と詩的に喩えるのでちょっと首をひねりましたが、これは「満月」のことですね。難しいよ、それ。
演劇弁当猫ニャー 東京芸術劇場小ホール2
作・演出
    ブルースカイ
美術 秋山光洋
映像 上田大樹
衣裳 速水由樹
小道具
    四方智子
池谷のぶえ
西部トシヒロ
加藤美保
咲野雅司
立本恭子
乙井順
細川洋平
荒井隆司
市川明日香
久保貫太郎
高木康寿
野原由理
坊薗節子
和田瑠子
「応急エステティック」 ★★★
私が見ていない間にも延々とウンコの話をやりつづけていたそうで、あまりの不評に綺麗な芝居をすることにしたとのこと。劇場が広いので豪華日替わりゲストを呼んでみた。それでも、うーん、空席が目立つ。というか、一週間前に買った私は後ろから5列目くらいで最後尾。後ろはガラ〜ン。そしてチケット屋が違うのか前も3列ほどガラ〜ン。左右もガラ〜ン。
そんな客席同様まったく流行らないエステティックサロン。特に近所に美容整形外科ができてからはどうしようもなく、酔狂で始めたオーナー(元ダンサー)は閉める決心をしていた。大雪の日、列車の大事故。なんとかクリニックという名前だったか、大怪我ををした人々が次々運び込まれてくる。その中に元気な独身の王女様がまぎれこんでいた。婿探しで町をうろついていたのだ。彼女の関心を買うために、瀕死の被災者たちはエステで綺麗になろうとする。
演劇弁当猫ニャー 全労済ホール スペース・ゼロ
作・演出
    ブルースカイ
美術 秋山光洋
衣裳 速水由樹
照明 山口功一
映像 上田大樹
池谷のぶえ
西部トシヒロ
咲野雅司
立本恭子
乙井順
細川洋平
小澤敏彦
荒井隆司
久保貫太郎
藻田瑠子
香川亮
高木康寿
野原由理
坊薗節子

<日替わりゲスト>
 深沢敦
 くりぃむしちゅー
  上田晋也
  有田哲平
「弁償するとき目が光る」 ★★★★
前のを書かないうちに新しいのを見てしまいました。といっても再演物です。
タイトル通り、弁償するとき目が光る女性の話。初演時にタイトルを聞いて目がチカッと光るのを想像してましたが、車のヘッドライトのごとくピカーッと光ります。乙井順はその奇病(自分でつけた病名、弁償性発光神経症)のせいで辛い人生を送っていた。彼女の父は原宿駅の駅長だったが、数ヶ月前に線路に落ちた坂上忍を助けようとして死んでしまった。そのため彼女が相続した原宿駅を20億だの30億だの適当な金額で買い戻そうとJR東日本が彼女をつけねらう。JR東日本は見せしめのために原宿駅を閉鎖した。そのため竹下通り商店街は廃れる一方だった。商店会会長の池谷は、それならばと新原宿駅の建設に動き出した。土地がみつからないので代々木と新大久保の中間あたりにつくろうと思う。新原宿駅、略して新宿駅である。
乙井の担当精神科医である立本は自分では歯が立たず、10年前から行方不明になっている伝説の盲目の精神科医・小村を探して、元患者で助手の細川とともにテキサスの酒場にやってきた。そこでみつけた小村は、しかし多重人格で、今は病気は完治し、精神科医の人格は10年前にいなくなっていたのだった。自殺未遂を繰り返す乙井のために、小村は病気を再発させる決心をする。
その頃、宇宙船の中ではクーデターを起こして艦長におさまった池谷を追い払おうと、部下たちが画策していた。
自分ではかなり的確なあらすじを書いているつもりです。
演劇弁当猫ニャー 本多劇場
作・演出
    ブルースカイ
美術 秋山光洋
衣裳 猫ニャー衣裳部
    畠山和美
照明 山口功一
映像 仲井陽
乙井順
小村裕次郎
池谷のぶえ
立本恭子
細川洋平
村瀬香奈
西部トシヒロ
咲野雅司
小澤敏彦
荒井隆司
久保貫太郎
高木康寿
藻田るり子

(声の出演)
 安彦晴江
 島崎陽一郎