*「音を集めて過ごす夜」

銀色の星がちらばる宇宙のどこかに、音使いたちの集まるおおきな樹があります。
年にいっぺんだけ、西の星が東へ移動する季節になると、一人一人好きな楽器を持ってやってくるのです。
いつも誰ともなく弾きだして
だんだん音が加わって
いつの間にかひとつの音楽になって
空一杯にやわらかく広がります。
そして音色はどこまでもおだやかで、樹の住人たちもうっとりとしています。
今日はなんだかさわやかな香りが漂ってきました。
集まってきた音のかけらがぶつかり合って、それが香りの粒になっているようです。
それがあんまり気持ちいいので、夜空がこっそりと、大きく伸びをしました。
油彩 (P40)