*「夜飛犬」
(ぼくは今日も空を行く)
ぼくは毎晩この森の見回りをしている。
見回り用のロケットたまごは、毎晩新しくしていてくれる。
ぼくだけが知っているひみつの合言葉で飛び出てくるんだ。
そしてこのロケットに乗っていくんだよ。速さや向きも自由自在。
今日は遠くで何か聞こえてくる。生まれたばかりの星がぴかぴか光ってる音。
もし誰かがこわい夢を見て泣いていたらなぐさめてあげる。
もしねぞうの悪いコマドリのひなが、おうちから落っこちていたら元にもどしてあげる。
そして広場の目覚まし時計がちゃんと動いているか、たしかめる。
だって、もし遅れたり、止まっていたりしてたらみんな寝坊しちゃうもの。
森のおばけだってこわくないよ。この森はぼくがいるから大丈夫。
…これが今のぼくのゆめ。大人になったらかなうといいな。
「お前ならきっとできるよ」見回りから帰ってきたとうさんがそう言ってくれた。
油彩 (231x142mm)