*過去日記*



4月1日(火) Poco Nuvoloso
ときどきメールのやりとりをしている、ドロミティのふもとで土産物店を営むシニョーラから、ぽんとメールがきた。『ただの好奇心なんだけど、あなたの名前の意味は何?』だって。
日本人の名前にはたいていそれぞれ意味がある、と知っているヨーロッパの人は多く、こちらが日本人だとわかった瞬間、「atsukoっていうのはどういう意味の名前?」と興味津々に質問されることは多々あった。学校でもクラスが替わるたび訊かれていたのだけれど、私が「mare calmo(穏やかな海)だよ」と答えると(英語のときは、calm oceanだよと答えることに決めている)皆がほぅっとちょっぴり憧れのこもったような感心したような目で見てくれるのはなかなか気分のよろしいことで。ほかの日本人もそれぞれが「私は‘リッチな子’」「私は‘正義’」などと並べると、なんだか私たちって実は密かに何者?みたいな気分にさえなったりして。
うまく説明できないド初級レベルのうちは「じゃあこれから日本に行っても、静かな海を見たら‘これはatsuko!’って言えるね」などと言われると、いやそうじゃないんだけど・・・今の私の語彙力と会話力で何と言えばいいのやら・・・と困ってしまったものだった。今もできれば紙とペンを持ち、いろいろな象形文字の説明なぞからレクチャーするほうがずっと好きな私。

4月9日(水) Poco Nuvoloso?
先週末、007とピノッキオを立て続けに観に行った。
007はTの趣味に付き合って近年観に行っているのだけれど、毎度数日経つと内容をスッカリ忘れてしまうのよね。今回はわりと面白いと思ったはずなのに、早くも記憶は薄れ気味・・・。
ピノッキオ関係の話と自国文化の話をイタリア語の先生と授業で話していて、そのふたつから自然に「日本人は外国のことを知りたがる前に自分の国のことをもっと学ぶべきじゃない?」と言われた。それは留学前に母からさんざん言われたし、自分の自国に対する無知さも痛感していたことだ。「若い日本人は特に、日本の昔からの文化をあんまり大切にしてないよね、茶道とか着物とか。アメリカや西洋文化はかっこいい!イタリアもの?素敵!とすぐ飛びつくのにさ。残念だよ、僕たち西洋人からしたら日本独自の文化がとっても興味深いのに。」と言われ、「うーん確かに私、茶道に興味ないし着物にも興味ないなぁ・・・」と答えると「残念。」とぽつり。
そして、イギリスの18才〜27才の十人ほどのクラスで、先生はもとよりヨーロッパ人クラスメイトはみな黒澤監督の日本映画を観たことがあったのに、私を含めた日本人三人だけが揃って観たことがなかったことを思い出した。そんな余計な話をしたため「ほらね、そうなんだよ日本人は」と言われてしまう。「キタノのたとえば‘花火’っていう映画にしても、僕の周りのイタリア人は全員観ているしキタノはすごい、ってみんな言うのに、日本人の知り合いで‘花火’を観たことのある子はだぁれもいないんだよ」「私も見てないよ。・・・思うに、彼は日本人の間では偉大な映画監督というより一コメディアンの印象の方が強かったからじゃないかなぁ。」
「ベニーニだってイタリアのテレビではただのコメディアンでバカ言ってるだけだけど、彼の映画はイタリア人みんな大好き。日本人も彼の映画が好き。キタノはイタリア人からはとても受けているのに日本人からはそうでもないよね。」
うーむ、私の周囲に限ればその通りかも。ファンも実は絶対たくさんいるはずだけどね。
個人的には、彼は残酷なイタイ場面のある映画を作っている印象のほうがあるので身構えてしまい、観る気がしなかった。でもたしかに私も、日本の文化をもっと知らなければと本当に思っているよ。

4月16日(水) Sereno
なんだか絶不調。はやく4月が終わらないかなぁ。・・・
ゴールデンウィークとともに新職場で気分一新が楽しみなんだけど、今はただもうひたすら自分のアンテナが折りたたまれっぱなしって感じ。最低に低空飛行というか・・・めずらしいよ。
今週中にはボーリング・フォー・コロンバインを観に行くのがささやかな楽しみ。
全く関係ないけれど、北欧風(だか、ただの欧風だかわかんなくなっているが)に天井に電灯のない生活にミョーに惹かれる今日この頃。雑誌で北欧インテリアの特集を立て続けに目にしたのと、日本の部屋の蛍光灯が明るすぎて落ち着かず、日本人家庭での夕食に招待されるのを苦痛がっているイギリス人が筆者の周りに多いという記載のある本を読んだからか。単純に影響される私。小さいランプを部屋の隅っこにぽんぽんとおいて、ぼんやりほの暗いオレンジ色の光で生活したい。日本も昔はきっと行灯なんかでそんな雰囲気の生活をしていたに違いない・・・。
・・・いくら憧れたって、天井にはもうペンダントライトがついちゃってるから当分無理だわさ。

4月22日(火) Sereno
最近、LUSHの製品に凝っている。お店の周りはもういーい香りで買う前からわくわく。
今のソープは砂の層つきでレモンの香りが爽やかな‘サンドストーン’、シャンプーは初挑戦の石鹸型ソリッドシャンプー‘午後のお茶’。すっきり洗えるしやさしいカモミールの香りがとっても心地いい。思ったより使い勝手もいい。が。翌日自分の周りの空気がふっと動いたときの匂いで気が付いた。このカモミールの香りは、実家にある犬用シャンプーと同じだ・・・。犬用シャンプーがカモミールの香りというのもなかなか素敵なんだけどさ。
ほかに、浴槽につかる習慣のない私でも香りの素敵さに思わずつられてバスボムという入浴剤の爆弾状カタマリをいくつか買って、部屋のあちこちに置いてみる。
三日くらいしかルームコロンの役割は果たさないけれど、花びらがぽろぽろはみ出た外見といい、派手めな植物の香りといい、あー幸せ。動物実験をまったくしないという企業理念もよろし。

4月30日(水) Nuvoloso
4月の末は諸事情あって3泊4日の愛知県の旅をした。
味噌煮込みうどんと、ひつまぶしと、知多半島の先っぽは海の幸がとてもとても美味しかった。
が、神戸に山ほどある(?)三井住友銀行が、名古屋や刈谷や高浜や、そこら周辺にひとっつもなかったのには驚いた。さすが元東海銀行でもあるUFJは充実していたけど。
そのほか一般家庭や商店で中日新聞がいちばん広く購読されているように見受けられたのも、新鮮。別にいいんだけど、私が大阪新聞や神戸新聞を購読しようとは思わなかったからさ。
でも一番ふしぎだったのは、熱田神宮前の横断歩道で、鳩にまじってふつーにいた何羽ものニワトリちゃんたち。名古屋コーチンなの?これ。
いやに立派で雄々しく、というか、神々しかったんだけど。






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