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Heavitree Parkにて エクセターでのホームステイ先はHeavitreeというエリアにあった。 ここには他のイギリスの街同様に大きな公園があり、登下校のときは近道なので毎日欠かさず突っ切っていた。 夏には芝がすごい勢いで伸びるため2週間に一度の割合で大芝刈車で刈られ、朝の登校時に5分くらいかけて公園を突っ切る頃には、靴が朝露による泥と芝草の塊と化してしまう。 下校時には近隣の男の子たちがサッカーボールを追いかけたり、犬同士の追いかけっこやボール追い競争が繰り広げられたり、ちっちゃな子供たちが水遊びをしたりしている。 いつも思うのは、日本にはまだまだこのようにただ芝生と木々だけのだだっぴろい公園が少ないよなぁ、ということだ。こういう公園にある木陰のベンチで読書をしたりのんびり宿題をするのが私のお気に入りだった。たまに人なつっこい大きな犬が、はしゃぎすぎ勢い余ってベンチの私のひざに飛び乗り、ノートに泥とよだれを吹き飛ばしてきたりというハプニングもある。 ![]() ある日の夕方、このHeavitree Parkでいつものようにだらだら宿題をしていると、子供を連れて通りかかった若い女の人に「ハロー、何してるの?」と声をかけられた。 英語の勉強・・・、と答えると、彼女は「私も英語を勉強中なの」と。 彼女はドイツ人で、イギリス人の家庭にオーペアとして住み込みながら英語の勉強をしているという。 どこに住んでるの? 私も近くの家に住んでて、今はその家の子供たちを連れて散歩に出てきたの。 かわいい子たちでしょ? でもなかなか大変。・・・ 彼女はにこにこと、でも訴えかけるようにいろいろしゃべってきた。「大変だけど、英語を勉強したいからがんばるの。 あなたもがんばってね!」と、うなずいて聞いているだけの私を励まして、彼女は子供たちを引き連れゆったりと歩いていった。 それだけのことだったけれども、なんだかふっと、共にがんばっている人がここにもいた、というような不思議な嬉しい気持ちが湧いて、印象深いできごととして心に残った。 日本ではオーペアとして外国に住むことが禁止されているらしいが、このようにヨーロッパ人でオーペアをしている人は結構いたように思う。 (写真はHeavitree Parkの、ほんの一角) イギリスの花々 春にはまだまだ早いうちから着々と植物達が花ひらく準備をととのえて待っている。 さむーいうちに咲くスノードロップ、そして2月終わりには、水仙が庭や遊歩道や公園にあふれんばかりに咲く。 イギリスに来て、頻繁に耳にするためまず最初に新しく覚えた英単語が‘Daffodil 水仙’だった。 イギリスでのあの乱れるように群れ咲くさまは、スイセンと呼ぶよりも‘ダッフォディル’と、なんだか厚ぼったいような粉っぽさのある音の方が似合う気がする。 ちなみに最初に覚えた動物の名前はHedgehog(ハリネズミ)。 両方ともイギリスの象徴的なもののようで、街なかのカードショップには水仙DaffodilとハリネズミHedgehogの図案のカードはやたら多い。今もハリネズミの絵を見かけると‘これはイギリス人が描いたのでは・・・’などと思ってしまう。 脱線ついでだが、生きて動いている野生のハリネズミは見なかったけど、道で車に轢かれてぺったんこになった状態ではさんざん見かけた。あと、轢かれものでは野うさぎちゃんも頻繁に見かけた。 エクセターを流れるエクセ川をたどっていくと、のどかな草原が広がる格好のお散歩コースになり、そこでは夏の夕闇の頃、無数の野うさぎがぴょこぴょこ動き回るのを眺めることができる。 薄暗い草原に遊ぶ茶色くちっちゃな野うさぎ達をシーっと息をつめて見るのは私にとって非日常的で、感動したおぼえがある。 そういえばヒースロー空港でもちらほら野うさぎを飛行機の窓から見かけることがある。 さて、春の花の続き。 エクセターでは住宅地だったこともあり、毎日あらゆるおうちの庭を眺めながら歩くことができた。 ガーデニングの国だけあって、道行く人に庭を‘見せる’ため柵や生垣は低く作られており、感心して時には立ち止まりながらお庭見物をしていた。 水仙だらけの時期が終盤にさしかかると、各家庭の庭や公園では一斉にブルーベルが咲く。 私はブルーベルが大好きで、ペンハリゴンから出ているブルーベルの石鹸やトワレをよく買っていた。 ブルーベルの頃にはだいぶ気温も上がり、どの家でもチューリップとアネモネが賑やかに庭を飾る。 そして4月の末から5月、ぽかぽかお天気に気持ちが良くなってくるとバラが満開となる。 庭の柵やおうちの壁や公園にも、バラが咲き乱れる、という言葉がぴったりなくらい咲く。 私の記憶による春の花のしめくくりはリラ。寒い間は気づかなかった大木が実はリラだったりして、いい香りをさせてやさしいうすむらさき色の花の房が風に揺れるのを眺めるのは至福モノだ。 バラとリラの頃にはすっかり暖かくなり、花好きの私はあぁイギリスにいられてよかった、と幸せをかみしめた。 もちろんここに挙げた以外にもたくさんの花々が咲いているのだけど、これらの開花の流れが代表的なものとしてとても印象的だったのだ。 ![]() ステイ先のお庭に咲いた5月のリラ |