しばらく、「戦争」関係の上映会が続く、VIDEO ACT!だが、この日も過去の戦争に
目を向けた3作品を上映した。今、「過去」と書いたが、上映した3作品とも、「今」
語るべきことを語った作品だった。
『日本軍がたどった南京への道をゆく』は、小学校の教師である湯本雅典さんが、昨
年、小泉首相が靖国神社に参拝した、丁度同じ時期、南京を訪れた記録だ。一見、旅
行記風に進み現在の南京の街並みも興味深いが、今も残る南京虐殺で殺された人の遺
骨が重いものをつきつける。また、小泉首相に対する街の反応、あるいは今の日本に
対する反応なども丁寧に拾われていく。
『日本の「慰安婦」問題』は、ビデオ塾が製作した作品だ。今まであまり語られてこ
なかった日本における慰安婦問題から解き明かし、女性国際戦犯法廷での、元日本軍
兵士が語る「強姦」「慰安婦」についての生々しい証言が私達を揺さぶる。
上記2本がストレートに事柄を伝える作品だとすれば、『GO!GO!fanta-
G』は、まるで映像漫才・ボケツッコミドキュメンタリーとでも言える作品。監督で
ある清水浩之さんは、自らの父にカメラを向ける。この父と言うのが、「新しい歴史
教科書を作る会」会員なのだ。得々と「新しい歴史教科書」について語る父に、タイ
ポグラフィカルな字幕で突っ込みが入る。まあ、一種のおちょくりでもあるのだが、
そのことによって父のメンタリティーが浮かんでくる。「新しい歴史教科書」を求め
る心情が“ファンタジー”を求める心情と重なることを絶妙に看破。特に今回、上記
2本と続けて見たことによって、笑いの衝撃度が倍加した、と思う。
上映後はいつものトーク&ディスカッション。「普通のおじさんが戦場で豹変する」
精神構造などが語られる。また、『GO!GO!fanta-G』は「入門編」で、
「中級編」「上級編」が欲しい、という会場からの発言もあった。司会の土屋さんが
「表現技法」について話を振ったが、少しずれた話になったのが少々残念。まあ、そ
の続きは2次会で楽しくやったのであった。