若くて元気なうちはそれほど考える事もないが、やがては確実に自分にもやって
くる"老い"。
僕自身40歳になってちょっとは考える事が増えたものの、いまでも両親は健在だ
し家族や親戚から離れて一人で好きなように生きていると、歳をとることや歳を
とった人の気持ちを考える機会は、やはり少ない。
ビデオアクト上映会では、これまでさまざまなテーマで作られた自主ビデオを紹
介してきたが、このテーマは初めてだった。正直言ってこのテーマではそんなに
人数は集まらないのではなどと失礼な事を思っていたのだが、フタを開けてみる
と約40人が参加し、トークも充実した上映会となった。
スタッフの一人、本田孝義さんが今回の作品を見つけてきたのは、日本最大の映
像コンテストである東京ビデオフェスティバルの入選作品群の中からだった。コ
ンテストの応募者の分布を見ると、実はシルバー世代のビデオ作家の割合が多い
という。その中には写真コンテストのように風景や建物・祭といった「撮影テク
ニック」を披露するような作品も少なくないようだが、自らの"老い"に目を向け
た作品というのもある。今回紹介したのは、そうした作品だ。