
同時上映 『隣のくにへ』
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3月26日、第21回VIDEO ACT!上映会が行われた。今回の上映会は、新聞等でも紹介さ
れたので、スタッフも観客の集まりを期待していた。 開場時間前から、ぞくぞく人が集まり始める。上映時間になると、今までの上映会の 中でもかなり人数が多い上映となった。観客が多い、というのは上映会をやってい て、また次につながるエネルギーにもなる。 |
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始めに、湯本雅典さん制作の『隣の国へ〜日本を見つめる韓国の若者たち〜』が上映
された。湯本さんが日本で出会った韓国からの留学生達に、自衛隊の派兵をどう思う
かを尋ね、彼らとともに、韓国に向かう。 作者も意外に思っているように、韓国の若者の中には、自衛隊の派兵を気にしていない者もいる。だが、さすがに日本の侵略を伝える博物館の前では、反応も違ったものになる。 |
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本筋とは関係のない部分で興味深かったのは、板門店での日本人観光客の姿だった。軍事境界線というホットな地帯で
あるのに、いや、だからこそと言うべきか、韓国軍の兵士と記念写真を撮る日本人の
姿が、何よりも雄弁に今の日本人の姿を現しているようにも思える。 本作のキーワードは「未来志向」だろう。とかく日韓の「未来志向」という言葉に、 過去を「忘れて」というニュアンスが込められることがある。作者は、そうした風潮 に危惧を感じ、過去を直視してこそ「未来志向」が築かれることを強調している。 |
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次に、伊藤孝司さん監督の『アリラン峠を越えて』が上映される。とかくセンセー
ショナルに取り上げられることが増えた朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)で撮影さ
れた、貴重なドキュメンタリーだ。 まず、画面は、北朝鮮での旅人となった作者の姿を映し出す。車窓から見える農村の 風景か印象的だ。そして、静かに流れてくる「アリラン」の唄が、深い詩情を醸し出 す。 作者が訪ねたのは、一地方都市。郭金女(クァク・クムニョ)さんを訪ねるためだっ たが、彼女は家に居なかった。病気で入院中であるという。親戚一同で異国からの訪 問者をもてなす様子は、私たちがなかなか知ることが出来ない北朝鮮の人々の姿だ。 陽気に歌い踊るしぐさが印象深い。(蛇足だが、上映後伊藤さんが語っていたところ では、料理として出された蟹は、日本人の目から見れば「豪華」だが、この地方では 蟹がよく獲れるそうで、日本にも輸出されているそうだ。もちろん、彼らも普段食べ ているわけではない。) |
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作者は、郭金女(クァク・クムニョ)さんが入院する病院へ向かう。郭さんがベッド
に横たわる姿は痛々しいが、懐かしい人に会ったように見せる静かな笑顔が胸に迫
る。癌であることが語られ、病院の人は日本軍の性奴隷(従軍慰安婦)とされたこと
も関係があるかもしれないと語る。 画面は、過去に取材した郭金女さんの姿を映し出す。全存在をかけて、搾り出すよう に日本軍の性奴隷とされた体験を語る姿は鬼気迫るものがあると同時に、見ている私 たちに深い問いかけを投げかけているようでもある。 作者は去りがたい思いを抱えながら、病院から静かに去っていく。その思いが伝わっ てくるいいシーンだ。 上映後、多くの観客から、今の北朝鮮報道をどう思うか、という問いが発せられた。 何度も、雑誌等でこれまでも北朝鮮のレポートを発表してきた伊藤さんが言われるに は、北朝鮮を批判するものしか発表できなくなっているそうだ。また、今、郭金女さ んがどうされているか、という質問もあった。当然、気になるところだろう。郭金女 さんは、退院し、自宅に居られるとのことだった。少し、ほっとした気がした。 こういうご時世だからこそ、両作品とももっと見られる機会が増えて欲しい、と思っ た。 |
| 【予告編】 [512K]光ファイバー・ADSL・CATVの方はこちら [56K]電話回線・ISDNの方はこちら |
※参考サイト
「アリラン峠を越えて」制作上映委員会
http://www.jca.apc.org/~earth/iinkai.html
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