インターネット・アクティヴィズム Part 1  〜ネットでの映像配信を通して見えてきたもの
10月13日(月・祭)14時〜
山形国際ドキュメンタリー映画祭
■ニューズリール特集 「ヤマガタ・ニューズリール!」→詳細

於:az七日町(山形市中央公民館)4階 
プレゼンター:小林アツシ(ビデオアクト反戦ストリーミング
反戦ギャル
機動隊ズラ〜リ ■料金
前売券:\800 当日券:\1000
※映画祭全体での3回券 前売券:\2000 当日券:\2500
10回券 前売券:\5000 当日券:\7000
共通鑑賞券 前売券:\10000 当日券:\10000
→チケット購入方法




アメリカによるイラク攻撃に反対して世界中で沸き起こった反戦運動は、それまでの
ものとは質が異なるものだった。
特に2003年の2月と3月にはひとつの日に全世界で1000万人以上が参加したと言われて
いる。戦争が始まる前にこれだけの規模の人々が反戦の声を上げたというのは歴史上
初めてだった。そしてこの世界的規模でのムーブメントは、かつてのような運動団体
の命令系統によって「動員」されたものではなく主にインターネットを通じて世界中
に広まったものだった。

日本では反戦運動の広がり方は若干遅れ気味だった。1〜2月の時点では「世界のあち
こちであんなに反戦運動が盛り上がっているのに日本ではいまいち」という印象だっ
た。しかし3月になって状況は激変した。最も多くの参加者を集めて成功したのは50
もの市民団体やNGOが協力して作り上げた「WORLD PEACE NOW」だった。主催者発表
で3月8日に4万人、21日には5万人が参加し、その数は世界各国と比べるとまだまだ少
ないものの、日本の反戦運動史の中では質的な意味で画期的なムーブメントとなった。
労働組合などの大きな組織による「動員」ではなく「生まれて初めてデモに参加した」
というような個人個人がネットを中心とした情報によって集まり、思い思いの個性的
なプラカードを掲げて「ピースパレード」を行い、かつての「反戦デモ」のイメージ
を一新した。3月8日の映像を見ると、予想以上の人数と盛り上がりに主催者や参加者
が興奮し、恐れを感じた警察が過剰な規制をかけてくる様子が映し出されていて、こ
の日の出来事がいかに歴史的な「事件」であったかがわかる。
WORLD PEACE NOWの最前列 反戦太鼓 カラフルなプラカード

反戦運動は日本全国にさまざまな形で広がった。労組系の動員型デモにも個人が参加
しやすいような工夫がされはじめ、アメリカ大使館前での抗議行動やストリート・レ
イブなどさまざまなスタイルの反戦アクションが行われた。

これだけ反戦運動が広がった要因としては、運動の作り手側がこれまでにはないスタ
イルを作り出した事や反戦アクションに参加する事への垣根を低くした事が大きい。
加えてアメリカの一極支配やグローバリズムに対する危機感も人々を行動にかりたた
せる要素になっていたと言える。

メディア側の要因としては、テレビや新聞などの大手メディアが2月の全世界行動を取
り上げ反戦運動に好意的な報道を行ったことが参加人数の増加につながったのだろう。
しかし残念ながら日本の大手メディアは、世界で反戦運動が盛り上がっている時には
ご都合主義的に反戦運動に便乗したが、その後は「バグダッド陥落」「戦闘終結宣言」
などブッシュ政権による宣伝戦略に乗せられ、次に視聴率が取れるネタを探すかのよ
うに「タマちゃん」や「白装束集団」などの話題に乗り換えていったのが現状だ。
アートでアメリカ大使館を囲もう アメリカ大使館の国旗 アメリカ大使館での抗議行動

「ビデオアクト」は自主ビデオの普及をめざす制作者のゆるやかなネットワークだが、
9.11の事件以降、反戦運動の映像配信をインターネットで行ってきた。残念ながら
大手メディアに比べるとその影響力は大きくはない。しかしながら大手メディアが取
り上げない反戦アクションを取り上げ、信念に基づいて地道に映像を配信し続けた事
によってある程度の支持を集めてきた。
特に2003年の春には大量の映像を配信した。テレビではごく一部のアクションのみが
一瞬流れる程度だが、ビデオアクトのWebサイトではさまざまな反戦アクションの映像
を今でも繰り返し見る事ができる。大規模なピースパレードに参加したひとりの参加
者がその日の映像を見ることによって自分が参加したアクションの全体像を把握する
事ができたり、まだ反戦運動に参加したことがない友人にパレードのようすを伝える
際に役立ったという声を聞いた。また、全国各地で小さいながらも反戦運動をしてい
る人達が、同じ日本で多くの人が反戦の声を上げている映像を見て勇気を得られたと
いう声も少なくなかった。インターネットによる映像の力は、確実に人々に力を与え
ていると信じている。

アメリカのCATVなどでのようなパブリックアクセスがなかなか実現しづらい日本では、
これまで自主映像の多くはビデオパッケージによって流通する事がほとんどだった。
「ビデオアクト」はもともとそうした状況下に対応し流通を共同で行おうとして始まっ
たネットワークだ。
9.11以降の日本ではブロードバンド環境が急速に普及した。それがこの間のインター
ネットでの映像配信を推進し、またそれが注目を浴び多くの人の目に触れるという影
響力の増大に寄与した。

インターネットによる映像配信は、スピード・量などで従来のビデオパッケージを凌
駕する自主映像の発表活動となっているが、それだけに影響や問題点・課題も露呈し
やすい。

肖像権の問題、著作権をどうとらえるべきか、ジャーナリズムなのかアクティビズム
なのかといった問題、運動体とのスタンスの取り方、スタッフの育成・力量など、ド
キュメンタリー制作における共通の課題ともいえるこれらの問題に対しこれまで以上
に取り組む必要がでてきている。

今回のプレゼンテーションでは、「ビデオアクト」が2年間にわたってインターネッ
トによる映像配信を続けてきた中で見えてきた問題点などを踏まえ、海外の事例や未
公開映像も紹介しながら、今後の映像配信における課題を考えてみたい。


          プレゼンター:小林アツシ(ビデオアクト反戦ストリーミング


「ヤマガタ・ニューズリール!」とは?

VIDEO ACT! in YAMAGATA 2003
「山形国際ドキュメンタリー映画祭」にてビデオアクト関連作品を続々上映!


山形国際ドキュメンタリー映画祭
http://www.city.yamagata.yamagata.jp/yidff/home.html

【ビデオアクト反戦プロジェクト】