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あくる朝4匹はトカゲケイコクをあとにしました。 トカゲもヤモリもコンドルも、別れを惜しんでもう少しいてくださいと言ってくれましたが、マスターは少しでも早くエミーに逢いに行きたかったので、他の3匹も旅立つことにしたのです。 4匹は魔法のじゅうたんに乗ると、「エミーのところへ飛んで行け」と唱えました。4匹を乗せたじゅうたんはみるみるうちに空高く上って、トカゲケイコクで手を振るトカゲたちの姿も、みるみる小さくなって行きました。 それからどれくらい飛んだでしょう。じゅうたんは青い海の上を飛んでいました。望遠鏡で海を眺めていたチャピーが叫びました。 「見て見て!!あそこでネコが鳴いているわ」 他の3匹もかわるがわる望遠鏡を覗き込みました。流木に捕まった1匹のネコがこちらに向かって、声を限りに鳴いています。 「きっと漂流してきたんだ。助けを求めているんだよ。」 「すぐ助けに行こう!」 グレが唱えました 「じゅうたんよ、あそこに浮かんでいるネコのところへ飛んで行け!!」 じゅうたんはみるみる急降下し始めました。 4匹はあわてて落ちないようにクロスケのしっぽのようなじゅうたんの房飾りにつかまりました。 じゅうたんはまるで計算したように、そのネコのそばに、水面から1mくらいの高さで止まりました。 グレはロープを垂らしてそのネコにつかまるように言いましたが、そんな体力がないほど憔悴していることがわかりました。 マスターがするするとロープをつたって下りていき、そのネコを背中にのせると、ロープを引っ張るように合図しました。 3匹はけんめいの力で2匹分の重さのロープを引っ張り上げ、無事漂流したネコを助けることができたのです。 そのネコは本来黒と白の縞模様のネコでしたが、よごれてちゃいろっぽくなっていました。何日も食べ物もなく漂っていたのでしょう。ほとんど骨と皮になるほどやせ細っていました。 カノジョ「このままではエミーの家に着くまでもたないかもしれないわ。近くの島で休ませましょう。」 グレが唱えました「一番近い島へ飛んで行け」 じゅうたんはこんもりとした山と、遠浅の海岸線の美しい、小さな島へ降り立ちました。見渡すと、岩場の入り組んだ地形のところに洞窟のような洞穴があります。4匹はそこへ漂流してきたネコを休ませました。 カノジョ「一刻もはやく、お医者さんを呼ばなくては。マスターとグレで、お医者さんを連れてきてちょうだい。それから病人用の毛布と食べ物もお願い。」 マスターとグレはさっそくじゅうたんに飛び乗ると、空の彼方へ消えていきました。 チャピー「私は貝や魚を採ってくるわ。」 チャピーはすもぐりが得意でしたので、サザエやウニ、アワビなどの貝類や、アジやトビウオ、イサキなどの魚をたくさん採ってきました。 カノジョは漂流してきたネコに、イサキを刺身にして食べさせようとしましたが、食べる体力がありません。助け出してから、こんこんと眠り続けているのです。かろうじて呼吸していることはわかりました。 しばらくすると、真っ白いヒゲをはやした、ヤギのお医者さんを連れて、マスターたちが帰ってきました。 買ってきたフカフカの毛布の上にそのネコを休ませて、ヤギ先生が診察をはじめました。 「かなり衰弱していますが、助かりますよ。もう少し発見が遅かったら、だめだったかもしれません。しばらく安静にして、お薬を飲ませてください。」 ヤギ先生は2本の点滴が済むと、又じゅうたんに乗って帰っていきました。今度はチャピーがいっしょに乗って、島で生活するのに使う日常品を買いに出かけました。 カノジョ「よかったわ、目が覚めれば、きっとお食事もできるようになるでしょう。私たちはチャピーが採ってきたごちそうをいただきましょう。」 マスター「すげーな!!あいつ、やるじゃねえか、サザエにウニに、アワビもあるぞ、いつも生意気な小娘と思っていたが、見直したぜ。」 グレ「すもぐりができるなんて、尊敬するよ。ぼくなんか、海にもぐるなんて、想像もできない。それにしてもうまいなあ、それにはるか彼方まで海の底が透けて見える、なんてきれいな海だろう。しばらく暮らしてもいいなあ。」 水平線の彼方に真っ赤に沈んでいく夕日を見ながら、グレたちは、ほっと安堵の時を過ごしました。